旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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更新ペースを二日に一回に落としておいて、まだキツい。


159話 うーちゃんのいたずら大作戦

いたずらしたいぴょん。

 

「……すれば良いんじゃない?」

 

いたずら、したいぴょん。

 

「……だから、すれば良いんじゃないかな?」

 

じゃあ動いて欲しいぴょん!手錠で繋がれてるんだから、司令官が動いてくれないとうーちゃんも動けないんだぴょん!!

 

「分かった、分かった。降参だ」

 

早く行くぴょん!

 

「で、いたずらったって、誰に?また弥生にか?勘弁してあげなよ」

 

うーん、そう、だね。いっつも弥生にばっかりだし、たまには違う子にいたずらするぴょん。

 

「俺とかは?」

 

……司令官は異様にトラップに強いぴょん。落とし穴も黒板消しも静電気も全部通用しないぴょん。

 

「まあ、トラップは慣れだしなぁ。命に関わらない優しいトラップには引っかからないかな」

 

命に関わるトラップは、最早いたずらとは言わないぴょん。

 

さあ、そんなことはどうでもいいぴょん、早くいたずらするぴょん!

 

「俺、ついて行く必要無くない?手錠外そうか?」

 

……それは、駄目。

 

その、そう、司令官は後ろ盾ぴょん!もしもバレた時、司令官に庇ってもらうぴょん!

 

「一人の方がバレづらいんじゃ?」

 

……関係ないよ。今日は私と一緒にいなきゃ駄目。

 

それに、あの、司令官の身のこなしならそうそうバレないぴょん!

 

「そうか?なら良いけども。じゃあ、行こうか?」

 

うん!

 

 

 

最初のターゲットは、空母の二人ぴょん!

 

ひりゅーさーん!そーりゅーさーん!……よし、いないぴょん!

 

ピッキング開始ー!

 

………………よし、開いた!

 

「ピッキング出来るんだ」

 

練習したぴょん。

 

さあ、侵入して……、何にもないぴょん?

 

普通のベッド二つと……、小さなテーブルに椅子が二組。後は小さなタンスだけ。とても、女の子の部屋じゃないぴょん。

 

「……はぁ、またあの二人は」

 

どう言うことぴょん?

 

「あの二人、趣味が無いんだよ。やっていて楽しいと思うことをやりなさいと言っているのに、『提督の命令を聞くのが一番楽しいことだよ』ってな感じで」

 

なるほど、だからこんなに生活感がない部屋に……。

 

「……せめて、テレビと冷蔵庫くらいは置いていってやろうか」

 

そうするぴょん。流石のうーちゃんも気の毒になったぴょん。

 

「あと撃龍神」

 

……何ぴょん、そのロボットのフィギュア。

 

「なんか似てるから」

 

確かに、カラーリングはオレンジと緑だけど……。

 

 

 

さ、さあ、気を取り直して!

 

次は天龍ぴょん!

 

「因みに、天龍と龍田は同室だからな」

 

天龍はやっぱやめといて、えーと、青葉にするぴょん!

 

「青葉か。青葉型の部屋だな?」

 

ノックしてもしもーし!……いないぴょん!

 

ピッキング開始!

 

……艦娘寮の部屋の鍵は、構造が同じぴょん。開けやすいぴょん。

 

よーし、開いたぴょん!

 

………………。

 

「おお、よく撮れてるな」

 

写真……。壁一面に司令官の写真が。

 

……え、これ、ヤバいやつぴょん?触れちゃいけない闇ぴょん?

 

「別に闇でも何でもないが」

 

いやだってこれ盗撮、

 

「本人が撮られたと気付いていれば盗撮ではないのではないだろうか」

 

犯罪行為が容認されてるぴょん。

 

「ま、悪の組織ですから?」

 

ドヤ顔やめるぴょん。自分の盗撮写真を見てよく撮れてるなは流石におかしいと思うぴょん。

 

「それ程でもない(謙虚)」

 

まあ、凄くはあるけど憧れないぴょん。

 

で、いたずらだけど……。

 

「俺の自撮り顔写真でも置いとくか」

 

……それがいいぴょん。下手なことしない方がいいぴょん。早く撤退するぴょん。

 

「ちょっと待ってアングルが」

 

そんなのどうでもいいぴょん!

