テイルズオブヴェスペリア ~転生者は錬装士(マルチウェポン)~   作: 奏

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第十三相

 

「ほい、到着っと」

 

俺達はハルルの街を出た後に東に真っ直ぐ進み、学術都市アスピオに到着した。

 

 

「ここが学術都市アスピオだ」

 

「薄暗くてジメジメして……おまけに肌寒いところだね」

 

「街が洞窟の中にあるせいですね」

 

「太陽見れねぇと心までねじくれんのかね、魔核盗むとか」

 

 

各々が感想を言いつつ、入り口に近づくと入り口の両脇に立っていた騎士に止められる。

 

 

「通行許可証の提示をお願いします」

 

「許可証……ですか……?」

 

 

エステルが首を傾げる。

 

 

「ここは帝国直属の施設だ。一般人を簡単に入れるわけにはいかない」

 

「そんなの持ってるの?」

 

「持ってねえよ、リオは前に入った事あるんだろ?」

 

「一応、通行許可証ならあるぞ…………ほい」

 

 

俺は持っていた通行許可書を見せるが、騎士たちはそれを見て訝しそうな顔をする。

 

 

「確かに通行許可書だが………だいぶ古いな、いったい、いつのだ?」

 

「多分十年近く前だな……」

 

「悪いがそんな古いやつは流石に有効期限切れだ」

 

 

そういうと騎士はそのまま古い通行許可書を俺に返す。するとユーリが前に出てきた。

 

 

「そんなら、中に知り合いがいんだけど、呼んできてくれない?」

 

「その知り合いの名は?」

 

「モルディオ」

 

 

ユーリの言葉を聞いた途端に騎士達は驚いた表情を見せる。

 

 

「モ、モルディオだと!?」

 

 

騎士達は一度お互いを見合う。

 

 

「や、やはり駄目だ。書簡にてやり取りをし、正式に許可証を交付してもらえ」

 

「ちぇ、融通きかないんだから」

 

 

カロルの言葉に騎士は怒ったのか武器を構える。するとカロルはすぐさま丁度近くにいた俺の後ろに隠れた。

 

おい、魔狩りの剣のエースさんよ、たかが人にビビッてどうする。

 

 

「あの、フレンという名の騎士が訪ねて来ませんでしたか?」

 

「施設に関する一切は機密事項です。些細なことでも教えられません」

 

「フレンが来た目的も?」

 

「もちろんです」

 

エステルの質問に対して騎士は当たり前だといわんばかりの表情をしている。だけどな……

 

 

「おーい、騎士さんよ、それフレンって騎士が来たって自供してるぞ~」

 

「!?」

 

 

俺の言葉でようやく気がついたようだが、既に時遅く、エステルが騎士に詰め寄る。

 

 

「……ということは、フレンはここに来たんですね!」

 

「し、知らん!フレンなんて騎士は……」

 

「じゃあせめて伝言だけでもお願いできませんか?」

 

「やめとけ、こいつらに何言っても時間の無駄だって」

 

 

そう言ったユーリの言葉でエステルは渋々といった様子で入り口から離れた。

 

 

「冷静に行こうぜ」

 

「でも、中にはフレンが……」

 

「諦めちゃっていいの?」

 

 

そのカロルの言葉がエステルに火をつけたのか、かなりの気合が入っている。

 

 

「絶対に諦めません!今度こそフレンに会うんです」

 

 

「オレはモルディオのやつから魔導器取り返して、ついでにぶん殴ってやる」

 

「たとえば犯人がエステルみたいな女の子だったとしても?」

 

 

俺がそう言うとユーリは、軽く言葉を詰まらせる。

 

 

「ま、ユーリは女の子には甘いって事がわかったし。他の入り口探すか!」

 

「おい!ちょっと待て!!」

 

 

ユーリの珍しく焦った声を軽く無視しつつ俺達はそのまま他の道を探し始めた。

 

 

 

そしてすぐ左に行くと、どうやら非常口として作られたのか。木製の扉のようなものがある。

 

ユーリは扉に手をかけたが、鍵が必要なのか開かない。

 

「都合よく開いちゃいないか」

 

「壁を越えて、中から開けるしかないですね」

 

「早くも最終手段かよ…」

 

