Harry Potter Ultimatemode EXシナリオ   作:純白の翼

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今から、約100年前の話です。ゼロとフォルテ、フィールド兄弟の4代前の先祖が主人公となっております。


EX13 ルーカス・フィールドの軌跡

 1889年。その島は、何の前触れも無く空中に現れた。人々はそれを、夢幻島と呼んだ。

 

 その島には、1人の男が住んでいた。その名は、ヴァイル・ファウスト。闇のサイバーエルフと呼ばれるダークエルフを付き従えていた。

 

 ヴァイルは、全ての魔法界に破壊と混沌、殺戮と恐怖を齎した。人々は、ヴァイルを『狂神』と呼び、恐れた。

 

 だが、世界各地からヴァイルに抵抗する者が現れ始めた。その中でも最強と呼ばれた4人がいた。ルーカス、アグネーゼのフィールド夫妻、ロック・ブート、ハイタカ。人々は、彼らに最後の希望を託した。そして今、最後の決戦の火蓋が切って落とされたのだった。

 

「大丈夫か?皆。」

 

「俺はピンピンしてるぞ!」

 

「ルーカス。私は大丈夫だわ。」

 

「私も、問題ありません。」

 

「アグネーゼ。光を灯してくれ。」

 

「良いわよ。光よ(ルーモス)!」

 

 アグネーゼが、魔法を唱えた。辺りが明るくなる。ここは、夢幻島の神殿。ヴァイルが根城にしている場所だ。

 

「とうとう、ここまで来たのか。ヴァイルの所まで。」

 

「何か冷たいわね。心まで凍りそう。」アグネーゼは、ルーカスに寄り添う。

 

『クーックックックックック!クヒャーッハッハッハッハッハ!ルーカス!そして、そのおまけ共!ようやく、我が神殿に辿り着いたか!』

 

「その声……ヴァイル・ファウストか!?どこにいる!」ルーカスが吠える。

 

『来るが良い。我が居場所まで。最上階で待っているぞ。』

 

「皆!行くぞ!」

 

 ルーカス、アグネーゼ、ロック、ハイタカは神殿を突き進んだ。ヴァイルの下僕と思わしき敵もいたが、難無く退けた。

 

『さあ。渡るが良い。もう少しだ。』

 

 またヴァイルの声が聞こえた。

 

「……ルーカス。罠かも知れないわ。」

 

「来いと言ってるんだ。だったら、こっちから行ってやるまでさ。そうじゃないと、マーシャやレイチェル、ラルフに危機が及ぶ。俺は、魔法戦士である前にあの子達の父で、アグネーゼ。君の生涯のパートナーでもあるんだ。」

 

「で、でも……」

 

「ヴァイルの奴は、楽しんでるんだよ。ここを怯えながら渡って、俺達が来るのを。」

 

「だな。」ロックが口を開いた。そして、先に進む。

 

「あの悪魔の考えそうな事ですね。」ハイタカも静かに言った。

 

「ですが、今の私のコンディションは最高ですよ。奴の手に掛かって殺されてしまった神人族の、私の同胞の魂が、躍動しているのですから。」

 

 ハイタカも前に進む。

 

「アグネーゼ。約束だ。全員で生きて帰るんだ。俺達が、地上に行きる人達の最後の希望で切札になっているんだから。」

 

「ええ。」

 

「それに……」

 

 ルーカスは、剣を取り出す。黒と金を基調とした派手なデザインだが、どこか神々しさを感じられる両刃の剣を。

 

「このモルスブレードが光を失わない限り、必ず勝てる!」

 

「モルスブレード。一段と輝いているわね。」

 

「さあ。行こう。ヴァイルの所までもう少しだ。」

 

「ええ。必ず、生きて帰りましょう。」

 

 最後に、ルーカスとアグネーゼも来た。

 

『クーックックックックック!感じるぞ!自分が負ける筈が無いと言うその感情を!それを、今すぐにでもへし折ってやりたい位だな!!!特に……そこにいる女の感情は最高だ。これが、人間の恋愛感情と言うものか!我には持ってないものを持っている!』

 

 そして、4人はヴァイルのいる最上階に辿り着いた。その玉座に、ヴァイル・ファウストはいた。やや褐色の肌、何の色も混じっていない白い長髪、見事に鍛え上げられた筋肉質な肉体が、ヴァイルの強さを物語っている。その上からマントを羽織っていた。

