IS 女神と少年の物語【作者の受験により投稿停止中】   作:シアン

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昨日は間違えて投稿してしまいました。すみません。
ご指摘してくださった方、どうもありがとう御座います。
それでは、どうぞ


代表決定戦、開幕

 

「さて、束の事だが」

 

 職員室なう。withシア。他の教員の方々からめっちゃ見られてる。

 織斑先生、普通に話してないで場所を変えてください。

 

「まずは、礼を言おう。ありがとう」

 

 頭を下げる、織斑先生…………ファ!?

 

「えっ、ちょ、頭を上げて下さい。織斑先生!?」

 

 先生、更に視線が増えたから。本当に止めて下さい。また、憂鬱になるから。

 

「まあ、それでだ。ここ数年間のお前達の状況を聞きたい。何があったのかを詳しく話してくれ」

 

「えーとですね……」

 

 博士について様々な事を話した。勿論、俺達がボディーガードをしていた事もだ。

 その上で、任務で右目を失った事も話した。

 

「……そうか。すまない、辛いことを話させてしまったな」

 

「いえ、大丈夫です。そこまで、辛いことじゃないですから。ね、ユウ」

 

「ああ、そうだな。そんな顔しないで下さい」

 

 まあ、実際楽しい時間だったしな。

 

「わかった。それで、もう一つ聞きたいのだが……あの家はいつ出来た? 昨日までは何も無かったはずだが……?」

 

「あー、それは……俺達もよくわからないんですが、昨日の夜中に出来たんじゃないですかね」

 

 それしか、考えられない。いくら、博士も咲夜さんみたいな事は出来ないだろう。………出来ないよね?

 

「まあ、そうだろうな。こちらとしては黙認しているがな。束が学園に居るというのは、何かと扱い安い」

 

 博士がもの扱い……。さすがは織斑先生だ。

 

「すまなかったな。もう、行って良いぞ」

 

「わかりました、失礼します」

 

 そう言って、職員室を出るのだった。

 

 

***********************

 

 あっと言う間に時間が過ぎた。時間は飛ぶ鳥のように早い。誰かがそんな事を言っていたな。まさにその通りだな。

 今日は月曜日。つまり、セシリアとの対決の日だ。

 あの後、くじ引きにより俺とセシリアが戦い、勝者が一夏と戦う事になった。

 そして、第三アリーナBピット。

 俺は装備の最終チェックをしていた。博士が作ったものだし、滅多な事では壊れないはずだが。

 

「白月も異常なし。これで全部か」

 

 ふと、一夏のことが気になった。専用機がまだ来てないとか言ってたからな。

 でも、まあ、さっき多分間に合うだろう。試合が延長になってないからな。

 

「さて……」

 

 ゲート解放まで、後一・一七五四三六七一(以下略)秒。戦いが始まる。

 

 

***********************

 

 

「あら、逃げずに来ましたのね」

 

 ふふんと鼻を鳴らしながら言う。相変わらず、面倒くさい奴だ。その自信はどこから来るのだろうか。

 

「はいはい、来ましたよ」

 

 面倒くさいから、やっぱり適当に返す。しかし、セシリアは特に気にした風もなく、

 

「なら、よく聞きなさい。最後のチャンスをあげますわ」

 

 とか言ってきた。

 

「へー、そりゃあありがたいねー」

 

「なんですの、その態度は? チャンスなど要らないと?」

 

「ああ、要らないな。それとも、負けるのが怖いのか?」

 

「ふんっ、いいですわ。なら、叩きのめして差し上げましょう!」

 

 そう言って、ビームライフルをこちらに向け、撃ってくる。

 俺はそれを最低限の動きで躱す。

 

「さあ、踊りなさい。わたくし、セシリア・オルコットとブルー・ティアーズの奏でる円舞曲で!」

 

 そう言って、ビットを飛ばして射撃を続けるセシリア。

 その全てを最低限の動きで躱していく。

 激しい射撃が俺を襲う。けど、これはあくまで射撃だ。弾幕にはほど遠い。某有名弾幕ゲームの最高難易度をクリアした俺の敵じゃない。

 鬼畜だったなぁ、あの弾幕は。いや、どうやっても避けらんないだろ! と何度叫びたくなったことか。

 まあ、一回叫んで同じマンションの人から苦情きたから叫ぶのはやめたけど。

 

「くっ……ビット──!」

 

 全く関係ない事を考えている内にセシリア某が再びビットを放つ。

 羅雪が情報を送ってくる。

 『敵、特殊武装展開。

   方位及び距離

    ──13605716

    ──26215911

    ──15509918

    ──25612909』

 機体を数センチ動かして回避する。

 さっきからこのパターンだ。

 

「っ、避けるだけでは、戦いは終わりませんことよ?」

 

「そうかい、それじゃあ……攻撃させてもらおうか!」

 

 再び、最低限の動きで攻撃を躱し右手にビームライフル(蒼穹白雪)をコール。速射する。

 

「なっ」

 

