旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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グロ注意。

時間間違った。


189話 星に願いを その5

「〜♪」

 

何処からか、聞こえてきた鼻歌。脳味噌を蕩かすような甘ったるい声。ずっと聞いていたいくらいに素敵だ。

 

そして歌の内容は「星条旗」、アメリカの国歌。

 

さて、日本の、この黒井鎮守府でそんな歌を歌うのは?答えは簡単、合衆国への愛国心溢れる彼女一人だろう。

 

「よう、アイオワ」

 

「Hello、Admiral!」

 

アメリカンダイナマイトボディ、アイオワである。ヒュー!見ろよあの尻と乳!最高だぜ!

 

「hey、何やってるんだ、アイオワ?」

 

さて、声をかけてみるか。見た所、アメリカのニュース雑誌を読んでいるところだが?

 

「……アベンジャーズ」

 

そんなアイオワの口から漏れたのは、アメリカで絶賛活躍中のヒーローチームの名前だった。

 

どうしたの急に。

 

「仮想敵としては最大ね、かなり強い面子が揃ってるわ。海の上でも勝てるかどうか……」

 

あら物騒。

 

「何でアベンジャーズと戦うなんて話してんのよ?」

 

「?、Admiralはヴィランなんでしょう?いつか戦うこともあるかもしれないじゃない」

 

あ?んー?あー、そう言えば俺、悪党だったわ。

 

最近は悪いことそんなにやってないからなあ。自分が悪人だってことすっかり忘れてた。

 

俺がやったのって、密輸とか職権乱用とか、ギリギリ合法なことばっかりだからな。悪いことやってるって意識があんまり無い。起訴されない程度のことを中心にやってる。表立って悪事はしないが、確実に悪の片棒を担いでいる。言わば悪の中継業者みたいなもんだ。

 

「まあ、どちらかと言えば悪党だけど、ヒーローとか政府とかを相手にドンパチやるつもりはないよ」

 

「そう?貴方に命令されれば何でもやるわよ?robberyも、murderも、terrorismでもね」

 

はっはっは、危険思想危険思想。

 

テロはいかんよテロは。ノリと勢いで強盗やったことも、止むに止まれず殺人をしたこともあるんだけど。

 

強盗は楽しかったよ、アイザックとミリアって言う男女二人組の強盗と一緒にしょうもないもん盗んでさ。

 

殺人は……、色んなところでやったな。特にノースティリス。あそこは世紀末的世界観だから……。

 

でもテロは駄目だろー。罪なき不特定多数の人をいたずらに死なせるなんて悪の組織失格だ。世界征服っつてんだから、殺しはNG。

 

「兎に角、俺の目の黒い内は、そんなことやらせないから安心して良いよ」

 

「あら、そう?」

 

そうだよ。

 

「でも、もしも、望むことがあったら何でも言って、Admiral。貴方の願いなら何でも叶えてあげるわ!」

 

マジで?じゃあ俺とベッドの上で大人のプロレスごっこを……、いかんいかん邪念が。違う違う、俺がお願いを聞いてやるんだよ。

 

「嬉しいよアイオワ、いつも言うことを聞いてもらって。けど、俺ばっかりが言うこと聞かせたら不公平だろ?だから今日は俺がアイオワのお願いを聞いてあげるよ」

 

「oh、really?嬉しいわ!thank you!Admiral!」

 

手元の雑誌をパッと畳み、顔を上げて嬉しそうに言うアイオワ。アメリカ人に遠慮という文化は存在しないッ!!好意には感謝が返ってくるのだッ!!

