旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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ラッキースケベが許されるのはイケメンだけ!皆んな覚えておこうな!


207話 ラッキースケベと因果律

「因果律干渉装置?」

 

「「はい!」」

 

まーた面白そうなモン作ってきたな工廠組よ。

 

「使うとどうなるんだ?」

 

「提督の周りでラッキースケベが多発します」

 

ほーん。

 

「構わん、やれ」

 

むしろこっちから頼む、やってくれ。give me more スケベ!!!

 

「ぅオッケーです!!イヤッホゥ!!!装置起動ッ!!!!」

 

その瞬間謎の機械音。時空が歪む感覚。起動したっぽいな。

 

「よっしゃ、許可は得ましたからね!うおお、提督ーーー!!」

 

「えっ、何?」

 

明石が急に抱きついてきて……。

 

「あっ、滑っ」

 

っと、受け身……?!とれない?!転ん……!!

 

「うおおおお?!」

 

と、気付いたら俺は、明石と絡み合うように転んでいた。

 

おまけに、明石のスカートはめくり上がり、俺の眼前に。一方で明石は、俺の股間に顔を埋めるような体勢だ。

 

「ふへへへへへへ!!ラッキースケベはですね、提督だけじゃなくって私達艦娘も幸せになれるんですよぉ!!」

 

男の股間に顔を埋めて幸せと申すか。

 

「ずるいです明石さん!私も!」

 

「夕張、ちょっと待っ」

 

またもや、不可解な転び方。

 

「むぐ」

 

「あん❤︎提督❤︎」

 

顔騎。

 

顔騎である。

 

具体的に言えば、俺の顔面に騎乗するかのように座る夕張。

 

「もごご、んー」

 

「あっ、駄目❤︎喋っちゃ駄目です❤︎」

 

なーるほどな、これがラッキースケベが起こる因果律か。中々楽しいじゃないか。

 

「っぷは、明石、これ、いつまで続くんだ?」

 

夕張を退かせ、明石に問いかける。

 

「今日一日だけです」

 

そうかそうか。

 

「なら俺は、今日という日を楽しんでくるか」

 

今日だけってんなら、なあ?

 

 

 

ところが、人生ってのは往々にして、自分の思い通りにはいかないもので。

 

「おかしい(全裸)」

 

何故だか、いつのまにか、俺が全裸になっていた。

 

つまりこういうことだろうか。

 

俺の周りでラッキースケベとは、俺自身にも効果が及ぶと。

 

要するに、俺のお色気シーンも起こりうる、と。

 

んー、誰得?

 

「むっ、提督?……何故全裸なのだ?!」

 

「俺にも分からねえ、気が付いたらこうなっていた……。何を言っているか分からねーと思うが、俺も何をされたのか分からなかった……」

 

頭がどうにかなりそうだった……。催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなモンじゃ断じてねえ、もっと恐ろしいもんの片鱗を味わったぜ。

 

「そ、そうか」

 

ごほん、と軽く咳払いする長門が、

 

「にしても、あれだな。その、目のやり場に、困るな……」

 

忙しなく視線を動かす。

 

「あ、別に見ても良いよ、見られて困るもんじゃないし」

 

自分で言うのもなんだが、人に見せて困るような身体ではない。流石に某所で会った黄金の獣さんほどではないが、それなりに良い身体しているっていう自信はある。

 

それに、もう何度も言ったと思うが、俺の絶対に見えちゃならないところは謎の光や泡、蒸気などで良い具合に隠されている。何も問題はない。

 

「でもパンツくらいは履いておくか。ちょっとの小銭と明日のパンツがあれば大丈夫って知り合いの旅人が言ってた。……どうした長門」

 

「その、なぁ。目の前で、惚れた男が全裸でいたら、なぁ?」

 

「あ、嫌だった?」

 

「い、いや、その、そそる」

 

「そ、そっか」

 

いかんな、長門ほどのパワーの持ち主からは、一度捕まったら逃げられんだろう。逆レされそう。四次元ポケットからパンツ出して、と。

 

「パンツ、派手だな……」

 

「これ?カッコイイでしょ?」

 

紅いパンツを履く。無論ガラパンだ。ボクサーパンツはね、あの締め付けられる感覚が嫌なんよ。

 

