村を離れてからしばらくたった。
「霊夢」
魔理沙が私の横を並行しながら私を呼んだ。
「どうしたの?魔理沙」
「一度、私は自宅に戻ってもいいか?ミニ八卦路とかいろいろと準備がしたい。今回の異変は今までとはなんだか違う気がする」
「…わかったわ。20分後に神社で会いましょう……気を付けてね」
「おう!」
魔理沙は元気よく返事をして魔法の森へと進路を変更して飛んで行った。
改めて見回してみると本当に静かだ。…静かすぎる。
妖精たちが何かを知っているかもしれないかと捜してみるが飛んでいる妖精は全く見当たらない。
考えてみると魔理沙がさっき言っていた通り妙だ。
紅魔館や白玉楼などのとき、彼女たちには目的があった。
異変を起こした理由は身勝手なものではあるが人は殺さなかった。
目的が達成してしまえば人が死んでしまうものもあったかもしれない。
しかし、直接的に一つの村の村人を皆殺しにするなんて今まではなかった。
見逃されていたとか殺すことにより達成できる目的でなかったと言われればそうなのかもしれない。
だが、戦いにおいて弾幕で戦うことは、彼女たちは私を殺す意思はないという表れなのだ。
なぜならば、本当に殺す気であれば撃ってくる弾幕は十分の一以下しか撃たないだろうからだ。
もう一つの理由としては弾幕を使わずに普通に戦えるものが戦わないからだろう。
魔法使いのパチュリーや魔理沙などは話が別ではある。だが、私やレミリアはそもそも弾幕を使わなくても戦える。
レミリアはグングニルを私はお祓い棒を使って戦える。しかしなぜそうしないのかというと、相手にもこちらにも殺す意思がないからだ。
少々話が脱線したが簡潔にまとめれば、これは今までの異変のような戦いではない。
これは殺し合いだということだ。
異変を起こした連中もそれは承知の上だろう。新しく幻想郷入りした奴らじゃないのは明らかだからだ。
異変を起こしたやつらは北側の村の中央にあった異常があった際に鳴らす鐘を真っ先に狙っていたことから、幻想郷のことをきちんと知っているものだということがうかがえる。
そんなことを考えているうちに神社についた。
「やっぱり紫がいる気配がしないわね……」
呟きながら周りを見た。
とりあえず準備をするために自室に向かって歩いた。
札をさらに追加で補充し、霊力を回復させるために軽い水分を取った。
軽い魔力の補給はこうやって食物などから補給することができる。
「………」
目を閉じて自分の中の霊力を感じとった。
霊力が体をめぐる循環量。循環速度。霊力がどれだけ体の各器官に影響を与えているか。手、上腕、肩、胸、背中、腹、ふくらはぎ、下腿、足などの各部分から全身の骨の一本一本を丁寧に異常がないか確認した。
「…」
目を開け、時計を確認すると体の確認を始めたから既に三十分が経過している。
集中していていつの間にか時間がたっていた。
「…遅いわね」
正座を解き、立ち上がった。
こんな時に魔理沙は何をしているのだろうか。異変を起こした奴に襲われているのだろうか。
私は魔理沙のことが心配になり、居間や台所を意味もなく行ったり来たりをし始める。
「…霊…た……んだ!」
魔理沙の急いでいる声が聞こえだした。
「魔理沙……!?」
外に出ると魔理沙がいつものように箒にまたがって飛んできているのが見える。
「霊夢!大変だぞ!」
魔理沙が勢いよく直地したせいで若干足をもつれさせ、転びそうになりながら私の元まで走ってきた。
「どうしたの!?そんなに慌てて」
「わかったぞ!今回の異変の首謀者は…」
「私だよ、霊夢」
魔理沙の言葉を遮るようにして鳥居の方から声がした。
「……萃香…!」
見た目はいつも通りの彼女だ。しかし、身にまとっている雰囲気や気配が全く違う。それに萃香から感じる霊力はすさまじいほどの量だ。
「……っ!」
魔理沙もそれを感じ取ったらしく、緊張した顔をしている。
「…どうしたの?萃香。いつもと全然雰囲気が違うじゃない」
私が言うと萃香はああと返事をしてこう言った。
「異変を始めるからな…演技をする必要もなくなった」
「…演技?ずっとあなたは私たちのことをだましていたってことかしら?」
「ああ、そうだ」
「……で、あんたの目的は何?今まで何度も異変を解決してきたけど、あんたが起こしている異変は何かが違う」
「そりゃそうだ。今回の異変はお前が目的だからな」
「…私?…博麗大結界をどうにかするつもりかしら?」
「博麗大結界なんぞには興味はない。ただ、結果的に関係があるだけでな」
「そう。……私を殺す気ね」
「大正解」
私か言うと萃香が拍手をしながら言う。
「…そんなに平和が気に食わない?」
「平和は気に食わないが理由は別にある」
「そう。…異変の首謀者なんだし…あんたを今ここで退治しても問題ないわよね?」
霊夢がゆらりと前に出た。
賽銭箱に向かうために敷かれた石のタイルの一部が霊夢の踏み込みで砕け散った。
霊力で強化した私の踏み込みにタイルが耐えられなかったらしい。
自分の身長以上の高さを跳躍するのではなく、地面を這うように高速で萃香に突進し、お祓い棒を横に薙ぎ払うように振った。
ドン!
