旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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忙しかった。

ssを書く暇がない不幸。


175話 変態のすくつ

おはようございます、大淀です。

 

昨日は謎の化け物による襲撃がありましたが、だからと言ってこの黒井鎮守府に変わりはありません。

 

今日もいつもと変わらない平常運転でやっていきたいと思います。

 

早朝。

 

業務の開始はまだですが、愛する提督の顔を見たいが為、提督の部屋までやってまいりました。

 

さて、提督、おはようございます。怪我の具合はどうですか?

 

「ああ、大丈夫だ」

 

脊髄損傷と内臓破裂の割に、平気そうですね。

 

「その程度じゃ何ともないよ」

 

んー、今日もイケメンですね、提督。

 

「よく言われる」

 

結婚して下さい。

 

「してるでしょ」

 

じゃあ子作りしましょう。

 

「ははは、遠慮しとく」

 

チッ。

 

流れで行けるかと思ったんですが。

 

「行けねーですよ」

 

仕方ありませんね。

 

「よし、飯作るから俺は行くね」

 

あ、行ってらっしゃい。

 

 

 

朝です。

 

朝食の時間です。

 

「「「「おかわり!!!」」」」

 

「はいよー」

 

大飯食らいの戦艦空母は、朝から山ほど食べます。遠慮という言葉を知らないのでしょうか。

 

調理担当の提督は、六人くらいに分身して料理をしています。

 

最初はびっくりしましたが、今は、なんかもう、慣れました。

 

因みに、鳳翔さん達も四人くらいに分身して調理しています。

 

分身できないと厨房に立てないルールでもあるんですかね。

 

「大淀はおかわりいる?」

 

あ、いえ、朝からそんなに食べられませんよ。

 

「「おかわり!」」

 

ん?

 

珍しい、鈴谷さんと熊野さんですか。

 

「いやー、改二になってからと言うものの、お腹が空いて……」

 

「でも、スタイルは維持できていますわ」

 

あー、そう言えば最近、改二になったんだとか。二人とも背が伸びて、スタイルも……。

 

「でも、いざ大きくなったらなったで、重いわねー」

 

……くっ。

 

艦娘はあまり成長しません。霊的な要素があるから、殆ど歳をとらないんです。

 

ですから、背はもちろん、胸も大きくなりません。

 

しかし、改造は違います。

 

改造された艦娘は、何故かは知りませんが、少し成長するのです。実際に、高校一年生ほどだった鈴谷さんと熊野さんは、高校三年生くらいに成長しています。

 

そしてその胸も……!!

 

畜生、私の改二はまだなのですか?!このままではまた提督に中高生扱いされてしまいます!!

 

 

 

午前です。

 

工廠に乗り込みます。

 

明石さん!私も改二になりたいです!

 

「えっ、何ですか急に」

 

改二になってナイスバディになって、提督を誘惑するんですよ!

 

「あ、あー。個人差もありますよ?龍驤さんなんて改二になっても全然成長しませんでしたし」

 

むむむ。

 

「何がむむむですか」

 

はぁ、分かりましたよ、諦めますよ。

 

「あら、あっさり」

 

よく考えたら、色気程度でどうにかなる人じゃありませんし。

 

誘惑したくらいでどうにかなるなら、苦労しないですよ。

 

「ですよねぇ。どう言い寄ってもいつの間にか主導権を握られて、提督のペースになっちゃいますよね」

 

そうなんです。この前なんて全裸で抱きついてみたんですが、気が付いたら駅前でデートすることになっていました。楽しかったです。

 

「大淀さんって控え目に言ってキチガイですよね」

 

失礼な。私はまともですよ。

 

 

 

昼です。

 

午前中に書類仕事をパパッと終わらせ、昼食の時間。

 

あ、私はポークソテーにしました。

 

美味しいです。

 

「ふー、終わった……。ここの訓練、厳し過ぎるクマ……」

 

新入りの一人、球磨さんが食堂に入って来ました。それに気付いた提督は……、

 

「おお、お帰り球磨」

 

「ただいまクマ」

 

球磨さんの手を取り、席に座らせました。

 

その時です。

 

「ん?球磨、手を怪我してるな。……はむ」

 

あ。

 

「む、舐めるなクマ」

 

な、なんて羨ましいことをッ!!

 

「ごめん、嫌だった?」

 

「……嫌ではないクマ」

 

ハァーーー!!!

 

「うおっ?!!どうした大淀?!何でナイフで自傷行為を?!!」

 

提督、私も怪我しちゃいました!!

 

「え?あ、舐めろって?分かったから、分かったから自傷行為はやめて!」

 

「フンッ!!……提督ー、私も怪我しちゃいマシター!」

 

「今自分で折ったよね、金剛?」

 

「私も怪我したって事にしておいて、舐めてくれないかしら」

 

「何言ってんの陸奥」

 

くっ、パクリです!悪質なパクリですよ!

 

そこまでして提督に舐めて欲しいんですか?!

 

「君がそれ言う?」

 

 

 

午後です。

 

ふへへ、提督に舐めてもらいました。

 

気持ち良かったです。

 

あれですね、血液という自分の一部が、愛する人の身体に吸収される感覚。最高です。

 

今度は経血入りの手料理とかプレゼントしましょうか。提督なら毒入りでも平気な顔して食べますし。

 

あ、安心して下さい。提督に舐めてもらったところは私が舐めました。

 

はい、提督の唾液美味しかったです。

 

「うわっ、何一人で笑ってるんですか大淀さん」

 

「うわっ」って何ですか、鹿島さん。

 

「いや、指舐めながらニヤニヤ笑ってる人を見たら、誰でもうわって言うと思いますよ」

 

違いますよ、これは。提督の唾液を摂取していただけです。

 

「え?舐めてもらったんですか?」

 

はい!実は……。

 

「チッ、その場に居合わせたら私も舐めてもらったものを……」

 

ほら、何もおかしくない。

 

キチガイ扱いはやめて下さいよ!大体、鹿島さんも中々の変態じゃないですか!!