 

正直、こう言う反応の方がさっぱりしていて好ましい。

 

「うーんと、うーんと……、どうしようかしら?dateもしたいし、美味しいパイも焼いて欲しい、shoppingもしたいし……」

 

可愛い悩みだなぁ。

 

「よし……、決めたわ!」

 

「何だい?何でも言ってくれ」

 

「一緒にお昼寝してちょうだい!」

 

「良いよ!」

 

これが良識派か。

 

 

 

「簡単なお願いで助かるわー。5000兆円欲しいとか言われたら困ってた」

 

「そんな天文学的な額のmoney、要らないわよ……?」

 

令呪を以って命じる、添い寝しろっ!の言に従い、俺の部屋のキングサイズベッドに二人で寝転ぶ俺とアイオワ。良い雰囲気だ。最早セッ◯スしていると言っても過言ではない。

 

「本当は、その、エッチなことしたかったんだけど……、他の子からなんて言われるか……」

 

それなんだよなぁ。俺自体は別に、ヤるのは構わないんだけどなー!!!

 

チラッと、窓を見ると、艦載機がびっしりと。監視カメラもオンライン。畜生め。

 

「だから、これで我慢するわ。……んー」

 

俺の胸元に顔を埋めて、思いっきり鼻呼吸するアイオワ。ちょっと、ちょっと待って、おじさんだよ俺、臭いよ?……いや、世の中のおじさんが臭いみたいな言い草は良くないな。

 

……いやね?俺はおじさんだって自覚があるからね?肉体年齢は二十代後半くらいになるように調節してるけどさ、臭いとかはやっぱり気になるじゃん。

 

だから、オーデコロンとか常用してたんだけども……、古鷹に、「それ、臭いからやめて下さい」って言われてさ。それ以降、制汗剤すら使えない有様よ。

 

「あはぁ❤︎Admiralの匂い、最高ぉ……❤︎」

 

しかし、艦娘の皆んなからすれば、俺の匂いが良い、らしい。えぇ……(困惑)。

 

俺の匂いで軽くトリップしてるアイオワの頭を撫でてやる。

 

何でトリップしてるかは謎だ。んー、おかしいな、俺の匂いには病み付きになるようなヤバい成分は含まれていないはずだが。

 

そう言えば、知り合いのクンカーアイドルには「キミ、エキゾチックでデンジャラスな匂いがするね!」と言われたことあるが、何か関係はあるんだろうか。

 

まあアレかね、いつの時代でもエキゾチックでデンジャラスな男ってのは女を惹きつけちまうもんなのかね。

 

「この匂いが堪らないのよぉ❤︎Admiral好き、好き!大好き!I love you!!」

 

アイオワが壊れたぞ、どうする?トロットロに蕩けてやがるぜ。

 

「俺の匂いねぇ……」

 

「分からないのかしら?!Admiralからは女を駄目にする匂いがするのよ!!」

 

女を駄目にする匂いとは一体。

 

確かに、うちの鎮守府の子達は俺の匂いを躍起になって嗅ぐが……。そんな良い匂いがするものなのだろうか。

 

「ふふふふふ、Admiralの匂いに包まれたままお昼寝……!まさにheaven!!!」

 

そう言ってまた抱きついてくるアイオワ。

 

「……まあ、臭くないなら良いや」

 

皆んなが喜んでくれるなら、俺はそれで良いよ。

 

 

 

 

 

テンションアゲアゲ(死語)のアイオワをなんとか寝かしつけ、アイオワと会った休憩室へ戻る俺。

 

何故か海外艦は匂いフェチが多い。

 

日本以外はあまり汗を洗い流したりなど体臭に気を遣う文化がないからだ。一律香水で済ませてしまう。

 

だからなのか、どうも、俺の生の匂いには興味深々らしい。

 

「提督❤︎」

 

それは、ここにいるサラトガも例外ではないのだ。サラは、俺に近付き、自然な流れで抱きついてきた。

 

そして、俺の匂いをさり気なく嗅いでいる。やっぱり匂いフェチじゃないか……。

 

まあ、それは別に構わないが。

 

「よお、サラ」

 

と言って、軽く口付けを交わす。こんなん挨拶ですわ挨拶。

 

「ふふ、提督の味……❤︎」

 

するとサラは、軽い口付けで交換された唾液を味わうかのようにぺろりと、赤い舌を動かした。途方もなくエロい。エロは良い文化。そして、そのまま、サラは言った。

 

「提督、最近は皆んなのお願いを聞いて下さっているとか?……サラも、実は、提督にお願いがあって来たんです」

 

ほーん、鎮守府で噂になってんのか。

 

「俺にできる範囲ならね」

 

と、前置きしておく。

 

「大丈夫です、提督なら平気なことですから……」

 

んー?何かな?何かな?

