どうしよ、見切り発車で進めてきたからこの先どうするか考えてねーや。
200話に到達したら旅人が艦娘から逆レされるか妹が登場するかしたりしなかったりすることにしますん。
よぉ、提督さぁー。
たまには二人でしっぽり飲むかい?
良い酒が手に入ったんだよ。
ああ、大丈夫、肴も持ってきてやんよ。
酒はこれ、獺祭。
美味いんだよねぇ、これが。
ささ、提督もどーぞ。あたしも一杯、と。
……かーっ、美味い!
……ふう。
あー、その、ね。
……提督、ありがとね。
え?いや、飛鷹のことだよ。
また飛鷹と会えるなんて、思ってもみなかった。嬉しいよ。
商船だった頃から一緒だったからね。
でももう、会えないもんだとばっかり。
気にするな、って?はは、やっぱり提督はデカい男だねぇ。
だからこそ、惚れたんだけどさ。
………………。
うん。
何か、あれだね。
二人っきりだと、何話して良いか分かんないや。
む、緊張するなって言われてもなぁ。
やっぱりあたしも女だし?こーんなことして提督を誘惑してやろうとか、考えてる訳で。
うりうり、どうだい?抱きつき攻撃だ。
……お、おっぱいの感触が良いって?
随分はっきり言うね、提督。
あ、あー、ハンサムのみに許された特権かい。そうなのかい。
確かに、見惚れるくらいにハンサムだよ、提督は。
え?あたしも綺麗だって?
はは、煽てたって何にも出ないよ、全く。でも、嬉しいよ。
あ、ん……。
お世辞じゃない、本気だ、なんて言ってさ、優しく口付けされるとさ、その、なんて言うかさ、クるね、効くね。
あたしの乙女心ってやつがきゅんとするよ。
その、女を誑かすテクニック、何処で覚えてきたんだい?
……秘密、かい。
……別にぃ?機嫌悪くなんてないよーだ。
むぅ、だって、あたしの知らない提督がいるって考えると、やっぱり寂しいよ。提督には、ずっと側にいて欲しいんだ。
ずっと、ずっと、ずっと、ずっと。
永遠よりももっと長く。
……うん、ずっと側にいて、提督。
へへ、そう言ってもらえると嬉しいよ。
じゃあさ、提督。
提督の話をしておくれよ。
あたしの知らない提督ってやつを知りたいんだ。
え?日記を読めって?
ああ、あの、休憩室に置いてある提督の日記?
あれ、正直言って、信用ならないんだよねぇ。それに、書き方も安定してないし。適当に書いたんだろ?
やっぱりね。
じゃあ、内容はデタラメ……、じゃないのかい?
ええ〜?本当に?あの日記が正しいとすると、提督はまともじゃないよ。
あれじゃ人間辞めて……、いや、そうだったね、提督は。とっくに色々と辞めてたよね。
……頼むから提督は辞めないでおくれよ。
え?自分は人間だって?
はは、冗談が上手いね、提督。
身体の三分の二が吹き飛んで平気なのは人間じゃないよ。
いや、精神論じゃなくて。
心の問題じゃないよ。
頑なに認めないのやめてよ、ねえ。
だって、こうしている今も、無くなった身体が段々生えてきてるし。
何?
妖力を解放して再生を早めてる?
妖力って何さ。
銀眼の斬殺者?妖魔の力?
それとリジェネレーションと回復法術?
いや、良いかい提督。
人間は、無くなった肉体が再生したりしないんだよ。
再生する人間もいるって?
いないよ、そんなものはいないよ。
会ったことがある?それは人じゃない何かだよ。
そうさね、それじゃ、教師だった頃の話を聞かせておくれよ。
やってたんだろ、教師。
うんうん、伊藤と三橋がやんちゃで、セロニアスはキレてて、朝霧はバカだった?
よく分からないんだけど……。
え?アンツィオではドゥーチェして、小学校で地球防衛して、クロマティは爆発した?
何がなんだか……。
あー、つまり、問題児が多かったのかい?