 

「は、はい?どの辺がですか?」

 

提督を誘惑して、ヒモにしようとしてるじゃないですか!

 

「え?!何かおかしいんですか?!」

 

大分歪んだ性癖かと。

 

「い、いえいえ!私はただ、提督に甘えて欲しいだけですよ!」

 

何言ってるんですか!提督にDVされながらめちゃくちゃにして欲しいとか常日頃から言ってるじゃないですか!

 

「なっ、ちょ、ちょっとマゾなだけです!首を絞めながら犯して欲しいくらいにしか思ってませんー!!」

 

やっぱり変態じゃないですか……!

 

 

 

夕方です。

 

やはりこの鎮守府は変態の巣窟ですね。恐ろしい……。

 

私は清純派なので、あんな変態と一緒にされたら困ります。

 

さて、提督がいない内に、提督の部屋からパンツを頂戴して来ましょうか。

 

パンツパンツー、と。

 

あ!

 

「あ、大淀さん」

 

古鷹さん!

 

何故ここに?

 

「提督のパンツを借りに来たんです」

 

何だ、私と同じ用事ですか。

 

「うーん、大淀さんとはちょっと違いますね。私はパンツを洗って返すので」

 

え?提督のパンツですよ?食べないんですか?

 

「いえ、私は自分の洗濯物と一緒に洗って返却しますね。そうすると、私の匂いと提督の匂いが混ざり合って……」

 

ははーん、成る程、上級者ですね?

 

「マーキングですよ、マーキング」

 

変態にも色々な種類があるんですねー。

 

「え?別に変態ではないですよ?」

 

変態は皆んなそう言うんです。

 

 

 

夜です。

 

晩ご飯を食べ終わって、後は入浴ですかね。

 

監視カメラを見たところ、ちょうど今の時間、提督がお風呂に入ろうとしてますから、混浴しましょう。

 

提督は遠慮して、一人でドラム缶風呂に入ろうとしますからね。

 

駄目ですよ、私と一緒にちゃんとしたお風呂に入りましょうねー。

 

……にしても、人が多いですね。

 

提督がお風呂に入ろうとしたのを見計らって、同じ時間に入浴しようとする艦娘が多いこと多いこと……。

 

「はーい、提督ー❤︎身体洗いますねー❤︎」

 

「髪洗いますよー❤︎」

 

「待ってこれ、ソープランドじゃねーんだよ?あっ、ちょっ、身体擦り付けないの!」

 

くっ、先を越されましたか。

 

既に提督は、多数の艦娘に囲まれて、全身丸洗いされています。

 

「チッ、出遅れたわ」

 

あ、足柄さん。

 

「あら、大淀ちゃん。貴女も?」

 

はい、駄目でした。

 

「まあ、そんなこともあるわよ。諦めましょう。また次があるわ」

 

はぁ……。

 

「あんまり纏わり付いても、うざったいだろうし。一歩引くのも大事ね」

 

そうですね。

 

仕方ないです。

 

諦めて提督を視姦しますか。

 

 

 

夜中です。

 

今、提督は晩酌でもしている頃でしょうか。

 

私はお酒が得意ではありませんから、一緒に飲む訳にもいきません。

 

もしも一緒に飲めば、私は早々に酔い潰れて、提督に介抱されるでしょう。

 

それはそれで美味しい話なんですけど、提督に迷惑はかけたくないですし。

 

と、なると……。

 

眠くなるまで、提督の日記でも読みますか。

 

まあ、勉強ですね。

 

提督のことは、愛していると同時に尊敬もしています。私のことを救ってくれた、正に神様ですから。

 

少しでも提督に近づく為、その技を、魔法を、術を身に付けるんです。

 

ドラグスレイブ……、これはこの世界では使えない。

 

フォトンランサー……、リンカーコアという器官がない。

 

轟音の波動……、マナを使い切ると生命力を失う。

 

ソウルの結晶槍……、危険なソウルの業。

 

アザトースの呪詛……、邪悪な精神破壊。

 

どれも酷くピーキー。下手をすれば使用者の命が危ないものばかり。提督は自分の命を何だと思っているんでしょうか。

 

よく魔法を使っているところを目にしますが、アレは毎回、自分の命をちり紙で鼻をかむくらいの気安さで懸けていますからね。まともな精神構造じゃありません。

 

うーん、死に近付くことによって見えてくるものがあるんでしょうか。

 

私にはとても出来ませんね。

 

でも、少しでも提督に近づく為なら、命くらい懸けても良いでしょう。

 

少しづつ、少しづつ……。

 

邪法を極め、魔技を極め、愛する提督に近づくんです。

 

その結果、私は、艦娘でも人でもない何かになるでしょう。

 

でも、後悔はありません。

 

提督と一緒ですから。

 

 

 

ふう、そろそろ眠くなってきました。

 

提督のパンツを枕カバーにして、と。

 

お休みなさい、提督。

 

枕元の提督の写真にキスをして、眠る。

 

私の一日はこれで終わりです。

 

願わくば明日も、黒井鎮守府にいつもと変わらない明日が来ますように……。

 




大淀
黒井鎮守府内でもトップクラスのキチガイ。

鹿島
生々しいマゾ。駄目な男に尽くすタイプ。

古鷹
頭の中は基本的にピンク色。

旅人
某妖怪首おいてけレベルの命知らず。

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