旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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忙しいと常に言っているけど、別に遊んでいる訳じゃないです。ただちょっと、やるべきことがあって。

更新ペースが落ちることが多々あるかも。どんなにペースが落ちても、二日か三日に一回は更新できると思いたい。

それに、別のssも書きたいし。ネタはあるんですよネタは。


113話 イタリアンカチコミ

《ノックしてもしもーし!》

 

『な、なんだお前は?!』

 

『ここは立ち入り禁止だぞ!!』

 

うるせえ入れろ。

 

『『ああっ!!』』

 

正門ジャーンプ!!

 

《じゃあの》

 

『『し、侵入者だ!!!』』

 

 

 

さあやって参りましたセントトリステ鎮守府!日本の鎮守府で大人気(指名手配的な意味で)の鶏マスクジャケットおじさんの参上だよ!!

 

……ポーラが言うには、ブラック鎮守府じゃないらしいが。ちゃんと飯は三食出るし、大破すれば入渠できて、倉庫に入れてくれる、とのこと。……ブラックじゃない?これで?……まあ比較的マシ、いや、ブラックか?

 

そして、何でも、自分の提督に一度も会ったことがないらしい。これはどう考えてもおかしいでしょ。

 

余りにもおかしい、おかしいので、調べに来た。謎解き(物理)でピカラット荒稼ぎするぞー!

 

さてまずは一階。ドアを手榴弾で爆破しダイナミックお邪魔します。

 

《死にたい奴!カラ、前に出ろッ!!》

 

服装はジャケットに鶏マスク、声での身バレを防ぐ為にアニメやニュース番組などの音声を編集したテープを使用。いつもの鎮守府襲撃用セットである。

 

『な、なんだ?!!』

 

『爆発?!!』

 

『全員集まれ!不審な奴がこの鎮守府に入り込んだらしい!!捕まえろ!!』

 

あ、混乱してるな。よしよし。

 

実はもう一つの懸念があってさ。……身体能力でバレるかもしれないってこと。だからなるべく、囮や不意打ちを活用して、「一般の成人男性でも可能な手口で」全員張っ倒す必要がある。

 

そう例えば、

 

『お前等はそっちへ向かえ!俺はこっちを見てくる!!』

 

『『了解!』』

 

こういう、一人だけになった奴を、

 

『クソ、どこに行きやがった、鶏野郎!……!!、グアッ!!き、貴様!!』

 

こうやって、各個撃破していく。……このやり方なら、誰も犯人を特定できないだろう。

 

『くっ、せめて無線を……!あ、ぐっは!!!…………』

 

転ばせたら、トドメ。

 

……あ、殺してはいない、殺しては。

 

《おいどうした!一体何があった?!》

 

お、倒される前に無線を繋げておいたのか、やるな。意外と根性ある、感動的だな。だが無意味だ。

 

《おい!聞こえているか?!そっちは大丈夫なのか?!お………………》

 

はい、破壊。なるべく怖がってくれ、冷静になって一箇所に集られると面倒だ。このまま、混乱に乗じて潜入しよう。

 

 

 

最上階。

 

ネオサイタマ式インタビューをしながら歩き回った結果、この階の何処かが執務室らしいことが判明。

 

しかし、何処が執務室なのかは分からない。

 

が、問題ない。全く以って問題ない。

 

……つまり、この階にいる誰かがこの鎮守府の提督なのだ。この階ごと制圧すれば問題ない。

 

 

 

《ソシテ、制圧!、したものがこちらです》

 

『だ、誰なの?!私に何の用?!!』

 

部屋の隅でガタガタ震えながら、これまたガタガタ震える銃口をこちらに向けるこの女。

 

《誰ダ?》

 

『こっちの台詞よ!!いきなり乗り込んで来て!!』

 

質問を質問で返すなあーっ!!疑問文には疑問文で答えろと学校で教えているのか?とプッツンしても良いが、女性に対して声を荒げるなんて主義に反する。

 

そもそも、今回はテープの音声以外のコミュニケーション手段が使えないし。

 