 

「ほう。貴様が、ルーカスか。モルスブレードと共鳴した人間と言うのは。」

 

「ヴァイル。覚悟しろ。お前やダークエルフに殺されたり、人生を破滅させられた人々の無念、このモルスブレードと我がフィールド家に代々受け継がれる3本の杖に込めて、返させて貰おう!」

 

「ほう。お前のその力。成る程な。4絶神のものに限りなく近い。フッ、エリザベートもいい仕事をするものだ。どうして貴様如きに、シャルナクが大いに興味を持ち、そして気に掛けるのかが分かった様な気がする。」

 

「?何を言って……」

 

「気にするな。只の独り言だ。さあ、決着をつけるとしよう!」

 

 マントを脱ぎ捨て、戦闘態勢に入るヴァイル。ルーカス、アグネーゼ、ロック、ハイタカも臨戦態勢を取る。

 

「皆!来るぞ!気を付けろ!」

 

辺獄(リムバス)!」

 

 ヴァイルの虹色の眼が、妖しく光った。

 

「何だ?」

 

「気を付けて下さい!何かもやもやした黒いものが、私達に襲い掛かろうとして来ています!」

 

 ハイタカが叫んだ。その直後、ハイタカ以外の3人が吹っ飛ばされた。

 

「キャァッ!」

 

「アグネーゼ!」壁に衝突しそうになったアグネーゼを、ルーカスがしっかりと支えた。

 

「ならば、これはどうかな?」

 

 ヴァイルは、右手からキマイラを造り出した。

 

「どうなってんだ?こいつの能力。」ロックは、キマイラと交戦を始める。

 

完全粉砕(ボンバーダ・マキシマ)!」

 

 アグネーゼは、杖から粉砕呪文を繰り出す。それは、見事ヴァイルに直撃し、彼は粉砕された。

 

「やったかしら?」

 

 だが、ヴァイルのいた周辺からは火、水、風、土が存在していた。

 

『おかしい。アグネーゼの唱えた魔法が直撃した時は、あんなものは無かったのに。』

 

 ルーカスが舌打ちしながらそう思う。4つの物質が交じり合い、やがてそれはヴァイルの姿に戻った。

 

「コイツ、自然物化能力まで身に付けている!?」

 

「自然物化に動物変化、そしてウイルスモード。この3つの力は、ある一族に私が与えたもの。やがて、3つに別れたがね。」

 

「何だと!?」初めて聞く事柄に、狼狽えるルーカス。

 

「ルーカス!とにかく!今は、ヴァイルをぶっ潰す事だけを考えろ!奴の発言に関しては、後から考えても遅くはない!!!」

 

 キマイラを撃破したロックが、ルーカスに喝を入れた。

 

「あ、ああ……」

 

「ルーカス。ヴァイルを攻略する為には、モルスブレードの奥義を使った方が良さそうです。」

 

「分かっている、ハイタカ…………クロックディバイド!」

 

 ルーカス以外の全ての時間が止まった。

 

「ぶっつぶれろおおおおおおおお!!!」

 

 武装解除、失神、爆破、粉砕、その他諸々を短時間の間に繰り出すルーカス。30秒後、ルーカス以外の時も、再び動き始めた。

 

「グオオオオオオオッ!!!」

 

 一気に攻撃を受け、態勢を立てるのが難しくなったヴァイル。

 

「ダークエルフよ!奴らを道連れにしろ!」

 

 空中を漂っていた禍々しい雰囲気を放つサイバーエルフにそう告げるヴァイル。ダークエルフは、ルーカス、アグネーゼ、ロック、ハイタカの周りを動き始めた。

 

「何をする気なんだ?」

 

「私達を道連れにする気なのかもしれません。」

 

「皆。それなら、俺の魔力の波長に合わせてくれないか?打ち消せるかも知れない。」

 

「分かったわ、ルーカス。何もしないよりは、だいぶマシね。」

 

 アグネーゼ、ロック、ハイタカは、自らの魔力をルーカスの物を同調させる。しかし、ダークエルフの力を打ち消すには至らない。

 

「フハハハハハ!その程度の力では、ダークエルフを打ち破れんよ!」

 

