旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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久々にアンケート取ります。

誰とデート(と言う名目で常識を教え込む)すれば良いですかね?

あ、活動報告に所有艦娘一覧あります。

多くて八つくらいまで取りますよ。



後半、わかりづらいんで直しました。


122話 どこもかしこも、けものばかりだ(デートその二)

「デート!デート!提督さんとデートっぽい!!」

 

「ふふ、嬉しいよ、提督」

 

「きゃー!司令官とデートだなんて!幸せです❤︎」

 

「う、うん?」

 

あれ?俺、デートするなんて言ったっけ……?

 

確か、社会見学って言ったよな?

 

え?言ったよな俺?

 

デートするなんて一言も……。

 

「提督とこうしてデートするのも久しぶりだね」

 

……いや、やめておこう。藪を突いてなんとやらだ。この藪は突くべきではない。多分、この藪を突くと、蛇どころかアメンドーズが出てきそうだからな。

 

さて、そんなことより、行き先だ。

 

常識を教えるのにはやはり、人外と人の区別の仕方から、だ。

 

つまり、この子達に、人外とは、人とは何なのかを見てもらうのだ。

 

幸いにも、感覚が極めて鋭い白露型だ、実際に見て、聞いて、触れて、嗅ぎ分ければ、きっと分かってもらえるはず。

 

と言う訳で、さあ、古都ヤーナムへ!!

 

 

 

……え?だって、うってつけじゃん?

 

ヤーナムには、人外と人の両方がいるし。

 

一時期は青ざめた月の所為で、空の彼方から上位者……、人ならざる、そして人を超えるもの達が大量に現れて、大変な騒ぎになったけど、今はいつも通り、獣の病と言う疫病が流行っているだけの古い町だよ。

 

艦娘は、よく分からないが、人の病気にはかからないとの事(明石調べ)だし、大丈夫。

 

もしかかっても治せるし。ノースティリス産祝福ポーションは例え機械だろうとアンデッドだろうと問答無用で治すからな!

 

言葉の問題も多分大丈夫。例によって、明石が、万能翻訳モジュールなるものを開発しておいたらしいから、それを使ってもらう。

 

……にしても、ヤーナムかぁ。

 

昨日は、金剛型の皆んなと神室町のバンダムに、今日は時雨と夕立、春雨の三人とヤーナムへ、か。

 

旅人らしく、そこら中をふらふら出来るのは楽しいな!!

 

 

 

 

 

×××××××××××××××

 

「匂い立つなぁ……」

 

………………へぇ。

 

体格……、提督よりも大きい。けど、まるで獣みたいにしなやか。

 

あの構え……、一見隙だらけに見えるけど、いつでも、どの方向にも対応出来るように脱力しているっぽい?

 

あの武器……、獣狩りの斧。普通のより大きい?何にせよ、使い込まれているっぽい。

 

そして、匂い。夥しい程の、血の匂い……。それも、相当に穢れた血の。こんな匂いの中正気を保てるなら、警戒すべきは肉体の性能だけじゃなく、むしろその精神……。

 

総評。このおじさん、かなり、強いっぽい……!!

 

「鋼と火薬、潮と血の香りだ……。その子供は、何だ?人じゃないな、上位者とも違う……、何だ?」

 

………………良い。

 

纏わり付くような、色濃い殺気。

 

楽しめるっぽい?

 

「はい、ストーップ!!」

 

………………?

 

「何でこう、殺し合う前提なの?先ず、コミュニケーションを取ろう?話し合おう?戦うのはそれからでも遅くないよ?」

 

………………話し、合う?

 

ちょっと何言ってるか分からないっぽい?

 

「良いか、慌てるな、まだ目の前の生き物が敵かどうか分からないだろう?!何でそう、喧嘩腰なの?!」

 

「馬鹿を言うな、敵だった場合どうする?」

 

「おじさんの言う通りっぽい!油断した奴から死ぬっぽい!!」

 

良い事言うっぽい?

 

「サツバツ!!!……兎に角!敵じゃないんだお互いに!!武器を納めて!!」

 

ゔー、提督の命令……。

 

「夕立、春雨、僕の隣に。提督の盾になるんだ」

 

「分かったっぽい!」

 

「うん、分かった!」

 

先手を取れそうにないなら、せめて、提督の盾になるっぽい!もしも何かあったら、提督の為に死ぬっぽい!!

 

「…………で?この子供は?一体何だ?」

 

「あー、艦娘だよ、艦娘。分かる?」

 

「………………前に、ヴィオラが言っていた、ような」

 

「あ、奥さんに聞いた?艦娘の存在は今の世の中では常識だよ、常識!」

 

「……ヤーナムには艦娘、とやらはいない。そして、破天荒と言う言葉そのもののようなお前が、常識を語るな」

 

へー、海に近いのに、艦娘がいないなんて、珍しいっぽい?

 

「ははは、やだなぁ、俺は世界各国を回ったんだ、常識なんてよく知ってるよ!……それにさ、ほら、この子達、おたくの娘さんと同じくらいの見た目でしょ?優しくして、どうぞ」

 

「……フン、俺には分かるぞ、そいつらの本質は、獣だ。今こうしている間にも、此方を警戒している、殺そうとしている……、酷い匂いだ。とても、娘と同じ年頃の子供の出せる匂いじゃない……」

 

なっ?!女の子に酷い匂いとか言っちゃ駄目ー!!

 

「酷いっぽい!そっちだって、殺意の匂いがするっぽい!!」

 

「心外だね、僕以上に血の匂いを振りまいておいて……」

 

「わ、私、臭くないですっ!!」

 

むぅ!やっぱり、油断ならないっぽい!

