旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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なるべく多くの艦娘の活躍を書きたいけど、個人的に好きな艦娘がメインになってしまうなぁ。

「あの子最近出てないよ」とか言って欲しいです。


137話 地中海奪還作戦 強行偵察編

「ん?何だ?これを読めば良いのか?何々……、『旅人はですね、基本的に三千世界の、あらゆる地域に過ごしていまして、若干ゃ危険が、多いところなので、そう言ったところで逃げやすいように旅人、あの、筋肉質な個体で。であと背も大きいので、死なないように。生存力ぅ……、ですかねぇ……(曖昧)。強い攻撃を、スッと、防御できる変人でして、結構危険なところが好きなので、軽々と10発20発は余裕で防御してくれますね(信頼)』……何だこれ?」

 

《くろいちんじゅふ はつづきおねえさん(にほん)》

 

「何だこのテロップ?!!」

 

「はい、OKでーす」

 

「頼むから……っ!真面目に……っ!真面目にやってくれ……っ!!」

 

おかしいな、真面目にやってるつもりなんだが。

 

「まあまあ、お茶でも飲んで落ち着きなよ」

 

「それどころじゃないだろ!」

 

「ああっ、茶筒ー!!」

 

そんな、奪われてしまった!

 

 

 

「初月、お茶淹れるの上手いな。もう少し濃い目だと尚良しだぞ」

 

「ん、分かった……、じゃなくて!戦闘中だろ!」

 

戦、闘?

 

何かな、それは。今はティータイムではなかろうか?ティータイムで良いじゃん。イギリスならティータイムだ。

 

「……と言うより、俺、何もやってないじゃん」

 

戦闘?いいえ蹂躙です。偵察と言ったはずがまるで容赦のない殺戮を始める我が黒井鎮守府の艦娘の皆さん。

 

目の前の初月は俺の護衛らしい。……だが、深海棲艦が感知範囲に入った瞬間に殺害されるもんなので暇そう。今はお茶汲みをしている。

 

「普通はそうだろ?むしろ、お前が前線に出ることの方がおかしいんだからな?」

 

「そうかねぇ……」

 

クソ寒い冬の海の上、熱いお茶を飲むという贅沢。女の子を戦わせて自分はダラダラなんてしたくはないが、実際、出来ることがマジでない。皆んな、俺が深海棲艦に何かする前にサーチアンドデストロイするから。

 

「いやー、海が赤いなぁ」

 

どんだけ殺してんだ。さっきから深海棲艦の肉片が流れてくる。

 

「……色の違いが分からないんだが」

 

「そうか?結構赤いと思うけど」

 

ま、良いか。

 

「敵はもういないみたいだし、帰る?」

 

……今回の遠征の目的、それは、奇襲作戦前の偵察だった。

 

奇襲作戦というのはあれだ。前に言ったように、深海棲艦は日本近くの海域からほぼ撤退しただろ?そして、俺達の見えない所で力を付けている、とも言った。……要は、それを見つけ出し殲滅する作戦のことだ。

 

しかし、まあ、俺はこの作戦に反対なんだが。何故なら、戦況はとっくの昔に安定していて、とりあえずだが近隣の先進国の海路は安全を確保したし。このままじわじわと支配領域を広げていけば良いんだから。何も急ぐ必要はない。

 

だから……。

 

「態々地中海まで来る必要あったか……?」

 

と、言う感じ。

 

俺としては、今支配している領域の更なる保全と、近場の海域の解放を目指したい。日本近海にだってはぐれ深海棲艦は湧いて出るしね。そう言うところからまずどうにかしたい。いたずらに支配領域を広げても管理が大変だしな。

 

でも、ウチの艦娘にとっては……。

 

「深海棲艦は見つけ次第殺せ!提督の海を汚す豚共を始末しろ!!!」

 

「どうした瑞鳳?!言葉遣いが変だぞ?!」

 

兎に角、殺したくて仕方がないらしい。なるほどな、日本近海にちょっかいを出してくる程度の深海棲艦じゃ骨がない、か。いや、愛故になのか?それとも護国の為?まあ、個人個人で戦う理由は違うだろうが……、とっとと深海棲艦を全滅させたいみたいだな。

