◇
エニエス・ロビーから脱出した俺達はゆったりと波に揺られてウォーターセブンを目指した。途中、仮面を取っていたウソップが我に返ってまた仮面をつけてしまい、再びそげキングに戻ってしまった。
「おや?皆さん、前方から船が……」
「あれはガレーラカンパニーの船だ。」
「アイスのおっさん!」
しばらくすると前方から大型の船が近づいてきた。その船の帆にはガレーラカンパニーの会社名とロゴマークが描かれていて、たくさんの船大工が乗っている。総出でお出迎えに来てくれたようだ。
メキメキ……
「?……メリー?」
バキッ!!
「「「うわぁ!?」」」
その時、一瞬嫌な音を立てたかと思うとメリー号の前方部分が折れてしまった。空中に浮いていた俺はともかく、他の皆はバランスを崩して甲板に倒れる。力尽きたかのように壊れたメリー号だが、メリー号はもう二度と走れないと断定された船。考えてみればこれが当然の結果なのかもしれない。
「おいおっさん!メリーがやべぇよ!頼む!何とかしてくれ!!」
慌ててルフィが船に乗っているアイスバーグさんや船大工達に助けを求める。しかし、返ってきた返事はアイスバーグさんの「もう眠らせてやれ」の一言だった。話を聞くとアイスバーグさんはどういう経緯か波にやられ、廃船所に打ち上げられていたメリー号を発見し、謎の声に頼まれてできる限り修繕したらしい。その後、メリー号は引き寄せる波に乗ってひとりでに海へ飛び出して行ったらしい。
「長いこと船大工をやってるが、こんな凄い海賊船は見たことがない。見事な生き様だった。」
「………………分かった。」
アイスバーグさんの言葉に長いこと考えてルフィはついにメリー号に別れを告げることを決断した。ガレーラカンパニーの船から小舟を二隻借り、少し離れた所でルフィ以外の全員が小舟の上で並び、船長であるルフィがもう一つの小舟に乗り、代表でメリー号に火をつける。
「メリー、海底は暗くて寂しいからな。俺達が見届ける。」
そう言ってルフィはメリー号に火をつけた。炎は着火箇所から徐々に徐々に燃え広がっていく。よくゾロとルフィが特等席だと言って取り合っていた船首、下手な操舵であちこちぶつけてボロボロになった側面、ルフィ達が破いて俺が夜なべをして縫い合わせた帆、不味い不味いと酷評をもらいながらサンジと料理の特訓に励んだ台所、そのすべてが炎に包まれ、海底へとゆっくり沈んでいく。
『ごめんね……』
その様子を見届けていると、不意にまたあの声が聞こえた。
『もっと皆を遠くに運んであげたかった。だけど僕は……』
「ごめんっつーなら俺達の方だぞメリー!!俺舵下手だからお前を氷山にぶつけたり島に乗り上げたりよ!帆も破ったことあるしよ!ゾロもサンジもアホだから色んなもん壊すしよ!その度にウソップとエレインが直すんだけど下手くそでよぉ!!」
『……だけど僕は幸せだった。今まで大切にしてくれてどうもありがとう。僕は本当に幸せだった。』
「っ!!…………メリーィィィィ!!!」
「……ありがとう、メリー号。」