続けてジーパン、シャツを着て、海軍制服の上着を羽織って、と。

 

「よし、と」

 

いつもの格好だ。うーん、キマってるな、俺。ナルシストって訳じゃないが、女の子にはモテるからな、イケメンと言って良いだろう。少なくともダイオージャのOPよりはカッコいい自信がある。

 

「前から思っていたが、胸元のボタンを外さないでくれるか……」

 

「へ?なんで?」

 

「その……、凄く、セクシーなんだよ!いつもいつも、目のやり場に困るんだ!」

 

若干顔を赤く染めながら言う長門。

 

「正直、目に毒だ……!いかがわしい!」

 

「いかがわしいって……」

 

酷いな、もう。大胆に開いた胸元がそんなに駄目か?

 

「私達艦娘にも、性欲はあるんだぞ?いつもいつもそんな格好をされると……、その、なんだ、困る!」

 

「そうなのか?」

 

ちらりと、シャツをめくって見せる。

 

「やめろぉ!」

 

まあ俺、貞操逆転世界の竿役みたいなポジションだし。クソビッチムーブもなんのその。艦娘のためになるってんなら、誰も得しないお色気シーンを提供する準備ありだ。

 

「いい加減慣れてよ。それじゃあ俺、易々と脱げないじゃん」

 

「慣れるなどと……!そもそも、易々と裸にならないでくれっ!」

 

無理無理。俺、脱ぐの好きなんだよね。いや、変態じゃないけど。断じて変態じゃないけど。ただ、良い身体してるから見せつけたいみたいな……。

 

「兎に角、しっかりしてくれ!」

 

「はいはい」

 

ぷいっと、顔を逸らす長門。そのまま踵を返して……、

 

「うおっ?!」

 

「おっと、ありゃ?」

 

立ち去ろうとした時、転び、俺が支えようとしたら、何故か長門の顔が俺の股間に。

 

「ーーーッ?!!」

 

やはりこの因果律は、俺のラッキースケベを起こすらしい。

 

「すっ、すまない!」

 

「気にしてないよ。って言うか、組手の時とかも触れたりするじゃん?」

 

「それとこれとは別だ!!」

 

 

 

真っ赤になった長門は駆け足で逃げ去っていった。

 

組手の最中に股間や胸に触れてしまうこともあるだろ?とは思ったんだが……、なんか違うっぽい。

 

いやー!女心は分からんなー!(すっとぼけ)

 

さてさて、お次のターゲットは?

 

「あら、提督?」

 

「ザラェ!!!」

 

OKOK!中々にからかい甲斐のある堅物ちゃんじゃねーの!!

 

ザラは初心なネンネちゃんよ!

 

「よしよし」

 

「あぅ、む、胸元、そんなに開いちゃ駄目です!」

 

「何で?」

 

「あの、その……、え、えっちだからです」

 

「ほーん」

 

ほーん!!ほほーーーん!!!つまりザラは、人のことをえっちな目で見ちゃうのか!いけないなぁ!いけないなぁ!!

 

「はは、俺は、ザラになら見られても嫌じゃないよ」

 

口説くッ……!!ザラを口説く!!!

 

「そ、そんな、ことは……、そ、それでも駄目ですよっ!」

 

「ザラは興味があるのかい、俺の身体に……」

 

「あ、あうううう……!!」

 

ザラの顔は真っ赤っかっかっか、燃えてるぜ。いい調子だ、このままクソビッチムーブでからかい倒そう。

 

「触ってごらん?ほら……」

 

「あっ、だ、駄目……、本当に駄目ですよ!」

 

口では駄目だと言うが、その割に俺の腹筋に当たっているザラの手は、退けられる様子がない。

 

良いなあ良いなあ、謙虚だなあ!

 

これが武蔵とかだったら、何の遠慮もなくベタベタ触られてるんだけど。

 

たまにはこう言う処女感ある反応も良いよね!

 

「ザラ……」

 

「あっ❤︎」

 

壁際に追いやる。壁ドン!壁ドン!!

 

「ザラ、愛してるぞ」

 

耳元で囁く。

 

「は、はい!私も、提督のこと、ti amo……、愛していますっ!」

 

おっかなびっくり、と言った様子ながらも、しっかりと俺に抱きつくザラ。良いな、今、俺は、ラブコメをしているッ!!

