1 自分自身の具体的な目標をもたない
2 相手の夢を阻止するのが生きがい
3 単独~小人数で行動
4 常になにかが起こってから行動
5 受け身の姿勢
6 いつも怒っている
悪の組織の特徴
1 大きな夢、野望を抱いている
2 目標達成のため、研究開発を怠らない
3 日々努力を重ね、夢に向かって手を尽している
4 失敗してもへこたれない
5 組織で行動する
6 よく笑う
「ガトリング砲に自由電子レーザー砲、対深海棲艦誘導弾に優秀な射撃統制システムを搭載したレドーム……、それに何よりも、この巨大なレールガン!!こんなものを積めるだなんて、嬉しいわ!!」
「それで、どうですか、使い心地は?」
「very good!最高よ!!」
アメリカからの艦娘が来てから一週間。早速、染まって来ている。
いかん、このままじゃ「おい、艦これしろよ」と怒られてしまうやもしれん。
「あー、明石?海外の子を騙くらかして新兵器積ませるのは、やめようね!」
「は、ははははは、やだなぁ、騙くらかしてなんていませんよー?」
「良いの、Admiral!Meが望んだことよ!」
あれー?
「Meは、この一週間、黒井鎮守府をよく見学させてもらったわ……。皆んな、本当に素晴らしい活躍をしているのね!Meは、アメリカの鎮守府にいた時は、戦線の維持とか防衛でいっぱいいっぱいだったわ……」
そりゃあ、そうだろう。今の深海棲艦の強さには、並みの艦娘は対応できない。
必然的に防衛戦をする羽目になると思うが……。
「でも、ここは違った……。艦娘一人一人が、aggressiveに深海棲艦に喰らい付いて、いいえ、喰い破っていくの!これなら、いつか本当に、深海棲艦から海を取り戻せるかもしれないわ……!!」
まあ、皆んなには一日百体のノルマがあるらしいし。いや、指示した覚えはまるでないんだけども、最近は勝手に俺の書類を読んで、勝手に出撃して、勝手に帰ってくるから。で、大体、一日に百体くらいは殺すのがノルマになったらしくて。
でも、沢山殺した子には別途ボーナスを出すし、その日のMVPにはチケットという、スペシャルな酒や甘味と引き換えできる券を渡すことになっているが。
「駆逐艦の小さな子達も凄まじかったわ!深海棲艦の首を沢山袋に詰めていて……。まあ、ちょっとgrotesqueだったけれど」
まーた白露型だよ。いや、助かるよ?助かるんだけど、良い加減麻袋に深海棲艦の首を沢山詰めて持ってくるのやめない?白露型だけで一日につき千体以上の深海棲艦の死体が届くんだよ?
「ムツキsistersも表現できないくらい凄いわ!現代兵器以上の武器を装備していて、身体能力も高い……。特にあの、ミカ?とか言う子なんて、恐ろしいくらいに強いのね!!」
よりにもよって。
ミカを見せたら誤解されるに決まってるじゃん?
悪魔のように強いうちのキリングマシーン筆頭を見たら、誰だって、「黒井鎮守府ヤバくね?」って思っちゃうじゃん?アゼルバイジャン?
黒井鎮守府は友達!怖くないよ!と示さねば、艦娘は社会から爪弾きにされてしまう。社会とか、差別とか、そう言う目には見えない悪意は得てして恐ろしいものだ。
俺一人なら、いくらでも差別でも何でもしてくれて構わないんだけどね。
「Meも、ここで強くなって、沢山の人を守りたいの!……Admiral、力を貸して!」
「お、おう!」
反射的に返事したけど、俺が手を貸さないでも勝手に強くなるよね、君ら。
「提督、コーヒーを淹れましたよ」
「ああ、ありがとうサラ、嬉しいよ」
「そんな、サラは大したことは……、えへへ」
こっちで甲斐甲斐しく色々としてくれるのはサラ。ティターンズの方ではない。アメリカの空母のサラトガだ。
「……うん、良いな、美味しいよ」
さっぱりとした味わい……、アメリカのコーヒーって感じ。
「サラに、何でもお申しつけ下さいね!」
助られたから、その恩を返したい、とのこと。
世の中、持ちつ持たれつじゃん?艦娘は皆んな俺のことをいつも助けてくれてるんだから、一度や二度命を助けたくらいで感謝しないでも良いのに。
今みたいに、悪の組織を作ることも、海を開放することも、俺の個人の力では無理だったんだ。
悪の組織の長として、金を稼いだりできるなんて、相当に幸せになったと言って良い。
「君みたいな美しく聡明な人に仕えてもらえるなんて、俺は世界一幸せな男だよ!」
「て、提督……❤︎」
お世辞抜き、本心だ。