多分、この女の人が、ここの提督なんだろうな。服装から察するに。

 

しかし、もしかしたら提督の親族とかの無関係な人かもしれない。確証がないのに断定は出来ない。俺の勝手な判断で皆んなを混乱させたくない。

 

《誰ダ?》

 

『ひっ?!な、何よ……!撃つわよ!来るな!近寄るな!!』

 

……完全な恐慌状態。まさに、話にならない。

 

女の人を殴る訳にはいかんしなぁ……。

 

…………。

 

《誰ダ?》

 

『ひっ?!や、やだ!来るな来るな!来るなぁーーー!!!』

 

一歩も動いてないんだが?ビビり過ぎでは?銃も構えているだけで、撃つ気配はないし。ほんのひと匙程の殺意すら感じられない。

 

さあどうするか……?

 

と、その前に!

 

『いたぞ!!執務室だ!!』

 

『早く連絡を!!』

 

憲兵!二人!!

 

先ずは、すぐ近くにある置時計を、無線を取り出した憲兵の顔面にシュゥゥゥーーー!!別にエキサイティンではないが。

 

『あ"ぁっ?!!!』

 

うわあ、酷いな、顎が砕けた。もう二度とTボーンステーキが食べられないねぇ?

 

そして、呆気にとられたもう片方の憲兵に、型もクソもないテレフォンパンチ。本来なら、当身でも何でも出来るが、やらない。

 

『なっ……、?!!』

 

そして、壁に叩きつけられた憲兵を踏みつけ、ダウンさせる。

 

ノロノロと這いずっている、置時計を投げつけた方の憲兵にもトドメ(非殺傷)を刺す。

 

全く、油断も隙もねえな。

 

さ、提督カッコカリさんにお話を聞かなくては。先程からぽかんとしているこの女の人に、再び声をかける。いや、テープをつける。

 

《誰ダ?》

 

『あ、ああ……!、……い、嫌、嫌、嫌、ご、ごめんなさい、殺さないで……!殺さないで!!』

 

あら、今度は怯えてるみたいだ。これはこれで、話にならない。

 

『何でも!何でもするから!何でも言うこと聞きますから!殺さないで!殺さないで下さい!助けて!!』

 

銃はとっくに捨てて、床にへたり込んで、泣きながら命乞いをしている。残念ながら、俺はノースティリスのあいつのような気の狂ったサディストではない。たった一言、自分の身分を明かしてくれれば解放する。

 

《誰ダ?》

 

『嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさい!!助けてパパ、ママ!!痛いのは嫌、恐いのは嫌っ!!』

 

遂には、失禁までして泣き喚いている。参ったな、このままじゃショック死しそうな勢いだ。

 

しょうがない、余り時間をかけたくはないんだが、執務室を探ってみるか。

 

手近な机から資料を取り出し、読んでみる。少なくとも、この女の人が提督かどうかくらいは、ここを家探しすれば分かるだろう。

 

……運営費用、違う。資材管理、違う。戦況分析表、違う。

 

『……ど、泥棒?な、何でもあげる!何でもあげるから!お金も、全部あげるから!!だから私は、私だけは!』

 

……目的は自分じゃないと、そう思ったのか、今度は全力で媚を売ってきたな。涙と涎でぐちゃぐちゃの顔で必死に笑顔を作って、頭を地面に擦り付けている。だから、そう言う趣味はないんだよ!

 

ん?日記……?

 

『……あ!それ、私の……、いや、な、何でもないです……』

 

この人のらしい。

 

……では、失礼して……。

 




セントトリステ鎮守府の提督
女。ものすごいビビリの癖に、自分の立場が上になると一気に偉そうになる。土下座とかさせようとする。弱点は床ドン。苗字はレジス。

ノースティリスのあいつ
自分の王国を作り上げ、あらゆるネフィアを制覇し、闘技場のチャンピオンとなり、巨万の富と名誉、栄光の全てを手にした男。何でも出来るが故に、全てに新鮮さを感じられず、退屈している。こいつが主人公のss書きたい。

旅人
女性に対しては紳士的だが、男には普通に厳しい。

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