IS 女神と少年の物語【作者の受験により投稿停止中】   作:シアン

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本当にありがとうございます!
補足ですが、夕音とシアラの専用機の待機状態は指輪です。それぞれ、左手の薬指に付けています。

では、どうぞ(`・ω・´)


戦いの予兆[2]

 翌朝。

 

「……て、起きて下さい」

 

「んぁ……んっ!?」

 

シアに起こされた。それはいい。それはいいのだが……顔が近い。鼻に息があたる位近い。少し動けば唇と唇が当たりそうな位近い。

 おかげで、眠気は吹き飛んだ。

 

「おはようございます、ユウ」

 

「お、おはよう」

 

 ヤバい。心臓がバクバクいってる。息苦しいことこの上ない。

 

「シア、次からは別の起こし方にしてくれ。心臓に悪い」

 

「ふふっ、顔が真っ赤ですよ」

 

「ぐっ……」

 

 仕方ないだろう。幾ら何でもあんなに近かったら、誰でもこうなる。むしろ、ならないやつが居たら本気で尊敬する。

 

「それとも、もっと近づけて起こしましょうか?」

 

「なっ……」

 

 あれ、シアは元女神じゃなくて、元小悪魔だったんだっけ? 

 しかし、やられてるだけと言うのも癪だ。反撃にでよう。

 

「そうだな。じゃあそうして貰うか」

 

「ふぇ!? ……え、えっと…本気なの?」

 

「本気だぞ?」

 

「……………うぅ、またやられた」

 

 俺に勝とうなんて十年早い。第一、焦ってたから気づかなかったけど、今思えばシアも顔が赤かった。やっぱり、恥ずかしかったんだろう。

 

「ふぅ……さて」

 

深呼吸で動悸を落ち着けて、ベットから下りる。

 今何時だ? 備え付けの時計を見る。針は7時42分を指していた。

 まだ時間は充分にある。取りあえずは着替えるか。制服を掴んで脱衣所に向かう。

 シアはまだベットに座り込んでいた。

 

 

 着替え終わって、シアと昨日の話しをする。

 

「昨日、凄かったですね。久しぶりに怒ってるユウをみましたよ」

 

「まあ、な。さすがにあそこまで言われたら、引き下がれないよ」

 

 昨日の事を思い出す。

 ……………うん。やっぱり、イラつくな。

 

「しかしなぁ、面倒なことになった」

 

 正直、勝ちたくないのだ。

 いや、まあ負けたいというわけではないのだが……

 

「クラス代表、やりたくねぇ」

 

 この一言に尽きる。クラス対抗戦だけならやるのだが、委員会とかが付いてくるなら話は別だ。

 まあ、勝つけども。というか、まず負けるわけがないのだ。伊達や酔狂で束博士の護衛をしていたわけでは、ない。

 …………………ん? 束博士?

 

『おっはよーー!!』

 

「うおっ!?」

 

「ひゃあっ!?」

 

 コアネットワークでのいきなりの通信。

 何なんだ。今朝だけで、寿命が五年は縮んだぞ。

 

『やあやあ、お二方。元気だったかい』

 

「今、博士のせいで元気がなくなりましたよ」

 

『にゃははははは、冗談きついよゆーくん』

 

 ……今度、割と本気でしめとくか。

 

『な、何だろう、身の危険をヒシヒシと感じるよ…』

 

 いい勘をしているじゃないか。

 

「束博士、今どこにいるんですか?」

 

『家の中』

 

「もう出来たのか……」

 

 昨日だけでもう、出来たのか。物理的に無理な気がするが、博士だしな。マ○ンクラフトのように作ったんだろう。

 

「そうですか。家は平気なんですか? ISで壊されて攫われた、なんてシャレになりませんよ?」

 

『大丈夫、大丈夫。この家はゆーくん達のISでぎりぎり壊せるか壊せないか位の強度だから』

 

「ビームシールド、張ってるんですね」

 

『そうそう、理解が早いね。さすが私のボディーガードだね』

 

 まあ、俺達のISでしか壊せないとしたらそんなもんだろう。

 それはそうと……

 

「もう時間だな。飯食いに行くか」

 

 時計の針は8時を指している。

 

「あ、そうですね。それでは、束博士。このぐらいで……」

 

『いってらっしゃーい。その内、来てねー』

 

