テイルズオブヴェスペリア ~転生者は錬装士(マルチウェポン)~   作: 奏

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第十五相

 

 

   =S=

 

~武器について~

 

エステル「カロルの武器、かなり大きいですけど使い辛くないんです?」

 

カロル「ちょっと重いけど、自分をおっきく見せる為にはこれくらい必要なんだ」

 

リオ「ああ、つまりあれか。小さい魔物が体を大きく膨らませて威嚇するやつ?」

 

カロル「そう、それと一緒……ってあれ?…ボク魔物と一緒?」

 

ユーリ「だからって、見た目変えたから中身が変るってわけじゃないしな」

 

カロル「でも、リオって毎回、戦闘ごとに武器変えてるよね?」

 

リオ「あーあれは………」

 

エステル「そういえば、以前はカロルよりも大きい剣を振り回していましたけど、どこから出したんです?今も手に何も持ってないようですけど……」

 

ユーリ「確か、城にいたときはエモノじゃなくて拳だったよな?」

 

リタ「そういえば忘れてた。どういう仕組みよアレ!!アタシだってあんな術式、見たことが無いわよ!!ちょっと見せなさい!」

 

カロル「リタ、目が怖いよ」

 

リオ「一応、順番に説明すると、武器を変えるのはなんとなくで、どうやって出したかというと………こう!」

 

カロル「うわ!ほ、ほんとにいきなり出てきた」

 

エステル「すごいです!!まるで魔術みたい!!」

 

リタ「うそ、術式が一切見えないなんて……どういうこと?」

 

リオ「というか俺、魔導器すら持ってないしな」

 

カロル「それで、魔物と戦えるってリオって何者?」

 

リタ「あーもう!!どういう仕組みなのかさっぱりわかんない!!」

 

リオ「リタ、落ち着け、どうどう」

 

リタ「アンタが原因でしょうが!!」

 

ユーリ「なんだか一気に騒がしくなったな」

 

 

 

   =S=

 

 

アスピオを出て再びハルルの街に戻ると相変わらずハルルの樹は花一つ一つに至るまでが咲き誇っている。

 

 

「げっ、なにこれ、もう満開の季節だっけ?」

 

「へへ~ん、だから言ったじゃん。ボクらで蘇らせたって」

 

 

リタの表情に驚きが見えたカロルはどうだと言わんばかりな態度をとる。しかしそれがいけなかったのか、リタは自然な足取りでカロルの正面に行くとそのまま……

 

 

───ドガ!!

 

 

カロルの頭にリタの手刀が炸裂しカロルはそのまま痛みに打ちひしがれるように蹲(うずくま)った。というか今の音は絶対手刀で出せる音じゃないよな?

 

そしてリタはそのまま何も言わずに走って行ってしまう。恐らくハルルの樹の根元へと向ったのだろう。

 

 

「おお、皆さんお戻りですか。騎士様のおしゃったとおりだ」

 

 

そしてリタを追おうとした俺たちに声をかけたのは長だった。

 

そう言った長はゆっくりとこちらに歩いて来るので何か用があるのかと思い、自分達も長に近づく。

 

 

「あの……フレンは?」

 

「残念でしたな、入れ違いでして……」

 

「え~また~?」

 

「ですが、結界が直っている事には、大変驚かれていましたよ」

 

「あの……どこに向ったか、わかりませんか?」

 

「いえ…私には、なにも……ただ、もしもの時はと手紙をお預かりしています」

 

 

そう言って長は持っていた手紙をユーリに手渡すと一礼して家の中へと戻っていった。

ユーリはすぐさま手紙を開けて中を見ると、そこには三枚の紙が入っていた。

 

エステルは正面からそして俺とカロルは両脇からユーリの持つ紙を横から覗き込むと一番上にあったのははユーリの似顔絵が載った手配書だった。

 

 

「え?こ、これ手配書!?ってな、なんで?」

 

「ちょっと悪さが過ぎたかな」

 

「い、いったいどんな悪行重ねてきたんだよ!!」

 

「こ、これって……わたしのせい……」

 

「ま、ユーリは以前からも悪さしてたからしょうがないんじゃね?」

 

「ああ、ちなみに二枚目はリオの手配書だぞ?」

 

 

