Harry Potter Ultimatemode EXシナリオ   作:純白の翼

6 / 14
9月の2週目の授業の光景と、エリナの家族が増えます。


EX6 エリナとクワノール

 1992年9月上旬。妖精の魔法の授業の時の事である。エリナ・ポッターは、グラント・リドルとペアを組んでいつも授業に励んでいた。

 

「それでは、今日は杖の先から光を灯す呪文をやってみようか。誰か、呪文を知っている人はいるかい?」

 

 フォルテ・フィールドが生徒全員に問いかける。この授業は、スリザリンとハッフルパフの合同授業だ。スリザリン生の3割が手を挙げる。ハッフルパフからも、僅かながらに挙がった。エリナも手を挙げる。

 

「それじゃあ、エリナ。」

 

「はい!杖に光を灯す呪文の名は、光よ(ルーモス)です!」

 

 元気良く答えたエリナ。フォルテは、それを見て大変満足した。

 

「正解だよ、エリナ。ハッフルパフに10点だ。それにね。呪文詠唱後にマキシマを付け加えると、より強力になるんだよ。じゃあ、この呪文には反対呪文が存在するわけなんだけど、誰か分かるかな?」

 

 これに関しては、殆ど手が挙がらなかった。しかし、手を挙げる者がいた。イドゥン・ブラックである。

 

「イドゥン。君、質問に答えられるかい?」

 

「はい。それは、闇よ(ノックス)ですわ。」

 

「流石は、1年生時の首席だけあるね。スリザリンに10点。さてと……」

 

 フォルテは歩き出した。無駄話をしているドラコ・マルフォイ、ビンセント・クラッブ、グレゴリー・ゴイルの前に来た。途端に話をやめる3人。フォルテは微笑んでいる。

 

「それで、君達3人は授業も聞くまでも無く優秀というわけだね。」

 

「そ、それは……」

 

 ドラコが何か言おうとしたが、フォルテの眼差しの前では嘘や見栄えを言うと、何故か罪悪感に満ち溢れたような気持ちになるのだ。

 

「やってみようか。」

 

 笑顔で言うフォルテ。有無を言わさないようだ。皆悟った。笑っているのではない。怒っているという事に。普段自分達が1番偉いと思ってるドラコ達も、流石に気付いたようだ。

 

「「「光よ(ルーモス)!」」」

 

 ドラコだけ成功した。他2人は付いてもいない。そのドラコも、光の強さにムラがある。強くなったり、弱くなったりしている。

 

「どうやら、ちゃんと聞かなきゃいけないみたいだね。スリザリン、5点減点。」

 

「フィールド先生ってよぉ。エリナちゃん。何かフォイ達には手厳しくないか?」

 

「ハリーが前に言ってたんだけど、マルフォイ家ってヴォルデモートの一味にいたんだって。元闇払いの先生からしてみれば、決して許しがたい存在だろうってね。」

 

 エリナとグラントがヒソヒソ声で会話していた。

 

「先生!ポッターとリドルが何かヒソヒソ声で話しています!!」

 

 パンジー・パーキンソンが嬉々として、エリナとグラントを指差しながら手も上げずに進言した。意地の悪い笑顔になりながら。

 

 しかし、フォルテがパンジーに見せた表情はまるで養豚場のブタを見ているかの様だった。

 

「証拠は?」

 

「え?」キョトンとしたパンジー。

 

「証拠はあるのかと聞いている。物的証拠を出せ。」

 

 先程のドラコ達とは打って変わって、憎しみを交えた口調と化したフォルテ。まるでパンジーを、何か大切なものを奪った仇の様に見つめている。

 

「わ、私が聞いたんです。その……ポッターとリドルが……授業に関係の無い……話を……して……」

 

「物的証拠が無いわけだ。状況証拠しかないわけだな。」

 

「…………」何も言えないパンジー。

 

「そうか。分かったよ。確実な証拠が出せないわけだ。それにしてもパーキンソン。お前は、私のやる授業の邪魔をしにこれを言いに来たのか?それとも、自分が教えるにふさわしいから横槍を入れて来たのか?答えろ。」

 

「と、とんでもありません!!でも、私は本当に……」

 

 何とか、授業の邪魔をするつもりでやったわけではないと慌てふためくパンジー。しかしそれは、フォルテを余計にイラつかせた。火に油を注いだのである。

 

「問答無用だ、パーキンソン。スリザリン、5点減点。お前を含め、減点された4人は、イドゥンが折角稼いだ点数を無駄にして。恥を知るが良い。さっさと座れ。誰かを貶めないと、自分自身のアイアンディティーを見いだせない愚か者め。」

 

 今にも泣きそうになっているパンジーに、フォルテは更なる追い打ちをかけた。ドラコ達も真っ青になっている。フォルテは、抑揚の無い声で座る様に促した。それ以外の生徒に対しては、本当に申し訳なさそうな表情となった。杖を振って、カーテンを閉める。

 

「ゴメンね。愚か者共が、邪魔をしてしまって。皆。じゃあ、実技でもやろうか。見本はこうだよ。良く見ててね。光よ(ルーモス)!」

 

 フォルテの杖に、光が灯った。

 

「じゃあ皆。やってみて。」

 

 あちこちから、光よ(ルーモス)の声が聞こえた。光が灯っている者が殆どだ。しかし、すぐに消えたり、強弱があり過ぎて安定しないのだ。1番安定して光が灯っているのは、イドゥンだけだった。

 

「素晴らしいよ、イドゥン。スリザリンに10点だ。」

 

「ありがとうございます。フィールド先生。」

 

 イドゥンは、優雅にお辞儀をしながら礼を言った。

 

「それでは、反対呪文で杖の光を消してね。」

 

 次々に、光が消えた。

 

