基本的に百合です。
できるだけ毎日投稿します。
割とキャラクターがあっさりと死んだりします。そこのところよろしくお願いします。
ドオッ!
腹に攻撃をモロに食らってしまった。
「ごはっ…!?」
足から力が抜け、地面に膝をついた。
私を殴った人物は反撃を受けないように私から距離をとった。
もう、動けなさそうだ。
そのままペタリと地面に座ってしまった。
私の体はすでにボロボロだ。体中擦り傷や軽度の打撲を受けている。
帽子と箒はすでにどこかに行ってしまった。魔法使いの私は、接近戦は不得手だ。初めから勝敗は決まっていた。それにいくら魔法がつかえたとしても、私が奴に勝つことはできない。
私を殴った人物の顔を見た。そいつは私のことを寒気すらするような顔で私を睨みつけている。
「………」
そのまま上を見上げた。
今日は曇天でどんよりとした黒っぽい灰色と灰色の雲が混ざり合ってこのクソ広い空全体を覆っている。
畜生…。私はここで死ぬ。
今まで私が戦っていた人物が私にとどめを刺すために近づいてくる。
誰かが助けに来てくれるといった考えや抵抗はもうすでにない。そんなことをしても結果は変わらないからだ。
私の目の前で歩みが止まった。
目を閉じるように私という意識が消えた。
数日前。
ダン!
大人数用の物凄く重たい円形のちゃぶ台をようやく宴会の会場になる広間に置いた。
「おいおい霊夢。もう少し丁寧に扱ってやれよ。その机が付喪神になったら真っ先に復讐を受けるぜ?」
広間の縁側で日光浴をしている魔理沙が冗談交じりに言った。
「付喪神になったら即刻退治するから問題ないわ。…それより、意味もなく宴会をしようって言いだした魔理沙がなんで手伝わないでくつろいでいるの?…手伝ってくれない?」
「…別に意味が全く無いわけじゃないぜ?」
「わかったから、何でもいいから手伝ってくれない?時間に間に合いそうにないの」
時計を見るとすでに午後四時を指している。
「仕方ない、私は何をすればいいんだ?」
縁側から腰を上げてこちらに歩きながら聞いてくる。
「そうね、それじゃあ…お酒を運んでくれないかしら?」
比較的楽なものを魔理沙に頼むことにした。
「酒だな。わかった……でも、今回は人多いし私の仕事量多くないか?」
「そりゃあ、あんたが調子に乗って人を呼ぶからでしょ?人が増えればこちらが用意しなければならない物も増える。当たり前でしょ?」
「そうだけど、今回の宴会は鬼と天狗が来るんだよな?並の量じゃ足りないだろ」
「そうね。だけどあんたが呼んだ幽々子が来るせいで私が料理をどれだけ用意しないといけないかわかるかしら?」
「……なんかすまん」
魔理沙が少し落ち込んだ様子で誤ってくる。
「別にいいわよ。…じゃあ、料理を作らないといけないからお酒よろしく。魔理沙」
「わかったぜ」
宴会を企画したということで魔理沙が乾杯の挨拶をすることになり、魔理沙がコップを持ちながら立ち上がった。
「じゃあ、長ったらしい前置きはなしとして、幻想郷が平和になったということで!カンパーイ!!」
魔理沙が上機嫌に言いながら、お酒の入ったコップを掲げた。
それを合図に各自が持ったお酒を飲んで楽しく話をしながら料理を食べ始めた。
「…平和…ねぇ」
私は誰かに言うということもなく、コップに並々注がれたお酒をちびりと飲んだ。
魔理沙がそういうのもわかる。
この頃、異変が全くと言っていいほど起きていないのだ。一週間とか一か月程度ではない。
去年の今頃からまったく異変が起きていないのだ。
今までは大小さまざまな異変が最低でも一か月に一度は起きていた。多い時には2~3という時もあった。
しかし、この一年間は私が異変で戦うということがなく、とても平和だった。
「どうしたんだ?霊夢」
隣に魔理沙が座りながら言った。
「……何でもないわ。…と言いたいところだけど、何なのこれは!?」
私は隣に座った魔理沙に詰め寄りながら言った。
「わ…私にもわからないぜ!?」
魔理沙が顔を赤くしながら必死に弁解してくる。
「あはは……。なんか急にお邪魔しちゃってすいません」
私の机を挟んだ正面に座っている早苗が申し訳なさそうな顔をしながら言った。
「別に構わないわ。料理を作ったりするのは大変だったけど」
そう言いながら自分で作った料理を口に運んだ。いつも通りの味だ。
周りを見回すと広い広間が人や人でないものであふれている。
萃香、幽香、レミリア、フラン、咲夜、妖夢、幽々子、文、鈴仙は魔理沙が呼んだ。