なん、だと………俺は無罪なのに何故……

 

 

「それにしても、こりゃないだろ。たった5000ガルドって」

 

「俺としては、なんでユーリと同じ金額が俺の手配書にも書かれているのか不思議だな~」

 

「それで、手紙にはなんて書いてあったんです?」

 

 

そう聞くとユーリがエステルに手紙を渡して読み上げる。

 

 

「『僕はノール港に行く。早く追いついて来い』」

 

「『早く追いついて来い』ね。ったく、余裕だな」

 

「それから暗殺者には気をつけるように、と言うのと他の人にはあまり迷惑をかけるな、と書かれています」

 

「なんだ、やっぱり狙われてんの知ってんだ。というかオレ、他人に迷惑なんてかけてねえだろ」

 

「「いや、それはない(よ)」」

 

「あ、あはは………」

 

俺とカロルの声が重なり、エステルまでも苦笑いしてる。

 

 

「んで、身の危険って奴には気づいてるみたいだけどこの先、どうする?」

 

「そうですね……」

 

「オレはノール港に行くから伝言あるなら伝えてもいい」

 

「それは……でも……」

 

「ま、どうするか考えときな。リタが面倒起こしてないかちょいと見てくる。」

 

 

そう言ってユーリはハルルの樹の根元の方へと歩いて行ってしまった。

 

 

「わたしはどうするべきなんでしょう……」

 

「んじゃ、ちょっとした助言をしてやろうか?」

 

「え……?」

 

 

どうやら独り言のつもりで言ったつもりの言葉に返答が来たので驚いたように顔を上げて此方を見るエステル。

 

 

「まず、エステルには少なくとも二つの道がある。一つは城と言う鳥かごの中で安全に不自由なく何も外の世界を知らずに生きていく道。」

 

そこでいったん区切るとエステルは若干そわそわした表情になり、二つ目の道の方が気になるといった感じだ。

 

「では、もう一つと言うのは……?」

 

「ユーリや俺と一緒に旅をすると言う道。常に危険が纏わりついて下手したら命の保障も無い。もしかしたらエステルにとって残酷な未来が待ってるかもしれない。だけど変りに城では決して得られない、本当の自由とこの世界の真実が手に入る。……さてこれを聞いたエステルはどうする?」

 

 

「………わたしは…」

 

 

俺の言葉に対してエステルが迷いながらも何かを言おうとしたとき、最近よく聞き覚えのある大声が聞こえてきた。

 

 

「エステリーゼ様~~!!!」

 

 

そういって街の入り口から走ってきたのはいつもの騎士三人集、ルブラン、アデコール、ボッコスだった。

 

 

「ようやく見つけましたぞ。エステリーゼ様」

 

「ご無事で何よりなのであ~る」

 

「むむむ!貴様はユーリ・ローウェルの共犯者の男!」

 

「タイミング悪っ。というか一々その呼び方言いにくいだろ。俺はリオ・ヒイラギって名前だからよろしく」

 

 

俺は思わずため息交じりで答えてしまった。

 

 

「フン、悪党の名前なんか覚えてやらんのだ!!」

 

「貴様を捕まえた後は罪人ユーリ・ローウェルも一緒に捕らえてやるのであ~る」

 

 

そう言ってる内に、いつの間にかユーリとリタは戻ってきていたようで悠々と後ろから来て俺の横に並んだ。

 

 

「!!!ここであったが百年目、ユーリ・ローウェル!そこになお~れぇ~!」

 

「今回はバカにしつこいな」

 

「ユーリ、お前が遅いから変なのに捕まったじゃん」

 

「わりぃわりぃ、リタにちょっと話があってな」

 

「昔からのよしみとはいえ、今日こそは容赦せんぞ!」

 

 

軽く無視しても今だルブランの声が響く中、今まで黙っていたエステルが口を開く。

 

 

「二人は悪くありません。私が連れ出すように頼んだのです!」

 

「ええい、おのれ、貴様ら!エステリーゼ様を脅迫しているのだな!!」

 

「違います!こらはわたしの意志です!必ず戻りますから、あと少し自由にさせてください」

 

「それはなりませんぞ!我々とお戻りください!」

 

「戻れません!わかってください!!」

 

 

エステルはどうやらこれからの事をしっかり選択したようでその目には決意の感情が見て取れた。

 

だが、どうやらルブランも引く気は無いようだ。

 

 

「ここは致し方ない。どうせ罪人も捕らえるのだから……」

 

 

そう言うとデコ&ボココンビが前に出てきて武器を構えた。

 

というか判っているのだろうか?一応、エステルとルブランがいない状態でも4対2だぞ?