 

だが、あくまで偵察だ。

 

「もー、はいはい!全員集合!!帰るよ!帰るってば!!」

 

 

 

「あら?どうしたの、提督?疲れちゃった?良いのよ、休んで。貴方、頑張ってるんだから!……膝でも貸そうかしら❤︎」

 

「ああ、大丈夫だよ、五十鈴。また後でお願いするね」

 

「どうかした?司令官」

 

「おお、弥生。いや、今回は偵察だから。もう終わり、帰るの!」

 

と、偵察を頼んだ艦娘を呼び集め……、

 

「この大和にお任せ下さい!」

 

「ふはは、この長門が来たからにはもう安心だ!」

 

「鎧袖一触です。早く終わらせて夕餉にしましょう」

 

「ぱんぱかぱーん!」

 

「はっ、川内型二番艦神通、ここに」

 

「見てくれ司令!俺、やったぜ!」

 

おっかしーな、偵察組に入れた覚えのない艦娘がちらほら。

 

『ガァァァ!!!!』

 

「貴方……、消えて下さい」

 

『?!!!…………ガ、メイ、レイ、メイ、レイ……ハカ、イ…………』

 

「だから……、ごちゃごちゃうるさいんですよ」

 

『!!!!…………カン、ム、ス…………ハカ、イ…………』

 

「……へぇ、まだ生きてる」

 

と、何故かいる三日月。

 

それに、

 

「……ここか?」

 

「ひゃん!つ、捕まっちゃいました❤︎えへへ」

 

「おわっ?!見つかっちゃった?」

 

羽黒と川内が直ぐ近くに隠れていた。

 

「何なのマジで?偵察だよ、偵察?」

 

戦艦空母までいる。過剰戦力。

 

「いや、提督。よく考えてみた所、皆で偵察をしてみて思ったんだが、このまま強襲するのが一番と言う結論になってだな」

 

ん?え?長門?その、作戦立案と実行を両方やられたら、俺の仕事マジでないよ?アニメ版の提督みたいになりたくはないよ、俺?

 

「ここには、旅人号を中心に、明石の移動工廠船や夕張の重装戦艦、その他補給物資を積んだ船があるのだ。ここを前線基地するのはどうだろうか」

 

勝手に持ち出し……、あ、いや、旅人号は俺のだけど貸し出していて、明石と夕張の船は本人達のだし、補給船も鎮守府の備品みたいなもん。んー、あー、問題ない、のか?

 

「鎮守府自体の防衛と、日本近海の警備は?」

 

「問題ない。半分以上の艦娘が鎮守府に残っているからな。鎮守府自体の防衛システムも過剰なくらいだ。……それに、もしも何かあれば、旅人号のV.O.Bで即座に帰還出来る」

 

ほむ、「」確かにな。

 

「だがまあ、面倒なものだ。毎回毎回、遠征となるとこれだからな」

 

そうそう、そうなんだよ。あんまり遠くに行きたくない一番の理由は、これ。

 

大掛かりになるからだ。

 

良く考えろ、艦娘は、常人より体力気力があるとは言え、限界はある。故に、補給物資や休める場所は重要。ローテも組むからそれなりの人数も欲しい。な?面倒だろ?だから、長距離の遠征は最小限にしているんだ。

 

でもそれだけ。不可能ではない。

 

「まあ、三日もあれば終わるでしょ。取り敢えず、旅人号周辺の敵は全滅で、偵察も終わったし、今日は休もうか」

 

「ああ、了解だ」

 

結局、偵察のつもりが強襲になっちまったな。でも、俺は困らないし、良いか。

 

深海棲艦は困るんじゃない(適当)?

 

 

 

×××××××××××××××

 

「ふいー、夜戦、夜戦、と」

 

「ほらほらー!気合い入れてくよ!!夜戦夜戦ーーー!!!」

 

うへぇ、スンゲェ体力。川内さんには敵わねぇなぁ。

 

「ほら、気合い入れろ、嵐」

 

振り返ると初月。腐れ縁だが、俺の背中を任せられる、真面目な奴だ。

 

「分かってるって、うん。……それよりお前、付いてこなくても大丈夫だぞ?休んでて良いんだからな?」

 

のわっちも、萩と舞も来てるんだぜ?

