Harry Potter Ultimatemode EXシナリオ   作:純白の翼

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お久しぶりになります。久々の投稿です。
『再会と因縁の章』の秘密の部屋25話後のルシウスのその後を描きます。
今回の話は、『Harry Potter Ultimatemode 再会と因縁の章』既読が前提になっております。


EX9 ルシウスの思惑

ホグワーツ魔法魔術学校の校庭。ルシウス・マルフォイは、走っていた。

 

『何だ……ハリー・ポッターの……あの小僧の魔力は!?あんな魔力(もの)、子供が持っているというのか?ドラコと、私の長男と同学年なのに!』

 

ルシウスは恐怖している。今回の事件の黒幕として暴かれ、屋敷しもべ妖精は解雇され、挙句に1人の子供から宣戦布告を受けた。特に最後の1つ。一見、大した事が無いようにも見えるがそうではない。あの時に感じた魔力。量は魔法界全体から見ても相当多いが、闇の帝王やダンブルドア、そして疎遠だがかなり近しい親戚であるイドゥン・ブラックと違って突出しているわけではない。

 

問題は、魔力の質の方だ。書店の時とは根本的に違い過ぎる。始めて見た時は、『白く、暖かく、神々しい』魔力をしていた。太陽と称しても良い程の、どんな闇をも明るく照らす、『闇を切り裂き、光を齎してくれる』心地良い魔力だった。

 

だが、今日は違う。『黒く、冷たく、禍々しい』魔力だった。言うなれば、『どんな光をも飲み込み、闇へと染め上げる』とでも表現し得る程の。認めたくは無いが、それは嘗ての自分の主君、闇の帝王など比ではない程のおぞましい闇とも表現出来る。無限の闇、或いは闇そのものだ。

 

「それだけじゃない!何故だ?何故、私は同期のメイナード・ポッターの事まで思い出してしまうのだ?」

 

*

 

1970年。ホグワーツ。闇の魔術に対する防衛術の教室。

 

「フハハハハハ!踊れ踊れ!」

 

泣き叫ぶ1年生のマグル生まれの男子生徒に、踊らせる呪文を行使するルシウス。優等生とは称されているが、裏では穢れた血を嬉々として苛めるのが趣味だったのだ。

 

だが、そんな楽しい時間はあっけなく終わる。自分の魔法が、突然解除されたからだ。

 

「愚かだな。ルシウス。こんなバカげた、下らない事をやっている暇があるのなら、俺を打ち負かす為の努力でもするが良い。」

 

レイブンクローを象徴する青が入った制服を着ているメイナード・ポッターが、マグル生まれの生徒を助けたのだ。

 

「もう大丈夫。俺がそばについているよ。」

 

メイナードは、その男子生徒に微笑みかけた。男子生徒も、不思議と不安が消えたのだった。

 

「彼の様なマグル生まれに手を出して何になる?おこがましいとは思わないのか?」

 

「フン。知れた事。僕達魔法族が、いかにマグルや穢れた血よりも優れているのか刻み込んでいるまでだよ。」

 

「俺からすれば寧ろ、近親相姦しか能の無い純血(俺達)の方が劣って見えるがな。だからこそ俺の器は、こう認識しているんだ。こんな腐り切った魔法界のシステムには……収まり切らないと。」

 

まるで、自分にも言い聞かせるように、そして自己嫌悪とも取れる発言をしたメイナードに驚きを隠せないルシウス。

 

「それは、聞きづてならないな。」

 

「ならば、どうする?」

 

「メイナード。君に、本当の魔法使いのあるべき姿を見せてやるのさ。」

 

メイナードとルシウスが、互いに杖を取り出して魔法による戦闘を始める。だが、メイナードが終始圧倒する形となっていた。やがて、這いつくばるように倒れるルシスス。メイナードは、そんな彼を失望とも取れる冷めた目で見ていた。

 

「ルシウス。無駄だ。お前のいかなる魔法も、俺の前では、そしてウイルスモードの前では意味を為さない。」

 

メイナードの眼は、今やハジバミ色ではなくルビーレッドだ。それを見て、ルシウスは恐れおののき、そしてトラウマとして刻み込まれてしまったのだ。それこそ、闇の帝王以上に恐れている。死して尚、未だにメイナードの影響力はルシウスの中では極めて高いのだ。

 

*

 

「中身は両親よりも、伯父の方に似ているとは。」

 

余りにも似ている。本当はジェームズではなく、メイナードの息子なのではと思う位には。セブルスと1度話した時にも聞いていたが、怒った時のハリーはまるでメイナードを完全に敵に回したような感覚だった。

 

『正直、闇の帝王よりも恐ろしい。ハリー・ポッターと、メイナード・ポッターは。』

 

もし彼がメイナード同様不死鳥の騎士団員として、そうでなくともロイヤル・レインボー財団の戦闘員として、或いはどんな形であれ対闇の陣営側の魔法使いとして自分の前に現れた場合、果たして勝てるかどうかが分からない。それどころか、敗北の可能性が極めて高いだろう。

 

『ドラコによれば、ハリー・ポッターとまともにやり合う事が出来るのは、ゼロ・フィールドとグラント・リドルの2人だけという話だが。』

 

自分が死喰い人に入る前の事、フィールド家は密告者の手引きを受けて闇の陣営に滅ぼされたのだ。フォルテ・フィールドと、その父アルバートを残して。

 

「あのアルバートの血を引いているならば、納得だな。だが、グラント・リドル。奴は、一体何者なんだ?」

 

闇の帝王から預かった日記の持ち主と同じ姓。闇の帝王の隠し子なのか?だが、闇の帝王の性格からして普通の手段で子供を作るとは思えないが。全く分からない。謎は深まるばかりだ。

 

『つくづく化け物共の集まりだな。ドラコの同期達は。』

 

1回、深呼吸を入れるルシウス。

 

「だが……」

 

闇の帝王をも凌駕するおぞましい魔力の質。ドラコが去年言っていた切札という異名。その表現の嘘偽りは無い。

 

魔法戦闘だけでも、全盛期状態の上級死喰い人と同等、更には魔法に頼らない戦闘能力まで所持、財力や権力を持ちながら決してそれを自慢しない、自らの力だけで這い上がり、諦めとは無縁な性格。ドラコにも見習って欲しい所も多々ある。

 

そして、ルシウスは思った。欲しいのだ。まだ12歳にも関わらず自分に宣戦布告してくる度胸を持つ、ハリー・ポッターという少年が。

 

最初は恐怖心しかなかった。だが、よくよく考えればロイヤル・レインボー財団のブラックリストの解除も出来るのではという希望も見えて来たのだ。

 

彼が味方になれば、どれだけ心強いだろうか。死喰い人に、否。それすら収まり切らない器を持っている。もしかすれば、闇の帝王以上の闇の魔法使いになれるかも知れない。

 

今の所は危険人物だが、ハリーの持つ全てにルシウスは魅せられたのだった。

 

「他の者達には黙っていよう。私が今そうは思わなくても、本当に危うい時はドラコを助けてくれてるのだからな。」

 

後の事はじっくりと考える事にしようか。一先ずは、ウィルトシャーにある自分の家に戻ろう。妻のナルシッサと、次男のコーヴァス、長女のスピカの双子の兄妹。彼らが、自分の帰りを待ち侘びているのだから。

 

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