その次はアイオワ、サラトガ。
その次は……、未定です。誰にしよう。
スニーキング!!
蛇のように、音を立てず、気配を消して、対象に忍び寄る。
思い出すぜェ、アラスカのフォックス諸島沖のシャドーモセス島を!
……あの時はヤバかったなあ。成り行きで知り合いの蛇と呼ばれる男とシャドーモセス島ってとこに潜入してな?詳しい話は省くけど、爆発に巻き込まれて死にかけた。その後海を泳いで帰った。寒かった。
そんなこんなで、存分に鍛えられたスニーキング能力を十全に発揮。
そしてそこから、はい、いっせーのーで!
「如月ィ!!!」
「きゃあ?!!!」
後ろからッ!抱き上げるッ!
よーしよしよし!!よーしよしよし!!!
「え?え?司令官?」
如月にペースを握られるのは不味い。処女ビッチだが魅力は本物。いつコロッと堕とされるか分からない。
確かに俺は百戦錬磨のナイスガイだが、同時に人間の屑でもある。
今この瞬間にも、如月のエロ可愛さに負けてベッドインしてしまう恐れがあるのだから、侮ってはいけない。
「ど、どうしたの司令官?」
「如月のお願いを聞きに来た!」
畳み掛けようじゃないか。某黒のライダーが如く理性が蒸発する前にお願いを聞き入れるのだ。さもなくばこどものじかん的な、LO的な展開が待っているぞ。
大丈夫だ俺。俺には鋼の理性がある。恐怖を捨てろ、前を見ろ、進め、決して立ち止まるな!退けば老いるぞ!臆せば死ぬぞ!
「あら、本当?じゃあ、司令官には……」
すると如月は、俺に抱きついて、言った。
「素敵な夢を見せて欲しいの❤︎」
素敵な夢をォ?!見せて欲しいのォ?!!
「ねえ、良いでしょ?貴方と一緒に、初めての夜を……❤︎一生忘れないロマンティックな思い出が欲しいの❤︎」
夢見る少女の乙女心がキュンキュンしちゃうのッてかァ?!叶えてやるよォ!!
「ならば俺は……、ナドレ!!!!」
はい、服パージ。
さあ、今の俺は全裸だ。
だが安心して欲しい。俺の絶対に見えてはいけないところ、即ち股間の《断空砲》は、確りとブルーレイでなくなる謎の光で隠されてるからな!これで18禁展開にはならない。
そして待って欲しい。
俺もただ脱いだ訳ではない。
「蒸着!!!!」
早着替え……!!!
俺は即座に正装の白いツーピーススーツに着替える。この間約0.1秒以下。
ホストみたいな格好?いや、俺の趣味だよ?……まあ、ホストやってた頃に使ってたのと同じやつだけど。
「やだ、かっこいい……」
如月もこの反応。
そう、俺は、今まで黙っていたが、実は、イケメンなのである!!!!
……イケメンなのである!!!!(強調)
ダークデイズドライブとかニャルラトホテプの人間に化けた姿とかハリウッドスターとか、兎に角そんなレベル。APPで言うなら18くらい。
……さてさて?
何勘違いしてるんだ?俺のバトルフェイズは終了してないぜ!
「強制ストリップ真拳!!」
強制ストリップ真拳……。
俺が唯一、誰にも負けることがないであろうと確信できる必殺の拳技だ。
それを以って、如月の服を脱がせる!!あっ、まーた紐パン履きやがってこの子は!!!
更に更に!脱がせた後は、着せる!!!赤の華やかなドレスを!!!
「如月、パリで良いか?」
「え?え?」
「それとも香港?中華でも良いぞ?」
「何の話?」
え?
「だから……、夢が見たいんだろ?ここは一つ、最高のデートを、と思って」
さあ、所変わってフランス。花の都パリ。
うん、門の創造で転移しました。俺の神話技能は99あるぞ。
「ちょっと待って司令官、ちょっと待って……。私、理解が追いついてないわ」
今北産業ってか?
