生まれ変わったら忍者の末裔になっていた件について   作:砂糖露草

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長らくお待たせしました。
いつの間にかにお気に入りが増えて戦慄している作者です。
今回も楽しんでいただければ幸いです。


突撃!ご近所訪問(強襲)

「やっぱり三人じゃやれることも限られると思うんだ。」

 あれから一年

 いつものようにしずはとぜんすい、そして私の三人が集まって言い放ったのがこれだ。

 案の定、二人はいきなりのことに目を白黒させていた。

 

「急にどうしたのてんま?」

「しずは、やっぱり遊びっていうのは人数が多い方が楽しいよ。三人で遊ぶのも悪くないけどさ。」

「僕達だってそう思うよ。でも、出来ないものは仕方ないじゃないか…」

 

 そういって、二人は沈痛な面持ちで俯いてしまう。

 今まで一緒に過ごし来た中で、この二人がどういった人物なのかはあらかた理解できていた。

 せんずいは確かに生真面目な性格でとっつきずらいところもあるがそれ以上に仲間を大切にしてくれるし、しずはに至っては明朗快活容姿がいいのも相まってなぜ今までせんずい以外の友達が出来なかったのか不思議なくらいだ。

 

 とはいえ、その疑問も長く一緒にいれば氷解できてしまうものだった。

 彼女たちの家はどうもこの里の良家筋に当たるようで周りか敬われているようだった。

 確かに、これでは対等な友達を作ることは難しくなる。…と同時にもう一つ、この二人が友達を作ることが出来ない原因に心当たりがついてはいた。

 

「今だから正直に告白するけど、君たち容赦なさ過ぎ…」

 

 そういう私の体勢は、九の字に折れ曲がりつつ、しかもでんぐり返したかのように天地が逆転していた。

 先ほどまで鬼ごっこをしていてしずはが鬼役だったのだけどー

 責めるようにしずはを見つめると、そっぽを向いて口笛を吹いている。

 

 

「おい、そこで口笛吹いてるやつ。君だよ君。」

「たしかに、これはやりすぎだ。」

「せんずい、君もだからね?」

 

 一人心外だと顔にでてるせんずいだが、正直しずはとどっこいどっこいだ。

 二人して手加減が苦手であるという事実が実力者であることも加味して、一層友達付き合いを困難にしていたのだった。

 

 

「だっててんま逃げるのうまいんだもん、つい楽しくなっちゃって」

「そりゃ毎度怖い思いしてたら、逃げるのもうまくなるよ!で話は戻すけどやっぱり遊びは人が多い方がいいとおもうんよ。だから、これから人数集めに行きたいと思いまーす!」

 

 たからかに宣言すると、二人は乗り気じゃないように「えー」と口をそろえていった。

 

「だからてんま。僕達だって何もやらなかったわけじゃないんだ。そのうえでこの状況なんだし。」

「そうよー、友達作るのがどれだけ大変かわからないからそんなこと言えるのよー。」

 

 ふたりして抗議してくるが、もちろん聞く耳なぞ持つ気はない。

 それに-。

 

「だれが、友達を作りに行く、といった?」

「「なん…だと…」」

「というわけで、『人身御供…もとい遊び相手を増やそう』作戦、始動のときだ-!」

「てんまがこわいよーせんずい」

「いったいどうしたというんだてんま…?」

 

 黒い笑みを浮かべる私に、若干怯えながら私を見る二人。二人の遊び場は混沌に満ちていた。

 

 

 

 それから一週間ほど自由時間を削り準備をして、時間は飛ばして決行日となる。

 私たちはとある民家の玄関前にいた

 

「ねぇ、本当に大丈夫なの?」

「大丈夫かどうかを聞かれれば、わからない…が、初動を抑えればあとはどうとでもなる!」

「言ってることが分からないけど、まかせたぞてんま」

「豪華客船に乗ったつもりでドンと構えてなよ!」

 

 二人を元気づけたあと、それぞれ配置につかせて合図を待たせる。

 そして準備が済んだことを確認して、大きく息を吸った。

 

「かくれんぼしたい奴この指とーまれ!」

 

 隠れ里全体に響き渡るように宣言する。

 もちろん、民家の前でそんな大声張られたらたまったもんじゃないだろう、正直近所迷惑甚だしい。だが辞めない。

 

「はーい!」

 

 そして少し間をおいて、しずはが私の指に手を置いた。此れも大きな声を張りながらだ。

 それからわざと大声でやんのやんの騒いでいるとやがて、民家の中から足音が響いてきた。

 がらりと引き戸が開くとそこから私たちより少し幼い男の子の姿が。

 

「おまえらうるさ-」

「いまだせんずい!」

「わかった!」

「え-?」

 

 男の子が玄関から顔を出した瞬間を見越して、せんずいに合図を出す。すると目にもとまらぬ速さで男の子を引っ張り出して拘束したのである。

 

「なにすんだはなしてよー!」

「離したらまた家に立てこもるんだろ?絶対に離すなよせんずい」

「すまないが諦めてくれ」

「ごめんね、本当にゴメンね!」

 

 状況を把握した男の子が拘束から抜け出そうとももがき喚いている傍らで、しずはが謝り倒しているが、別に悪さをするつもりではない。単にこの状況が心苦しいのだろう。

 

