旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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はー!美少女のおっぱい揉むだけでお金をもらえる仕事とかないかなー!!


107話 深海棲艦が攻めてきた! 中編

「あら、ネ級さん、でしたっけ?どうやら、貴女の相手はこの大淀みたいですね!大丈夫です、殺しはしませんよ!提督に出来れば生かして捕らえろと言伝されましたから!」

 

……何だ、こいつ?

 

なんとなく、強さは伝わってくるが、所詮は軽巡だろう?

 

数多の戦艦、空母、重巡に囲まれて、何故笑っていられる?

 

……だが却って、油断できないな……!

 

相手は、「あの」黒井鎮守府だ。

 

噂は散々聞いている。侮って良い相手ではない。

 

……だが、艤装におかしな部分は見られない。……特殊な兵装は搭載していない?ならば!

 

『空母、艦載機ヲ、放テ……!!』

 

何かされる前に、アウトレンジから袋叩きにしてやる!!

 

 

 

『……ヤッタカ?!』

 

 

 

「強さとは……、ネ級さん、強さとは、一体、何だと思いますか……?」

 

……やはり、一筋縄ではいかないか!どのような手を使ったのか、擦り傷一つ付いていない!!

 

「もちろん、個人個人によって答えは違うでしょうけど……、貴女はどう思いますか?」

 

何だ?一体何を言っている?

 

「私は、こう思うのです……。強さとは………………」

 

クソ、耳を傾けるな、戦いに集中しろ!

 

 

 

「『信仰』である、と」

 

 

 

馬鹿な!消えた?!

 

「『加速』の魔法だそうです……、あのお方に習ったんですよ」

 

後ろっ?!!

 

『チィ!!!』

 

「ブロッキング……」

 

?!、拳が、弾かれた?!!

 

何だ、どういうことだ?!どうなっている?!!

 

「……私は、この鎮守府の誰よりも長く、見てきました……」

 

『戦艦!重巡!!行ケッ!!!』

 

間合いを取って、数で圧倒する!!!四方から攻撃して、疲労させれば……!!!

 

 

 

「私の神様を……!!!!」

 

 

 

『…………ッ?!バ、馬鹿ナ…………!!!』

 

砲弾を、弾いた?!!四方から放たれた砲弾を?!!全て?!!!

 

「今のは廻し受け……。私の神様に教わった完全防御、だそうです」

 

防御……、ならば!

 

『量産型!!奴ニ取リツケ!!動キヲ封ジロ!!!』

 

防御など、させない!!適当な量産型を取りつかせて、量産型ごと轟沈させる!!!

 

『ト"、ト"ラ"エ"ッル"!!ア"ア"!!ア"ア"ア"ア"!!!!』

 

命令を認識したようだな。最近は量産型の質が上がって助かる。ある程度複雑な命令も聞くようになったし、自分自身でもそれなりに考えるようにもなった。良い傾向だ。さあ、捕らえろ!!

 

「困りますね、そのように抱きつかれては……。私の身体は、神様に捧げていますから……」

 

……何?!飛ん、いや、き、斬った?!!刃物か?!いや、違う、あれは……!!

 

「飛燕流舞……!!」

 

……素手でッ!!!

 

「良い機会です、貴女にも、私の神様の素晴らしさをお教えしましょう!」

 

『ウ、撃テ!!!撃チ続ケロ!!!』

 

「ふふ、私の神様は、それはそれは素敵な方なんですよ?見た目だけじゃなく、内面も!慈愛に満ちた心をお持ちの方で、相手が敵であろうとも救うようなお優しい方です!それでいて強く、思慮深く、様々な才気をお持ちになっていて……!それなのに、驕らずに謙虚で、こんな私にも、優しく微笑んで下さるんですよ?!なんと慈悲深いのでしょう!!その愛は留まることを知らず、全ての艦娘を永劫に愛して下さるのです!!ああ、提督に抱きしめて頂いて、口付けをして頂いた記憶!今この瞬間でも思い起こせます!!!!仄かに香る甘い香りと、ミントの香り!!私のそれとは違う、太く力強い腕に包まれる感触!!!あのお方の暖かな鼓動も!!!!私に触れた柔らかな唇も!!!!全て!!!!全て!!!!!」

 

クソ、クソクソクソクソ!!!

