旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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じゃんじゃじゃーん!!

これから何話かは何人か適当な艦娘の好感度を上げて、クリスマスのお話を書く予定。





え?クリスマスにクリスマスのSSなんて書いたら心が折れるでしょう?早めに書いておくべきなんですよ。これをダメージコントロールと言います。覚えておきましょう。


14話 今明かされる衝撃の真実ゥ!

先日の一件から、艦娘の皆んなからの好感度が上がった気がする。

 

具体的に言えば、前と違って、話しかけると言葉を返してくれる、名前を呼んでも怒らない、挨拶をしてくれる、などといった感じ。モテモテですわ。

 

まあ、マイナスがゼロになったみたいなもんやし。多少はね?

 

 

 

ああ、もう一つ、前と変わったことがある。

 

「「うおおおおおお!!!」」

 

「ヒューッ!っぶねえ!!Foo↑(回避)!!」

 

「クソッ!外した!!天龍、右から仕掛けろ!!」

 

「おうよ、摩耶!行くぜ!!」

 

 

 

挑戦者の登場である。

 

こうなった事の発端は何だったか、全く思い出せないが、多分俺は悪くない。

 

とか考えつつ、正面からくる摩耶ちゃんの蹴り、右から迫る天龍ちゃんの拳打を身を捩って避ける。パワーとスピードは人並み以上だが、それ以外は酷くお粗末だ。これじゃあ、俺に触れることすら叶わないね。

 

「お粗末過ぎる……。今流行りのお粗末さんかな?」

 

「テメェ!!オラオラァ!!」

 

摩耶のフック、右、左、左、右、左。欠伸が出る程スロー。スウェイで全弾回避。直後に、真後ろから天龍ちゃんの俺の胴へ向けての回し蹴り。これも遅い。大きく跳んで、摩耶ちゃんを飛び越え、回避。ついでに、俺を見失った摩耶ちゃんの耳に息を吹きかける。煽りも立派な戦闘スキルだから(震え声)。

 

「ひゃん?!!こ、コラ!!やめろ!!」

 

あらかわいい。振り向く瞬間、裏拳を放ってきたが、動揺しているせいか雑な一撃。軽く首を引いてやると、鼻先を通り過ぎて行く。

 

 

 

もういいかな、とっとと執務室に引っ込もう。あそこは戦えない大淀ちゃんがいつも居るせいなのか何なのか、挑戦者達も攻め込んで来ない。

 

……あと、最近大淀ちゃんがものすごーく献身的なんだけど、誰か何か知らない?ちょっと怖いよアレ。俺の仕事もやろうとするしさ。

 

「て、テメェこの!逃げんな!!オラ!!」

 

自棄になった天龍ちゃんが叫び、フェイントも何もない正直なストレートを放つ。逃げるな、とのことなので、ブロッキングをして防ぐ。

 

「え?うん。いいよ」

 

「おお?!な、何だこれ?!手応えが、ぬおっ?!!」

 

そのまま間合いを詰めて、足を引っ掛けて転ばせ、俺に掴みかかろうとする摩耶ちゃんにパス。摩耶ちゃんの柔らかそうな胸に天龍ちゃんがぶつかる。ずるい。

 

「「うわあああ!!」」

 

どんがらがっしゃん。漫画みたいな音がして、二人は組んず解れつ。

 

 

 

「…………キマシタワー?」

 

「「何も来てねえよ!!」」

 

レズではない(戒め)。

 

 

 

×××××××××××××××

 

 

 

「だー!!畜生!!今日も勝てなかった!!!」

 

「あー、クソ、ムカつく!触ることすらできねえのかよ!!」

 

これであの日から7回目の挑戦、今の今まで、一度たりとも勝てていない、いや、勝負にすらなっていない。

 

「本当に、何なんだあいつは?」

 

「実は艦娘ならぬ艦息だったって言われても驚かねぇぞ、オレは」

 

全くもって訳が分かんねえ、確かにここは陸の上だけど、それでも艦娘の身体能力なら、人間一人くらい容易く倒せるはずなんだけどなあ。

 