萃香がそれを自分の体に合たさせないようにお祓い棒を殴った。
どちらも霊力を使って強化した一撃ですさまじい威力だったらしく、合わさった部分から小さな空気の爆発が起きたかのように空気がゆがみ、風が吹いた。
だが、それだけでは終わらない。
動きは最小限にし、大ぶりの攻撃はせずにスキを見て攻撃をする。空気の爆発が何度も起きた。
萃香の隙を見つけるために彼女をよく観察しろ。筋肉のわずかな動き、目線、呼吸、踏み込む場所、踏み込んだ足の向き、それらをもとに今までのパターンから攻撃のタイミング、拳を突き出す速度、それの角度、どこを狙うか、これらを予測して戦わなければ萃香には勝てないだろう。
それに、なんとなくだが…萃香には何かがあると思う。奥の手のようなものだ。
それをやられる前に終わらせる。
私がワザと見せた隙、萃香はそれに引っかかり大ぶりの攻撃を仕掛けてきた。
右手での大ぶりの一撃だ。
これを食らえば霊力で強化している私といえども粉々になってしまうだろう。
それを萃香と対峙している私から見て右側に受け流し、がら空きとなったわき腹をお祓い棒で手始めに一撃。萃香の顔が痛みに歪んだ。
萃香の真後ろに陣取り、背中を数度お祓い棒で殴りつけ、霊力で足を強化して蹴り飛ばした。
「ぐあっ…!?」
博麗神社の周りに生えている木の一つに萃香は当たった。
「…さすがは博麗の巫女…強い強い」
特にダメージを負ったわけでもなさそうなスイカが立ち上がる。
「……」
萃香の言葉を聞きながらしながら魔理沙の方へと視線を向けた。
援護するために空中にいるが私とスイカの戦いは接近戦。私を誤って打ち抜く可能性もあるため、援護はないだろう。
萃香の反撃に対処できるように構えを取った。
「……もう時間か…」
萃香がそういうと萃香よりも後方の上空に人影が見えた。
「…あいつらは……」
魔理沙のかすかなつぶやきが聞こえた。
勇儀、歌仙、レミリア、咲夜、さとり、鈴仙、アリス、文の八人だ。しかし、それらの部下もしくは上司が入ればもっと増えるはずだ。
幻想郷中の奴が萃香の方に回っていると思ってもいいだろう。
「…で?…全員で私を八つ裂きにするのかしら?」
「いや、しない…まだな。お前には苦しんでもらわなきゃ困る」
萃香はそういうと粒子状となって八人の元へと行き、元に戻った。
「じゃあ、後で殺すから楽しみにしてろ」
「……」
萃香たちが飛び去った。
「霊夢。追わないのかっていうか……追うわけがないか…」
魔理沙が私の隣に降りてきた。
「…ええ。あの数を同時に相手するのはさすがに無理よ」
「だろうな……どうする?…私たちだけで大丈夫なのか?」
「一人ずつならできないこともない。でも、もしもの時のために人数は多い方がいい」
「誰に手伝ってもらうんだ?」
「さっきいたメンバー以外にも萃香たちに手を貸している奴もいるかもしれない。けど、聖のところと妖夢のところ…あとは早苗とかのところに行ってみましょう」
「わかったぜ」
魔理沙が箒にまたがり私は空を飛ぶ準備をし、とりあえず命蓮寺に向けて空を飛んだ。
「……霊夢。萃香の奴どうしちまったんだ?」
飛んでからしばらくたって魔理沙が口を開いた。
「…いきなりああなったわけじゃないわ。この異変には計画性がある」
「レミリアたちが向こうについたことか?」
「ええ。それもあるけど…萃香がなんで常に酔っぱらっていたかわかったわ」
私たち霊力のある人間は他人の霊力を感じることができる。しかし、お酒を飲むと霊力の一定の波が不規則に変動して、本当の霊力の大きさというのが感じられなくなるのだ。
それは妖怪も例外ではない。
「私たちに増えた自分の霊力量を隠して過ごしていたなんて…常に酔っぱらってたから完全に盲点だったわ」
「でも霊夢。どうやって萃香は魔力量を底上げしたんだ?」
「確かに…」
基本的に霊力というのは先天性と後天性があるが基本的に先天性の物であり、その量の上限は生まれたときに決まる。
先天性の物の場合はもともと霊力を持っていて扱ってきた家計の人間がそれだ。つまり博麗家の私だ。