ルフィが叫ぶ中、俺は小さくお礼を言った。こうして海賊船ゴーイング・メリー号は皆に看取られながらその最期を迎えた。
▼
「もぐもぐガツガツ!」
「もう!船長!ボロボロこぼしてます!あぁ、ほら!ソースが口の周りに!こっち向いてください!きゃっ!ちょ、こら!私の服で拭かないでください!!」
エニエス・ロビーでの戦いから二日後、俺達はガレーラカンパニーが建ててくれた仮設住宅にお世話になっていた。キッチン、バス、トイレ付きとかなり贅沢な造りである。
そして、さっきから俺が何をしているかと言うと、ルフィのお世話である。迷惑なことにルフィは最近寝ながら食べる技術を編み出したようで、今もそれを使って寝ながらサンジの料理を食べている。だが、所詮寝ながらであるので行儀はいつも以上に悪く、そこら中を汚して食べている。それで見ていられなくなった俺がお世話をしているというわけだ。
「今帰ったぞー!!」
しばらく仮設住宅で過ごしていると、フランキー一家の治療に行っていたチョッパーとロビンが帰ってきた。
「ロビンから目を離さなかったぞ!」
「よし!ご苦労チョッパー!」
「フフッ、もうどこにも行かないったら。」
ビシッと敬礼をするチョッパーにサンジが敬礼を返す。もう二度とロビンが離れないように一味全員で見張っているのだ。
「おう!お前ら!スーパーか!?」
次にフランキーがポーズを決めて仮設住宅に飛び込んできた。フランキーはその場にドカッと座り込むと何やら話し始めた。
「……ある戦争を繰り返す島に__」
「何だ突然!つまらねぇ話なら聞かねぇぞ!」
「黙って聞け!」
フランキーの話によると、世界には例え何があっても倒れない最強の樹”宝樹アダム”が数本だけ生えており、その樹の一部が裏のルートで売りに出されることがあるらしい。フランキーの夢はその宝樹でどんな海も越えて行ける夢の船を造ること。俺達から奪った2億ベリーでその宝樹はもう手に入れ、図面も作成済み。これから造るその船が完成したら俺達に乗って行ってほしいそうだ。
「じゃあ、私達その船をもらえるんですか?」
「そうだ。俺の気にいった奴らに乗ってもらえるんならこんなに幸せなことはねぇ。」
「うおぉ!ありがとうフランキー!!」
「嬉しい!ルフィ!船が手に入るわよ!」
「ぐが~。」
船が手に入るとあって大喜びの皆。そんな中でもルフィは相変わらず寝ながら食事を続けていた。
ガヤガヤ!わーわー!
「?何でしょう、外が……」
そんなことを話していると、何やら外が騒がしくなってきた。不思議に思った俺が扉に近づいた次の瞬間__
ドカァァァァンッ!!!
「ひゃあぁぁぁっ!?」
「へぶっ!?」
突然扉が爆発四散し、俺はその衝撃に吹き飛ばされて寝ているルフィにぶつかって二人仲良く床に転げ落ちた。
「お前らが麦わらの一味か。」
「海軍か!」
俺がふわりと飛び上がると破壊された扉や壁の瓦礫を踏みつけた、将校のマントと犬の被り物を身に着けた海兵と、その後ろに大勢の海兵の軍が目に入った。俺は慌ててシャスティフォルを構え、皆と共に戦闘態勢を取る。
「くか~。」
「起きんかぁ!!」
ドゴォンッ!!