 

「良いかザラ、俺はザラの恋人なんだよ。だから、ザラが望む時に、望むことをして良いんだ」

 

「わ、私が、望むことを……?」

 

ごくり、と、生唾を飲み込む音が聞こえて。のぼせたように真っ赤な顔は、先程から変わらず、付け加えて、呼吸が荒くなって、鼓動が早くなって……。

 

「じゃ、じゃあ、私は、私は……、やっぱり言えませんー!!」

 

と、逃げ出そうとしたザラはすっ転んで。

 

俺を巻き込んで見事に転んだ。

 

「んにゃあ?!!」

 

「はっはっは、ラッキースケベラッキースケベ」

 

俺の股間にダイブするザラ。歪んだ因果律はぶっ飛んだアンサーを出す。笑える。

 

「ーーーっ?!!!!」

 

ああ、ザラが気絶した。

 

 

 

やっぱり処女からかって遊ぶのは楽しいぞい。

 

初心な反応が見られて幸せ。

 

さて、次だ。

 

「全く、提督は先程から何をやっているのですか」

 

加賀か!!OKOKOK、加賀も結構な堅物だぜ。しからば御免!!

 

「ほら加賀、見ろよ見ろよ」

 

腹筋チラ見せ。

 

「……何ですか」

 

至って平静、のように装ってはいるが、心音の高鳴りは防げなかったようだな?どくん、と大きな音が聞こえたぞ。無論、俺の聞き耳を以ってしてのことだが。

 

「サービスよ、サービス」

 

「そんな見っともない真似、控えて下さい」

 

加賀の鋭い眼光が俺を射抜く。いやはや、手厳しい。

 

……だが、その視線が俺の腹筋に釘付けになっていることはしっかりと気付いているぞ。いつ誰に狙われるか分からない旅人生活、人の視線には敏感なのよ!

 

「あら?加賀は見たくないの?」

 

「………………いえ、私は」

 

長い沈黙。興味がありますと肯定しているようなものだぞ。こう見えて腹芸の類が苦手なんだよな、加賀。意外と素直な子だよ。

 

「……鎮守府の風紀が乱れますから」

 

「今更じゃね?」

 

あってないようなもんでしょ、この鎮守府の風紀。俺も極力、全年齢対象、CERO Aでやっていきたいけれども。

 

「何でも良いですから、自分を安売りするようなことは、しないで下さい」

 

自分を売る(至言)。

 

「誰にもやってる訳じゃないさ、加賀にだったら見せても良いと思っただけで」

 

「……それは」

 

と、ここらで適当なセリフを一つ。

 

「で、ですが、今は戦時中です。浮ついた気持ちでは」

 

「大変な時だからこそ、潤いってもんが欲しいんじゃないかな?」

 

ゴリ押す。

 

「そんな、こと……」

 

「加賀、もっと自分に素直になりなよ」

 

「素直、に……?」

 

「そう、素直に」

 

まあ、暴走されたら困るんだけどね。

 

「で、では、その、腹筋を……」

 

ほうほう、腹筋を?

 

「触らせて、貰いたい、です……」

 

後半、消え入るような声になりながらも、言った加賀。

 

なるほどな、腹筋を。なるほどな。

 

「良いよ、ほら」

 

加賀の手を握って、俺の腹筋に這わせる。

 

「あ……、はぁっ……!」

 

おっ、どうしたどうした。

 

「ああ"っ」

 

鼻血出して倒れた?!

 

 

 

いやあ、楽しかったなあ。

 

ラッキースケベ、十分堪能したよ。

 

さて……。

 

「む?今日はよく分からんが、提督に触っていい日なのだろう?どれどれ……」

 

武蔵に捕まってゲームオーバーですか。

 

ですかぁ……。

 

「全く、溜まっているなら呼べば良いだろうに、ふふふ、ふふふふふふ……」

 

たすけて。

 




長門
意外とエロに弱い。

ザラ
ウブなネンネ。

加賀
ムッツリ。

武蔵
オープンスケベ。すぐセクハラする。

旅人
クソビッチムーブをする。

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