テイルズオブヴェスペリア ~転生者は錬装士(マルチウェポン)~   作: 奏

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第十四相

 

 

~シャイコス遺跡~

 

 

「ここがシャイコス遺跡よ」

 

「騎士団の方々、いませんね」

 

 

周りを見渡す。見た目は石でできた宮殿のような造りだが、いたる所が欠けていたりツタが巻きついていたりしてもはや廃墟といえそうな場所だ。けれどそこに一つだけ最近に出来たと思われるものがシャイコス遺跡の入り口の付近にある。

 

 

「この足跡、まだ新しいな。数もかなりあるし」

 

俺がそう言うとユーリ達も近づいてきて地面を覗き込む。

 

「騎士団が、盗賊団か、その両方かってとこだろ」

 

「きっと、フレンの足跡もこの中にあるんでしょうね」

 

「かもな~」

 

「ほら、こっち。早く来て」

 

 

カロル、エステル、ユーリが足跡を見て話しているのを横に、前を見るといつの間にか遺跡の奥へと進もうとしているリタがせかすように告げる。

 

 

「モルディオさんは暗がりに連れ込んで、オレらを始末する気だな」

 

「……始末、ね。その方があたし好みだったかも」

 

 

そういうと悪役顔と言うべきかニヤリと口の端を吊り上げる。

 

 

「不気味な笑みで同調しないでよ」

 

「な、仲良くしましょうよ」

 

「へぇ、始末か。………あ、そういえば、リタ」

 

 

俺はそう言いながらリタに近づいていく。

 

 

「な、何よ?」

 

 

リタは俺から不穏な空気を感じたのか一歩後ずさるが、俺はそのままリタの耳元でとある呪文を唱える。

 

 

「リタの家の二階、机の上から二番の引き出し」

 

「は?……………んな!?/////」

 

「「「?」」」

 

俺の言葉を聞いたリタは一瞬何のことかわからなかったようだが、すぐに意味を理解したのか驚きと羞恥で顔が真っ赤になる。ユーリ達は何をしているのかさっぱりのようで見ているだけだ。

 

 

「いやあ、随分と変った趣味をお持ちで……最近の女の子はみんな持って?……のわ!?」

 

 

俺がそんなこと考えてると横をファイヤーボールが通過する。

 

というか狙いが真っ先に頭って殺す気満々ですね~

 

 

「わ、忘れなさい///!というか今あんたの記憶ごと始末する!!」

 

 

その後しばらくの間、リタのMPが切れるまで遺跡の中を鬼ごっこし続ける羽目になったのだが、その上で学んだ事は………

 

 

「女の子の家の引き出しは勝手に開けるべきじゃないな」

 

「リオ、お前あの家で何してたんだ?」

 

 

一応、証拠探しと言う名目の物色だぞ?

 

 

 

 

そんなこんなでリタと俺の鬼ごっこのおかげと言うべきか、遺跡全体を見たが、ここらへんには騎士団や盗賊団一切見かけなかった。

 

 

「大体のところは見終わったんじゃないか?」

 

「っく、あんたは、なんで、そんなピンピンしてるのよ!!」

 

 

息も絶え絶えなリタを横に、ほとんど遺跡を見終わった(走った)俺達は一体の女神像の前に立っていた。

 

 

「騎士団も盗賊団もいねえな」

 

「もっと奥の方でしょうか?」

 

「奥って言ってもな。ほとんど見たけど誰もいなかったぞ?」

 

「誰かいるように見えないよね」

 

「まさか、地下の情報が外にもれてるんじゃないでしょうね」

 

 

いつの間にか息を整え、何か考えるようにしていたリタが呟く。

 

 

「地下?」

 

「ここっ最近になって地下の入り口が発見されたのよ。まだ一部の魔導士にしか、知らされてないはずなのに……」

 

「それをオレらに教えていいのかよ?」

 

「しょうがないでしょ。身の潔白を証明するためだから」

 

「身の潔白ねえ……」

 

リタは、遺跡にあった石像の横に移動して地面を見ていた。そこにカロルも近づいて横から覗き込む。

 

「地面にこすれた跡があるね」

 

「発掘の終わった地上の遺跡くらい盗賊団にあげてめよかったけど来て正解ね」

 

「なら、早く追いかけないと。これを動かせばいいんでしょ?」

 

カロルはそう言って石像を両手で押すが、びくともしない。

 

「はぁ、はぁ」

 

「カロル、少し退いて」

 

「え?う、うん……」

 

「リオ何をするんです?」

 

 

カロルを後ろに下げさせて俺が一人で女神像に近づく。

 

「いや、手っ取り早く……こうしようと思って、な!!」

 

 

ズドン!!