「極めれば、教室全体を灯せる様になるんだ。更に、上達すれば無言で魔法を行使出来る様になる。興味のある人は、呪文の練習をし続けてね。授業終了。」

 

 呪文学が終わった。

 

「先生。」エリナは、フォルテの所に来た。

 

「どうしたんだい?エリナ。」

 

「新しい呪文の作り方って、どうやるんですか?難しいんですか?」

 

 少し呆気にとらわれたフォルテ。しかし、すぐに答えを言った。

 

「難しくないよ。簡単だ。やりたい事を思い浮かべて呪文を唱える。後は試行錯誤かな?正しい発音に正しい意味の言葉を見つける必要があるんだ。何か新しい呪文をでも作るのかい?」

 

「今考えてるのが、威力の低い攻撃呪文でも高度な魔法並みの威力に底上げする魔法を作るのはどうかなって思ってるんです。当てた対象にボク自身の魔力を蓄積させるっていう物なんですけど。」

 

「そうか。行き詰ったら、いつでも私の所に来ると良いよ。」

 

「はい!ありがとうございます!先生!それでは、失礼します!」

 

 談話室に戻るエリナ。今年から、寮監の許可を得た者はハグリッドと付き添いという条件で禁じられた森に入る事が出来るのだ。エリナは、スプラウトからちゃんと許可を得ていた。

 

「禁じられた森、実は入ってみたかったんだよねえ。スプラウト先生も快く許可してくれたし。」

 

 ハグリッドの小屋に向かうエリナ。戸をコンコンとノックする。

 

「おお!エリナか。」

 

「こんにちは。ハグリッド。」

 

「それじゃあ、早速行こうか。ファング、行こうや!」

 

「ワン!」ファングも嬉しそうに吠えた。

 

 禁じられた森に入るエリナとハグリッド、そしてファング。暗い所も見える様に、杖を携帯する。

 

「授業はどうだ?」

 

「うん。問題無いよ。どうしてもわからない時は、ハリーやゼロ、ハーミーにイドゥンに教えて貰ってるんだもの。」

 

 イドゥンの事を言った時、ハグリッドが少し暗そうな顔をした。

 

「どうしたの?ハグリッド。」

 

「いやあ。何でもねえ。気にすんな。」

 

『シリウスの事を話したら、絶対に悲しむだろうな。しかも無実だったなんて。エリナには辛過ぎる事実だ。ハリーにも。』

 

 そう心の中で思うハグリッド。しかし、もうハリーは事情を全てロイヤル・レインボー財団の調査結果を通じて分かっている事を知らないのである。

 

「どこを見るの?」

 

「一角獣の数が戻ってるかどうか、確認しておきたくてな。」

 

「そうだよね。ヴォル……じゃなくて、ロリコンストーカーに血を吸われて沢山死んじゃったからだよね。」

 

「まあ、名前で呼ばれるよりはマシだが。よりによってロリコンストーカーか。酷い言われ様だな。」

 

 ヴォルデモートの渾名を聞いて、名前で言うよりはましだと割り切ったハグリッドであった。

 

 1時間半後、一角獣の状態を調べ終えて帰路につこうとする。

 

「あれ?何か綺麗な光だよ!ハグリッド!」

 

「い、言われてみれば確かに。」

 

 その光を目指して走る2人。

 

「あ!何かいるよ!」指をさすエリナ。

 

 背中にクリップのような羽根がついているのが特徴の、可愛らしい妖精がいた。

 

「かわいい!赤ちゃんかな?」

 

「少し元気がなさそうだな。保護をしようか。」

 

 こうして、謎の妖精を保護した2人。マダム・ポンフリーの所へ。ホグワーツの先生達でも全く知らないのだった。数日後、エリナがその妖精を見に行くと、どういうわけか妖精はエリナに懐いて来た。

 

「それで、俺達に名前を付けて貰おうってわけか。」

 

 エリナは双子の兄であるハリーに、友人のロンとハーマイオニー、ゼロとグラントを呼んだのだった。

 

「うん。良い名前を考えようにも、中々思い浮かばなくてね。」

 

「じゃあよぉ。シンプルにタマにしようぜぇ。」

 

[ミ……ミミ……ミーーーー!!!]

 

 妖精が怒った。

 

「それ、猫の名前じゃねえか。」

 

 ハリーがツッコんだ。

 

「ブルーはどうかしら?」

 

「翼があるからウイングだ!」

 

 ロンとハーマイオニーが、それぞれ提案する。不思議そうに首を傾げる妖精。

 

「お気に召さないみたいだな。機械と似合いそうだから、進化を意味するプログレスとか変数を意味するヴァリアブルとかはどうだろう?」

 

[ミミミ?]

 

 困惑した後、ハリーに申し訳なさそうに首を振る妖精。

 

「この子、女の子なんだよ。」

 

「そっか。つーか、性別あったのかよ。知らなかったわ。」

 

 ハリーの名前も却下された。

 

「その妖精。余程エリナを信頼しているみたいだな。だから信じるって意味の、クワノールはどうだろうか?」

 

 妖精がピンときた言わんばかりの反応を見せた。「お~」と、ゼロの名前候補に全員頷いた。

 

「それ良いね!ありがとう!ゼロ!」

 

「名前で役に立ったなら、それは大いに嬉しいんだがな。」

 

 いつもみたいに、抑揚の無い声で言葉を返すゼロ。

 

「よーし!決めたよ!この子の名前は、クワノールに決定!」

 

 妖精改め、クワノールはエリナが育てる事になった。意外にも、人間の食生活と全く一緒だったのだ。そして、驚くべきはその知能。人間の言葉を理解出来、成長していけば高度なコミュニケーションが取れる事も分かった。なのでクワノールをペットではなく、家族として扱う事となったエリナであった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。