ヒットマンD×D   作:arare

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化け物

《沢田綱吉side》

 

 何だこの状況、いや確か父さんと母さんが俺を庇って殺されたのか。

 段々と思い出してきた、確かこいつらは、俺が持っている神器(セイクリット・ギア)と言うのをを狙ってきてそこで家の異変に気付いた両親が俺の部屋に飛び込んできて庇って殺された。

 その化け物は今、両親の死体を蹴ったりしている。

 どちらにしても胸糞悪い、目の前の存在を今すぐ消し去ってやりたい。

 

「先輩、何かガキが神器発動させて居ますけどどうしますか」

 

「あぁ?っち外れか、まあでも見たことない神器だから捕らえて上に報告するか」

 

 気になる事を言っているが後にする。神器を発動? もしかしてこのグローブの事か。でもこのグローブ、ボンゴレギアの形状変化かと思ったが何か違う。まるで自分と一体化したような。

 だが、今はそんな事を詳しく考えてる心境じゃなかった。

 ほぼ無意識で、両手のグローブに大空の炎を灯す。最初に何時も使っていた淡いオレンジ色の炎が灯ったがその後直ぐに炎の色が少し変わった。

 その炎は大空の属性ではあるが何処までも赤く真っ赤な炎で、まるで俺の怒りを体現しているのかと言えるほどに激しく燃える。

 その変化に気付かず俺はそのまま片方の化け物に突っ込み、首を掴み上げる。その光景は知っている人から見ればあきらかにおかしかった。

 まだ小学生になったばかりの子が、大の大人を宙に浮きながら首を掴み上げているのだから。

 

「かはっ!?」

 

 掴み上げられたコウモリ見たいな翼を生やした化け物が顔を驚愕に染めながら目を見開き、声にならない悲鳴をあげる。

 

 もう一人の化け物は、俺が一瞬に移動して上司らしき人物が首を捕まれている光景に目を白黒とさせ固まっている。暫くの間この状況が続くと思われたが、突然掴んでいた化け物の様子が変わる。

 

「ぎゃあぁぁあああああ――」

 

 突然化け物が叫びだし奇声をあげ、暴れだしたが直ぐに何も言わなくなった。

 もう一人の化け物に気を配って気付かなかったが、奇声を上げた化け物を見ると、俺が掴んでいた首もとが焼けただれ今にも首がもげそうになっていいた。

 

 何故だ? 俺の炎の天候は大空で、調和の炎だったはずだ。少なくとも俺はこの化け物を火傷擦るくらいの温度で首を掴み上げていただけだ。調整もミスってないし、もしミスっても石化するだけなはずなのに。それなのに何故? ......いや、この大空の炎は今までと何か違う。

 

 そこで灯している炎の違いに初めて気付いた。

 

 では何の炎?

 俺はこの炎を知っている?

 知り合いの誰かが使っていた炎だ、守護者ではない俺の仲間の誰かの。

 

 そこまで考えると一つの結論に至った。

 

「なるほど。ザンザスの炎か、でも何故だ」

 

 確か憤怒の炎だったかな。でもこの炎はザンザスとボンゴレ二代目しか使えなかった筈だ。何でそんな炎を俺が使えるんだ。

 まあ、いまはそんな事よりもう一人の化け物を何とかしよう。

 

 俺は死体となった化け物を、一気に右手から炎を噴き出して塵も残さずに死体を消滅させる。

 

「な、何だそれは」

 

 残った化け物が驚きながら聞いてくる。おそらくいきなり手から火を噴き出したので驚いたのだろう。

 

 今すぐ両親の敵を討ちたいが、我慢し情報を集める。

 

「おい、お前に聞く。何故俺を狙ってきた」

 

 少しばかり殺気を混ぜながら、化け物に右手を向け聞き出す。

 化け物は抵抗しようとしたが、だんだんと上がってくる殺気に恐れをいなしたのか、それとも自分だけは逃がして貰えると思ったのか渋々と話し出す。

 

