旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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ハロウィンなんてやったことねーや。


192話 ハロウィンの一幕

「「「「トリックオアトリート!!!」」」」

 

「ハッハァー!!!そう来ると思ってあらかじめバタースコッチシナモンパイを焼いておいたんだぜぇぇぇ!!!」

 

お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ、かい。

 

と言う訳ではい、ハロウィンの時期です。

 

いやね、悪戯されても困ることはないんだがね。どうせなら美味しいもん食べて欲しいからね。渾身のバタースコッチシナモンパイ、食してみよ!

 

「「「「わーい!!」」」」

 

「美味しいのです!!」

 

「甘くって美味しい!!」

 

「バターとシナモンの風味が最高!!」

 

はっはっは、そうだろうそうだろう。俺のパイは美味いだろう。洋菓子作りは大得意なのだ!

 

……俺のパイって言うと何か卑猥な感じだな。俺の◯◯って言い回しがさ。何かスケベだ。

 

さて、それは兎も角。

 

現在の黒井鎮守府はハロウィンムードに溢れていらっしゃる。

 

駆逐艦の子達が鎮守府を駆け回り、お菓子の収集、若しくは悪戯をしているのだ。

 

悪戯……。

 

この黒井鎮守府において悪戯と言えば、性的なものになるのは想像に難くない。

 

つまり、こう言うことだ。

 

「ふはは、悪戯しに来たぞ、提督!!」

 

「武蔵ィッ……!!」

 

……逆セクハラの時間だ。

 

 

 

「何でも今日は、合法的に他人から菓子を巻き上げ、応じなければ悪戯をして良い日だと聞いてな」

 

「んー、合ってるけど違ーう」

 

もっと可愛らしいもんだよハロウィンってのは。

 

「それで、悪戯をしに来たんだ」

 

にいっ、と犬歯を見せて笑う武蔵。

 

「お菓子あげるから……」

 

と命乞いが如くクッキーを差し出したが、

 

「悪戯をしに来たと言ったァ!!」

 

ヒィーーー!!!駄目でしたーーー!!!

 

「ふむ、良い尻だ」

 

尻を揉まれた。やだ、私、お尻撫でられちゃってる……!と、痴漢に遭った女子高生の気持ちになる。

 

「鍛えられた筋肉で盛り上がっていて、あれだな、セクシィ、と言うやつだな」

 

そりゃあねぇ。スペースコブラみたいにセクシーな尻だよ俺のは。尻に自信ニキ。

 

「ほう、これは……、ふむふむ、成る程……」

 

洗脳催眠ものに出てくる竿役の中年オヤジのような、考えうる最高のいやらしい手つきで俺の尻を撫で回す武蔵。何なんだ一体。

 

「よしよし」

 

「よくない、よくない」

 

なーに手を前に回してるんですかね?

 

「手淫くらいならセーフだろう?」

 

「何一つセーフじゃないよ」

 

クッソ、力強え!!凄いパワーでベルトを外そうとしてくる!!

 

「まあまあ、遠慮するな。溜まってるんだろ?」

 

「……いや、そんな事はないよ」

 

……まあ、溜まってるかと言えばそこそこなんだが。女の園に男一人な訳だし。ここだけ終末のハーレム的な世界観だし。

 

「なあに、安心しろ。嫉妬深い大和の奴は私が説得してやる。そうしたら後は鎮守府中の艦娘を取っ替え引っ替え好き放題抱くと良い」

 

「ハッ、そいつは良い、是非お願いしたいところだね」

 

いや本当に。

 

大和は嫉妬深いんだ。

 

もしもこの状況を見られたら怒髪天ってとこだろうな。

 

 

 

「提督ー!トリックオアトリー……、何を、しているのですか……?」

 

 

 

ちょうど、タイミングよく現れた大和。知ってた。

 

今の俺?武蔵に下半身を弄られてる。

 

「もう一度、聞きます。何を、しているのですか」

 

……ほらな、怒髪天だ。

 

「むむ、大和。来たのか」

 

「ええ、ええ。折角のハロウィン、お祭りごと故、愛する提督の元に来てみれば、これです。まさかの、妹の裏切り……、許し難い事ですよ、これは」

 

ヒェッ、マジギレやんけ。

 

本当にどうにかできるんだろうな、武蔵。

 

「ではこうしよう大和。お先にどうぞ、だ」

 