 

 

「す、すごいね」

 

「何者よアンタ」

 

思い思いの感想を述べつつ唖然としている本人以外。ちなみにさっきの音は俺が女神像を蹴り飛ばした音だ。

 

そして先ほどまで女神像があった場所の下にに地下に繋がる階段が現れていた。

 

「じゃ、サクサク行こうぜ」

 

そう言って俺達は

 

 

 

 

 

 

階段を降りたそこには、まるで一つの街をそのまま地下に埋めたような構造だった。

 

 

「遺跡なんて入るの初めてです……」

 

「そこ、足元滑るから気をつけて……」

 

先へ進もうとするエステルに、リタは注意する。ユーリはその様子を見ている。

 

「なに見てんのよ」

 

「モルディオさんは意外とお優しいなあと思ってね」

 

「はぁ……やっぱり面倒を引きつれてきた気がする。別に一人でも問題なかったのよね……」

 

「リタはいつも、一人でこの遺跡の調査に来るんです?」

 

「そうよ。」

 

 

そう言いながらリタはエステルを追い抜くと少し先で立ち止まり振り向く。

 

 

「罠とか魔物とか、危険なんじゃありません?」

 

「何かを得るためにリスクがあるなんて当たり前よ……その結果、何かを傷つけても、あたしはそれを受け入れる」

 

「傷つくのがリタ自身、でもですか?」

 

「そうよ」

 

 

リタはまるでそれが当たり前のようだと言わんばかりにあっけらかんとしていた。それでもエステルはその気持ちを理解すためにリタに言葉を投げかける。

 

「悩む事はないんです?躊躇うとか……」

 

 

その言葉を聞いたリタは半ば呟くように答える。

 

 

「何も傷つけずに望みを叶えようなんて悩み、心が贅沢だから出来るのよ」

 

 

それはまるで自分に言い聞かせるように言った言葉にも聞こえた。

 

 

「心が贅沢……」

 

「それに、魔導器はあたしを裏切らないから……面倒がなくて楽なの」

 

 

そう言ってリタは吐き捨てるように言うと遺跡の奥に進んで行ってしまった。

 

 

「なんか、リタって凄いです。あんなにきっぱりと言い切れて…」

 

「何が大切なのか、それがはっきりしてんだな」

 

「ま、俺はエステルは心が贅沢な方がいいと思うけどな」

 

「え?」

 

 

俺が後ろからそう言うと何故?と言った表情になるエステル。

 

 

「確かに、あの考えが悪いとは言わない。時には切り捨てるって選択が必要な場合もあるしな。………だけど」

 

 

俺は前を歩いているリタの背中を見ながら言う。

 

「その考えは時に、本当なら得られた結果までも無くしてしまう」

 

「本当なら得られた結果………」

 

「ま、適当に旅して回ってりゃあ、そのうち、リオの言ってる事も判るだろ」

 

っとエステルの横でずっと俺達の会話を聞いていたユーリがそう言って締めくくる。

 

 

  

 

   =S=

 

 

 

その後、俺達は達は遺跡の最深部まで進んだ。途中、ユーリはリタからソーサラーリングというアイテムをもらったり、侵入者用の罠のモンスターや魔物を倒して行った。

 

最深部につくと、まず目に入るのは鎮座している巨大な石像。その石像は何故か損傷部分がやけに少なく今にも動き出しそうな雰囲気さえ出している。

 

それを見たリタは真っ先に石像に近づく。

 

「あ、おい!」

 

「うわ、なにこれ?!これも魔導器?」

 

「こんな人形じゃなくて、オレは水道魔導器がほしいな」

 

「ちょっと、不用意に触んないで!」

 

リタはユーリに注意すると石像を調べ始める。

 

