冴えないヒロインと捻くれ者   作:リヨ

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やっぱり安芸は爆ぜればいいと思う。

ラノベ売り切れてた.....最近俺の行きつけの書店客が多くなってきたんだよな。

「ねぇ〜いいじゃん、少しくらい」

「いや、だから私用事あるんで....」

ん?ナンパか?こんな人通りの中でよくやるな。.....ここはスルーするか。

「少しだけだから!ね!」

「もう、しつこいなぁ。私用事あるんだってば」

「あ?下手に出てればなんだその態度?仕方ねぇ、お前ら連れてくぞ」

「きゃっ!ちょ、ちょっと離してよ!」

....いや、さすがに助けた方がいいか。なんで周り素通りするんだよ....

「おい」

「あ?なんだてめぇ」

「困ってるだろ、その子」

「お前には関係ねぇだろ。痛い目にあいたくなきゃここから去れ」

「....警察も呼んであるんだけど」

「...ちっ、行くぞお前ら」

....ふぅ。よくあいつら信じたな。大抵ああいうの嘘なのに。

「あ、ありがとう...」

....すげぇ怯えた目してるし。この目が悪いんですね。すみませんね。

「俺もういくんで」

「あっ....ま、待って!せめて名前!」

「名乗るほどのものじゃねぇよ」

「.....」

今の俺、超かっこいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日もサークル活動は平常運行。霞ヶ丘先輩はシナリオを、澤村は原画を書いている。安芸は知らん。加藤はスマホを触り、俺は読書だ。

「......」コソコソ

「倫也ーここって.....何見てんの?」

「あ、ちょっ!」

 

「それで?この美智瑠さんって誰?」

現在安芸は霞ヶ丘先輩によって吊し上げられている。

原因は安芸のメール内容だ。

「えっと....いとこです」

「それで?この夜食を決めているであろうメールから察するに、一緒に住んでるのかしら?」

「う、うん....家出したらしくて....」

「従兄弟ということは、仲がいいの?」

「まぁ、うちの家系って必ず出産の時同じ病院なんだけど、俺と美智瑠は同じ時期に生まれたんだ」

「つまり、生まれた時からの幼馴染みということね。そこら辺のパチモン幼なじみなんか目じゃないってことね」

「ぱ、パチモン....」

あー、澤村が一撃でKO寸前。

「い、いやそこまでは.....」

「つまり同棲してるわけよね?あんなことやこんなことしてるのよね?」

「いや、健全な生活しかして....ないけど」

「なにかしら今の間は」

「い、いや...,俺は健全だけど、美智瑠の服装が....」

「なるほど、気を許せる関係だから、露出もすごいと」

「.....ま、まぁ」

「うらやま.....爆ぜろ」

「ふっ、羨ましいって言おうとしたろ」

「り、ん、り、く、ん?」

「ひいっ!?」

 

 

 

 

 

数日後

「みんな!前話した美智瑠なんだけど、そいつにゲームのbgm担当してもらおうと思うんだ!」

.....何急に?

 

 

続く


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