しかし、さらに宴会場にいるのは、勇儀、華扇、霖之助、早苗、さとり、こいし、慧音、妹紅、ルーミアやチルノの妖精や妖怪たちがたくさんいる。
私が宴会場を見回しているうちに話が進んでいたらしく、そちらに混ざることにした。
「そういえば、なんで宴会のことを知っていたんだ?」
私も気になっていたことを魔理沙が代わりに聞いてくれた。
「あー、それですか?それは文さんが平和になった記念ということで、皆も博麗神社で宴会をしようと言うことで新聞を配りまく―――」
「さらばっ!!」
遠目に早苗の話を聞いていた文が、背中の黒い翼を広げて羽ばたきながら広間を飛び出した。
「私が逃がすと思っているのかしら?」
だが、私の張った強固な結界に文は頭から突っ込み、ズルズルと地面に落ちた。
「いやー、さすが霊夢さんですね!一年間何もなくても腕が落ちることがないとは私感動しましたよ!」
文が庭で正座をして冷や汗を掻きながらできるだけ笑みを絶やさないようにして言った。
「そう。…お褒めの言葉ありがとう。でもね文、取り繕ってももう遅いわよ?」
「そ…そんな!?」
「ふふ、冗談よ…そういえば文」
「な…何ですか?霊夢さん」
「私、宴会の準備とかですごく疲れているのよ」
「は、はい」
「誰か代わりにやってくれないかしら?」
「やらせてください!ぜひ!」
「あら、悪いわね」
「…霊夢、お前酷いやつだな」
魔理沙が言いながら苦笑いしている。
「大丈夫よ、私だって手伝うんだから」
「そうか、じゃあ、宴会場に戻るか」
さっき座っていた場所に座り直した。
「霊夢~」
すると、焼酎瓶を持った萃香がこちらに歩いてくる。見た目は幼い子だが頭の側頭部からは二本の角が生えており、私の何十倍という年月を生きている鬼と言われる種族だ。すさまじい攻撃力と生命力を持ち合わせている持ち主。しかし、本人は常に酔っぱらっていて陽気なため微塵もそれを感じさせない。
「どうしたの?萃香」
「この一年、異変も何にも起きなくて平和だったな」
「そうね。やっぱり平和が一番ね」
「だな~」
萃香はそう言いながら一升瓶からお酒をコップに移すことなく直接酒を煽った。
「あんた年中酔っぱらってるんだから自嘲しなさいよ?」
「うん。善処はするよ」
そう言って文と勇儀が始めた酒の飲み比べの対決に萃香も割り込むようにして参加して行った。
酒の飲み比べをしている三人の周りに人だかりができてかなり盛り上がっているようだ。
今回珍しく参加した幽香のことを思い出し、幽香のことを探してみた。
緑の髪に赤い服の女性はすぐに見つかった。
私から少し離れたところで霖之助と何かを話しているようだ。あの二人が話しているなんて珍しい。会話の内容が少し気になり、お邪魔させてもらうことにした。
立ち上がって二人のもとに近づいた。
「二人が宴会に参加するなんて珍しいわね」
私が後ろから話しかけると二人が振り返った。
「まあ、確かにそうだね。今年は本当に平和だったしそれの記念ってことだったから今回ぐらいは参加してみようと思ってね」
霖之助がコップに注がれたお酒を半分ほど飲んで言った。
「私もそんなところね」
「そう。ところで二人は何を話していたの?」
「ああ。私の傘は霖之助さんが作ってくれたじゃない?」
幽香がいつも持っている弾幕すらも弾くことのできる傘だろう。
「ええ」
「それがちょっと壊れそうだから新しい傘は作れない?って聞いてたの」
「まあ、あれで弾幕を防いだりぶん殴ったりしてるし…そりゃあ壊れるわよね」
「…あの傘は僕の自信作でもあるんだ。あれと同じくらいのクオリティーの傘を作るとなるとしばらく作成には時間がかかるかもしれない」
「そう。でも作れるなら時間はいくらかかってもいいわ」
二人の会話を聞きながら酒を飲もうとしたとき、向こうからアリスに呼ばれた。
「じゃあ、二人とも楽しんでね」
そう言い残してアリスの方に向かった。
「どうしたの?」
「新しい身代わりの人形を作ったから一応言っておこうと思って。まあ、あなたには必要ないと思うけど」
「そんなことはないわ。…新しいって言ったけど今までと何か違うの?」
「それは、今までは死亡する威力の攻撃を受けるとこの人形が身代わりになってそのまま戦闘続行だったんだけど、新しく作った人形は人形に魔力を込めることで自分が生きたい場所に転送できるっていうものかな。人形にはテレポートの術式が埋め込まれてるから、行きたい座標をあらかじめセットしておけばできる。それと、人形が身代わりになった際に使用者の死体の真似までできるようになったから、そのあと不意打ちでもなんでもできるってわけ」