「パリで
デートを
しましょう」
「……なるほど?」
考えるな、感じろ。
「まあ、よく分からないけれど……、司令官とデートできるなんて嬉しいわ。エスコートして頂戴?」
如月の小さな手をとって、と。
「勿論さ、愛しい人」
街へ。
と、まあ、そんな感じで。高級ブランドの本店が立ち並ぶサントノーレ通りでショッピングを楽しみ、オペラを見て、最終的に夜景の素敵なレストランへと。
因みに、ここまでの出費、日本円で大体百万くらい。ギリギリ合法の貿易だ何だで荒稼ぎしてる俺からすれば安いもんよ。
『どうもミスタ、食前酒は?』
『シャンパーニュを』
『娘さんには?』
『彼女は娘ではない(無言の腹パン)』
ソムリエと軽いやりとりをしつつ、如月と運ばれてきたシャンパーニュで乾杯をする。
「……楽しんでくれているかい、如月?」
「ええ、とっても!……ふふ、最初はちょっとした冗談のつもりだったのに、こんな素敵なデートができるなんて思ってもいなかったわ!」
いやあ、こう言うロマンティックなのはね、得意なんですよ。ロマンティックあげるよ。キラキラ光った夢をあげるのだ。
……マナーも店選びも女の子口説くために覚えたって言うのは秘密だ。
そんな感じで、美しいパリの夜景を楽しみながら、上等な料理に舌鼓を打つ。……ん、ここの料理いけるわ、ソースの味付けがグッド。帰ったら真似しよ。
……さて、いつもなら。
自由気ままな旅人としてのいつもならこの辺でホテルに直行、シルクのベッドで愛し合おう朝まで、と言った所だが。残念ながら、それは許されない立場にある。
良い加減そろそろ逆レされそうではあるが、俺から襲うのはNGなのだ。儘ならないね、世界。
まあ、この後は、普通に、本当に普通に鎮守府に帰ったんだが……。もう、ここまで雰囲気作りした訳だから、セッ◯スしたと言っても過言ではないだろう。達成感有り。
と言う訳でいつも通り、幸せなキスをして終了だ。
……何にもしてないよ?
『警察だ!こんな時間にこんな幼い女の子を連れ回して、何やってる!!』
何もしてないんだけどなぁ!!!!
何もしてないのに捕まると言う悲劇。警官を殴り飛ばして逃げた。犯罪?知らん、そんな事は俺の管轄外だ。
さて、次のターゲットは?
「おっそーい!」
島風かァ……!!
「come on、島風!!!」
呼び止めると島風は急ブレーキ。俺の方を向いた。
「提督、どうしたのー?」
同時にマッハ抱き着き。速度!効くゥ!!
「かっ、は、し、島風!何か俺にお願いとかないか?何でもやってやるよ!(何でもとは言ってない)」
「ええっ!本当?!じゃあね、じゃあね、提督のアレ、教えて!」
……アレ?
アレとは一体?
「何のこと?俺に教えられることなんて、あんまりないんじゃないかな?」
二段ジャンプも空中ダッシュも教えたんだがな。もう教える事なんて特に……。
「あの、魔法陣がパッて出て、飛ぶやつ!」
魔法陣?ナーク=ティトの障壁……、あ、いや、エアハイクか?
「これ?」
目の前でエアハイクをする。因みに、俺の魔法陣の色は白だ。知り合いのデビルハンターは赤だった。
「そう!それ!」
これか。
「良いぞ、教えてやる」
さて、まずは魔力の操作からだな。
島風も艦娘、内在する神秘に比例して魔力もあるだろう。
「まずはこう、こんな感じで、魔力を出して……」
島風に魔力を流す。
「んあっ❤︎て、提督のが、入ってきて……❤︎」
……いやらしい。
「凄い、こんなに沢山……❤︎あったかいので、いっぱい……❤︎」
純愛ラブラブエロ同人みたいな台詞を吐くんじゃあない!
「さあ、やってごらん」
「ん、こう、かな?」
「良いぞ、それを円形に圧縮して、足から出すイメージだ」
「ええと……」
二、三時間程経っただろうか。
島風は、俺の的確なインストラクションによって、見事エアハイクをマスターした。
常々思ってるけど、艦娘の学習能力やべえ。何で二、三時間で技一つモノにできるんだよ。俺がトリックスタースタイル極めるのにどれだけの悪魔を狩ったと思ってんだ。これが才能ってやつか。
「……良し!提督!駆けっこしよ!」
「ああ!」
そして、覚えたエアハイクの試運転だろうか、駆けっこを申し込まれた。
良いだろう。俺も逃げ足には自信があるんだ。
「じゃあ、追いかけるよ!」
「追いついてみろ、島風!」
加速!ヘイスト!!タイムアルター……、ダブルアクセルッ!!!!
速度バフガン積みの俺に追い付けるかな?
「あは、はっやーい!」
ヒエッ、追い付いて来やがった?!聖闘士か何か?速過ぎィ!!!
そして教えたばかりのエアハイクを活用していらっしゃる。魔力で作った足場で空を跳ねる島風。ちょっと真剣に洒落にならない。今の今まで築いてきた自信が崩壊しそう。
「クッ、エナンザム!!!」
更にバフ。
「あ、は、ははは、はははははは!!!やっぱり、提督、はっやーい!!!」
まさかエナンザムまで使わせられるとはな……。正直ビビった。
だが、加速し続ける島風の世界に着いていけるのは俺だけなんだ。走ってやらねば、島風の為にも。
「側にいるぞ、島風」
「……本当?」
「ああ、本当さ」
隣を歩く島風の頭を優しく撫でて、珍しくまともなエンディング。良かった、嬌声を響かせる駆逐艦はいないんだね。本当に良かった。エロ展開は無い、良いね?
ああ、でも。
おでこに軽く、キスくらいはさせてくれ。
如月
求婚チャンス。如月一発KO、ラブラブキュン。
島風
最速が故に孤独。
蛇と呼ばれた男
とある英雄のクローン。
旅人
性欲を持て余す。