キンコーンカンコーン
放課後を告げるチャイムが鳴り、4月からこの奈良県に引っ越してきた
さて帰ろうかと教室の扉に手をかけようとしたところで後ろからトントンと肩を叩かれる。
「和~今日もあそこ行くでしょう?」
「憧、穏乃…ええ今日は予定がないのでいいですよ」
「やった!!じゃあ早く行こ行こ!!」
「わわ!?押さないでください!」
和の背負っているランドセルを後ろから押して急かすのは
この二人と転校してすぐに仲良くなれたのはある共通点があったからだ。
正にそれこそ今から行こうとしている事の目的である。
三人はじゃれ合いながらチャイムの鳴り響く学び舎を後にした。
◆
三人が目指している目的地は山の上にある阿知賀女子学院である。中高一貫の女子高であるが生徒数は少ない学校で最初は生徒でもない自分が立ち入るのに戸惑いがあった和であったが今ではすっかり慣れ学校内を
なぜ生徒ではない三人がここに通っているのかというとこの阿知賀女子ではかつてここのOGだった
「しかしすっかり和もここに馴染んできたね」
「そうですね私は母の仕事の関係で転校が多いので…ここに来るまでこんなにもたくさんの人と麻雀で触れ合う機会がなかったのでとても楽しいです」
「そっかなら良かった和をあの時誘って正解だったよ」
「はい穏乃、憧、玄さんに赤土さん…麻雀教室の全員と仲良くなれてとても嬉しいですよ」
「和~今全員って言った?」
「は、はい言いましたけど?」
憧がなにやらニヤニヤしながら和に詰め寄り和は多少戸惑いながらも答える。
「チッ、チッ、チッ、和はまだ全員と仲良しになったワケじゃないんだな~」
「え?どういうことですか?」
「そっか和はまだ会った事ないんだっけ?あの人に」
「あの人とは?」
「ふふ~ん和に教えてしんぜよう!!阿知賀女子麻雀教室には…な、ん、ともう一人生徒がいるのだ!!」
和の知らないことを自分が知っていることが嬉しいのかなぜか得意げな顔で憧が答える。
「もう一人ですか…でも私が教室に通い始めてもう一ヶ月以上経ちますがそんな人一度も…」
「まああの人はね俗に言う幽霊部員ってやつだから滅多に顔見せないんだよ」
「私としずが最後に見たのは今年の二月かな?もう三ヶ月見てないや」
「はあ…じゃあそんな滅多に来ないということはその人はあまり麻雀が好きではないのでしょうか?」
「いやそんなことないんだけど…ねえ?」
「うん別に気にしなくていいと思うけどな~お年頃ってやつかな?」
「?」
二人の釈然としない返答を和は疑問に思っているといつの間にか目的の『阿知賀女子こども麻雀クラブ』と看板の出ている教室前に到着していた。
「「こんにちはー」」
「おやおや三人とも来たね」
「今日もよろしくお願いします」
(やっぱり…これで全員ですよね…あれは)
三人が扉を開けると麻雀教室の指導者である赤土はるえが三人を迎え入れる。挨拶の後さっさと憧と穏乃が雀卓に向かう中、和はキョロキョロと周りを見渡すが全員顔見知りの下級生の子達であった。
しかし周りを見渡す中で和はあるものを発見した。
「あのすみませんこの名簿見せてもらってもいいいですか?」
「ああいいよでもどうしたの?急に名簿なんか」
「いえ、ちょっと…」
「あー和さっき来るとき話してたことでしょ?」
「ちょ、ちょっと気になっただけです」
気を取り直しペラペラとページをめくっていくと『
「もしかしてこの方ですか?」
「正解!!和が会ったことがない謎の正体Xは龍一でした~」
「なんで憧が得意げなんだ?」
「そっか和は龍一に会ったことなかったんんだっけ?」
「はい…男性の方が来ているとこなんて一度も…」
「そうだよね全くあいつは…でも今日は運がいいよ」
「え?」
言葉の意味が理解できない和ははるえに聞き返してしまう。
「さっき玄から連絡あってさ今日は龍一のこと引っ張ってでも連れて来るんだって」
「龍一君来るの!!?」
「やった!!」
「久しぶりだね~」
「いつでも来ればいいのに~」
はるえの言葉を聞いた下級生のギバード達はぴょんぴょんと嬉しそうに飛びはねる。
「和、龍一が来たら打ってもらいなよ」
「え?」
「私達和が初めてここに来たとき二位と三位って言ったじゃん?アレは龍一さんを抜かしての順位」
「ということは二人よりも…」
「まああんまり一緒に打てないから確信はないけど」
そんな話をしていると廊下から大きな声で話す男女の声が聞こえてきた。一人は和達よりもひとつ上の年で阿知賀女子の中等部に通っている
「ほらちゃんと歩いてよ龍一くん!!」
「い、や、だ!!なんで玄安達中の校門の前で待ち伏せしてんだよ!?」
「だってもう三ヶ月も来てないんだよ?幽霊部員はダメなのです!!」
「わかったわかったから手離せ」
「離したら龍一くん逃げるかもしてないからダーメ」
「逃げない逃げないから!!ったく…うーす!!おひさでーす」
そしてガラッと扉が開くと不機嫌そうな顔をした中学生くらいの男の子がツカツカと教室に入ってきた。和はこの人に見覚えはなかったが瞬時に誰かを理解した。
この人が杉花龍一だと--------------------------
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