 途端にビットの攻撃がやみ、セシリアが横に回避する。

 こう言うのはビットを先に処理するものなのだろうが、問題ない。本体を墜とせばいい。

 しかも、どうやらセシリアは独立起動武装を完全に使いこなせていない。ビットの操作中に、本人が動けないのがその証拠だ。

 

「はぁぁぁあああ!」

 

 光の翼を起動。右手の得物をビームサーベル(白月)に変えつつ、瞬時に加速してセシリアに迫る。

 

「なっ!?」

 

 セシリアも反応は出来たようだ。が、無駄だ。羅雪のスピードの前に反応など無意味。

 超高速でビームサーベル(白月)を振るう。

 ピンク色の粒子の軌道がセシリアの視界を覆う。

 シールドエネルギーが物凄い勢いで減少していくのが、感覚でわかる。

 

「終わりだ……!」

 

 回し蹴りを腹部に叩き込み、荷電粒子砲(赤雪)を放つ。

 

「くっ、あ……」

 

 絶対防御が発動し、シールドエネルギーがゼロになった事を知らせるブザーが鳴り響く。

 

『試合終了。勝者──千代紙 夕音』

 

 よし、勝った。まだまだ、勘は鈍って無いらしい。

 何はともあれ……あれ?

シールドエネルギーがゼロになった後、機体はどうなるん……「きゃあぁぁぁぁぁぁあああ!?」

 だっけ、と続けようとしたところで悲鳴が聞こえる。

 やっぱり、待機状態に戻るよね。知ってたよ、うん。現実逃避してただけだよ。

 

「ちっ」

 

 機体を地面とセシリアの間に滑り込ませ、受け止める。PICで衝撃は完全に殺した。じゃないと、セシリア某の

骨が折れかねない。さすがに女子を物理的に傷つけるのはね、気が引けるよな。精神的に傷つけるのも、気が引けるけど。

 そんな事を考えていると、ぎゅっと目を瞑っていたセシリア某がゆっくりと目を開ける。

 

「ん……え?」

 

 まあ、俗に言うお姫様抱っこの状態で受け止めたら、目が合うよな。

 セシリア某は俺と目が合うと固まり、続いて顔を赤くする。そして……

 

「な、な、な、何をしてるんですの!?」

 

 ビンタしようとしてきた。……っておいおいおい!? 

 

「待て待て待て! 俺はお前を助けただけだから! というか、そんなことしたらお前の手が大変なことになるから!」

 

 セシリア某の体を支えてるせいで、手を掴んで止めようとしても出来ない。PICで、何とか手を止める。

 

「え、あ、っと、その」

 

「はあ、もういいから戻るぞ」

 

 羅雪をピットに向かわせる。セシリア某を抱いたまま。

 

「ちょ、ちょっと、離して下さいまし! 自分で戻りますわ!」

 

「だぁ、もう黙ってろ。百メートルちょいの距離を歩くのかよ」

 

 巨大なアリーナの中を一人歩くその姿を想像してみろ。なんか、こう哀愁を誘う絵が見えるだろ?

 

「そ、それも嫌ですわ!」

 

 どっちなんだよ……

 取りあえず、そのままBピットに戻るのだった。

 

 

**********************

 

 

「ほら、これ飲んどけ」

 

 自販機で買ったポカ○スエットをセシリア某に渡す。俺はアクエリ○ス派だけど。

 ……なんかもう、セシリア某ってのも面倒になったからセシリアでいいや。

 IS学園には至る所に自販機がある。しかし、それらは全てタダで買える。国立だからなのか。

 この世界にもポカリスエ○トとか、ア○エリアスがあるのを見たときは感動した。スポーツドリンクは世界を越えたのだ。ちなみに、マックスコ○ヒーもあった。

 

「あ、ありがとうございます……」

 

 セシリアは、ピットに戻ってからずっとこんな感じだ。ぼーっとしているというかなんというか。どこか上の空というか。

 まぁ、いいや。取りあえず次の試合の準備をしよう。少し前に、二十分後に試合をする、と織斑先生から伝達があったからな。準備と言っても特にすることもないんだけど。

 

「なあ、セシリア。ぼーっとしてるけど大丈夫か? 保健室にでも言ったらどうだ? 難なら、付き添いするけど」

 

 さっきの試合で、なんかあったんだったら俺の責任だしな。

 

「わ、わたくしは大丈夫ですの。それより……いえ、何でもありませんわ」

 

 物腰が柔らい。いつもの高飛車は何処へ行ったのか。足でも生えて歩いて行ったのだろうか。

 ……無理をしていたのだろうか。一国を代表するなんてプレッシャーに耐えるのは、そう簡単な事ではない。今の彼女が本当の彼女なのかも知れない。

 そう思うと、なんか今までの自分の行動が申し訳なくなってくる。やっぱり、人は一面で判断してはいけないな。

 前にシアにも言われたことがある。「ユウはすぐ感情的になりますからね」、と。反省しなければな。

 

「あー、なんだ、その…すまなかったな」

 

「へ? なにがですの?」

 

「……いや、何でも無い。ただ、無理はするなよ」

 

「あ……」

 

 驚いたような嬉しいような顔をするセシリア。

 それを横目に俺は立ち上がる。

 