 

速い、硬い、鋭い……、強い!!!

 

用意した先鋭が、ゆっくりと、だが確実にその数を減らしている!!

 

駄目だ、ここはもう、駄目だ!!!一度退くしかない!!!

 

『ア……、アァ……!!ナ、何ダ?!何ナンダオ前ハァ?!!!』

 

怖い、怖い怖い、怖い……!!

 

ワタシは今、生まれて初めて、恐怖している……!!

 

「あら?嫌ですねぇ、自己紹介はした筈ですが?……まあ、良いでしょう!私のことも、私の神様のことも、分かるまで何度でも教えて差し上げます!」

 

『クルナ……!!クルナァァァァァ!!!!』

 

 

 

「私は大淀、世界で一番素敵な神様の、しもべです!!」

 

 

 

×××××××××××××××

 

いやー、スゲーよ、マジでスゲー。

 

語彙力が思わず低下しちゃうくらい凄いわ。

 

だってさ、あれ、もう……、

 

「無双ゲーじゃん?」

 

 

 

『ゴアッ!!ゴアアアアアッ!!!』

 

「あら、嫌ですね。……ゴミは掃除しないと」

 

いつもと変わらない笑顔の鳳翔は、いつもと同じように弓を射る。しかし、その弓は艦載機に変化せず、並み居る深海棲艦の身体に突き刺さる。

 

……本来なら、これじゃ駄目だ。戦艦クラスのような深海棲艦はしぶとい、首を落としたり、はらわたを全部引き摺り出したりしなきゃ早々死にはしない。

 

だが。

 

『ゴアッ?!ゴ、エプッ…………!』

 

……鳳翔は、深海棲艦に突き刺さった矢を、深海棲艦の体内で艦載機に変化させるのだ。エグっ。

 

口から、眼孔から、穴という穴から艦載機が湧き出てくる。終いにゃ、腹を突き破って出てくる始末。何あれ、エイリアン?南極で戦った嫌な思い出があるから勘弁してくれない?

 

「ヒャッハー!!ほらほら!逃げろ逃げろー!逃げなきゃ食っちまうよー?」

 

辺りが暗くなるレベルの式神をばら撒いた隼鷹は、鳳翔とは逆。

 

式神を、外側から深海棲艦の身体に入り込ませるんだ。

 

砲撃だろうが艦載機だろうが魚雷だろうが……、圧倒的な物量の式神で「喰らい尽くす」。

 

『………………?!、……………!!!!』

 

声を発することも出来ず、式神の雲に飲み込まれていく深海棲艦。

 

あー、あれだな、バッタの群れに食われる作物みたいな?

 

「ウラー!」

 

で、響は、あの細い身体のどこからあれだけのパワーを出してるんだか。鎖付き鉄球をぶんぶん振り回してる。

 

ま、そもそも超人レベルの肉体を持つ艦娘だ。そして、海に出ると身体能力が魔人レベルまで跳ね上がる。

 

……多分、神秘とか霊力とかの類だと思うんだけどなぁ。

 

身体能力と霊的能力は同じ次元じゃないし。

 

『オラオラ!!吹ッ飛ビヤガレッ!!!』

 

こうして飛んでくる砲撃も、口径はそんなでもないだろ?だけども、どう考えても、見た目以上の威力があるんだよ。

 

「いだだだだ!!ヒビ入ったぞこれ!!!」

 

そうなんだよ、見た目以上の威力があるんだよ!!……多分、物理的な攻撃力に付け加えて、神秘の攻撃力を持つんだろうね!!んで、神秘成分のダメージがデカイ!!!

 

『シブトイナ!!トットトクタバレ!!!オラ撃テ量産型共!!!』

 

レ級ちゃん、俺のこと嫌いなの?当たり強くない?気のせい?