犬の被り物の海兵は視認できないほどの超スピードで動き、俺がぶつかってもなお眠り続けるルフィに拳骨をくらわした。
「イデェーー!!」
「痛ぇ?何言ってんだ!パンチがゴムのお前に効くわけが………」
拳骨をくらったルフィは飛び起きて殴られた箇所を押さえて転げ回る。打撃が効かないゴム人間のルフィに拳骨でダメージが通り、サンジは動揺する。
「愛ある拳に防ぐ術なし。ずいぶん暴れておるようじゃのぉ、ルフィ。」
そう言うとその海兵は被っていた犬の被り物をおもむろに外した。すると白髪と白い髭を生やした強面の老人の顔が現れた。
「げぇ!?じいちゃん!!」
「「「じ、じいちゃん!?」」」
その顔を見たルフィの口から出た言葉にその場にいる皆が驚く。その人物は、かつて海賊王ゴールド・ロジャーを何度も追い詰めた海軍の英雄、海軍本部中将モンキー・D・ガープその人だった。
「ガープさん、無意味な破壊はやめてくださいよ。」
「そう言うなドーベルマン。こうやって入った方がカッコいいじゃろ。」
そんなことをしていると壊された壁の穴からもう一人、海軍将校が現れた。顔中に十字の傷があるこれまた強面の男であり、どんな海賊もその顔を見ただけですくみ上ってしまいそうだ。ガープさんの紹介によると彼の名はドーベルマン。彼もまたロジャーが名をとどろかせた時代を戦った海兵であり、海軍本部中将である。
「君がルフィ君か。私はドーベルマン。よろしく頼む。」
「ん?おう!よろしくな、おっさん!」
ドーベルマンはその強面には全く似合わない穏やかな表情を浮かべるとルフィに手を差し出した。ルフィはその手を笑顔で取り、がっしりと握手を交わす。ドーベルマンはガープさんの孫であるルフィに是非会ってみたいと今回のガープさんの航行についてきたのだそう。
「……………………」
「?どうかしましたかロビンさん?」
仲良くルフィと握手を交わすドーベルマンを見てロビンが怪訝な顔をしていたので、俺は声をかけた。
「……ドーベルマンと言えば、海賊なら誰であろうと滅ぼす過激な思想の持ち主として有名な海兵だったはず。それが何故あんなにルフィと親しげに話しているのか………。」
「何か心境の変化でもあったんじゃないですか?人間、生きている内に何らかの経験で人生観を変えるなんてままある話ですよ。」
「……だといいんだけど………。」
俺がそう言ってもロビンは訝しむ表情を崩さなかった。
そんなこんなしていると町に出ていたゾロが帰ってきて、俺達が海軍に襲われていると思い、海兵達と戦い始めた。ルフィはそれを止めようと仮設住宅の外へ飛び出す。
「どれ、止めてみぃお前ら。」
「「はいっ!」」
そこでガープさんは二人の若い海兵にそう指示を出した。二人はそれぞれルフィとゾロに襲い掛かり、他の海兵とは違う強さを見せるも、ルフィ達に敵うレベルではなく、すぐにルフィ達にやられてしまう。それを見てガープさんは「全く敵わんな!」と笑っていた。
「やっぱりお二人は凄い。お久しぶりです!コビーです!」
どうやら二人はルフィ達の知り合いのようだった。立ち上がってパンパンと埃を払うとルフィ達と親しげに話し始める。
「さてお前ら、この壁直しておけ。」
「「「えぇ!?そんな勝手な!!」」」
その間、ガープさんが海兵達に自分が破壊した壁を直すよう指示すると大ブーイングをくらった。結果、ガープさんを含む海軍総出で壁の修繕を行うことになった。
「よっこいせっと。」
「っ!!!!」
壁の修繕のために床に腰を下ろしたガープさん。その時にマントが翻り、今までよく見えなかった彼の腰部分が見えた。俺は彼の腰にあるものを見て息をのんだ。
「ガ、ガープさん………それは………?」
「んぉ?これか?」
「何だそれじいちゃん。刃が折れてるぞ。」
俺が震えた声でそれを指さすと、腰に巻いていた鞘からそれを抜き、俺達にかざして見せた。ルフィの言う通り、それは一見剣のように見えるものの、刃が根元からぽっきりと折れていて、光を反射して怪しげに輝く竜を象った柄のみとなっている。