 

「逆光は勝利。頭上の空白は敵だ」

 

知らないぴょん!

 

 

 

次は……、大淀ぴょん!

 

「大淀?何で?」

 

大淀は怒らないぴょん。

 

「いや、怒るよ?俺が怪我した時とか」

 

それは誰だって怒るぴょん。

 

まあ、つまり、大淀はまだまともな方ぴょん。

 

さて、今の時間は大淀は執務室にいるぴょん。部屋にいないのは分かってるから、早速ピッキングぴょん。

 

……開いたぴょん。

 

あれ?

 

司令官の、部屋?

 

あ、あはは、うーちゃん、間違って司令官の部屋に来ちゃったぴょん?

 

「いや、大淀の部屋で合ってるぞ」

 

いやいやいやいや、だってこれ、寸分違わずに司令官の部屋ぴょん。

 

無駄に大きいベッド、綺麗なクローゼット、大きめのテレビと冷蔵庫、本棚にパソコン……。

 

どこをどう見たって、司令官の部屋ぴょん。

 

「大淀は俺の部屋を真似てるみたいなんだ」

 

で、でも、だって、ハンガーにかかった服まで同じぴょん?

 

「いや、あれは俺の。服とか小物とかはちょくちょく盗まれてる。まあ、同じ物の新品を代わりに置いておいてくれるから問題はないんだけどね」

 

問題大有りぴょん。

 

窃盗は犯罪ぴょん。

 

「いや、世の中の犯罪行為の十割はバレなきゃヘーキ、バレても逃げ切れば無問題。被害届がなけりゃ無かったことになるのだ」

 

この鎮守府の道徳はどうなってるぴょん?!

 

「何たって悪の組織ですから?」

 

だから、ドヤ顔やめるぴょん!!

 

 

 

……白露型の工房ぴょん……。

 

「楽しそうじゃん行ってみようぜ」

 

うう……、逝っちゃってるぴょん。精神状態おかしいぴょん。

 

「工房はピッキングじゃ開かないからな。合鍵を使うぞ……、はい開いた」

 

いや、待って、心の準備が……!引っ張らないでぴょん!!うわあああああ!!!

 

「ほら、見てごらんよ。何も怖いものないだろ?」

 

見てごらん、ってか、見えないぴょん?電気は?

 

「あー、ここ、電気通ってないんだよね。ランプならあるよ」

 

このご時世にランプって……。しょうがない、点けよう。何気にマッチを擦るのは初めてぴょん……。

 

すると、真っ暗な部屋にランプの灯りが点いて……?!

 

……あ、え?

 

「よくできてるなこれ」

 

ひっ!!

 

「何?どうしたの?」

 

そそそそそ、それっ、腕っ!人の腕!!!

 

「ああ、俺の腕の剥製だな」

 

目玉が!!!

 

「俺の目玉のホルマリン漬けだ」

 

心臓が!!!

 

「俺の心臓の瓶詰めだ」

 

……全部司令官ぴょん?!!!

 

「俺のパーツ集めんのが趣味みたいよ」

 

イかれてるぴょん!!!

 

「他にも薬品と、武器と……、あ、いかんなこれは見ちゃならん。名状しがたいアレとかコレとか」

 

うわーーー!!!

 

「あと願望器じゃない感じの聖杯」

 

うわーーー!!!

 

「儀式素材」

 

うわーーー!!!

 

逃げるぴょーーーん!!!!

 

 

 

はあ、はあ、はあ、はあ………………。

 

ヤバかったぴょん。闇だったぴょん。この鎮守府には開けちゃならない扉が多いぴょん。

 

「次どこいくー?」

 

いや、懲りるぴょん!あんなもの見てまだなんかやる気ぴょん?!

 

「首輪付きの小屋なんてどうだろう」

 

……ま、まあ、首輪付きの小屋ならまだ安全ぴょん?

 

「決まりだ、行こう」

 

う、うん。

 

ところで、冷暖房完備でネット環境まである建物を小屋と言い切って良いのかな……。

 

「首輪付き、いるか?」

 

「もふ」

 

「いるわ。さあ、卯月。いたずらして良いぞ」

 

「もふっ」

 

据え膳ッ!!!