後天性の物に当てはまるのは魔理沙だ。彼女は話したがらないが彼女の実家は道具屋で霊力を持つ家系ではないのだ。そういったところの子供は髪の色や目の色が親とは決定的に違い。魔理沙は金髪だが魔理沙の両親の髪の色は黒色だ。
魔理沙は後天性の魔力の持ち主でもともとあった霊力の量は微量であり、戦闘など夢のまた夢程度の霊力しかもっていなかった。しかし、今では空も飛べるし長期戦も耐えしのぐほどの霊力の持ち主となった。
つまり、後天性の物は努力次第で霊力はふえるということだ。
しかし、萃香は鬼。確実に先天性であり。相当なことをしなければ霊力量はそうそう増えない。
萃香の正確な魔力量を感じたことはない。だが同じ鬼で同じぐらいの実力を持つ勇儀と先ほどの萃香では霊力量が違いすぎる。
「本当。どうやってあそこまで増やしたのかしら…」
「…もし幻想郷に法があったなら、違法な手段を使ったのは間違いないぜ」
「…そうね」
「……そろそろ着くぜ、霊夢」
徐々に森の中に立つ命蓮寺が見えてきた。
「…そう…ね…?」
とある違和感を私と魔理沙は同時に感じ取った。
「あれ…?この匂い…」
風に乗って何かが匂う。
「…霊夢!…これ…血の匂いだ!」
私はとっさに加速し、急いで命蓮寺に向かった。
この距離ですら血の臭いを感じ取れた。もしかしたら、まずい事態かもしれない。
寺の庭に降りようとした。だが、それはできない。なぜならば血と死体で溢れ返っているからだ。
「……っ!!……なんだよ…これ」
魔理沙の声が震えている。当り前だ。
命蓮寺の入り口に来るとナーズリンが壁際に立っている。
だが、死んでいる。
「うっ……!」
魔理沙が口を押えた。吐かなかっただけ偉いと思う。
頭を壁に強く叩きつけられたらしく、頭部が潰れて中身が壁にへばりついているのだ。
相当な力だったのだろう。壁に立った体勢で縫い付けられている。
「魔理沙…大丈夫?」
「……だ…大丈夫だ…」
「生きている人を探すわよ」
「あ……ああ………そうだな…」
魔理沙はナーズリンから視線を外し、命蓮寺の方に歩いていく。
私も魔理沙の横を歩いた。
ナーズリンのところとは比べ物にならないぐらいの血の匂い。
門をくぐると上から見た時より死体の数が多く見えた。
この傷は一目でわかる。勇儀か萃香の仕業だ。
つぶしたり、千切ったりして戦える奴なんて鬼以外いない。
壁にまで血がこびりついている。
ここで虐殺があったのは考えるまでもない。
気配から庭に生存者はいない。
「……寺の中を探しましょう…魔理沙」
魔理沙の方を見ると顔が血の気が引いて真っ青になっている。
「……寺の中だな……わかった」
「……きついようなら大丈夫よ?遠くで休んでて」
「……大丈夫だぜ……」
顔が真っ青で今にも倒れそうだ。
「くれぐれも無理しないでね。無理そうだったら先に神社に帰ってても大丈夫だからね」
「ああ」
低速で神社まで飛んでいき、縁側に立った。
中からは人の気配がしない。
「…敵はいないよな?」
「命蓮寺の人たち全員がやられたのならこの場所には残らないと思う」
「…わかった」
「魔理沙は台所の方をお願い」
現在いる奥に進む廊下を進み、すぐに右側に曲がった先にある。
「…ああ」
魔理沙が台所の方へと向かった。
私は通路をもっと奥に進んで左に曲がった先にある大広間の方へと向かった。庭の血の臭いでよくわからないが台所の方からは臭いがあまり感じられない。死体がないことを祈る。
大広間の曲がり角のところに小さな傷のようなものがあったが、ビンゴのようだ。
曲がってすぐにちぎれた腕と足、血だまりがあった。
軽く宙に浮き、大広間の方に行った。
争った形跡がある。
庭に続く障子は室内に向けて壊れている。萃香か勇儀が外から突っ込んだか、この場所で死んでいる聖たちの中の誰かが吹き飛ばされてきたのだろう。
聖、星、一輪、水蜜、響子の死体。どの死体もひどく恨んでいるような表情をしている。よほどひどいことをされたらしい。
魔理沙は来なくてよかったかもしれない。
手足が千切られ、臓器を引きずり出されて食い散らかされているのだ。
……食ったのは誰だ?