「了解了解っと」

 

 そう言って通信を切る。

 今日も一日頑張りますか。

 

 

**********************

 

 

「なあ……」

 

「………………」

 

「なあって、いつまで怒ってるんだよ」

 

「……怒ってなどいない」

 

「顔が不機嫌そうじゃん」

 

「生まれつきだ」

 

 食堂に着くと、一夏と箒さん(…だったか?)が飯を食べていた。

 

「おはよう、一夏、篠々之さん。隣、いいか?」

 

「ああ、おはよう、夕音……とシルバーベルさん? 別に構わないけど?」

 

「シアラ、でいいですよ。織斑さん」

 

「そうか。それじゃあ、俺も一夏って呼んでくれ」

 

「わかりました、一夏さん。それじゃあ、失礼しますね」

 

 シアは篠々之さんの隣の席に着き、俺も一夏の隣の席に着いて、話しかる。

 

「んで、なにがあったんだ。一夏」

 

 ラッキースケベでも起こしたんだろうか。

 

「いや、箒がな──」

 

「な、名前でよぶなっ」

 

「………篠々之さん」

 

「…………」

 

 名字で呼ばれた篠々之さんはむすっとした表情を浮かべていた。

 

「お、織斑くん、千代紙くん、隣いいかなっ?」

 

「「へ?」」

 

 見ると、女子三人組がトレーを持ってこっちを見ていた。

 

「俺は構わないよ。一夏は?」

 

「大丈夫だぞ」

 

 俺達がそう言うと、三人はやった、と言いそそくさと席に着いた。

 女子に一夏を挟んではさまれた。女になってしまうんだろうか、オセロみたく。……ないな、うん。

 

 周りからは妙なざわめきが聞こえるが、気にしたら負けだろう。

 

「うわ、織斑くんって朝すっごい食べるんだー」

 

「お、男の子だねっ」

 

「俺は夜少なめに取るタイプだから、朝たくさん取らないと色々きついんだよ」

 

「千代紙くんはそんなに食べないの?」

 

 げっ、話し振られた。俺のコミュニケーション能力でいけるのか…?

 

「お、俺は逆に夜多めに取るタイプだからな。なんか、朝はあんま食えないんだよ。体がまだ起きてないって言うのかな」

 

「そうなんだー」

 

「私はいつも、あんまり食べらんないんだ」

 

「へえ、女子ってあんまご飯食わないんだな」 

 

 一夏、ナイスタイミングだ。

 …ふぅ、何とかなったな。しかし、以外といけるもんだな……。

 

「織斑、先に行くぞ」

 

「ん? ああ。また後でな」

 

 篠々之さんはご飯を食べ終わって席を立っていく。

 食べるの早いな……

 

「織斑くんって、篠々之さんと仲がいいの?」

 

「お、同じ部屋だって聞いたけど……」

 

 ああ、なる程。だから一緒に飯食ってたのか。

 

「ああ、まあ、幼なじみだし」

 

 驚愕の事実発覚だ。まさか幼なじみだったとは……。周囲も大いにどよめいていた。なる程、初めて周りの気持ちがわかったぞ。

 

「え、それじゃあ──」

 

と、一夏の隣の谷村さん(…だったか?)が質問をしようとしたところで

 

「いつまで食べている! 食事は迅速に効率よく取れ! 遅刻したらグラウンド十周させるぞ!」

 

 織斑先生の声が通る。グラウンド十周か、それはヤバい。一周五キロあるグラウンドとか、想像できるか? しかも、十周のおまけ付き……おまけ所の騒ぎじゃないか。

 取りあえずは、飯を食おう。そう思い、白米を掻き込む俺だった。

 

 

***********************

 

 

 二時間目の休み時間。隣では一夏がダウンしていた。毎回の授業の後にこれである。でも、次の授業前には復活しているのだから不思議である。

 こいつの前世は、明○のジョーかムス○大佐に違いない。

 そんなこんなで、三時間目も終了。再びダウンした一夏の元に女子が群がる。

 

「ねえねえ、織斑くん!」

 

「ヒマ? 今日ヒマなの!?」

 

「はいはーい、質問しつもーん」

 

 そして、一夏に群がる連中が居ると言うことは……

 

「千代紙くん! 今日の放課後遊ぼっ!」

 

「あ、ずるい! 私も!」

 

「部活見に来ない!?」

 

 当然俺に群がる連中も居るわけで……

 

「うっ、くっ……」

 

 女子のプレッシャーはここまで、強いものなのか……!?