「なるほど、便利そうね…貰えるかしら?」
「まだ自分の分とこれ一つしかなくて予備はないからそこのところよろしく」
アリスから手のひらに収まるサイズのかわいらしい人形を受け取った。
それから数時間にわたって宴会は続けられた。
いつのまにか寝ていたらしく、私は仰向けの状態で寝ていた。
自然に起きたとかではなく、胸のあたりが苦しくなって目が覚めたのだ。体の上に何かが乗っているのだ。布団ではなさそうだ。
眠たい目をこすりながら目を開けると、上向けで寝ていた私の胸の上には魔理沙がいた。
しかし、起きているのではなく寝ている。私の心拍数が上昇していくのがわかる。
整った顔立ち、サラサラで綺麗な金髪でとてもかわいい魔理沙の寝顔に少しの間見とれてしまった。広間には誰もいないようだし、もう少しこのまま過ごしたかった。しかし、現在の時間は午前八時でそろそろ起きる時間であり、朝食を食べなければならない。上に乗っている魔理沙を起こすしかない。
「魔理沙、魔理沙」
魔理沙の肩を軽く揺すった。
「…ん…んあ…?」
寝ぼけているらしく、目をこすりながら私を見た。
「……?」
初めは肌色だった魔理沙の顔の色がだんだん赤みを帯びて赤くなっていく。
「ごごご…ごめん!霊夢」
魔理沙が私から飛び起き、これ以上にないぐらいテンパりながら誤った。
「別に大丈夫よ。でも、どうやったらこうなるのかしら?」
魔理沙の手を借りながら立ち上がり、聞いてみる。
「わからないぜ。昨日は私もベロンベロンに酔っぱらってたから…」
「…まあいいわ。…それより広間が…片付いてるわね…」
「文がやってくれたのか」
「あの量をやったってことは相当大変だったでしょうね……今度お礼を言わないと」
「だな。…それと腹が減ったぜ!霊夢」
「そう、…じゃあ朝ごはんにしましょうか」
そう言いながら魔理沙と台所に向かった。
「博麗霊夢さん!いますか!?」
男性の声が玄関の方から聞こえた。
「何かしら?」
私と魔理沙が玄関に向かった。
「どうかしましたか?」
玄関につくと汗だくの男性が息を切らしながら立っている。
「霊夢さん!大変だ!異変が起きた!」
「え…?」
魔理沙が驚いた表情をしている。確かにそうだろう。一年間も異変がなかったのだ。
正直私も驚いたがすぐに頭を切り替えた。
「どこですか?」
「北側の隣村だ!行けばすぐにわかると思う」
「そうですか…。では任せてください」
「はい。もう死人も大勢出ているようなのでよろしくお願いします」
男が頭を下げて玄関から外に出て行った。
「魔理沙は少しここで待っててくれる?ちょっと調べてくる」
魔理沙に言いながら異変解決に向かう準備をしようとした。
「いや、私も行く。死人が出てるんだ。この異変は今までで最悪なものかもしれない。足手まといかもしれないが、私も連れていってくれ」
魔理沙が真剣な表情で言った。
「そう。すぐにでるから準備して」
「ああ」
十数分後。
魔理沙と私は鳥居の下を潜り抜けるようにして空を飛んだ。
「霊夢が動くぞ。私たちも動こう」
木の陰に隠れるようにして博麗神社の方を見ていた勇儀が言った。
「ああ、だな」
いつも持っている
霊夢と魔理沙が飛んで行った方向を見ながら彼女たちは行動を開始した。
博麗神社は小さな山の上に作られているため、遠くまで見渡すことができる。
「なるほどね」
自然と口からこの言葉が漏れた。
さっきの男性の言っていたことが分かった。
慧音たちがいる大きな村、通常は中央と呼ばれる村。そこから道が北に伸び、数百メートル先にある山の陰まで続いていて、そこに村があったはずだがそこからは火山の噴火口からでる噴煙のような黒色の煙が空に向けて立ち上っている。
この距離からでもものすごく大きく見える。あれぐらい煙が大きければ小さめの村など覆われているだろう。
「急ぐわよ。魔理沙」
「わかった!」
そう言いながら二人は加速した。
大きな村を横切り、北側の村の近くまで来た。
村に近づくごとに煙の臭いは強くなっていく。
近くには消火活動をしている人が見える。
だが、炎の勢いが強すぎて焼け石に水だ。
家の外装が少し残っていることから炎が放たれてから二時間から三時間が経過しているだろう。にしては炎の広がり方が早すぎる。炎が使える妖怪か人物に間違いはないだろう。