「これは政府から預かった”常闇の棺”というものの欠片での。これから行く任務に使うものなんじゃ。」
ガープさんが説明してくれるものの、俺の耳には全く入ってこなかった。俺はフラフラとガープさんに近づき、気が付けばその刃折れの剣を持つ手をつかんでいた。
「これを渡しなさい!」
「な、何をするんじゃ!?」
「さっさと渡しなさいっ!!これは人間の手に負えるものじゃないっ!!」
「ちょ、ちょっとエレイン!何やってんの!?」
俺は今までにない程取り乱し、顔を青ざめながら必死にガープさんから刃折れの剣を奪い取ろうとした。何故なら俺はそれがどんなに恐ろしいものか知っていたから。
常闇の棺は原作七つの大罪において、三千年前の聖戦で猛威を振るった魔神族を女神族、巨人族、妖精族、人間が力を合わせて封印したレリーフである。刃折れの剣はその棺の欠片であり、原作では魔神族に操られた聖騎士長ヘンドリクセンがその封印を解き、恐ろしい魔神族十戒が現世に再来することになる。
「おいエレイン!何だってんだよ!落ち着けって!」
「船長!離してください!!早くあれを奪わないとっ!!」
ルフィに羽交い締めにされ、ガープさんから離されるも俺はまだ暴れ続ける。
「ガープさん。妖精の彼女はそれがお気に召さないようだ。壁の修繕は兵士達に任せ、我々は船に戻りましょう。」
「う、うむ。」
「コビー君、私達は先に戻る。君達はゆっくりルフィ君達と話してきなさい。」
「「はい!ありがとうございます!」」
その間にガープさんはドーベルマンに連れられて仮設住宅を出て行ってしまった。
「待てっ!!頼むっ!待ってくれぇ!!!」
俺は必死に呼び止めるも、その声が彼らに届くことはなかった。
▽
仮設住宅を出たガープとドーベルマンの二人は並んでウォーターセブンの街を歩き、彼らの乗ってきた軍艦を目指していた。
「……この剣が何だと言うんじゃい。」
その間ガープはエレインが異様に反応した刃折れの剣を訝しげに見つめていた。妖精族の彼女があそこまで取り乱したのだ。きっとこの剣には自分の知らないとんでもない秘密があるに違いない。ガープはそう考えていた。
「……………………」
「?どうかしたかドーベルマン?」
そんな中、先ほどから頻りに後ろを振り返るドーベルマンを不思議に思ってガープが声をかける。
「……いえ、あの一味にはとんでもない者がいたものだと思いまして。」
「何?」
「フッ、こちらの話ですよ。」
一人納得したような顔で歩き始めるドーベルマン。ガープは首をかしげて後ろを振り返るも、その先では未だに暴れるエレインをルフィが必死に押さえているだけであり、特におかしなことは見当たらなかった。少々疑問は残るが、気にするほどでもないかと自己完結したガープは再び歩き始め、軍艦に向かって行ってしまった。
エレインとルフィ、その二人から伸びる影の一つが巨大な化け物の姿になっていることに気づかずに…………
◇
あの後一頻り暴れたが、結局刃折れの剣を奪うことはできなかった。そうなると俺を襲うのは、原作七つの大罪のように十戒が復活してしまうのではないかという恐怖だった。十戒の恐ろしさはこの世界じゃ俺が誰よりも分かってる。俺はその恐怖で震え上がり、しばらく部屋で寝込むことになった。
「エレイン、どう?気分は。あとこれは仕立ててもらったあなたのドレスよ。」
「……大分落ち着きました。お騒がせしてすみません。」
寝込んで三日目の朝、ロビンが部屋に俺の純白のドレスとコーヒーを持ってきてくれた。彼女は俺が寝込んでいる間、付きっきりで看病してくれた。俺はベッドの上で、ロビンは椅子に座って二人でコーヒーをすする。
「……あの剣が、どうかしたの?」
「………………」
ロビンにそう聞かれても、俺はコーヒーカップを握りしめて俯くことしかできなかった。