 

一人ぐらい退いても、なあ?

 

「ふん、気遣いはありがたいさ。でも、その必要はない」

 

「けっ、かわいくねーなぁ!もっと愛想よくしなきゃ司令も振り向いてくれないぜ?」

 

「なっ?!そ、そんなことない!提督は僕のこと、何でも分かってくれている!」

 

「どーだかなー?」

 

へへへ、初月は真面目ちゃんだからな、からかい甲斐があるな。司令の言った通りだ。

 

お、深海棲艦の艦載機か?へー、深海棲艦も夜間でも艦載機を飛ばせるんだ。

 

でも、まあ、何でもいいや。

 

「墜ちろ」

 

初月が振り向きもせず、対空砲火。

 

あんなもんは蝿だ、ウチの鎮守府の空母と比べたらお遊戯にもならない。

 

「敵、近いみたいだな」

 

「ああ、らしいな」

 

「作戦は前線基地の防衛だ、とっとと終わらせようぜ」

 

「防衛なんだから、早く終わるも何もないだろ?」

 

「そうか?でも……」

 

その時、

 

『『ーーーーーッ!!!!』』

 

咆哮が二つ。

 

「……でも、アレを殺ったら一応は終わりじゃねーかな?」

 

「……かもな」

 

湧いて出たのは鬼クラス。泊地棲鬼、か?オリジナルと違って色々と弄られてんな、よく分からん。

 

「泊地棲鬼、っぽいな。オリジナルと違ってゾンビみたいだ」

 

裂けた口に複眼、増加した主砲、肥大化した下部ユニット……。差し詰め、泊地棲鬼「改」ってところか。こいつ一体で並みの鎮守府なら更地にできるんだろうな。

 

「……ウチが匿っている深海棲艦のいる離島で聞いた話だが、泊地棲鬼は古株らしい。だから、劣化とは言えコピーされる程に深海側にデータが残っているんだろう」

 

……難しい話はよく分からないけども、要はコピー体らしい。

 

深海棲艦を生み出してるやつ……、やつ、なのか、場所、なのかも分からないけど、まあ、兎に角大元がある。その大元……、呼び名がないと困るんで「深海」って呼んでるんだけど……、その深海ってのが俺達の敵、らしい。正体は謎だ。

 

ええと、その、深海ってのは要はこっちで言う「提督」みたいなもんで、海の怨念やら何やらで深海棲艦を召喚して、人類にけしかけてるんだとか。

 

「最近は既に、南方棲戦鬼と空母棲鬼、離島棲鬼の変異種……、鬼クラスの「改」が出回っているらしいな。全く、その度に救援だ何だと世界中に行く羽目になるからな。こっちの都合も考えて欲しいものだ」

 

「でも、コピーとは言え鬼クラスの改なんてそうそう出ないだろ?司令が言ってたぜ?「鬼クラス以上は大和型建造するみたいなもん。気安くは無理」って」

 

その鬼の改が何でここにいるんだ?

 

「……さあな。戦力の全体像を把握されないためなのか、ここで戦力を蓄えていたのか……、それとも新型のテストなのか。一兵卒の僕に聞くなよ」

 

そう言って、盾と一体化した剣を構える初月。

 

「考えたって仕方ない、か。良いぜ、簡単だ。悪は殺す……、それだけだ」

 

俺は意識を切り替える。

 

戦う為のスイッチだ。

 

姿形が変わる訳じゃねえ。けど、確かに、俺は変わる。

 

イメージは炎。真っ赤に燃え上がって、邪悪を打ち倒す戦士。

 

司令に笑顔でいて欲しい。それだけを想う。

 

だから、

 

「だから、見ててくれよ……、俺の……!」

 

 

 

変身!

 




初月
自分はまともだと思い込んでいる。狂気染みた愛情を力に変えて限界以上のパワーを発揮する。


狂ったヒーロー。旅人の、自分の邪魔になる者、価値観に合わない者を悪と断じて撃滅する。

長門
ゴリ押しを提案。本来は偵察組のバックアップだった。

旅人
もうちょっとゆっくりで良いのでは?と考える。
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