 まずは自分たちの種族について話し始めた。

 この世界には、主に天使、堕天使、悪魔、そして人間と種族が別れているらしい。他には妖怪や神族などもいるらしいが今は関係ないので省く。

 

 こいつらの種族、悪魔には四大魔王と呼ばれる代表がいるが、自分たちは冥界の上層部の命令で神器を持つものを集めているとのことだ。

 

 何でも前の対戦での遺恨を無くす為に天使と取引をしているが、その取り引きで天使は魔剣か聖剣に関わる神器を持つ者、悪魔は種族を繁栄させるために人間や妖怪などの種族を取り引き内容に要求しているそうだ。

 

 悪魔勢力は上層部の独断で悪魔の駒(イビルピース)の製作、改良の実験か一部の悪魔はレーティングゲームと呼ばれる娯楽の捨て駒兼人員確保のため。

 天使勢力は一部の天使達と教会が人工的に聖剣使いを生み出す実験のために。

 

 俺はこの話を聞いた時、ふざけるなと怒鳴りたくなった。

 何故、人外たちの取り引きで人間を拐われなければならない。人間はお前らの道具か何かかと。

 怒鳴りたい気持ちを抑え込み、悪魔に話の続きを聞いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 話をある程度聞き終わると、右手に炎を集中させる。

 悪魔が俺をみて殺そうとしていることに気付いたのか、慌て始める。

 

「おい!? 話が終わったら、生かしてくれるんじゃ無かったのかよ!!」

 

 その言葉に俺は呆れる。

 

「だれも殺さないとは言ってないし」

 

 そう言葉を返し、右手に集めた炎の純度を上げる。

 

「俺は純血悪魔だぞ!! 俺を殺すとどうなるかわかってんのか!!」

 

 その言葉を無視して更に純度をあげて悪魔に触れる。

 

「ああ゛熱い!! やめろ下等生物!! 俺は!! 俺はここで死ぬべき存在じゃ無いんだあぁぁぁ――――」

 

 そんな言葉を最後に悪魔は全身に炎が広がり燃え尽きる。

 

「さて、これからどうしようか」

 

 これから行動するのには、今の姿は不便でしかない。

 いくら精神が大人でも今はまだ二桁にもなってない子供が、家に俺一人しか暮らしてないと知られれば色々とめんどくさくなる。

 

 幸い、この悪魔達は俺が住んでいる家には仲間には内緒で来ていたらしい。

 何でも、先の命令ではろくに成果を上げられなかったから自分たちだけの手柄を欲してここにきたそうだ。

 

 ああ、今思い出しただけで腹が立つ。でもとりあえずはこの神器と言う物の能力を確認するために山暮らしかな。

 サバイバル生活の仕方はある程度リボーンに教え込まれたから大丈夫だろう。だが一応、念のために証拠隠滅の為に家を燃やすか。

 

 味方が帰ってこないのが原因に探しまわられたら厄介だ。それなら跡形もなく、家を燃やした方がかえって気付かない。ついでに俺の死因偽装のために。

 悪魔の仲間は秘密裏に動いているから、こんな人間に目立つようなことはしないだろうと思う筈だ。

 そうときまれば家を出る為に、準備をする。

 

 

 準備が終わりリュックを背負う。部屋を最後に出るときに自分の部屋を見渡す。

 小学生になるからと、買ってくれた勉強机やランドセル等の必需品。飾ってあった家族の旅行写真や家族写真。

 それらを見渡し、最後に自分を命掛けで守ってくれた、両親をみる。

 

「ごめんなさい、父さん母さん」

 

 そう言い残し、部屋を出て家を去る。

 

―もっと俺が早く目覚めていたら助けられたかもしれないのに―

 

 

 最後に聞こえたのは、夜中に鳴り響く数台のサイレンの音だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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