 

と言うわけで………

 

 

 

フルボッコしました。デコが途中オーバーリミッツとか言い出してたけど逆にユーリがそれ使って技連発するわリタが魔術で焼くわカロルに至っては転がってきたボコを打ち返してたしね。

 

俺は何してたかって?武器を出したよ大剣・大百足って言う、まぁ刃がチェーンソーみたいになってる剣出したら寄ってこなかった。もちろんこれは魔物にしか使わないから脅しで出してみたんだけど反応がよかったから俺としては大満足である。

 

 

「ええ~い!!情けない!!」

 

 

ルブランがそう言って自分も突撃しようとするがリタの魔術に焼かれる。

 

 

「戻らないって言ってんだから、さっさと消えなさいよ!」

 

「ユーリ、リオ、あの人たち!!」

 

 

エステルがそう言って指差す方をみると城にいた隻眼の暗殺者の姿が見えた。そして俺たちの姿を確認すると此方に向ってくる。

 

「やっぱりオレらも狙われてるんだな」

 

「今度は何よ!」

 

「ど、どういうこと?」

 

「んじゃ、さっさとノール港に逃げますか。あ、ユーリ。方角はここから西だからな」

 

「わかった」

 

 

俺がそう言うとユーリに続いてカロルとラピードがついていく。

 

 

「何してんだ二人とも。さっさと行かないと置いてくぞ~」

 

「わかってるわよ。ほらさっさと行く」

 

 

そう言ってリタがエステルの方を向くがエステルは今になって迷っているようだ。

 

 

「でも、私……」

 

「あ~っ!!決めなさい。旅を続けるのか、帰るのか」

 

「……今は、旅を続けます」

 

「賢明な判断ね」

 

 

そう言って話がまとまったのか二人とも此方に走ってくる。

 

 

「騎士団の心得ひと~つ!!『その剣で市民を守る』そうだったよなあ?」

 

 

ユーリの言葉を聞いた騎士'sはハッと何かに気がついたかと思うとルブランが声を上げる。

 

「その通りっ!!いくぞ騎士の意地をみせよっ!!」

 

 

そう言って隻眼の暗殺者達と対峙する。その間に俺たちは街を出て西にあるノール港へと向った。

 

 

 

 

    =S=

 

 

~エフミドの丘~

 

 

 

あの後ハルルを出た俺たちはそのまま西に向かって進んでいく。そしてノール港へ向う途中、エフミドの丘に来ていた。

 

 

「おかしいな……結界がなくなってる」

 

「ここに結界があったのか?」

 

 

ユーリがそう聞くとカロルは首を縦に振る。

 

 

「うん、来るときはあったよ」

 

「人の住んでないとこに結界とは贅沢な話だな」

 

「アンタの思い違いでしょ。結界の設置場所は、アタシも把握してるけど、知らないわよ」

 

 

そう言うとカロルは若干ふてくされた様に言う。

 

 

「リタが知らないだけだよ。最近設置されたってナンが言ってたし」

 

「ナンって誰です……?」

 

「え……?え、えっと…ほ、ほら、ギルドの仲間だよ。ボ、ボクその辺で、情報集めてくる!」

 

 

明らかな挙動不審になりながらカロルは走って行った姿を見ながら……

 

 

「「逃げたな」」

 

 

俺とユーリの言葉が重なった。

 

そしてそのままエフミドの丘をしばらく登ると道を阻むように横倒れとなった何かの残骸とそこ周りを囲むように騎士と関係者らしき人が立っていた。

 

リタはすぐさまそれが魔導器と気づいたようで近づこうとして関係者らしき青年に止められる。

 

 

「こらこら、部外者は立ち入り禁止だよ!」

 

「帝国魔導器研究所のリタ・モルディオよ。通してもらうから」

 

 

そしてリタの言葉を聞いた青年の顔が驚きに変る。

 

 

