~とある森の中~
森の中で、三人の悪魔が何かから逃げるように森の中を駆け抜ける。
「ハァハァ、くそ!!、簡単な仕事じゃ無かったのかよ」
「何ですか、あれ、あんな化け物がいるなんて聞いてないですよ!」
「文句を言うな!、追い付かれるぞ!」
そんな悪魔たちの後ろからオレンジ色の閃光が迸る。
「お、追い付いてきたぞ!?」
「バカな、何故人間如きがこのスピードについてこれる」
悪魔達の追跡者の姿が見えた瞬間、
ゴォォォォォオ
そんな音と共に拳大の炎の球が大量に飛んでくる。
その事に気付いたのか、悪魔達は必死に避ける。
先頭を走っていた悪魔には当たらなかったが、後ろの二人が球に当たった。
「ッ――」
「あ―――」
二人の悪魔にあたった瞬間熱量が増し、一瞬にして悪魔が燃え尽きる。
先頭を走っていた悪魔は仲間が一瞬で殺された事に驚き、そして後ろからの急激な爆風により姿勢を崩し前方に転げる。
急いで立ち上がり逃げ出そうとするが、背中に強い衝撃を受けて地面に押さえつけられる。恐らく足で踏みつけられているのだろう。
悪魔がその人物が誰かと思いその正体を見ようと背後に視線を向けると、額と両手に炎を灯している十代ぐらいの少年がいた。
「はは、化け物」
「化け物はお前らだろ」
悪魔は乾いた笑みを浮かべ最後の意思返しとして言うが、少年に真顔で返される。
そんな会話を最後に、熱さと共に意識を失い悪魔の意識が戻る事は永遠に無くなった。
《沢田綱吉side》
目の前の悪魔を炎で消し去ったあと、おもむろにポケットから携帯を取り出す。
「あ、バラキエルさん、悪魔の討伐終わりました」
『ああ、ありがとう。何時も手伝ってくれて済まない綱吉君』
「いえいえ、何時もお世話になっている恩返しですよ」
『そうか、なら早く帰って来なさい。』
「わかりました」
そう言って電話を切り携帯をポケットに仕舞い帰路につく。
あの日から四年が経った。
バラキエルさんとは、たまたま朱乃と朱璃さんが天使達に襲われている所を見つけて助けた時に知り合った。
その時は、人外に良い印象を持っていなかったから直ぐに立ち去ろうとしたが、朱乃に泣きつかれ、急いで帰ってきたバラキエルさんに敵と間違われ戦うというハプニングがあったものの直ぐに勘違いに気付き土下座された。
超直感もなにも反応を示さなかったので取り敢えず話し合いをすることになった。
その後俺に帰る場所が無いことを知ると家に半年近く暫く泊めてくれたがバラキエルの働いていたグリゴリという場所で暮らせるとのことで今ではそこで暮らしている。
朱乃と朱璃さんはもうこんな事が無いように、バラキエルと一緒にグレゴリで暮らすようになり、最初にひと悶着があったものの、俺が実績を残し始め暫く経ったらそう言う事も無くなった。
まあ、最初にグリゴリのなかで結構強いというコカビエルが挑んで来たので、軽くボコったからなのだろう。
今では定期的に戦闘狂が挑んでくる。
見た目がガキなのに何がしたいんだろうと思った。
因みにさっき殺した悪魔達は、人間を誘拐し冥界のオークションに娯楽用として売り捌くのを仕事としていた悪魔だ。
何個かのグループを作って行動をしていたが、あいつらが最後に潰したグループでもうこの仕事は終わりだ。
今回の事でさらに悪魔が嫌いになった。
何故なら、こいつらのアジトを見つけ潰したときに、拐われた何人かの人を記憶を消して逃がせたが、ほとんどが四肢の何れかを失っていたり片目を抉られていたりと、殺してくれと頼む人達がいた。
恐らくオークションに売れ残ったのか、そう言うのが目的で個人的に拐ったのか知らないが、本当に胸糞が悪い。
元マフィアのボスが何を言ってるんだかの話だが。
「おっ、綱今帰ったのか?」
グレゴリにつき今回の事を思い出しながら通路を歩いていると、反対側から来た少年に話し掛けられた。
「ああ、そうだよヴァーリは?」
ヴァーリ、時々俺に挑んで来る白龍皇と呼ばれる神器を持つ俺と同年代の少年だ。
彼は親に虐待をされ逃げ出し、行き場を無くしたところでアザゼルに拾われたらしい。
「アザゼルに呼び出されたんだよ、チームを作ったらどうだってね」
「そうか、すごいな」
「綱は一人で任務こなす癖に何いってるんだよ」
「あはは、」
それはどうしても仕方がない。もうボンゴレで正式にボスになった頃に何百回、何千回と経験しているからな。
任務では、まともに雲と霧が動かなくなる事が多かった......自業自得だけど。
そんな風な事を考えながら、心に留める。
それからヴァーリと数十分ぐらい他愛のない話をして別れた。
自分の泊まっている部屋にたどり着き、戸を開けると誰かが抱き付いてくる。
「お帰り、つ~な君」
「ただいま、朱乃ちゃん」
時々、任務とか訓練とかが終わって部屋に帰ってくるとご飯を作って迎えてくれる。
最初にこの事に気付いたバラキエルさんは、まだ娘はやらんとか言われたが直ぐに朱璃さんに連れていかれていた。
その後どうなったかと言うと、俺はその時朱璃さんが浮かべていた笑みがどうしても忘れられなかったとだけ言っておく。
「つな君、怪我とかしてない?」
「大丈夫、無傷だよ」
朱乃ちゃんは、こうやって何時も心配してくれる。
でもその言葉を聞くと心が暖かくなる。
多分だけど、親を殺された悲しみがまだ残っているのだろう。いくら精神が二十歳を越えていようと、体はまだ十歳の子供でしかない。
「綱君、大丈夫?」
朱乃も何となくだが気付いているのだろう、心配そうな顔をし抱き付いてきて慰めてくれる。
「大丈夫だよ」
「そう、よかった」
すると朱乃ちゃんは笑顔になる。
俺はこの顔を見ると、毎回思ってしまう。
絶対にこの子だけでも守ろう、もう二度とこの笑顔を無くしてしまわないように。
白龍帝から白龍皇に直しました。
すいません。