 

何ぴょん、いたずらして良いぞって!!大体にして、犬、じゃない、猫、でもない、……何だろうこの動物?いや、この、なんか白いふわふわした動物にいたずらする程落ちぶれてないぴょん!!!

 

「首輪付きけものは首輪付きけものだよ。それ以上でもそれ以下でもない」

 

「もふ」

 

……本当に何の生き物ぴょん?けものとは一体……?

 

「殺戮と農業が得意なフレンズだ」

 

「もふ」

 

………………と、兎に角!こんな風にお膳立てされて、動物(?)相手にいたずらなんてする訳ないぴょん!!

 

「遠慮しないで良いんだよ?噛んだガムを毛皮にくっつけるとか、痛たたた噛むなこの野郎」

 

「がぶっ」

 

おわあ、噛まれてるぴょん!

 

「さあ、今のうちにいたずらを!!」

 

えーと、えーと、そりゃ!

 

「もふ」

 

……ふわぁ、もふもふ!もふもふぴょん!

 

「いたずらと言っておきながら撫でるだけ?」

 

だから、動物にいたずらはしないぴょん。それに、首輪付きは白くてもふもふな黒井鎮守府のマスコットキャラぴょん。こんな可愛い子にいたずらはしないぴょん!

 

「……可愛い?」

 

え?首輪付きは凄く可愛いと思うぴょん。

 

「ええー?こんな、史上最も多くの人命を奪った個人って目をしてるのに?」

 

そんな、それは言い過ぎじゃ……。あっ、でも、つぶらな瞳だけど眼光は鋭い。

 

「艦娘くらいの戦闘能力はあるからな。あまり舐めないで差し上げろ」

 

「もふもふっ」

 

は、はは、まさか、ね?

 

 

 

あー、もう、なんか、疲れたぴょん。

 

「いたずらは?」

 

もう良いぴょん。部屋に戻るぴょん。あ、提督の部屋だからね?睦月型のガレージじゃ、

 

「え?」

 

あ、遅かったぴょん……。

 

て言うか、疲れたって言ったぴょん。なんで更に疲れそうなところに連れてくぴょん?鬼ぴょん?

 

「またまた。卯月の拠点じゃないか」

 

いや、ガレージは睦月型の拠点ではあるけど。寛げるとは一言も言ってないぴょん。

 

「そうなの?」

 

そうぴょん!

 

『認証……、睦月型、司令官。ゲート開放』

 

「良いじゃん、近未来的で」

 

ここだけスター◯ォーズみたいな空間になってるぴょん!気疲れするぴょん!!

 

……大体にして、どれもこれも現代の技術力じゃ実現出来ないような超技術ばっかりぴょん。

 

「俺の伝手と工廠組の頑張りだな」

 

何でそれでどうにかなるぴょん!何をどうやったらロボットアニメみたいな謎の超技術を実用化できるぴょん!

 

「どうした卯月?武装が必要か?」

 

うっ、菊月……。

 

「菊月!菊月じゃないか!イレギュラーハンターと名高い菊月だ!!」

 

「フフフ、誰であろうと、私を超えることなど不可能だ!!!」

 

何を言ってるぴょん。

 

「ふはははは……、それで?卯月は何が必要だ?あ、このパルスキャノンは駄目だぞ、私のだ」

 

要らないぴょん!そんなのより、もっとこう、魚雷とか艦娘っぽいものを装備するぴょん!

 

「垂直ミサイルならあるぞ」

 

うう、何言っても無駄ぴょん……。

 

「まあ、武装弄るくらいなら良いじゃん。むしろ、強くなってもらわなきゃ困る」

 

「ほら、卯月。司令官もこう言っているんだ。良い加減、光学兵器の一つでも持ち歩け」

 

いや、ちょっと、こら!勝手に艤装を弄らないで欲しいぴょん!待って!あ、ミサイルつけないでぴょん!!待って!!あああ!ああああああああ!!!!

 




卯月
黒井鎮守府の闇の一部を知る。

菊月
イレギュラー絶対殺すウーマン。

旅人
繋がれた男。

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