だが俺はすぐさまその気配に気がつく。ここにいたか……

 

 

「この子を調べれば、念願の自立術式を……あれ?うそ!この子も、魔核がないなんて!」

 

 

すると、ラピードが人の気配に気付く。

そこを見ると、そこにはローブを纏った人物が階上にいた。

 

 

「リタ、おまえのお友達がいるぜ」

 

 

リタはユーリに言われると、ローブの人物に言った。

 

 

「ちょっと!あんた、誰よ?」

 

「わ、私はアスピオの魔導器研究員だ!おまえたちこそ何者だ!ここは立ち入り禁止だぞ!」

 

「はあ?あんた救いようのない馬鹿ね。あたしはあんたを知らないけど、あんたが本当にアスピオの人間なら、ここにいるあたしをを知らないはずがないでしょ」

 

「………無茶苦茶なこと言うなあ」

 

「カロル、そこは突っ込んだらだめだ」

 

 

そう言うとローブの人物はひるんだと思えばそのまま人型魔導器に近づいた。

そしてユーリ達は武器を構えた。

 

 

「くっ!邪魔の多い仕事だ。騎士といい、こいつらといい!」

 

 

そう言ったかと思えばローブの人物はどこからか取り出した魔核を振り上げそのまま人型魔導器にはめ込んだ。

すると人型魔導器、ゴライアースはピピピピと起動音あげ青い光を放ちながら動きだした。

 

 

「うっわーっ、動いた!」

 

 

ゴライアースは近くにいたリタを右腕で凪ぎ払おうとするが……

 

 

 

ズドン!!

 

 

 

リタが壁に叩きつけられるかと思いきや、女神像を動かしたときのような音と共に壁に叩きつけられたのはゴライアースの方だった。

 

 

「アンタ……」

 

「さてと、俺がここはどうにかするからユーリ達はさっきの奴、捕まえといてくれ」

 

「そんな!?一人では危険です!!」

 

「そうだよ!いくらリオでも一人じゃ……」

 

「任せて大丈夫なんだな?」

 

「「ユーリ!?」」

 

 

ユーリの言葉にエステルとカロルの声が重なる。そして今まで怯んでいたゴライアースがだんだんと再び動き始める。

 

 

「もち!」

 

「わかった。なら、俺らはさっきの奴を追うぞ!!」

 

 

そう言ってユーリが走っていくとカロルとエステルも心配そうな顔を俺に向けた後ユーリの後追っていく。

 

 

「まだ、さっき助けられた仮があるんだから、勝手に死ぬんじゃないわよ」

 

 

リタは此方を振り返らずそう言ってユーリ達を追っていった。

 

 

「俺はまだ死なねーよ。なにより、こいつの”中にいる奴”は俺だけの問題だからな」

 

 

 

 

 

 

  =S=

 

 

 

 

 

 

 

ユーリ達は先ほど逃げたローブの男を追っていた。

 

 

「あっ、いたよ!」

 

 

カロルが言った方向を見ると、ローブの男が魔物に襲われていた。

 

 

「蒼波!」

 

「ガウッ!」

 

 

ユーリとラピードが魔物達を蹴散らすと、そのまま全員でローブの人物を囲む

 

 

「さーて、魔核盗んで歩くなんてどうしてやろうかしら……」

 

「ひぃい!やめてくれ!や、やめて、もう、やめて!俺は頼まれただけだ……。魔導器の魔核を持ってくれば、それなりの報酬をやるって」

 

「おまえ、帝都でも魔核盗んだよな?」

 

「帝都?お、俺じゃねぇ!」

 

「おまえじゃねぇってことは、他に帝都に行った仲間がいるんだな?」

 

「あ、ああ!デ、デデッキって野郎だ!」

 

「そいつはどこ行った?」

 

「今頃、依頼人に金をもらいに行ってるはずだ」

 

「依頼人だと……どこのどいつだ?」

 

ユーリはローブの男を睨みながら尋ねた。

 

「ト、トリム港にいるってだけで、詳しいことはしらねぇよ。顔の右に傷のある、隻眼でバカに体格のいい大男だ」

 

「そいつが魔核を集めているということかよ……」

 