 誰か、助けてくれ……!

 

     スパァンッ。

 

 最早、聞き慣れた音が聞こえた。

 

「休み時間は終わりだ。散れ」

 

 織斑先生……! 今だけは鬼が天使に見える……!

 

     スパァンッ。

 

「ぐぁ…!」

 

「失礼な事を考えるな、馬鹿者」

 

 心が読めるのか……!? まさか織斑先生がさとり妖怪だったとは……。第三の目はどこだろう。

 

     スパァンッ

 

「すんません…」

 

「わかればいい。それと、千代紙とシルバーベルは私のところに来るように。これは別件だ」

 

 大方、博士の事だろう。話す事もたくさんあるだろうしな。

 

「あー、それと織斑。お前のISだが準備まで時間がかかる」

 

「へ?」

 

「予備機がない。だから、少し待て。学園で専用機を用意するそうだ」

 

「???」

 

 教室中にがざわめいた。

 一夏、事の重大さに気付いてないのか……。

 

「せ、専用機!? 一年の、しかもこの時期に!?」

 

「つまりそれって政府からの支援が出てるってことで……」

 

「ああ~。いいなぁ……。私も早く専用機欲しいなぁ」

 

「織斑、どういうことかわかるか?」

 

「………!」

 

 少し間をおいてから、一夏がハッとする。どうやら気づいたらしい。

 

「つまり……凄いことなんだな」

 

 がたたたっ。ずっこける女子が大勢いた。

 一夏……俺が甘かったようだ。

 

「織斑……教科書六ページ。音読しろ」

 

「あ、え、えっと……『現在、幅広く国家・企業に技術提供が行われている……(中略)……し、すべての状況下で禁止されています』……」

 

「つまりさういうことだ。本来、IS専用機は国家あるいは企業に所属する人間しか与えられない。が、お前の場合は状況が状況なので、データ収集を目的として専用機が用意されることになった。理解できたか?」

 

「な、なんとなく……」

 

 まだ、なんとなくなのか、一夏よ……

 キーンコーンカーンコーン。

 

「さて、授業をするぞ。席に付け」

 

 そうして、四時間目も何事もなく終了。休み時間になり、すぐさまやってきたセシリアは腰に手を当ててこう言った。

 

「安心しましたわ。まさか訓練機で対戦しようとは思ってなかったでしょうけど」

 

「そうかよ……あれ? 夕音はどうすんだ?」

 

「心配には及ばないさ。俺も、専用機を持ってるからな」

 

そう言って左手を掲げて見せる。薬指にはめてある。指輪が白い輝きを放っている。

 

「へぇ、夕音も持ってるのか。すげぇな」

 

 その一言で片づけられるお前も凄いよ。

 

「ふん。まあ、どちらにせよ勝負は見えていますけど? さすがにフェアではありませんものね」

 

「ふーん、じゃあお前も専用機持ってるんだな」

 

 一夏が返す。

 

「ええ、もちろん。世界の467機のISのうち一機をわたくしがもっているのです。つまり、専用機を持っているわたくしは、六十億人超の人類の中でもエリート中のエリートなのですわ」

 

「そーなのかー」

 

 取りあえず、適当に返しておく。

 

「あなた、本当に私を馬鹿にしてわすわね……!?」

 

「さあ、どうだろうな?」

 

 ニヤリと、不敵な笑みを浮かべる俺。

 

「……まあいいですわ。どちらにせよ、このクラスで代表にふさわしいのはわたくし、セシリア・オルコットであることをお忘れなく」

 

 髪を手で払って回れ右。そのまま立ち去っていった。

 

「んーー、さて、飯でも食いに行くか。……シア、一夏、篠々之さん。一緒に行こうぜ」

 

「おう、そうだな。箒、いこうぜ」

 

「……わかった」

 

 この後、一夏が篠々之さんにISの事を教えてくれるように頼んだり、そこに三年生の先輩が乱入してきたりと色々あったが、この日は何事もなく終わった。

 




次回はいよいよ、戦いです。…………多分。
束博士の話でどれ位場所を取るかによるんですがね。

それでは、また次回(。・ω・。)ノシノシ
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