 

「だ、だからさー、戦いに来た訳じゃないんだよ!観光だ、観光!!」

 

「こんな田舎にか?」

 

「いや、ここには狩人も上位者も両方がいるからな。観光とは名ばかりで、実際は研修みたいなも」

 

「「「デートです」」」

 

「………………」

 

「おーっと?その銃は何ですかな?俺を撃つ気満々では?」

 

「……娘に手を出したら、殺す。必ず、殺す」

 

は?提督を殺す?

 

その前に私達がお前を殺す!!

 

「駄目だって!」

 

「わぁ❤︎提督さんに、ぎゅっと抱きしめられると……❤︎」

 

「んっ❤︎良いよ、提督、もっと、強く……❤︎」

 

「あはっ、気持ち良い……❤︎」

 

んー❤︎最高っぽい!

 

「………………」

 

「神父さん、引かないで?その、艦娘は年齢とかあまり関係なくて……」

 

「……まあ、娘に害が無ければ、良い」

 

「アッハイ。……おばさんは?」

 

「アイリーンなら、この時間帯なら、大聖堂だろう」

 

「そっか、じゃあ、そっちに行くぞ、時雨、夕立、春雨」

 

「うん、分かった」

 

「了解っぽい」

 

「はあい、司令官」

 

撤退っぽい。

 

 

 

……あれが、人間。やっぱり、人間は中々、性能が高いっぽい?提督さんも強いし、あのおじさんも強いし。

 

「あ、そうだ!あの人を人間の平均だと思わない事!!あの人は、人間の中でも強い方だからね!」

 

「……そうなのかい?」

 

「え?あれが普通くらいじゃ無いんですか?」

 

「じゃあ、人間って、どれくらい強いっぽい?」

 

え?

 

あれが普通じゃないの?

 

「……大体、すれ違った住人とかいるでしょ?実力を察せない?」

 

「実力、隠してるんじゃないのかい?」

 

「隠してないよ!皆んな、あれで素だよ!!」

 

「それじゃあ、人間って、相当弱くないですか……?」

 

春雨の言う通りっぽい?それが本当なら、艦娘と人間は、大人と子供以上の性能差があるっぽい!

 

「相当弱いんだよ!良いかい、大体、世の中の八割くらいは、ここの住人みたいに弱いんだ!!」

 

「残りの二割は?」

 

「化物」

 

なるほど……!

 

人間は、極端に弱いのと、極端に強いのの二種類がいて、弱い方が沢山いる……、そう言う事ね!

 

提督とか、さっきのおじさんは強いやつの方なんだ!

 

確かに、弱い方なんて、軽く叩けば死んじゃうくらいに脆そうだもん、だから提督は「殴るな」って言うんだ!!

 

「分かったよ、提督!」

 

「よーく分かったっぽい!」

 

「成る程、です!」

 

弱い方を殴る時は、ものすごーく手を抜くっぽい!頑張るっぽい!!

 

「ふぅ、やっと分かってくれたか……。じゃあ次は、大聖堂にいるおばさんに、対人の戦い方習って?」

 

「大聖堂?」

 

「おばさん?」

 

「対人の戦い方?」

 

「そう!近くの大聖堂に知り合いの、対人戦闘のプロがいてね?あのおばさんから、対人戦闘の何たるかを学んで欲しいんだよ!だって君達手加減できねーんだもん!!!」

 

手加減……、今までは要らない技術。

 

でも、これからは大切って提督が言ってるし……。

 

提督さんの為に、殺さずに、無力化!

 

夕立、頑張るっぽい!

 

 

 

 

 

×××××××××××××××

 

『……で?今度は何ですか?て言うか、嫌な事がある度にここ(狩人の夢)に逃げ込んでくるのやめてもらえます?』

 

「いや、結局、烏羽おばさんに三人を預けて来たんだけどもさ」

 

『……はあ、それで?』

 

「何か、おばさんがうちの三人を気に入っちゃって。今日は泊まって行くってさ……」

 

『へぇ、そうですか』

 

「いやそうですかじゃなくて……。常識教えるつもりが、どんどん逸脱していっているような……」

 

『え?常識?ヤーナムに?冗談でしょ』

 

「ん?何か俺おかしい事言った?」

 

『正直、新しい狩人を連れて来たのかとばかり……』

 

「そんな訳ないだろ。あの子達は優しくてとってもいい子で……、あ、ちょっと待って電話。もしもし?」

 

《あ、提督?時雨だよ。僕と夕立と春雨は、アイリーンさんと狩りをしてから帰るね。いやあ、狩りは良いね!僕達、艦娘としての戦いが終わったら狩人になるよ!じゃあ、これから狩りだから!後でね!》

 

「え、ちょっと、しぐ……、切れた……」

 

『………………ええと、歓迎しますよ?』

 

「………………就職の際は、是非宜しくお願い致しますよ、元狩人さん」

 




時雨
血の歓びを見出す。しかし、血に酔い過ぎることのない、優秀な狩人。

夕立
自分の中に、常に導きがある。旅人がいる限り、どれだけ酔っても戻ってこれる。

春雨
全ては、旅人から拝領されたと考えている。

神父
ベテラン狩人。娘と妻を大切にしている。

おばさん
狩人を狩る人。娘ができたみたいで嬉しい。

狩人の夢の上位者(触手マン)
基本的に暇。元は狩人だったが、青ざめた月事件のせいで人間じゃなくなった。今は、人形と言う従者と共に狩人の夢でヤーナムを見守っている。

旅人
今回は更に常識を失わせる結果になったが、自分は良くやったと思っている。

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