IS 女神と少年の物語【作者の受験により投稿停止中】   作:シアン

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ISの原作と合流です。
書き忘れましたが、主人公は原作をほとんど知りません。読もうとして、まとめ買いした日にお亡くなりになった、と言う設定です。
束博士や、織斑一夏等の基本的な所は知っていますが、シャルルがシャルロットだった、みたいな細かいところは知りません。
それでは、どうぞ~


IS学園と青の雫
出発


 あれから、更に1年。

 数々の任務をこなし、実戦にも慣れ、被弾回数は最早、0だ。

 そもそも、あの時の巨大ビーム砲が特異だっただけなのだが。

 ちなみに、右眼は義眼を使っている。博士が作ってくれたものだが、ISから流用したハイパーセンサーが使われているため、意識すれば360度死角はないし、IS学園を全てスキャンも出来る。

 さて、今俺たちが立っているのはいつもの隠れ家じゃない。ここはIS学園の前だ。そして…

 

「むふぅ、ついにIS学園入学だねぇ」

 

なぜか束博士までいるのだ。まあ、それはいい。いや、よくはないが。

 問題はその格好だ。服はいつものエプロン姿、頭にはウサ耳、極めつけはぐるぐる眼鏡だ。変装する気はあるんだろうか。

 

「にしても、随分急な話ですね」

 

隣に居たシアが言う。

 それもそのはず、この話を聞いたのはつい昨日なのだから。

 

 

**********************

 

 

 昨日、部屋で昼寝をしていたら急に博士に呼ばれたのだ。何事かと思ったら、「明日から、IS学園に通ってね!」とか言われたのだ。更には、「私もIS学園に引っ越すよ」なんて言い出したのだ。

 IS学園に通うのはまだいい。けど、引っ越すとは何ぞや。

 それを言うと、何でも、IS学園は世界から独立しているし、ISを扱っている環境があるため、研究やら何やらに丁度いい場所なんだとか。

 

「それに、保護者が近くにいないとねぇ」

 

 この言葉を聞いたとき、一発、殴ってやろうかと思った。

 むしろ、俺らが居ないと暴走するだろう。ISの研究とやらで爆発を起こして、ラボを半壊させたのは記憶に新しい。

 俺が、半眼で睨むと「ゆーくんは素直じゃないなぁ」とか言われた。何をどうしたら、そうなるんだ。

 

「引っ越すのはいいとして、IS学園にそんな場所在るんですか?」

 

 シアが質問する。それも大きな問題だろう。

 

「えっ、作るんだよ?」

 

「「…は?」」

 

 博士の話を要約すると、IS学園内に家を建てるつもりらしい。

 

「そんなことしたら、追い出されるでしょうに」

 

「ふっ、IS学園がそんな強行策にでれると思うかい? この、束さん相手に」

 

 あ、そうだった。この人、天災なんだった。最近、馬鹿が全面に出てて完全に忘れてた。

 

「と、言うわけで…ラボの荷物まとめてね!」

 

「「自分でやれよ(やってくださいよ)!」」

 

 

**********************

 

 

 と、まあ一悶着あったわけだ。

 はぁ、周りの視線が痛い。明らかにこっち見てるよなぁ。

 多分、周りの人は束博士のコスプレした人と思われてるだろう。

 シアからも、コアネットワークで通信が入る。

 

『ユウ、周りの人の視線が…』

 

『…わかってる、皆まで言うな……』

 

『逃げます?』

 

『いや、追いかけ回されて、余計な恥をかくだけな気がする』

 

『そうですね…』

 

その後、入学式まで奇異の視線に曝されることとなった。

 

 

**********************

 

 

入学式が終わり、博士が、「家建てる場所を見繕ってくるね」と、何処かに消えていった所でやっと博士から解放された。

 今は、俺達は一年一組の教室へ向かっている。今日が既に憂鬱になりかけている状態だが。

 

「はぁ、疲れた…」

 

「同感です。もう、休みたい…」

 