萃香と勇儀と思われる二つの足跡は外に向かっている。だが、もう一つの血の足跡が私が入ってきた方とは別の障子の扉から廊下に出ている。
もし、その足跡の主がまだこの場所にいるならば、魔理沙が危ないかもしれない。
魔理沙が妖怪たちにそう簡単に後れを取るとは思えない。しかし、今の魔理沙の精神状態ではわからない。
大広間から出ようとしたとき、魔理沙が行った台所の方から物の壊れる大きな音が鳴り響いた。
「魔理沙!」
無我夢中で台所の方に向かった。
霊夢と別れて台所の方に向かった。
周りが静かすぎて自分の鼓動がいつもの数街近くに聞こえる。
もしかすると萃香たちでなくてもそれを手伝っている妖怪が残っているかもしれない。そう思うだけでも怖い。
庭の惨劇を見た後だ、そう思うのも無理はないのかもしれない。
「はあ…はあ…」
緊張で自然と息が荒くなる。
台所に入り、調理台を見た。料理を作っている最中で慌てて出て行ったらしく、正井がまな板の上に置かれたままだ。
この場所であったことは予測するしかない。でも、かなり混乱していたことは伺える。
視線を下に落とした時、あることに気が付いた。
「っ!」
まだ新しく乾ききっていない血の足跡があるのだ。
足跡を追っていくとその先には食堂があり、そこに何かがいる気配が何となくした。
生存者か。萃香の仲間かわからない。
呼びかけてみようとしたが緊張でかすれた声しか出ない。
「……」
いつでも攻撃できるように魔力で体を強化し、弾幕を放てるようにした。
扉の近くまで行き、ドアをけり開けた。
「……なっ…!?」
驚きでそれ以上の言葉が出てこなかった。
そいつは一心不乱に死体の肉に齧りついていた。だが、私がドアをけり開けたせいでこちらに注意が向いた。
「…な…何やってるんだよ!小傘!」
私の呼びかけに小傘のオッドアイの瞳が私に向けられた。
「ふふ…」
小傘が狂気を感じる表情で笑い、立ち上がって口の中にはいっている人の肉を飲み込んだ。
「わちきは…お腹がすいた……だから、食べるの」
小傘の口が三日月のように裂けた。
「…ひっ……!」
まさか小傘に怯えさせられる日が来るとは思わなかった。
「魔理沙は…食べていいの?」
小傘が言いながら私に向けて跳躍した。
小傘の右目の跡色の瞳と左目の赤色の瞳が放つ赤いオーラのようなものが宙に線を残す。
「…!」
狂ったように見える小傘に少なからず圧倒されていたらしく、反応に遅れた。
小傘が私に向けて降下し始めたころ、私はようやく右手の手のひらを彼女に向けた。
手のひらに光が集まり、レーザーが放たれた。
レーザーは小傘の脇腹をかすめただけでダメージは皆無だ。
二発目を撃とうとしたとき、小傘に右腕を弾かれた。
「うっ……!?」
大きく体勢の崩した私の目の前に小傘が着地した。
小傘は持っていた傘でボールを打つバットのように傘を振った。
「うぐっ……あ…!?」
小傘は成人男性よりも弱いぐらいしか力がなかったはずだ。しかし、今の小傘はそれ以上の攻撃力を持っている。
左わき腹をわきから殴られたことにより、右側に吹っ飛ばされた。
机や椅子を弾き飛ばし、障子を突き破って外に転がり出た。
縁側でも止まりきることができず、血だまりの庭に尻もちをついた。
ビシャッと血がはねて服が汚れた。
「くっ…」
わき腹の痛みに耐えながら体勢を立て直そうとした。
「きゃはははははっ!!」
「っ!?」
私が体勢を立て直す直前に小傘が私に向かって降下してくるのが見えた。
ドッ!!