「さて、行くか」

 

 試合開始まで後一分。アリーナに出ていた方が良いだろう。

 

「あ、千代紙さん……いえ、夕音さん!」

 

「ん?」

 

「わたくしに勝ったんです。次も負けないで下さいね」

 

「……ああ、必ず勝つさ」

 

 何で名前で呼ばれたんだかわからんが、言われるまでもない。セシリアの顔に泥を塗る訳にはいかないしな。

 

 

**********************

 

 

「……来たか」

 

 白い機体がAピットから出てくる。背中のアンロックユニットのスラスター、そして一振りの巨剣が印象的な白。識別名『白式』。

 

「夕音、さっきのは凄かったな。けど、簡単には負けてやらないぜ?」

 

「ああ、やってみろ。俺も負けるつもりはない」

 

 俺は腰からビームサーベル(白月)を抜き放つ。相手が剣ならこちらも剣だ。

 一夏もその巨剣を構える。

 

『試合開始』

 

 ブザーが鳴り響き、戦いの幕が上がった。

 

「うぉぉぉぉおおお!」

 

 真っ直ぐに突っ込んでくる一夏を横に回避し、すれ違いざまにビームサーベル(白月)を振るう。

 白式のスラスターに傷跡を残し、再び離れる俺達。

 反応出来たものの、俺は驚いていた。白式の突進力にだ。今まで戦ってきたどのISよりも力強い。

 

(面白くなってきた)

 

 アンロックユニット・プラズマ収束砲(双対三連)を標準、発射する。それを何とか躱す一夏。その隙を見逃す俺ではない。ブレイドドラグーン(白銀穿牙)を射出、(アンロックユニット)をその場に残して、白式の肉薄する。

 

「なっ!?」

 

 巨剣でビームサーベル(白月)の一撃を受け止める一夏。しかし、その勢いを殺しきれず後方に吹き飛ばされる。そして、ブレイドドラグーン(白銀穿牙)での追撃。

 アリーナの壁に激突する白式。(アンロックユニット)を回収し、ブレイドドラグーン(白銀穿牙)は自機のまわりで待機させる。

 煙が晴れていく。その中には……白がいた。先程よりも洗練された姿で。

 

「一次移行か」

 

「ああ、これで心置きなく戦える!」

 

 そう言って、突っ込んでくる一夏。先程よりも速く、強い。

 

「そう来なくっちゃな!」

 

 武装を対艦刀(神白)に変更。巨剣と巨剣がぶつかりあい、火花を散らす。

 

「「はぁぁぁぁあああ!!」」

 

 つばぜり合いは長くは続かなかった。お互いが剣を振り抜き、後退する。

 

「けりをつけるぜ、夕音!」

 

「来い、一夏!」

 

 三度の突撃。しかし、今度の突撃は違う。剣が光っている。いや、剣が割れて光の刃が現れている。

 そして、対艦刀(神白)と光の刃が触れ合う寸前。

 

『試合終了。勝者──千代紙 夕音』

 

 試合終了を告げるブザーが鳴った。

 

 

**********************

 

 

 翌日。教室にて。

 

「先生、質問です」

 

「はい、織斑くん」

 

「俺は昨日の試合に負けたんですが、なんでクラス代表になっているんでしょうか?」

 

 まあ、当然の疑問だろう。勝者がクラス代表になる、という名目での試合だったのだから。

 

「俺が辞退した」

 

 簡潔に、そう答えてやった。

 

「へ?」

 

「昨日の内にセシリアと話して、お前をクラス代表にすることにした。と言うわけで、頑張れ」

 

 ちなみに、セシリアと話したのは本当だ。さすがに独断で決めるのもよくないと思ったからね。

 

「はっ!?」

 

「本当ですわ。ちゃんと夕音さんと話し合って決めましたもの」

 

「い、いや、待て夕音。俺はIS操縦の初心者なん……ぐぉ!?」

 

    スパァンッ

 

「織斑、静かにしろ」

 

 理不尽な織斑先生の出席簿アタックが一夏の頭に襲いかかった。

 ……『織斑先生の攻撃!』

 『会心の一撃! 織斑一夏の頭に153のダメージ、織斑一夏の脳細胞は死んでしまった!』

 

     スパァンッ。

 

「くだらなんことを考えるな、千代紙」

 

 くっ、やっぱり織斑先生は悟り妖怪なのか!?

 いや、やめよう。また、出席簿アタックが来るだろうし。これ以上くらいたくない。

 

「クラス代表は織斑一夏、異存は無いな」

 

 織斑先生の言葉にクラス中の皆が返事をした。

 一夏は返事をしていなかったが、すでに出席簿アタックから復活していた。

 ……何回かくらっていたら、耐性が出来るのもなのだろうか。最初はもっと悶絶してたよな……

 まあ、そんなこんなで、一夏はクラス代表となった。

 面倒くさいことやらずにすんでよかっ………

 

「ただし、千代紙。お前は織斑の補佐として、副代表になって貰うぞ」

 

 ………前言撤回。結局、面倒なことになった。

 




諸事情で更新が遅れる可能性があります。
では、また次回
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