へえ、伊藤はいい奴で三橋は卑怯な奴なのかい。でも、面白い奴らだった、と。
セロニアスってのとは今でも会う?バイクとかギターとか、趣味が合う?良いことだよそれは。
朝霧はバカ?ふーん、不良ねぇ。
そして、女子校で戦車乗り回して、小学生と地球を守って、クロマティ高校は宇宙人に侵略されて校舎全損?何を言ってるんだい?
証拠は……、あ、あるんだ。写真だね。
うわあ、本当に教師だったんだ。
……昔から真っ白なんだね、髪の毛。
え?子供の頃から?生まれつきなのかい?違う?若白髪?く、苦労したんだね。
教師ねぇ……。
どんな先生だったんだい?
普通の先生だった?
いやいや、そう言う冗談は置いといて。
えー?提督がまともな教師だった訳ないでしょ。
……やっぱりね。
不良生徒の喧嘩を観戦したり、ストリートファイトに混ざったり、授業放っぽり出して生徒と遊びに行ったりしてたんだ。
まー、それでこそ提督って感じだねえ。
……と言うか、働くのが嫌なのに、よく教師なんてやったね。
金かい?
持ってるだろ、金なんて。
え?
結構綱渡り?
(返す気のない)借金もある?
ピークで金の無かった頃は荒川の橋の下に住んでた?
ははは、また冗談かい?
え?
荒川の橋の下には金星人がいる?
河童が村長?
ウッソだぁ。
……証拠写真をどこからともなく出すのをやめておくれよ。
うーわ、本当だ、橋の下に家建ててる……。
ホームレス生活の為にこんなことを?技能の無駄遣いだよ。
何だいこの星の被り物した奴。心なしかムカつくんだけど。
随分と気楽にやってるんだねぇ。
金が無くても心は豊か、ってことかい?
何々?
ピンチも沢山あった?
死にかける様なピンチ?
またまた。
なんだかんだ言って死なないじゃないか、提督。
え?
真夜中のサーカス?ラクーンシティ?冬木市?魔剣教団?幻想郷?杜王町?ロードラン、ドラングレイグ、ロスリック?ヤーナム?ノースティリス?
ちょ、ちょっと待った、ちょっと待った。ってか、そんなに震えてどうしたんだい?トラウマ?
もう、一気に言われても分からないよ。
提督は一体何と戦ってるんだい。
真夜中のサーカスでは、自動人形の大群と戦って首だけにされた?ねじ切られた?
B.O.W.も英霊も妖怪もスタンド使いも強過ぎた?
悪魔に魂を破壊された時は死を覚悟した?
巨大なドラゴン、デーモン、魔物にはらわたを食い千切られた?
……んー、本当なのかい?
いっつも思ってるけど、そんなに沢山の冒険をすれば、普通は死んでると思うんだけどさ。
……は?死んだこともある?死んでも蘇る魔法をあらかじめ使っておく?
こ、怖くないのかい?
慣れれば平気?死んだらその時はその時?
……は、ははは、やっぱり提督は提督だね。
こう言っちゃ何だけど、提督は艦娘よりずっと、化け物だよ。
いや、もちろん、貶してる訳じゃないさ。
でも、本当に、凄いよ。
凄いよ、提督は。
死ぬのが怖くないんだね。
……だからさ、いつか提督が、ふらっと居なくなっちまうじゃないかって思うとさ。
怖いよ。
私は怖い。
提督を失うのが怖い。
分かってるよ。
提督は私の側に居てくれるって約束してくれた。
けど、提督が怖いんだよ。
死ぬ様なことも涼しい顔してこなしちまう不死身のスーパーマンなのは知ってる。
でも、提督が自身の力に飲まれてしまわないか、とか、思いがけない事故で死んでしまったりしないか、とか、そう言うことを考えると止まらないんだ!
もう少し、あたしに、守らせておくれよ……。
……うん。
うん、そうかい。
分かった。
それじゃあ、これからはもう少し頼っておくれ。
あたしは、提督の為なら何でもするよ?提督の好みの女になるよ。言うことを何でも聞く。
……じゃあ、とりあえず、一献くれないか?だって?
ふふ、そうだね。
さあ、飲もう、提督?
隼鷹
依存型。酒と旅人がないと生きていけない。
旅人
現在(肉体が)四割しかない。しかし、あまりにも酒が飲みたくて車椅子で現れる。