けど分かってる。分かってるんだ、これが逃げだってことは。ロビンの質問に答えることは簡単だ。「海軍があれを使って十戒を復活させてしまうのが怖いんです。」と、この一言を言えばいい。だけど、何故そんなことを知っているのかを聞かれたら、俺が転生者であることを明かさなければならないだろう。でも、俺はそんなこと絶対にできない。ルフィも、ゾロも、ナミも、ウソップも、、サンジも、チョッパーも、ロビンも、フランキーも、皆楽しいことや辛いこと、嬉しいことや悲しいことなど、色んなことを経験しながらここまで必死に人生を歩んできたのだ。だというのに、仲間とはいえその経験を何も知らない小娘が、「この世界は創作物なんです。」なんて言ったら皆どう思うだろう。それは彼らに対する最大の侮辱になるに違いない。
だけど、ここは言ってしまうのが正解なのだというのもわかる。言って俺が嫌われようとも、彼らの安全には代えられない。ガープさんはルフィのおじいさんなわけだし、言えば何らかの策をしてくれるだろう。
言え。言うんだ俺。一言、たった一言を言うだけでいいんだ。簡単だろ?そんなことぐらい。さあ言え。言ってしまえばそれで____
「言いたくないならそれでいいのよ。」
「…………ふぇ?」
俺が内心で葛藤しているとロビンが前から俺を抱きしめてきた。彼女は俺の頭をゆっくりと撫で、それによって荒れていた心がだんだんと落ち着いていく。
「あなたがそこまで恐怖することだもの。私も皆も、無理に聞き出そうとは思ってないわ。心構えができたらいつでも話して。」
違う、違うんだロビン。これはそんな悠長なことを言ってられる問題じゃないんだ。今すぐ手を打つべき問題なんだ。頭ではそう分かっている。けれど、ロビンの言葉の甘い誘惑に心はどんどん引き込まれていき、気づけば「無理に今話さなくていいかも…………」なんて考えになってしまっていた。
「………そう……ですね。ありがとうございます。」
「フフッ、どういたしまして。さ、皆のところへ行きましょう。」
そう言ってロビンは俺に手を差し出してきた。この手を取るのは絶対に間違いだ。そう理解している。理解しているというのに…………
「…………はい。」
結局俺は誘惑に負け、その手を取ってしまった。もしかしたら、これが後に起こる悪夢を食い止める最後のチャンスだったかもしれないのに…………
▲
「エレイン!元気になったか!良かった!あ、そうだ見ろよこの手配書!」
ロビンと一緒に皆がいる部屋に行くと、何やら皆テーブルを囲んで盛り上がっていた。俺に気づいたルフィが手を振りながら近づいてきて自分の手配書を上機嫌に見せる。見るとルフィの懸賞金が1億ベリーから3億ベリーに上がっていた。ルフィだけでなく、ゾロも上がっており、他の皆にもそれぞれ懸賞金がついたらしい。間違いなくエニエス・ロビーの一件のせいだろう。
「……あんたのもあるわよ、エレイン。」
「あ、ありがとうございます。」
テーブルに突っ伏し、重い雰囲気を纏ったナミが俺に一枚の手配書を差し出した。ナミは自分が賞金首になったことが相当ショックだったらしい。俺は彼女から手配書をおずおずと受け取り、恐る恐るその額を確認した。
”闇の聖女(ダーク・セイント)” エレイン
懸賞金1000万ベリー
手配書の写真には、槍形態のシャスティフォルと、右手を掲げてシャスティフォルに指示を出す俺が映っていた。シャスティフォルを前に映すことで上手く俺とシャスティフォルを同時に撮っているカメラマンの手腕に驚きだ。
そして金額、あれだけ大暴れした割にはナミの1600万ベリーより下と、低めの設定にホッと胸を撫でおろす。
「フフッ、エレイン、0を一つ付け忘れているわよ。」
「へ?」
ロビンに指摘されて俺はもう一度手配書をまじまじと確認する。1000万に0を付け忘れるってまさか…………
”闇の聖女(ダーク・セイント)” エレイン
懸賞金1億ベリー
「ええぇぇぇぇぇぇぇっ!!?」
初頭価格としてはあまりにぶっ飛んだ金額に俺は驚きの声を上げ、その場にパタンと倒れこんで目を回した。
解体罪書
エレイン
通称”闇の聖女(ダーク・セイント)”エレイン 懸賞金1億ベリー
身長:150㎝ 体重:38kg
出身地:日本(東北) 魔力:?