「……力は、多分、あたしより強い。速さは、見えないくらい。技術は、手品みたいに、何をされたかわからない。……アレ?これ、あたし達、勝てなくないか?勝てる要素がないぞ?」

 

摩耶が一人でブツブツと何か言っているが、いつものことだ。こうして、適当にあしらわれた後、オレ達は必死にあいつの弱点を考えている。まるで見つからないが。

 

……どうして、そんなあいつに挑むのか、事の発端は、あの日だ。あいつが、オレ達の首輪を外したあの日……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あー、遠征終わりっ!今日の仕事終わりっ!!全く、新提督様様だな!ガキ共も楽させてやれるし、メシも美味いし、休みもあるし!』

 

『んあー、そーだなー、あたしとしては、甘いものが食えるのと、島風が喜んでるのと、……あと、首輪付きちゃんが可愛いのがなー』

 

『そういやお前、動物好きだったよな』

 

『ああ、誰にも言うなよ?恥ずかしいからなー』

 

 

 

『すまない、本当にすまない』

 

『『うおおおあ?!!!』』

 

『おっ、おまっ!提督!!お前!!急に出てくるな!!』

 

『てっ、テメェ!!この野郎!いきなり背後から話しかける奴があるか?!!』

 

……あの時、あいつはオレ達から首輪を掏り取ったんだ。目にも止まらぬ速さで。

 

『……?お前、その、手に持ってるのって…………!まさか?!!…………な、ない!首輪がないぞ!!あのクソ忌々しい首輪が無くなってる!!』

 

……摩耶は、まるで馬鹿みたいに、自分の首をペタペタ触ってたっけ。

 

『…………えっ?…………あっ?………………えっ??』

 

……もっとも、オレもあまりの事に理解が追いつかなかったけどな。そのあと、あいつは、「知らなかった」だの、「解体はしない」だの、「俺は悪くねぇ、嵌められたんだ!」だの……兎に角、オレ達に詫びを入れて最後にこう言ったんだ。

 

『いやもう、すまない。殴りたかったら殴ってくれて構わん(人間の鑑)』

 

……この時点では、軽く殴って終わりにするつもりだった。私も、摩耶も。だがあいつは……、

 

『……よし、それでこそ男だ!一発で許してやるよ!』

 

『そうだな!変な奴だと思ってたけど、意外と男らしいとこあるじゃねえか!』

 

 

 

『『せい!!…………あれ?…………な、何避けてんだテメー!!』』

 

……あの野郎、よりにもよって避けやがったんだ。

 

 

 

『いや、当たったら痛いじゃん?逆に、当てられない方が悪いって事で。はい、じゃ、ヨロシクゥ!!(人間の屑)』

 

『ほーう、そうかそうか。……大怪我じゃ済まさねぇぞ!!』

 

『……何だとテメェはこの馬鹿野郎!!』

 

……流石に悔しく思ったオレ達は、何とか一発ぶん殴ってやろうと躍起になったんだ。でも、あいつには指一本触れられなかった。

 

『はぁ、はぁ…………、はっ、速え……?!お、お前、何だ?何なんだ?!』

 

『ありえねえ、このオレが……!』

 

『あららら……、天〜龍ちゅわ〜ん?摩〜耶ちゅわ〜ん?ちょっとイケてないんじゃなーい?いくら何でも駄目すぎるだろォ?はっずかしい〜』

 

 

 

 

 

『『…………ぶっ殺す!!』』

 

 

 

 

 

……こうして、オレ達は提督に挑むようになった。この時の雪辱を果たす為に……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まあ、でも…………、

 

 

 

 

 

 

 

「「……強い男って、カッコいいよな…………」」

 

 

 

……よ、嫁に行くなら、自分より強い男のところじゃなきゃ、な!

 

 

 

 

 




天龍、摩耶
元から、物事を難しく考えないタイプ。
二人とも単純な子なので、提督への好感度は高かった。
提督の強さを知りコロッと堕ちる。

大淀
目の前で提督にちょっかいを出すと怒る。
無言で怒る。
怖いので、大淀の前では挑戦者は現れない。

旅人
避ける上に硬い。
スパロボなら分身とガード持ってるみたいなもん。
しぶといだけで火力と射程がクソ。

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