そう言ってユーリとエステルが話している間に俺が扉の方を向くとカロルが扉の前でなにやらしている。

 

 

「フレンが来るのを待ちましょう」

 

「フレンは出てきたとしても、モルディオは出てこないだろ」

 

 

話している二人を放置して俺も扉に近づいてカロルの手先を見るとなにやら鍵穴を弄っているようだ。そして俺はそのまま思ったことを口に出す。

 

 

「へぇ、器用だな。ちなみにこれで空き巣に入ったの何件目?」

 

「ちょ!?やめてよ、ボクが常習犯みたいな言いかた!!……よし、開いた」

 

 

カロルの声が聞こえたのか今ままでエステルとユーリがこちらを振り向く。

 

 

「え?だ、だめです!そんなドロボウみたいなこと!」

 

「……おまえのいるギルドって魔物狩るのが仕事だよな?盗賊ギルドも兼ねてんのか?」

 

「え、あ、うん……。まあ、ボクぐらいだよ。こんなことまでやれるのは」

 

「んじゃ、行きますかね」

 

そう言って男集は中に入ろうとするがエステルがやはり反対のようだ。

 

「ほんとに、だめですって!フレンを待ちましょう」

 

「フレンが出てくる偶然に期待できるほどオレ、我慢強くないんだよ」

 

「右に同じく。なんならエステルはここで見張りしとく?」

 

「………わ、わかりました!わたしも行きます!」

 

 

エステルは渋々了承といった感じで、結局俺達は全員で中に入った。

扉の先はどうやら図書館に繋がっていた様で本という本がいたる所に置かれ、それを読むほとんどの人がローブを着ていた。

 

「なんかモルディオみたいなのかいっぱいだな」

 

 

そうユーリが感想を漏らしているとエステルは近くにいた男性に話かけた。

 

 

「あの、少しお時間よろしいですか?」

 

「ん、なんだよ?」

 

「フレン・シーフォという名の騎士が訪ねてきませんでしたか?」

 

「フレン?ああ、あれか、遺跡荒らしを捕まえるとか言ってた……」

 

「今、どこに!?」

 

「さあ、研究に忙しくてそれどころじゃないからね」

 

「そ、そうですか。……ごめんなさい」

 

「じゃあ、失礼するよ」

 

 

そう言って男は立ち去ろうとするがユーリが呼び止める。

 

 

「ちょ、待った。モルディオって天才魔導士知ってるか?」

 

「な!?、あの変人に客!?」

 

 

その言葉を聞いた男性は驚くと同時にもう関りたくないと言わんばかりに顔を歪める。

 

 

「へぇ、さすが有名人……ちなみにどこに住んでんの?」

 

「奥の小屋に一人で住んでる……」

 

「サンキュ」

 

 

ユーリがそう言うと男性はそそくさとどこかに行ってしまった。俺達はそのまま男性からの情報を基に図書館を後にした。

 

 

 

  =S=

 

~元騎士団~

 

 

カロル「態度、素行、どれをとっても、ユーリって騎士っぽくないよね」

 

ユーリ「何だよ、急に」

 

カロル「だって、ドロボウ見たいに裏口から街に入っちゃうしさ」

 

リオ「鍵を開けた張本人に言われると結構グサリとくるな」

 

エステル「私、フレンを追ってきただけなのに、いつの間にかドロボウになってたんですね!?」

 

ユーリ「まだ、何もとってねえっての」

 

リオ「不法侵入だけどな」

 

 

  =S=

 

 

 

 

「『絶対、入るな。モルディオ』。間違いないな」

 

小屋の前に着くとユーリはドアを開けようとしたが鍵がかかっていているのか開かない。そして次に扉を叩く。

 

「普通はノックが先ですよ……」

 

「いないみたいだね。どうする?」

 

「悪党の巣へ乗り込むのに遠慮なんていらないって」

 

「よし、それならカロル出番だ!」

 

「うん、OK」

 

ユーリからのお許しが出たのでカロルにGOサインを送る。

 

「え……?出番って……」

 

 

エステルはなんのことか分からず首を傾げるが、またもやカロルは鍵をいじり始める

 

 

「それもだめですって!」

 

 

慌てて何をしようとしていたのに気がついてエステルが止めるが、すでに鍵は開けられていた。

 

