現在、時間はわからないが少女とは背中合わせの状態で座っている。
もちろんふたりとも裸のままだ。
まぁ、気温は高いからちょうどいいけれど、流石にこのままずっといるわけにもいかず、こちらから声をかけることにした。
「な、なぁ…いつまでもこれじゃまずいだろ?」
「えぇ…」
少女が少々不満そうに答える。
「あ…あと名前!俺は加藤陽多郎。君は?」
なるべく、少女を怒らせないように接しながらさりげなく名前を聞く。ずっと少女のまま、呼び名も無いんじゃあんまりだ。
「…です。」
声が小さく聞き取れなかった。
「え?もう1回」
「空!空ですっ!」
少し怒り気味だったが、空というなんとも彼女の髪の色にあった綺麗な名前を聞くことが出来た。
「さて、空これからどうする?」
「なんで呼び捨てなんですか…」
「じゃあ、空ちゃん…」
少女的に、変態から呼び捨てにされるのは嫌らしい。
「そうですね、まずはそこにあるロッカーを開けるべきでしょう。何が入っているか気になりますし、何かわかるかも知れません。なにより服が入っているかも。」
空ちゃんが答える。
なるほど、そういえばこの部屋には棺桶2つの他にロッカーが置かれていた。すっかり忘れていたが、確かに服とかが入っているかもしれない。空ちゃんの小さな胸も見納めかと思うと寂しい気もするが、このままだと完全に嫌われるだろうから仕方がない。
「そうだね、まずはロッカーを開けてみよう。」
そう言って、ロッカーの前まで移動する。
空ちゃんは、こちらの目が気になるのか後ろからひょいと顔を出して見ているようだ。
「よし、開けるよ。」
ゆっくりとロッカーに手をかけ扉を引く。
「え…」
ガタンと音をたてて開いたロッカーの中にはビッシリと様々な種類の銃やナイフ、弾丸、さらには手榴弾のようなものまで入っている。
「なんだ…これ…」
声が震えている。まぁ、こんな光景テレビや映画の中でしか見たことないからしょうがない。
「あっ!」
すると、後ろから空ちゃんの陽気な声が聞こえた。
「服があるじゃないですか!」
「え」
見てみると、そこにはひとり分の
………武器についてはひとまず置いておいて、先に解決させるべきはやはり服の問題だろう。空ちゃんは女の子なのだから。
「あのー…空さん」
「さん?」
「あーいや、非常に言いにくいことなのですけれど、服がひとり分しかありません。」
「え?」
「ですので、服を着れるのはどちらかひとりかもしくはふたりで服を分けあって着ることになります。」
「そ、そんなぁあ!!」
空ちゃんが膝から崩れ落ちる音が聞こえる。
後ろを向くわけには行かないので、音だけで判断するしかない。
「とりあえず、中にあったのはシャツとパンツ、ズボン、靴下、靴、あとはこのマントだね。」
「なんでひとりぶんしか…」
後ろから悲しげな声が聞こえるが耐えるしかない。
「空ちゃんから選んで着ていいよ。」
「え?いいんですか?」
空ちゃんの声が少し明るくなった。
「いいよいいよ。」
そう言って横にスライドするように移動しながら左に向く。
さらに左を向くと、空ちゃんの裸を拝めるが、そんなことはしない。
「ありがとうございます…」
少し照れくさそうにお礼を言いながら、空ちゃんがロッカーまさの前まで移動したようだ。
ゴソゴソという音を立てながら着替えている。
これはこれで、なかなかな状況だなと思いながら着替えるのを待っていると
「もう、大丈夫ですよ!」
と空ちゃんが言ったので振り返ると、そこには砂漠のような色をしたマントを羽織った空ちゃんがいた。
裸足であるところを見ると、靴とズボンは履いてないらしい。
エロいな。
魅惑の存在へと昇華した空ちゃんを見ながらロッカーの前まで移動し中を見ると、男ものの服一式がそのままかけられていた。
……………………え
「本当は服着たいんですけど、しょーがないです。」
空ちゃんが言う。
まさか、裸の上にマントを羽織っただけだとは…
恐ろしい…裸エプロンならぬ裸マント…