「……提督?私の、妻の目の前で他の女を口説くんですか?」
「ん?いや、こんな美人がいたら口説かない方がおかしいじゃん?」
全く、何言ってるんだか。
「どこの世界の常識ですか!!」
「? 万国共通だろ?」
「……はぁ、分かってました、分かってましたよ……。でも、提督?私のこともしっかりと見ていてくれなきゃ、嫌ですよ?」
「もちろんさ」
実際、よく見ているよ明石。
……君が消費した資材とか、特に。
「……Admiral、貴方は、沢山の艦娘に愛されているわよ?」
「そうだねぇ、全く、男冥利に尽きるってもんだ」
工廠から出て、数分。サラは新しい兵装の調整がうまくいかないらしいので、明石に預けて、俺とアイオワは試し撃ちの為、二人きりで近海に出ていた。あ、サラの新兵器は、何でも、海水を使ったウォーターカッターらしい。
「あら、気付いててその態度なの?」
「む、その非難がましい目は何かい?」
「……ねえ、Admiral?サラは貴方のこと、好きよ?」
「もちろん、知っているさ。嬉しいとも」
そう答えると、軽く頬を膨らませたアイオワが、
「もう!知っているなら、もっと真摯に答えてあげて!」
と、そう言った。怒ってるつもりなのかこれ?かわいい。
「ははは、真摯に答えているつもりなんだがね?」
「もー!」
そして、ふぅ、と。
ため息を一つついて。
「……ねえAdmiral?……Meはね、こんな風に、普通の人間みたいな生活、考えたことも無かったわ」
遠くを見るアイオワ。
「その日その日が、生き残る為に必死だった……。Meも、何度も死にかけたし、サラも辛い思いをいっぱいしたわ」
……そうか。
やっぱり、うちの所為かな。強くなったうちから逃れた深海棲艦が、他所に行っている……。何とか、しなきゃな。
「でも、頑張っているのは皆んな一緒なの。陸では、アーカムシティを中心に暴れ回るジョーカーとか言う犯罪者、ラトヴェリアから来たドクタードゥームとか言う悪の科学者に、ニューヨークではキングピンが、それにドクターオクトパス、磁界王マグニートー……。多くの悪が、この世界に蔓延っているわ。皆んな、戦っているのよ」
………………そう、だな。
………………。
………………その人達、全員俺の知り合いなんだけども。
………………うん、黙っとこ。
「そんな中、私がこんな風に休んでいて良いのかなって、そう思うの……。今、こうしている間にも、沢山のスーパーヒーローが、国を、地球を守る為に戦っているのに、私は……。こんなに、良い生活を……」
その、ね、あの、君の目の前にいる男は、悪の組織の長だよ?
……なんか、ごめん。
でもな、それはおかしいだろ?
「あ、あー、えっと、ほら!スーパーヒーローだってさ、自分の生活とかある訳じゃん?!アイオワだって幸せに生きて良いんだよ!!」
幸せに生きてこそ人生だ、そうだろ?
「でも……」
「大体、スーパーヒーローだって、日本のサラリーマンみたいに二十四時間戦っている訳じゃないだろ?」
連中、なんだかんだ言って休んでるぞ!!そもそも、現状を守ったり維持したりするだけだもんよ!正義の味方なんて楽だろ!!
「それは、そうだけど」
「ああ、そうさ、確かに、美味い飯も、休暇も、快適な部屋でも何でも惜しみなく提供するさ!でも、艦娘の皆んなには、それを享受するだけの権利があるんだ!!君達は、艦娘はそれだけ努力をしただろう!!」
そう、そうだ。
命を懸けて戦った艦娘が、幸せになれないだなんて、間違ってる。
誰が何と言おうと、間違ってる。そんなことは、神が許しても俺が許さない。
努力して、更に結果を出した人が報われない世界なんて、征服してでも変えてやる。
「Admiral……」
おっと、珍しく熱くなってしまった。反省反省。
「すまない、ちょっと熱くなっちゃったよ。……でも、本心だ。君は、報われるべきだ、幸せになるべきだ。……例え、この世界を変えてでも」
「……ふふ、Meこそ、ごめんなさい。Admiralのこと、誤解してたわ!」
「え?」
「そんな風に、熱いHeartを持っていたなんてね……。jokeばかりの女誑しじゃないのね!」
ハッハー、酷いぞ?
アイオワ
スーパーヒーローに憧れている。さり気なく酷いことを言うが、本人に悪気は全くない。
サラトガ
コーヒー派。
ヴィラン一同
意外と良い人が多い。
旅人
自分が望む世界を作る為に色々やる悪党。世界征服は趣味だが、一応は本気。