「ほ、本当に何するつもり?」

「いやいや、別に君に危害を加えようってわけじゃないんだ。ただちょっと生n…遊び相手欲しかっただけで」

「こここれから、家の手伝いしなきゃいけないんだ」

「あれれー?おかしいなぁ。家の手伝いはもう終わってる時間だよね?最近よくここを通るけどいつも暇そうにぶらついてるのをみかけるし?」

「う、」

「だからさ、暇してる間だけでも遊んでほしいんだ。少年(いけにえ)?」

 

 自分にできる精一杯の笑顔で問いかけると、男の子はひどく怯えた様子で何度も首を縦に振る。

 うむ、やっぱり誠心誠意目を見て話すって大事なことだよね。」

 

「多分、それは関係ないと思う」

「せんずい、シッ!」

 

 二人の陰でこそこそ言っているが、気にしないことにした。

 

 -『考信』が仲間に加わった!―

 

 そんなテロップを頭に流しつつ、新たに加わった考信をお供に、次のお宅(ターゲット)へと足を運んだ。

 しかし-

 

「なかなかでてこないねー」

「ふむ、考信よりは頭が働くようだな…仕方ない、『ぷらんびー』に移る!せんずい、こうしん。用意を手伝え」

「せんずいさん、この人いつもこうなの?」

「そんなことはない…はずだ。最近様子が可笑しかったけど」

 

 なかなか出てこないので業を煮やして、ついに最終兵器を使うことに。

 

 取り出したるは、中心が空洞になって先端に切れ込みが入っている管と、器に入った石鹸水。

 管の先端を石鹼水に少し浸したあと、思いっきり息を吸ってから、合図を聞いたあと管に口を付け優しく吹きかけるように指示を出す。

 

 そして、一斉に息を吹きかけると管の先端から大小さまざまな大きさのシャボン玉が宙を舞う。

 

「わーきれーい!」

「すごいすごーい!」

 

 その幻想的な光景に、しずはと考信は無邪気にはしゃぎまわり、せんずいは見蕩れたようにぼーっとしていた。

 かくいう私もシャボン玉がふりまかれる光景を見て、昔を懐かしむ気持ちが湧いて出てくるほどだ。

 

 と、そんな光景に思いを馳せていると、民家の引き戸が少し空いていることに気付いた。

 気づかれないように近づいてみると、そこには彼らと同じように見蕩れている男の子の姿が。

 これを絶好の機会とみた私はそっと引き戸に手をかけて、一気に引き開ける。

 これに驚いて固まっている男の子の首根っこを掴み、問答無用で引きずっていった。

 

「生贄もう一人いっちょ上がり―!」

「生贄ってなに!?」

「おっと口が滑った。ナンデモナイヨーダイジョウブー、テアラナコトシナイカラ-」

「なんでカタコトなのさ!?やめろー離せ―タスケテ-!?」

「いやほんとに怖いことはしないから…たぶん。そんなことより、興味あるんだろう?あれ」

 

 おもむろににしょぼん玉に視線誘導してみせると、男の子はうっと言葉を詰まらせる。初めて見た玩具なのかその目には羨望の眼差しが絶えないのが見て取れる。

 ここが攻め時と考えた私はとどめの一声をかけた。

 

「もしも、僕らと一緒に来るならもっと面白いもの見せてあげるけど…?」

「…わかった。」

 

 ちょろい。

 そう心の中で思った私の顔はきっと某新世界の神の如き悪い顔だったに違いない。傍らで考信がガクブル震えていたし。

 

 

 -『正道』が新たに仲間に加わった!―

 

 

 もう一人捕まえてこようと手近な民家を探し当てると、ふと誰かに裾を引かれる。

 振り返ると考信と正道が先程とは打って変わって泣きそうな顔で私を見ていた。

 

「てんまさんここはやめよう?」

「え、どうして-」

「ここ、お化けが出るって評判なんです。それもすごい怖いのが」

 

 彼らの言葉を聞いて、まずこの建物をよく観察してみた。

 立地的には人里から程よく離れた場所にあり、周りが木に囲まれ昼だというのに少し薄暗い。

 そして肝心の建物の様子だが住めることには申し分ないだろうがところどころぼろが見える。正直、好んで立ち寄ろうとは思えない風貌だった。

 

 …まぁこの物理重視な世界にお化けなんて非科学的なものいるはずがないけども、せっかくできた新しい仲間を怯えさせるのも拙い。

 

 

 

「んー、そうだな。今日はこの五人で遊ぶかー」

 

 そういってその場を後にした。一応何か使えることもあるだろうと場所だけ把握して。

 立ち去る瞬間に視線を感じて屋敷へ振り返る。

 けど、すぐにその感覚は消え去ってしまった。

 

「どうしたのてんまー?」

「んー。何でもないよ」

 

 

 そして新たに二人の遊び仲間(いけにえ)(仮)を得たことで、私たちのグループは活気づき、その子供たちの輪は少しずつ広がっていった。

 新しく入った二人も、しばらくしないうちにこのグループに溶け込み、友達と言っても過言ではないくらいには仲良くなっている、はずだ。

 

 ときどき、私を見て怯える姿を見るが、気のせいだと思いたい。

 

 

 そして、あれからもときどき視線を感じるようになった。

 とはいえ、振り返った瞬間にはふっと消える程度のものだ。それがなんだかお化け幽霊を相手にしているようで…いやこの世界にはいないはず。…いないよね?

 

 とまぁ一寸した不可解なことはあったとしても、今のところ第二の人生は順調そのものであった。

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