「ソーサラーリングもどこかで盗んだのね」

 

「ぬ、盗んでいねえ!仕事の役に立つって依頼人に渡されたんだ!!」

 

「うそね。コソ泥の親玉なんかに手に入れられるものじゃないわ」

 

「ほ、本当だ!信じてくれよ!」

 

「なんか話が大掛かりだし、すごい黒幕でもいるんじゃない?」

 

「カロル先生、冴えてるな。ただのコソ泥集団でもなさそうだ」

 

「騎士も魔物もやり過ごして奥まで行ったのに!ついてねぇ、ついてねぇよっ!」

 

「騎士?やはりフレンが来てたんですね」

 

「ああ、そんな名前のやつだ!くそー!あの若造め!」

 

「……うっさい!」

 

地団駄を踏んでいる男にしびれを切らし、リタはサッシュを男に叩きつけた。

すると男はまるで糸の切れた人形のように気絶して倒れた。

 

 

「ちょ、リタ、気絶しちゃったよ……どうすんの?」

 

「後で街の警備に頼んで拾わせるわよ」

 

「それより、早くリオのところに戻りましょう!!」

 

「そうだな」

 

 

ユーリ達は男を置いて、遺跡の奥へと再び戻る。

 

 

 

 

  =S=

 

 

 

ズウン!!

 

遺跡内にゴレイアースが倒れる音が響く。だが俺は警戒を緩めない。

 

 

「さて、そろそろ出てくるか?」

 

 

その言葉を切欠に突如、倒れていたゴレイアースから真っ黒な泡のようなものが立ち込め、その泡がやがて一つに固まっていく。

 

 

そしてそこから出てきた”それ”はまるでクリオネのような半透明の胴体に頭から四本、下に一本の触手らしきモノを生やしたAIDA<Anna>だった。

 

 

「やっとお出ましか……俺の───、返してもらうぞ?」

 

 

── 来い ──

 

── 俺は ──

 

── 此処にいる!!──

 

 

 

「スケェェェェィス!!!」

 

 

そう叫ぶと俺はは白い体をした人型の憑神となる。

 

 

そうなるとAIDAが小さな光の玉をばら撒く。

 

 

「はあ!!」

 

 

俺はそれを両手の中で出現された大鎌でなぎ払う。だがAIDAはすぐさま次の行動に移る。

 

AIDAが周りの大気を吸収し始める。

 

 

「やば!?」

 

 

それに気がついた俺はすぐさまAIDAのいる斜線上から外れるすると先ほどまで俺がいた場所を一本レーザーが通り過ぎる。

 

俺は背中に生えた六枚の羽のような剣を広げ、光の雨を打ち出すそれはAIDAへと真っ直ぐ飛んで行き突き刺さると同時にAIDAの動きが止まる。

 

 

「こいつでとどめ、だ!!」

 

 

動きが止まったAIDAに接近して大鎌で相手を切り裂く。するとAIDAを覆っていたプロテクトのようなものが砕け散る。

 

すぐさま右手を前へと突き出すと、右腕が幾何学的な砲身へと変化する。そして砲身から弾丸が打ち出され、AIDAに当たると同時に右手へと幾何学紋様のようないくつもの帯が右手に流れ込んでいき、しばらくすると収まった。

 

やがて憑神の姿だった俺は元にに戻り、地面に着地する。

 

 

そこには俺と倒れたままのゴレイアースだけしかいない。

 

 

「っぐ!?あのAIDA、だいぶ食ってやがったな」

 

 

俺は突如襲った激痛に対して頭を押さえる。

 

 

「今回はイニスだったか……これで1と2と3が、揃ったからあと、5つとか、しんどい……というかもう無理」

 

 

そう呟いた俺の意識はそこで途切れてしまった。

 

 

 

 

 

 

────ねぇ、…のネ……レ……合う…な?────

 

────よ…、似…って…よ ………ス ───

  

  

 

 

  =S=

 

 

 

 

 

 

「わたしはハルルに戻ります。フレンを追わないと」

 

「……じゃ、オレも一旦、ハルルの街へ戻るかな。」

 

 

