旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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忙しい。

fateもhsddも手付かず。

書きたい。


132話 疾風伝説特攻の霧島

「霧島ー?このバイクどこの?」

 

「カワサキです」

 

「カワサキか……」

 

カワサキか……。

 

 

 

あ、はい。

 

旅人です。

 

先日はもう辛くて辛くて……。

 

嵐のキラキラした目の前で、若気の至りでしでかした悪事を白状する羽目になってね……。

 

テンプル騎士団の支部にバイトでC4仕掛けたこと、魔剣教団とのガチな殺し合い、スタークインダストリーズでの金庫破り、ワンダーテインメント博士との実験……、どれもあまり言いふらせない悪業だ。

 

それを聞いて、「すげー!!カッケー!!流石司令!!!」とガンガン持ち上げられてしまうと、こっちとしてはキツイんです。

 

今現在もこうして、俺のネガキャンの為仕事もせずに遊んでる訳なんだが……。

 

「ほら見ろ霧島。お宅んとこの提督、仕事もせずにバイク弄りしてっぞ。怒って良いんだからな」

 

「え?司令のお仕事はお休みでは?」

 

「い、いや、違う。俺、本当は毎日仕事あるんだよ。でも、最近は、俺の筆跡を完全コピーできるようになった大淀が俺の仕事全部やっちゃって……」

 

「……?、大淀さんがやるならば、それは大淀さんの仕事なのでは?司令の手を煩わせてはなりませんし」

 

あれ、そうか?……いやいや、駄目だろ!自分にできることをやるのは素晴らしいんだけど、俺!俺の仕事は?!

 

「と、言うより……、仕事、したいんですか?」

 

「え、したくねーよ?」

 

当たり前だよなぁ?

 

「では、私達にお任せ下さい。司令は私達の王なのです。お嫌なことは、何もやる必要はありませんよ」

 

なんだこれ。俺を駄目にする気か?これ以上駄目になると何も残らんぞ俺。

 

「い、いや、流石に悪いだろ?何もやらないで遊んでるなんて」

 

「いえ、司令は絶対に正しいので、悪いところなど一つもありませんよ?」

 

あっ、ヤバイ。

 

「そもそも、司令は十分過ぎる程に働いています。黒井鎮守府の全面改装及び増設の後は、清掃などの設備維持、炊事も担当しその上出撃までこなしていますよね?他にも、様々な雑務を担当しているじゃないですか。ご自愛ください、司令」

 

いや、その、全部趣味!確かに、恩を売ったみたいな形になったけどね?

 

だってよ、面白いじゃんか!ボロボロの建物を綺麗に建て直して、有り余った敷地にいろんな施設作ってさ!!

 

掃除は当然、自分が綺麗に建て直した建物を維持したいから!!

 

料理は趣味で食材の調達もめっちゃ楽しい!!

 

出撃はただのストレス発散!!

 

書類仕事?だから大淀に取られたっつってんだろ!!!

 

……事実!鎮守府の改装増設が終わった今は、趣味で家事やる人と化してるんだぞ?!何もやってないぞ?!ごめんな!!

 

「……ですから、ここで私に付き合わずとも、ご自分のお好きなことをなさって下さい」

 

「やってるよぉ!バイク弄りも趣味だよぉ〜!!家事も出撃も趣味なんだよぉ!!!」

 

「そんな!良いんですよ、遠慮なさらずとも!司令はご自分のやりたいことを」

 

「してるよォーーー!!!!」

 

なんてこった、ひどい誤解だ、働いてると思われてたのか!!

 

「違う、違うんだ、俺は、好きでやってるんだよ!!霧島が好きで、バイク弄りが好きでここに来てるんだよ!!そこには一片の義務感も存在してないんだよ!!!」

 

しゅみです。

 

「そう、なんですか?私のような女を」

 

「霧島は美人だろ!良い加減にしろ!!」

 

は?キレそう。美人なんだよなぁ。なんでこの子達は自己評価が日本の食べログ並みに低いの?

 

「……❤︎、そ、そう、ですか❤︎」

 

「な、霧島、怒って良いんだぞ!仕事サボって遊びに来た男を!」

 

「いえ、怒るどころか、感謝します、司令!大切なお時間を、私のために……❤︎こんなに嬉しいことはありません!」

 

なんでや!