種族:妖精族(精神は人間) 特技:家事・雑用(料理以外)
好きな食べ物:サンジ特製スイーツ 嫌いな食べ物:オムライス
好きな言葉:半分こ 嫌いな言葉:正義
好きな動物:猫 嫌いな動物:猫
チャームポイント:エレインボディ 尊敬する人物:夏美
敵に回したくない人物:麦わらの一味 後悔している事:救えなかった事
闘級(エニエス・ロビー編終わり時点):4050 魔力3050
武力0
気力1000
何故か七つの大罪の登場人物エレインとして生を受け、ワンピースの世界に転生した日本人。本名は神楽坂悠希。ワンピースの知識は残念ながら薄いが、七つの大罪の知識は豊富。そのためか、口癖はメリオダスと同じ「さてさてさーて」。目覚めたある無人島でルフィ達と出会い、それ以来麦わらの一味の雑用係として冒険に参加する。一味に加入した当初は世界的ヒーローであるルフィ達に無礼があってはならないと雑用に励んでいたが、元々世話焼きな性格なのか、今やルフィ達のお世話が日課になっている。いつも敬語で話しているが、精神は男であるため、度々口調が男物になってしまい、その度にロビンにたしなめられている。掃除・洗濯と家事の腕は一級品だが唯一料理だけは苦手であり、ロビン曰く、彼女の料理の味は「衝撃的で爆発的」。また、ルフィ達曰く、怒るとめちゃくちゃ恐いらしい。
・魔力
彼女の魔力の詳細は現時点では不明。現在分かっていることはキングの”災厄(ディザスター)”とエレインの”神風(ミラクルウィンド)”の能力を持っているということだけ。戦闘では空を自在に飛び回り、この二つの能力を駆使して、霊槍シャスティフォルと風を操って戦う。
・霊槍シャスティフォル
霊槍は本来神樹に妖精王に選ばれた者に授けられるもの。強度は鋼をも上回り、十通りの形態に変化できる。魔力”災厄(ディザスター)”によってのみその力は100%引き出せる。また、神器解放によって真・霊槍シャスティフォルとしてさらに大きな力を引き出すこともできる。
・謎の力
エニエス・ロビーでの決戦で発現した力。発動中は髪の色が金から黒へ変わり、終始無言・無表情となる。肉体的に非力なはずのエレインがルフィのように肉弾戦で戦うようになり、しかもその強さはある条件を満たせばどんどん増していく。だが、その間瞳の色がだんだん赤に変わっていき、ドス黒い赤に染まると狂ったように自傷行為を始めてしまう。
・普通の高校生
本人は普通の男子高校生を自称している。過去に何かあったようだが…………。
・闘級
闘級とは原作七つの大罪において純粋な強さを数値化したもの。魔力はそのまま魔力の強さを表し、武力が身体能力の強さを表し、気力が戦いにおける冷静さと忍耐を表す。この三つの合計が闘級である。闘級は絶対的なものではなく、その時の状況や相性によって変化する。
エレインの闘級はかなり高いもの(参考までに、七つの大罪の主人公メリオダスの物語第一部終了時の闘級は3370)であり、その数値はルフィ達をも上回る。しかし、彼女自身の戦闘経験がまだ浅いため、実際のところ闘級ほどの力は発揮できていない。
ちなみにルフィ、ゾロ、サンジの闘級は以下の通り。
ルフィ:3580 魔力0
武力2380
気力1200
ゾロ:3140 魔力0
武力2400
気力740
サンジ:3010 魔力0
武力2200
気力810
なお、闘級に悪魔の実の能力は考慮されない。