 

「ま、ちょろいもんだね」

 

「なあ、一応GOサイン出した俺が言うのもなんだけどカロル、お前ほんとに何件目?」

 

「だから!ボクは空き巣なんかはしたこと無いってば!!」

 

「それより、早く中に入ろうぜ」

 

 

そう言ってユーリは躊躇無く中へと入っていく。

 

 

「待って!ボクも行くよ~」

 

「あ、待ってください!もう、どうしてこう……」

 

 

それに続いて俺、カロル、エステルの順に中へと入る。

 

 

小屋の中に入るとこれまた図書館に負けず劣らず、見渡す限りに本が沢山積まれていた。

 

「すっごっ……。こんなんじゃ誰も住めないよ~」

 

「その気になりゃあ、存外どんなとこだって食ったり寝たり出来るもんだ」

 

「ユーリ、先に言うことがありますよ!」

 

「コンニチワ。オジャマシテマスよ。それとゴメンナサイ。カギはカロルがカッテニアケマシタ」

 

 

その言い草が不満だったのかエステルはユーリを見ながら呆れたような声を出す。

 

 

「もう、ユーリは……。ごめんくださ~い。どなたかいらっしゃいませんか?」

 

「居ないなら好都合。証拠を探すとするか」

 

 

そう言ってエステルは玄関で立ったまま入ろうとせず、ユーリとカロルそして俺は一緒に中を見回していた。

 

だが、ラピードが本の山に近づくとラピードが突然反応し、威嚇する。そこからムクッとローブを纏った人が突如現れた。

 

 

「ぎゃああああ~~~っ!あう、あう、あうあうあう」

 

 

カロルは驚いてユーリの後ろに隠れる。

 

 

「……うるさい……」

 

 

そうローブ姿の人物が呟いたかと思うと、次の瞬間には魔術の詠唱を始める。

 

ユーリはというとカロルを置いてその場を離れていた。そしてカロルの後ろに居た俺はというと……

 

───ガシッ!!

 

 

「え?あれ、ちょっとリオ!?」

 

「ドロボウは……」

 

 

後ろからカロルを抱えて。

 

 

「うわわわっ、待ってぇっ!」

 

 

そのまま──

 

 

「ぶっ飛べ!」

 

 

前に突き出す!

 

 

「カロルガード!」

 

 

ローブ姿の人物は躊躇わずファイアボールをカロル目がけて放った。

 

 

「ぎゃああああぁぁぁぁぁっっ!!」

 

 

説明しよう!!カロルガードとは相手の攻撃の際にただ単純にカロルを盾にするという(以下略)──

 

 

ファイヤーボールは当たると爆発が起こり、それが晴れるとローブ姿の人物はフードが外れて、少女の顔が見えた。

 

 

「げほげほ。ひどい……特にリオが……」

 

「いや、思わず手が勝手にな……反省も後悔もしていないけど」

 

「極悪人だよ!!」

 

 

カロルは咳き込みながら、俺は涼しい顔をしながらお互い呟く。

 

 

「お、女の子!?」

 

 

そんな話をしている間にエステルはフードを被った人の正体が少女だった事に驚きを表す。

 

 

「こんだけやれりゃあ、帝都で会ったときも逃げる必要なかったのにな……」

 

 

そういったユーリはいつの間にか少女の背後に回り、刀を突きつけていた。

 

 

「はあ?逃げるって何よ。何で、あたしが逃げなきゃならないのよ」

 

「そりゃ、帝都の下町で水道魔導器の魔核を盗んだからだ」

 

「いきなり、何?あたしがドロボウってこと?あんた常識って言葉知ってる?」

 

「まあ、人並みには」

 

「勝手に家に上がり込んで、人をドロボウ呼ばわりした挙句、剣突きつけるのが人並みの常識!?」

 

 

リタはユーリの言葉に思わずツッこむ。

 

 

「まぁ、それが普通の反応だよな~」

 

「リオはどっちの味方なの……?」

 

 

いやだってカロル、向こうの言ってる事、かなり正論だぞ?