 

 

 

「提督……、貴方を、食べたい……❤︎」

 

 

 

食人だね!分かるとも!

 

「成る程、それは性的な意味で?」

 

一応聞く。

 

「それも素敵ですけど……、どちらかと言うと食料的な意味でですね!」

 

そっかー。

 

予想はしていたが、食人かー。食われんのは慣れてるけどさー。また変な性癖に目覚めちゃってもう。取り返しがつかねえぞこれ。変異治療のポーションで良いかな。

 

「まあ、一口くらいなら良いよ。はい」

 

俺の身体には色々とヤバいもんが入ってるからな、一口だけな。齧りやすいように防御デバフを自分にかける。さあ、僕の身体をお食べ。

 

「あは、やりました!あーん……、かぷっ」

 

晒した肩に齧り付くサラ。

 

まあ、相応に、痛い。生きたまま齧られるのはそれなりに痛い。ラクーンシティの惨劇を思い出す。あの時も沢山齧られたっけ……。ウイルスは効かない身体だが、食われはするのだ。

 

「んぐ、もぐ……」

 

愛おしそうに俺の身体を撫でながら、俺の肉を咀嚼するサラ。すると、どうしたことだろうか、まるで雷に打たれたかのようにビクビクと震え始めたじゃないか。

 

「〜〜〜ッ!!!」

 

微量とはいえ、プラスミドとかヤバい薬入ってるからな、俺の身体。大丈夫だろうか。

 

「サラー?大丈夫かー?」

 

「〜〜〜最っ高!!!!」

 

おやおや。

 

「凄い……、凄い!!大好きな提督にお腹の中犯されちゃってる……❤︎」

 

口元を血で濡らし、恍惚とした表情を浮かべるサラ。ここだけ見るとホラーシーンである。

 

「……ああ、ごめんなさい提督。痛かったですよね、辛かったですよね。サラが舐めて治してあげますからねえ……❤︎」

 

血の溢れる傷口を戯れつく犬のように舐めるサラ。口では俺に気遣い、傷を治すと言ってはいるが、どう考えても俺の血を啜っている。

 

「サラ?」

 

「じゅる、じゅるる……、はあい?」

 

「美味しい?」

 

「えへ、えへへへへ、ええ、とっても……❤︎」

 

あーあー、口、真っ赤じゃないか。ハンカチを渡たして、と。

 

「口、拭きなよ」

 

「もう、ちょっと。もうちょっとだけお願いします」

 

 

 

結局、その後。

 

サラは小一時間ほど俺の血を吸い、満足したのか、酔っ払ったかのようにふらふらと、千鳥足で自室に帰って行った。

 

俺の血肉、ねぇ。半分は仙人だからね、美味いらしいね。ただ、摂取のし過ぎには注意ってことで。

 

他の子にも言っておかないとな。

 

……正直、貯めてる輸血液持っていかれるのは困るんだよなぁ。

 

血が足りないよ、全く。

 




アイオワ
細かいことはあまり気にしないので、大らかな性格の旅人とは気が合う。旅人を家族だと思っていて、「幸せな家族」の邪魔になると判断したら即座に殺す。

サラトガ
旅人と真の意味で一つになりたいと画策する気狂い。

クンカーアイドル
天才化学者系美少女。

旅人
色んな意味で美味しい男。
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