 

「そ、その、では、折角ですから、私と遊びに行きませんか?」

 

「ああ!」

 

あ、ヤバイ、遊びに行くという単語を聞いて反射的にOKしてしまった!!

 

「ふふ、よかった。実は、私の知り合いが司令に会いたいと言ってまして。さあ、首都高に行きましょうか!」

 

因みに、霧島と遊びに行くと、高確率で非合法カジノかバイクで首都高とかになる。

 

にしても知り合いねぇ……。

 

霧島の知り合いは大体がヤクザかマフィアだからなぁ。

 

「さあ、行きましょう!」

 

「誰なんだ、知り合いって?」

 

「セロニアスさんって言うんですけど……」

 

?!

 

 

 

×××××××××××××××

 

「いやぁ、楽しかったですね!」

 

「アーイキソ」

 

ふふ、良いツーリングでした。

 

「スピードの向こう側、ですか。良いですね、海ではあんな速度出せませんから」

 

「法定速度ェ……」

 

?、バレなきゃ良いんですよ、バレなきゃ。逃げ切れば切符切られないんですから。

 

「まあ、原則現行犯やし。顔が割れなきゃ良いか。……にしても、連中と知り合いとは」

 

「ええ、良くしてもらっていますよ」

 

やはり、族やヤクザとは中々に話が合いますね。あまり褒められた話ではありませんが。

 

……ですが、車やバイクをかっ飛ばすのは楽しいですし、真島組での仕事は本当にやり甲斐がありますし。

 

しょっ引かれない程度のやんちゃは良いと司令も言っていますから。

 

「にしてもゼッツーですか」

 

「はい、かっこいいじゃないですか、ゼッツー。……いつもはインパルスですけど、新しく買いました」

 

「はえー、すっごい。……給料の使い道があんのは良いことだよ。無駄遣いしろって訳じゃないんだが、趣味に没頭するのは素晴らしいよ」

 

流石は司令。話が分かるお方です……!金剛お姉さまには、「アー、その、あんまり違いが分からないデース」と言われて大分ショックでしたが……、司令には分かってもらえるんですね!!

 

「……あれ?て言うか霧島、前新車おろしたって言ってなかった?」

 

「あ、はい。マジェスタ買いました」

 

カッコイイんですよ、特にあのヘッドライトとか。

 

「あのフルスモークで紫のマジェスタ、君のか……。車庫、増やそうかなぁ」

 

いやー、欲しかったんですよね、マジェスタ。

 

「司令も何台も持ってますよね?」

 

アメ車とバイクが何台か、トラックと日本車もいくつか……。

 

「あのワインレッドのシボレーコルベット、司令のですよね?」

 

「おお、そうだ。アメ車は大体俺の、若しくはアイオワのだな。痛車は明石か夕張で、ジープはグラーフの。ハイエースは天龍ので、軽トラは長門だ」

 

なるほど。

 

「……乗る?」

 

「良いんですか?!」

 

「デートしよう、デート!仕事サボって!デート!!いやー、仕事やってねーからなー!ワルだわー!ワルの極みだわー!!」

 

さっきから仕事をサボっていることをアピールしてきているようですが……、何の意味が?

 

 

 

……もしや、肩の力を抜け、と言うメッセージなのでは?

 

 

 

そう、そうだ、先程からおかしいと思っていた!

 

恐らく、司令は自分が仕事をサボっていると言うことで、私が休みやすいような環境を作ってくれたのだ。

 

その上で、自らの貴重な時間をさいて、こうしてデートに誘って、私をリラックスさせようと……!

 

確かに、艦娘と極道の二足の草鞋を履く私は、他の艦娘と比べれば忙しい。

 

それを苦痛とは思わないが、時折大変だと感じることはある……。

 

……司令は、全てお見通しなのね。

 

「……司令、ありがとうございます」

 

「ん?おお」

 

やはり、私が仕えるべきは司令だけだ。

 

こんなにも私のことを想ってくれるだなんて。

 

……一生ついて行きます、司令!!

 




霧島
最近、その筋で話題のヤクザ。多分艦娘の仕事よりヤクザやってる時間の方が長い。

龍神
獏羅天の一番ヤベー奴。頭がおかしいので旅人との相性は良い。

旅人
自分で走っているときはまだしも、乗り物に乗って凄いスピード出すとちょっと怖いよね。

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