 

……深海棲艦も艦娘も、強力な神秘を持つんだよな。世の中は、深海棲艦や艦娘には通常兵器が効かないだの何だの言ってるけども、そりゃそうだ、神秘成分がないからな。物理的なダメージも通るには通るけど、神秘のダメージも乗せないと効果は半減だ。

 

だからまあ、

 

「波紋疾走!!!」

 

『ギィッ?!!』

 

神秘や魔法、氣功や波紋を乗せた物理攻撃が良く効くみたい。……でも、硬いなー。艦娘や深海棲艦の持つ神秘には敵わないわ。言わばあの子達は、人の形をした神器とか宝具とか魔具とか……、そんなんだ。ただの旅人である俺に勝てる道理はないぞ!

 

『チィ!!オ前、ドウナッテル?!一体何ナンダ?!!!』

 

ま、避けるし受けるし逃げ回るけど。うーん、にしても、困った。こいつら硬い。本当に硬い。

 

「伝衝裂波!!」

 

『ガ、ァア…………!!』

 

……十発以上、思い切り叩き込んで、やっと一体。やっぱり俺、戦いは得意じゃないね。殺すのは苦手だ。

 

『クッ!!オ前ダケハ生カシテ帰サン!!!艦娘ガ集マル前ニ、オ前ダケハッ!!!!』

 

あらま、俺、狙われてる?……あ、俺、提督だったわ。そりゃそうだな、狙われるわ、うん。

 

……だが、レ級ちゃんは知らないみたいだな。

 

休みをあげても外に出ず農場に籠るあの子を!真面目でクールで可愛いあの子を!!この鎮守府の最大戦力の一人のあの子を!!!

 

 

「ミィィィカァァァ!!!!!!」

 

 

 

『〜〜〜ッ?!!何ヲ叫、?!!ガッ、アアアアア!!!!』

 

 

 

「お呼びでしょうか、司令官」

 

……まさか、空から降ってくるとはな。

 

実は結構駄目元だったなんて言えない。

 

「……こいつら、殺って良いのですか?」

 

「ああ、頼む」

 

「了解です」

 

俺はレ級ちゃんには勝てないからな。さっき、強制ストリップ真拳で全裸にして、下腹部にハートマーク描いたり、内股に正の字書いたり、白くべたつく何かの詰まったゴム風船を引っ掛けたガーターベルトを付けたりしたが、まるで意に介さないんだもの。無理無理、勝てない。

 

……にしても三日月は随分と変わったな。爪と砲が付いた手甲、パイルバンカーの付いた足甲、刃の付いた尻尾、特大のメイス。

 

「邪魔です」

 

『イギャッ?!!!』

 

俺が十発以上叩き込んでやっと殺せるレ級量産型をたった一撃で殺すか……!やっぱ凄えよミカは。

 

十秒もあれば三体は殺す。……火力の格が違う。

 

だが、まあ。

 

「背中は任せろよ、三日月……!」

 

三日月に向かう砲撃を、魚雷を、爆撃を、受ける。

 

「……はい、司令官!」

 

駆逐艦でも丈夫な方とは言え、駆逐艦だ。防御力はそこまでではない。……背中くらいは守ってやらなきゃ、俺の立つ瀬がないじゃん?

 

さあ、後半戦だ……!!

 

 

 




大淀
関わり合いになっちゃならないタイプの危険人物。旅人を崇拝している。一日の殆どを旅人のストーキングや監視に費やすので、気が付けば旅人の持つ技能を習得していた。基本的にいかがわしいことばかり考えている。


黒井鎮守府のブラック・ジョーカー。地面を砕いたりするが海上なので意味はない。

鳳翔
可愛い。

隼鷹
物量の化け物。

三日月ルプスレクス
休暇を言い渡されたが、やりたいことがないので、鎮守府裏山の農場に籠る。給料も旅人に預けちゃう子。呼べば出てくるキリングマシーン。

旅人
最近、あんまり戦力になってないことを若干気にしてる。

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