近くで聞こえる声に気づき目を開けると、そこはシャイコス遺跡のような石で出来た建造物ではなく見えるのが本の山と言う事から、どうやらここはリタの家のようだ。

 

 

「あ、リオ!気がついたんですね!!」

 

 

俺が目を開けたことに気がついたエステルが近寄ってくる。

 

 

「あ~わりい、心配かけたみたいだな」

 

「ホントびっくりしたよ、戻ってみたらリオが倒れてるんだもん!」

 

 

そこでドアが開く音がしてドアの方を向くとリタが入ってきた。

 

 

「あ、目覚ましたんだ。それにしても任せろって言っておきながら何やられてんのよ」

 

「いや、一応あれ自体は倒したんだし………それより、ドロボウの方はどうなった?俺が頑張ったのに捕まえられてなかったら泣くぞ?」

 

「それなら、むしろ犯人が今ごろ牢屋の中でひ~ひ~泣いてるんじゃない?」

 

 

リタがそう言うとユーリは立ち上がりリタの正面を向く。

 

 

「疑って悪かった」

 

「軽い謝罪ね。ま、いいけどね、こっちも収穫あったから」

 

 

そういってリタはエステルの顔を見ながら言う。

 

 

「んじゃ、そろそろ行く?なんか俺のせいで待たせてたみたいだし」

 

「そうだな、リオも起きたことだし。……世話かけたな」

 

ユーリがリタの方を向きながら言う。

 

 

「なに?もう行くの?」

 

「長居してもなんだし、急ぎの用もあんだよ」

 

「リタ、会えてよかったです。急ぎますのでこれで失礼しますね。」

 

「……わかったわ」

 

 

リタは何か言いたそうな顔をしながら頷いた。そして俺たちはリタの家を後にする。

 

 

 

  =S=

 

 

~はかない子って誰のこと?~

 

 

エステル「はかない子って誰のことです」

 

カロル「え!?」

 

エステル「カロルがノール港に行きたいのは、その子に会うためなんですよね?」

 

カロル「な、なんで知ってるの!?」

 

エステル「やっぱり!」

 

カロル「あ、違う、違うよ!大体、ノール港じゃ……」

 

エステル「ノール港じゃないんです?」

 

カロル「知らない……ボクは何も知らない」

 

リオ「カロル、エステルの顔見てみな。お前に逃げ場は無いぞw」

 

ユーリ「諦めないって書いてあるな」

 

カロル「そんなんじゃないんだってばー!!」

 

エステル「あ、待ってください。カロル~」

 

 

 

   =S=

 

 

 

 

 

俺達は広場から出口に向かおうとしているとリタも後ろについて来る。

 

 

「見送りならここでいいぜ」

 

「そうじゃないわ。あたし達も行く」

 

「え、な、なに言ってんの?」

 

「まさか勝手に帰るなってこういうことか?」

 

「うん」

 

「うんって、そんな簡単に!」

 

「いいのかよ?お前ここの魔導士なんだろ?」

 

「あたしはハルルの結界魔導器を見ておきたいのよ。壊れたままじゃまずいでしょ」

 

「明らかに、今、思いついたような気がするのは俺だけ?」

 

「はいそこ!黙ってる!」

 

 

強制的に黙らされる俺。すると代わりに後ろにいたカロルがあっけらかんとした声でリタに言う。

 

 

「それなら、ボクたちで直したよ」

 

「はぁ?直したってあんたらが?素人がどうやって?」

 

「よみがえらせたんだよ。バ~ンってエステ……」

 

「素人も、侮れないもんだぜ」

 

 

カロルの言葉を遮るようにユーリが言うが、やはり不自然に感じたのかリタが怪訝そうな顔になった。

 

 

「ふ~ん、ますます心配。本当に直ってるか、確かめにいかないとね」

 

「じゃ、勝手にしてくれ」

 

 

ユーリが呆れて答えると、エステルが突然近づいたことでリタが若干たじろぐ。

 

 

「な、なに!?」

 

「わたし、同年代の友達、はじめてなんです!」

 

「あ、あんた、友達って……」

 

「よろしくお願いします」

 

「え、ええ……」

 

 

こうして、リタが新しくメンバーに加わり、俺たちはアスピオを離れ再びハルルの街へと戻るのだった。

 

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