「アスピオの魔導士の方でしたか!し、失礼しました!」

 

「俺はその助手です」

 

そう言って俺も関係者らしき人の横を通り過ぎてリタの横から魔導器を見る。

 

 

「アンタいつの間に……と言うかいつからアンタがアタシの助手になったのよ?」

 

「ま、俺も魔導器にはちょっと興味があるからな」

 

「ふうん、ま、いいわ」

 

 

そう言うとリタは魔導器を見ながら何かブツブツといいながら思考の海に浸かってしまったようだ。

 

そして目の前の魔導器に目を向ける。ほとんどが倒れた衝撃で粉々に砕けていて魔核(コア)もバラバラとなっているため見るも無残な姿になっている。

 

 

どうやらこれは完全に壊せていたようだな。

 

 

そう考えてると横にいたリタが手を動かしながらなにやらガサゴソ弄っている。するとそれを見た関係者と騎士は急いでリタの動きを止める。

 

 

「な、何やってるんですか!?」

 

「ちょっと放しなさいよ、何すんの!?この魔導器の術式は、絶対おかしいのよ!」

 

「おかしくなんてありません。貴方の言ってる事の方がおかしいんじゃ……」

 

「アタシを誰だと思ってるのよ!」

 

「存じています。噂の天才魔導士でしょ?でも貴方にだって知らない術式の一つくらいありますよ!」

 

「こんな使いかたして魔導器がかわいそうじゃない!!」

 

 

そう言いながらリタが諦めようとせずさらに魔導器を触ろうとして騎士たちを引っぺがそうとする。すると痺れを切らした関係者の仲間がさらに警備の騎士を呼んで余計にややこしくなる。

 

 

「火事だぁっ!山火事だっ!」

 

 

すると魔導器とは反対の方にいたカロルが叫んだ事で一時的にそこがシンと静まり返る。

 

 

「山火事?音も匂いもしないが?」

 

「こらっ!嘘つき小僧!」

 

「やばっ……もうばれたの?」

 

 

そういってカロルは一目散に逃げ出した。それを追うように騎士が何人か走って行く。すると一人の騎士がユーリたちの前で止まると同時に、ユーリが俺の方に向って頷く。

 

リタ助けろってことだよな?

 

 

俺はすぐさまリタを掴んでいる騎士の後ろから首に手刀を叩き込むと騎士はそのまま倒れこむ。

 

 

「んじゃ、逃げるぞ」

 

 

そう言ってリタを立たせてから道からそれた草むらへと駆け込んだ。

 

 

 

 

 

 

「ふ~、振り切ったか」

 

「はあ……はあ……リタって、もっと考えて行動する人だと思っていました」

 

「はあ……あの結界魔導器、完璧におかしかったから、つい……」

 

 

ユーリ、エステル、リタは肩で息をしながら草むらの奥にいた。

 

 

「おかしいって、また厄介ごとか?」

 

「厄介ごとですめばいいけど……どの道あんたらには関係ないことよ。というかそういえばあの変な奴とガキンチョは?」

 

 

「変な奴とか俺の扱い酷くないか?」

 

「リオがボクに対しての扱いの方が酷いよ」

 

 

そういって俺とカロルがユーリたちの前に出る。

 

 

「二人とも無事でよかったです」

 

「というかアンタはさっきまであたしと一緒にここに逃げ込んだわよね?」

 

「その後すぐにカロル探しに行ったからな」

 

「アンタの体力どんだけあんのよ」

 

「それより、全員揃った事だし。さっさとノール港までいくぞ」

 

 

ユーリの言葉にみんなが頷く。

 

 

「それで、えと、どちらに行けばいいんでしょう?」

 

「ま、この獣道を行けば出れるだろ」

 

「なら、魔物に注意が必要ですね」

 

「なーに、魔物の一匹や二匹、カロル先生に任せとけば万事解決だろ?」

 

「そ、そりゃあね……でも結界があれば、魔物の心配も無かったのに」

 

「まったくよ。どっかのバカが魔導器を壊すから、ほんとにいい迷惑!」

 

「………」

 

「?……どうした、リオ?」

 

 

俺はいつの間にかボーっとしていたようだ。

 

 

「いや、なんでもない」

 

 

そう言って俺たちは獣道を進んでいく。

 

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