 ヴァイルが嘲笑した。

 

「まだだ!パワーを上げてやる!」

 

「ルーカス!このままだと、アグネーゼに多大な負担が!!!」

 

 ハイタカが大声で言った。

 

「私は構わないわ!ルーカスお願い!やって頂戴!」

 

「分かった!」腹を括ったルーカス。魔力を、さらに増幅させた。

 

「小癪な!」

 

「行くぞヴァイル!ダークエルフ!!」

 

 4人の限界までに引き上げられた魔力は、ダークエルフの力を打ち消し、ヴァイルを消滅させた。その衝撃に耐えきれず、ルーカスを除く3人は吹っ飛ばされてしまった。

 

「……やった。終わったんだ!」

 

 急いで、仲間の所に駆け寄るルーカス。

 

「ロック!」

 

「俺がこの程度で死ぬかよ!」ロックは、何とか元気そうだった。

 

「ハイタカ!」

 

「私も大丈夫です。あなたの持つ3本の杖も回収しました。さあ、アグネーゼの所へ。」

 

「ああ。取り敢えず、預かっといてくれ。」

 

 3人は、アグネーゼの所まで来た。アグネーゼは、腹部が貫かれて満身創痍状態だ。

 

「アグネーゼ!」

 

「……ついにやったわね、ルーカス。こ、これで地上も平和になる。」

 

 息絶え絶えになりながらも、愛する夫にそう語り掛けるアグネーゼ。

 

「もう終わったんだ!帰ろう!」

 

「……ごめんなさいね。もう、一緒に帰れないわ。」

 

「何を言ってるんだ!諦めるな!」

 

「私の中の魔力が破裂して、お腹を貫き通したのよ。もう、喋るのがやっと……」

 

「あ、アグネーゼ!」

 

「……ルーカス。あなたと一緒に……もう1度地上に立ちたかった……それで、マーシャにレイチェル、それに生まれたばかりのラルフを抱きしめたかった……」

 

 涙を流しながら、それが心残りだという気持ちを露わにしたアグネーゼ。その時だった。夢幻島の神殿が崩壊を始めた。ルーカスとアグネーゼ、ロックとハイタカとで分断してしまった。

 

「おい!神殿が崩れ始めたぞ!ハイタカ!スイルグを使ってくれ!」

 

「無茶言わないで下さい!2人が遠過ぎます!!今使ったら、置いてけぼりにしてしまいます!!!」

 

「く、クソ!何とかならねえのか!」

 

「ロック、ハイタカ。」

 

 ルーカスが、静かな口調で2人に話しかける。

 

「先に戻ってくれ。ヴァイルとダークエルフはいなくなった。地上の人達に伝えて欲しい。出来るのは、お前達しかいない!」

 

「ルーカス、あなたはどうするつもりですか?」

 

「俺は、アグネーゼを置いてはいけない。分かってくれ。」

 

「……」悔しそうな表情になるハイタカ。

 

「行くぞ。ハイタカ。」

 

「ロック!?」

 

「ルーカスは行けっつったんだ!4人で帰れないなら、俺達2人のとる行動は1つだ!」

 

「良いでしょう。ルーカス、あなたもご無事でいて下さい。スイルグ!」

 

 ロックとハイタカは、神人族秘伝の空間転移魔法を使い、地上へ一瞬で戻って行った。崩れゆく神殿には、既に事切れたアグネーゼに、そんな彼女に優しく寄り添うルーカスの姿があった。

 

「……アグネーゼ。これからは、平和な時代がやってくるんだ。俺達も、出来るならそんな時代に生まれて来たかったよなぁ。アグネーゼ。俺は、君をずっと愛している。」

 

 こうして、ヴァイルとルーカスの戦いは幕を閉じた。夢幻島は、海へ落下した。ヴァイル・ファウストは死に、その姿を2度と人々の前に現す事は無かった。

 

 ダークエルフは、ロックとハイタカにより確保され、2つに分離された状態で、別々に封印された。もう2度と、ダークエルフに力が悪用されない事を願って。

 

 後に、この世界全てを巻き込んだ戦いは『夢幻島大戦』と呼ばれる様になったのだった。

 




展開があるゲームに似てはいますが、これはフィールド家はそのゲームのシリーズの主人公一族が元ネタとなっているからなのです。
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