 

そんな話している二人の間に今まで玄関に居たエステルが割り込んで、リタに会釈する。

 

 

「な、なによ、あんた?」

 

「わたし、エステリーゼと言います。突然、お邪魔してごめんなさい!……ほら、みんなも」

 

「ご、ごめんなさい」

 

「カロルが勝手に鍵、開けましたごめんなさい」

 

「リ、リオ!?」

 

「へぇ、そのがきんちょがねえ。もう一発当てとこうか?」

 

「あわわわ!?いや、これは、その……いやあああああ!!」

 

カロルはすぐに謝ったのだが俺の投下した燃料で再び少女がファイヤーボールを構える。

 

 

 

 

「それで、あんたら何?」

 

カロルが丸焦げになって地面を転がってる間に少女が根本的な疑問について問う。

 

 

「えと、ですね……」

 

「ま、簡単に言うとこのいろいろ黒いお兄さんが帝都から魔核ドロボウ追って、ここまで来たってわけ」

 

俺がユーリを指しながらエステルの代わりに説明する。

 

「いろいろ黒いって……」

 

ユーリが何かいいたそうだが、そのままま話を進める。

 

「それで?」

 

「魔核ドロボウの特徴が……」

 

 

そう言ったユーリは少女の事を指をさし。

 

 

「マント!、小柄!、名前はモルディオ!!……だったんだよ」

 

「確かにあたしはモルディオよ。リタ・モルディオ」

 

「背格好も情報と一致してるね」

 

 

カロルいつの間にか生き返ってたのか。

 

「リオのせいでほんと酷い目にあったよ」

 

 

 

「で?実際のところどうなんだ?」

 

「だから、そんなの知ら……あ、その手があるか……ついて来て」

 

 

リタはそう言いかけると何か閃いたのか突然ついて来いという。

 

 

「はあ?おまえ、意味わかんねえって、まだ話が……」

 

「いいからきて。シャイコス遺跡に盗賊団が現れたって話、せっかく思い出したんだから」

 

「盗賊団?それ本当かよ?」

 

 

ユーリはリタの言葉が信用できないのか訝しそうな表情を浮かべている。

 

 

「協力要請に来た騎士から聞いた話よ。間違いないでしょ」

 

リタそう言い捨てて、そのまま小屋の奥に入ってった。

すると俺達はリタに聞こえないような声で話し合う。

 

 

「騎士ってフレンのことでしょうか?」

 

「だろうな。あいつフラれたんだ」

 

「そういえば、外の人も遺跡荒らしがどうとか言ってたよね?」

 

「ということは、その盗賊団が下町の魔核を盗んだ犯人ってところだよな?」

 

「さあなあ……」

 

 

俺達が小声で話していると、リタがローブを脱ぎ捨てた姿でやってきた。

 

 

「相談終わった?じゃあ行こう」

 

「とか言って、出し抜いて逃げるなよ」

 

「来るのがいやなら、ここに警備呼ぶ?困るのはあたしじゃないし」

 

「ユーリ、ここは行ってみましょう。フレンもいるみたいですし」

 

「捕まる、逃げる、ついてくる、ど~すんのかさっさと決めなさい」

 

「わかった。行ってやるよ」

 

「シャイコス遺跡は街を出てさらに東よ」

 

こうしてユーリ達は、リタも加わり、盗賊団がいるというシャイコス遺跡に向かうことになった。

 

 

 

 =S=

 

 

~リタって……~

 

カロル「なんかリタってちょっと怖いよね」

 

エステル「そうでしょうか?」

 

ユーリ「まあ、あんなもんじゃねえの?なんか機嫌悪いみたいだし」

 

リオ「そりゃ、さっきのユーリがかました常識のせいだろ」

 

ユーリ「魔核ドロボウに礼を尽くす気はねえからな」

 

カロル「違ってたらどうするの?」

 

ユーリ「そんときは、謝るよ」

 

リタ「その言葉、忘れないでよ」

 

カロル「あ、聞いてたんだ」

 

リタ「聞こえただけよ。あたしが怖いとか」

 

ユーリ「気をつけろよ、カロル。ありゃ、根に持つタイプだ」

 

リオ「気をつけるも何も、既に手遅れでは?」

 

カロル「や、やだなあ、二人とも脅かさないでよ」

 

 

 

 =S=

 

 

 




毎度更新遅れて申し訳ありません
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