「魔理沙、水で炎を消せる?」
「水の魔法は得意じゃないが、頑張る」
魔理沙が箒に乗りながら手を前の方にかざした。
すると、魔法が発動して大量の水が炎にかけられて消火されていく。
「魔理沙は消化をお願い!私は情報を集めてくる!」
「任せろ!」
魔理沙といったん離れ、消火活動をしていた人たちの方に向かった。
「すいません。ちょっといいですか?」
「霊夢さん!来てくれましたか!」
安心したように男が言った。
「…あなたはこの村の人ですか?」
「いや、違う。中央の者だ」
「そう。誰かこの村の人はいませんか?」
消火活動をしていた人たちはゆうに三、四十人はいる。
しかし、誰も名乗りをあげる者はいない。
「そ…それなんですがね…おかしいんですよ」
初めに話した男とは別の男が言った。
「どうしたんですか?」
「俺たちは北側の村から火の手が上がっているのを確認してからこっちにきた。でも、だれともすれ違っていなければ、誰とも会っていないんです。これだけの火が放たれているのに逃げる人を一人も見てないんです」
「……緊急時に鳴らす鐘をきいた人はいますか?」
しかし、誰も首を縦に振らない。
魔理沙の消火活動により、三十分後に村全体の炎は消火された。
魔理沙と合流し、火に水をかけたことで温度の高い大量の水蒸気が発生し、この辺一帯が蒸し暑くなっている。
「…ひでぇ…」
魔理沙が呟きながら私の後ろをついてくる。
焼け焦げた木の臭い、それと人間や生き物が焼け焦げた気分の悪くなるような臭いが私たちをねっとりと包んでいる。
人の形をした炭化している死体が中央に行けば行くほどたくさんあった。
家が崩れてしまったのだろう、一本だけ木の柱が立っているのが見えた。
私はそれに近づき、お祓い棒と自分を霊力で強化して木の柱を殴りつけて叩き折った。
「どうしたんだ?霊夢?」
「いくつか調べないといけないけど、木の断面を見て外側からどれだけ内側に向けて炭化しているかでおおよその出火元周辺がわかるわ」
そう魔理沙に説明しながら木の断面を見た。
木は中央付近を少し残しほとんどが炭化している。
村の中央に行きながら木の断面を確認し、村の外周やなどの木も確認した。
「何かわかったか?」
「だいぶわかったわ」
「誰の仕業かわかったのか?」
「こんなことをできるやつは幻想郷にはたくさんいるからまだ確定ではないけど、人為的というのは確実に確定ね…それに、引っかかることがある」
「引っかかること?」
「ええ。それはなぜ村が緊急時に鳴らす鐘の音がしなかったのかということ。がひとつめなんだけど…おそらく一番初めに破壊されたと思う」
「なぜそんなことがわかるんだ?」
「…調べた結果よ。それと村の外側はそうでもないみたいだけど、中央に行くほど家の損傷がひどいのが分かった。それに、村の中央側の人たちの死因は焼死じゃなくて、撲殺よ」
「撲殺?」
「ええ。いろいろな死体をみてわかったけど、五体満足の死体はほぼないといっていいぐらい損傷が激しいものが多かった。…村の中央側に行くほど死体が多いのは不自然。つまり火を放ったのは人の誘導でもあり、証拠隠滅もしくは…私が証拠を見つけるまでの時間稼ぎの意味もあると思う」
「…なるほど…。火の方はどうだったんだ?どこから火が放たれたのかわかったのか?」
「ええ。これだけ大規模に炎を放つのは当然一人では無理。だから数人がかりで村を囲って火を放った。外周の木の炭化はどれもほぼ同じだったから同時に火を放って村の人が逃げられないようにした」
「……霊夢の話から察するに…人をバラバラにするほどの攻撃力を持ってる種族で…数が多いんだったら…天狗か、鬼…だよな?」
「ええ、それか両方ね。もし、鬼や天狗じゃなかったとしても。炎が使えるやつがわざわざ人間を撲殺したりなんかしない。だから、種族は二種以上いる」
「確かに…魔法使いがわざわざ接近戦をしたりしないもんな」
「それに、協力者はもっといるわよ」
「なんでだ?」
「これだけの騒ぎが起きてるのに誰もいないからよ」
改めて周りを見ても何かの異変があると野次馬のようにいた妖精や妖怪たちの姿もない。
こんな大規模な異変なのに文もいない。
「いや、もしかしたら協力者じゃなくてそっちの方も戦ってるとかで来れないだけかもしれないぜ?」
「…それもそうね………まったく…こんな時に、紫は何してんのよ」
私は神社に戻るために空を飛びながらつぶやいた。
駄文ですが、頑張って書いていくのでよろしくお願いします。