 教室に到着して直ぐに机に突っ伏す。だらしないと思うか? なら、数時間、奇異の視線に曝され続けてみろ。

 本気で、やばい。視線に攻撃力があったら軽く、100回は殺されているだろう。

 シアは座ってはいるが、こめかみの辺りを手で押さえている。やっぱり、疲れてるんだろう。

 それから、数十分後。

 

「えーと、大丈夫か?」

 

男の声が聞こえる。このIS学園に置いて、男は俺ともう一人しか居ない。

 

「難なら、保健室でも行ってきたらどうだ?」

 

「いや、大丈夫だ。精神的に疲れてるだけだから」

 

体を起こしながら答える。

 

「そっか。俺は織斑一夏、よろしくな」

 

隣の席に座りながら、自己紹介をしてくる。

 

「俺は、千代紙夕音だ。よろしく」

 

俺達は軽く握手をして、雑談を始める。

 

「にしても、俺以外に男がいるなんてな。一人じゃなくて安心したよ」

 

「ああ、ほんとにな。女だらけなのは、精神的にクるだろうし」

 

 世間一般では、ハーレムだのなんだのと言われるが、そんな生ぬるいものじゃない。

 周りが女子しかいないと、色々問題が発生するのだ。

 しかも、同性がいないのは精神的にきついものなのだ。

 

「にしても、織斑…くん? は何でISを触れたんだ? 男がISに触る機会なんて、そうそうないだろう」

 

「一夏でいいよ。俺も、夕音って呼ばせて貰うな。ああ、それでな『藍越学園』と『IS学園』って…似てるだろ?」

 

「まさか、間違えたなんて言わないよな…?」

 

「そのまさか、なんだよ」

 

「……」

 

 嘘だろ…藍越学園とIS学園を間違えるなんて。

 なる程、こいつはトラブルメーカーと見た。ラッキースケベとか、そのうち起こすんじゃないだろうか。

 

「まあ、入れたし結果オーライだな」

 

「そ、そうだな…」

 

 俺は引きつった笑いを浮かべた。

 

「そらより、さ。…皆こっち見てるよな、これ」 

 

「ああ、間違いなくな」

 

そりゃ、男子が二人だけというのは否が応でも目立つ。しかも、なぜか変な緊張感が漂っており、物凄い静かなのだ。その中で、話してたなら、なおのことだ。

 しかし、いつの間にか入ってきたのか。俺とシアが来たときはまだ人がほぼ居なかったはずなのだが。

 

(沈黙が痛い…)

 

 静か過ぎだろう、幾ら何でも。そこまで緊張するか…。

 そんな中、救いの手が差し伸べられる。

 

「全員そろってますねー。それじゃあSHRはじめますよー」

 

教室に入ってきながら、眼鏡を掛けた教師が入ってくる。なんとなく、気の抜けた声だ。

 服も若干でかいし、柔らかい印象の人だな。

 

「それでは皆さん、1年間よろしくお願いしますね」

 

「……………」

 

 おい、誰か反応してやれよ。この無駄な緊張感もどうにかして欲しい。

 

「じゃ、じゃあ自己紹介をお願いします。えっと、出席番号順で」

 

 若干、うろたえてる。さすがに、かわいそうじゃないか。

 

「は、はい。青笹……」

 

 窓の外へと目を向ける。澄みきった青空。遅咲きの桜の花弁が舞っているのが見えた。しばらく、そうしていると、

 

「……くん。織斑くんっ」

 

「は、はいっ!?」

 

隣から素っ頓狂な声が聞こえた。

 

「あっ、あの、お、大声出しちゃってごめんなさい。お、怒ってる? 怒ってるかな? ゴメンね、ゴメンね! でもね、あのね、自己紹介、『あ』から始まって今『お』の織斑くんなんだよね。だからね、ご、ゴメンね? 自己紹介してくれるかな? だ、ダメかな?」

 

柔らかい印象の人だったが、幾ら何でも柔らかい過ぎだろう。ゼラチン入れ忘れたプリンぐらい柔らかいぞ。いや、それもう卵と牛乳と砂糖の混合汁か。

 