私の胸の位置に小傘が着地した。
「あがぁっ!!」
体を魔力で強化していなければ、全ての肋骨が砕けていたかもしれない。
「じゃあ、いただきます」
小傘が私の腕をつかみ自分の元に引き寄せた。
「うふふ…」
小傘がうっとりとした表情で私の二の腕に嚙みついた。
「や…やめ……ろぉ…!」
グギッ!
歯が私の肉に食い込んだ。それは筋肉にまで達し、繊維をブチブチと千切った。
「あああああああああああああああああああああああああああっ!!!」
激痛で喉が避けるのではないかと思うほどの絶叫が漏れた。
だが、すぐに小傘は私の上から消え去った。
「魔理沙!大丈夫!?」
霊夢がお祓い棒で小傘を殴った霊夢はすぐに私を抱き起してくれた。
「ああ……何とか」
「小傘。あんたいったい何をしたかわかってる?」
霊夢が私を立たせてから離れて小傘と対峙し、ぞっとするような低い声で言った。
「ヒヒヒヒヒヒヒヒッ…!」
小傘が狂気の笑みを浮かべて笑った。
「そう…」
霊夢が呟き、構えを取った。
構えを取った霊夢に小傘がとびかかった。
「小傘、あんたにどんな理由があったとしても…手加減はしないからそこのところはよろしくね」
ドゴォッ!
霊夢のお祓い棒が小傘の顔を正確に殴りつけた。
「あがっ!?」
殴られて衝撃で小傘はぶっ飛び、命蓮寺を囲う壁に頭から突っ込んだ。
「くふふ……」
小傘はそれでも笑いながら立ち上がろうとした。
だが、それをさせる霊夢ではない。
小傘の頭を掴み、壁に後頭部を打ち付けさせた。
「聖たちはあんたがやったの!?」
霊夢が小傘に怒鳴った。
「ひひっ」
小傘が笑い、霊夢の腕をつかんだ。
霊夢の手を自分から外させようとしているらしい、だが、体を強化した霊夢に小傘がかなうわけがない。
霊夢がさっきよりも強く小傘の頭を壁に打ち付けた。
ビギッ!
小傘の頭を中心にして壁に放射状のヒビが広がった。
「もう一度だけ聞くわ。聖たちはあんたがやったの?」
「ヒヒっ…知らないね…わちきはお腹がすいたから食べただけ」
小傘が笑いながら言った。
「あんた…!」
お祓い棒で小傘を殴ろうとした霊夢の腕をつかんだ。
「ストップだ霊夢……どうした?いつものように冷静になれ……萃香たちに何かされたんだろう……。現場を目撃してるかもしれない…。大事な生き証人だ…何とかいつもの小傘に戻して話を聞いてみよう」
「…ええ。そうね」
霊夢はそうつぶやき、お祓い棒で小傘の顎を殴りつけた。
「あっ……!?」
脳震盪を起こした小傘がゆっくりと気絶した。
「……。魔理沙…傷は大丈夫?」
「ああ、…心配してくれてありがとう。……それと今回は本当に助かった」
霊夢にお礼を言い。自分のバックから包帯と消毒液を取り出した。
「かまれた場所がそこじゃあやりづらいでしょ?手伝うわ」
「おう。ありがとう…頼むぜ」
「それに血で汚れてるから神社に戻りましょう」
「ああ」
「ここではやりづらいし、とりあえず傷を押えていきましょう」
小傘を担ぎながら霊夢が言い、神社へと向かった。
駄文ですがこれからもよろしくお願いします。
一日に一度、できれば投稿していくように頑張ります。