「……は?(半ギレ)」

 

「お前が一番最初に抱かれれば良い。私は多くを望まんよ。提督に愛してもらえるなら妾でも愛人でも何でも良い」

 

「………………」

 

考え込む大和。

 

「それなら、まあ……」

 

良いのかよ。

 

「……私も、皆が幸せになれる道を歩みたいですし」

 

良いんだ……。何だか、順当にハーレムが出来てきている気がする。幸せ過ぎる。このままだとどこかで致命的なしっぺ返しが来るな。知ってるぞ、俺は詳しいんだ。

 

根無し草の旅人が幸せになれる訳無いだろ!良い加減にしろ!

 

 

 

さて、そんなことを考えつつ、武蔵と大和にお菓子をあげて、その場から離脱した俺。うっわ、ベルト千切られちゃったよ……。新しいの着けておこう。

 

と、ベルトを作りながら歩いていると、廊下に声が響いた。

 

「提督ー、何処デスカー?提督ー?」

 

む、この声は、金剛か。

 

「何?」

 

「あっ、いまシタ!ふっふっふ、提督、トリックオアトリック!」

 

あーはいはい、悪戯する気満々って訳ね。

 

「お菓子あげるけど」

 

一応宣言するが、

 

「ノー!目的は悪戯デース!あ、お菓子も貰いマース」

 

金剛の意志は固かった。

 

俺の手を取り、自室へ無理矢理押し込むと……、そのまま、寝室のベッドに押し倒された。

 

因みに、金剛のベッドはノースティリス産のダブルベッドだ。中々に経験値が得られるので良いと思う。

 

……まあ、今更、練度なんて上がってもどうしようもないが。この前明石の強化型練度測定装置で測って回ったところ、うちの平均練度は三百を軽く超していたらしい。最大戦力の長門、時雨、古鷹、木曾などは、四百にも到達していた、とのこと。

 

「むむっ!提督、今、私以外の女の子のこと考えてマシタ!!」

 

鋭いねぇ、この子!

 

「いやいや、そんな事は無いよ。君に夢中さ。もう、離さない」

 

君が全てさ!

 

「目を離しちゃノー、ですからネ!……んふー、提督ー!バーニング!ラーーーブ!!」

 

燃えるような愛、a hunk of burning loveってか。良いね、あれは名曲だ。

 

君の燃える恋心で、明日の空に光を灯す、なんてね。

 

「んーーー」

 

俺に馬乗りになった金剛は、髪が乱れるのにも拘らず、俺の胸に顔を押し付けて、思い切り頬擦りしてきた。

 

「何だ、甘えん坊だな、金剛」

 

「えへへー、アイラブユー、提督❤︎」

 

天下無双クラスの可愛さだ。恐れ入ったぜ。

 

そして、俺の服に手をかけ、

 

「ん、何だ、どうする気だ」

 

「こうするんデスヨ!」

 

シャツのボタンを外し、開いた胸元にキスの雨を降らせる金剛。

 

あー、こりゃ、キスマークが……。他の子に見つかったらなんて言われるか。

 

「あーあーあー、こらこらこら、そーんなにキスマーク付けたら駄目でしょー」

 

「何も駄目じゃありまセーン!私と提督のバーニングラブの証デース!……さ、次は提督の番デース❤︎」

 

そして、服を捲り上げる金剛。おっぱいはそれなりに大きい。あっ、ブラのデザイン可愛いなー、レースが良いね。

 

え?て言うか、え?俺もキスマークつけるの?俺がキスマークをつける側に回るの?それはちょっと不味いんじゃない?

 

……しゃあねえな、やるか。

 

「ん……」

 

「はうっ❤︎」

 

まあ、あまりに犯罪的なので詳しい描写は省くが……。ご馳走様でした、とだけ。

 

 

 

この後も何故か、戦艦や空母が悪戯をしに来て、揉みくちゃにされた。

 

それはもう、揉みくちゃにされた。

 

危ないところだったぜ(貞操的な意味で)。

 

ただな、悪戯として俺の部屋にぷにあなDXを置いて行った明石と夕張は暫く許さないからな!覚えとけよこの野郎!!

 




武蔵
逆セクハラの常習犯。

大和
嫉妬深い。

金剛
イチャつきたい。

旅人
女の子を誑かす悪党。

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