「あ、す、すいません。今します」

 

 そう言って一夏が立ち上がる。すると、女子の目線が一斉に一夏に突き刺さる。

 

「えー……えっと、織斑一夏です。よろしくお願いします」

 

 シンプルな挨拶をする一夏。しかし、女子の視線はまだ一夏から離れない。

 その視線の意味は……『もっと色々喋ってよ』、だろう。多分…。

 

「……………」

 

 その視線を理解しているのか、いないのか一夏は固まっている。趣味とか無いのだろうか。

 

「以上です」

 

 がたたっ、とずっこける音が聞こえる。期待しすぎだろ…。

 しかし、横から、スパァンッといい音がした。

 

「げえっ、関羽!?」

 

 スパァンッ。2度目の打撃音が反響する。にしても、関羽とは? 三國無双でもやり過ぎたのだろうか……

 

「三國志の英雄などおらん。そして、織斑。自己紹介も満足に出来ないのか」

 

「い、いや、だって千冬姉……痛ってぇええ!?」

 

スパァンッ。3度目。なんだ、あの出席簿は。何製だよ。

 

「織斑先生だ」

 

そう言って、教卓の前に歩いて行き口を開く。

 

「諸君、織斑千冬だ。私の言うことをよく聞き、理解するように。出来ないのなら、出来るようになるまで指導してやる。いいな」

 

 何だ? 教室がえらい静かなん……

 

「きゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!」

 

 ぐぁぁあ!? 耳がっ、耳があぁぁあ!?

 

「ファンなんですぅぅうう!!」

「本物よぉおぉぉぉおおお!!!」

「罵ってぇぇぇええぇぇええええ!!!」

 

何だ、この高周波はっ!? 耳がやられるところだったぞ!? と言うか、最後やばいのがいた気がする。

 

「毎年毎年、私のクラスには馬鹿が集まっているのか?」

 

額に手を当てて嘆息する織斑先生。苦労してるな。

 

「席に着け、自己紹介を続けろ」

 

『はいっ』

 

 えらい揃った敬礼だな。軍隊出身かお前らは。

 

 その後、自己紹介は続きSHRは終わったのだった。

 

 

**********************

 

 

 一時限目。基礎知識、つまりは学活だ。学校のカリキュラムやら、寮のルールやら、そんなことが話される。そして、話がISに移ったとき、事件は起こった。

 

「ここまでで、質問はありますか?」

 

 山田先生が生徒達に質問を促す。教え方が上手くて分かり易いし、初歩の初歩だ。入学にあたって渡されたらしい参考書(さっき、山田先生が渡しにきてくれた。入学が急だったので、持ってないからとのこと)があれば余裕だろう。必読って書いてあったし、皆予備知識はあるはず。俺は、束博士のもとにいたから、余裕だ。

 

そんな中、一夏が手を上げる。

 

「はい、織斑くん」

 

「全然わかりません」

 

「ええ!?」

 

先生が驚いている。俺も驚いたがね。

 

「ほ、他にわからない人は、居ますか…?」

 

誰一人、手を上げない。それはそうだろう。さっきも行ったが、参考書を読んでいるはずだからな。

 ここで、織斑先生が一夏によってきた。

 

「……織斑、入学前の参考書は読んだか?」

 

「ジャンプと間違えて捨てました」

 

 スパァンッ。本日四回目の出席簿アタックだ。技の切れは流石は世界最強のブリュンヒルデだ。にしても、ジャンプって……ジャンプより分厚い気がする。

 

「再発行してやる。1週間で覚えろ」

 

「あの分厚さを1週間は、さすがに…」

 

「やれ」

 

「……はい」

 

 怖ぇ。しかしなぁ、さすがにかわいそうじゃないか…。

 

「一夏、わからないことがあったら教えてやるからな」 

 

「助かるよ…」

 

ひそひそと話す俺達。

 授業後、一夏の頭から煙が出ていたのは、見間違いだろう……多分。

 




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本当にありがとう御座います!
では、また次回(。・ω・。)ノシ
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