旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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お正月話。

次回、村雨回。


211話 お正月とお仕事

さて、クリスマスが終わればもう……、

 

「あけまして」

 

「「「「おめでとうございます!」」」」

 

お正月だ。

 

もういくつ寝るとお正月、ってか。

 

おせちは鳳翔が主体になって作ってくれた。鳳翔は和食が得意だからな。逆にクリスマスみたいな洋風なイベントの時には洋食が得意な俺が主体になって飯を作る。

 

あと、お雑煮に入れるもので揉めたので、お雑煮を数パターン作ったな、うん。出身地によってお雑煮に入ってるものまちまちだもんね。味噌なのかだし汁なのか、餅は焼くのか焼かないのか、とかね。

 

裏山にはまだイタクァが召喚されているので、雪の降る中で俺達はお正月を楽しむのだ。

 

「凧揚げしましょ!」

 

「かるた大会よー!」

 

「羽根つきしますよー!」

 

「コマ回しです!」

 

はっはっは、皆んな元気だなー。

 

元気一杯だ。

 

その元気に負けないように、お正月アイテムも超強化されてる。

 

まず、凧揚げをする暁だが、タコ糸ではなくワイヤで凧を揚げている。

 

陽炎型のかるたも鉄板だ。

 

次にほら、あそこで羽根つきしている駆逐艦をご覧になってくれ。

 

「なのです!」「やー!」「なのです!」「やー!」「なのです!」「やー!」

 

あの、二人の間を音速で過ぎ去っていく物体あるだろ?

 

あれ、羽根つきの羽根なんですよ。

 

羽子板も艦娘の力に耐え切れるように特殊超合金製。羽根も同じく。

 

こうでもしねえと艦娘間でスポーツはできないからなぁ。身体能力が高過ぎるってのも考えものだねぇ。

 

「「ゴー、シュート!!!」」

 

明石と夕張は何故かベイブレードを回している。コマならなんでも良いと思うなよ。

 

「かまくら作ったぜー、中で餅焼こう餅」

 

「あらあらうふふ」

 

アウトドアの申し子、天龍は、ノリノリで巨大かまくらを製作、中で餅を焼いている。

 

俺も餅食いてえな。

 

餅……、のりと醤油がスタンダードだけど、きな粉も美味いぞ。意外なところではわさびなんてのも合う。バター醤油とかも最高なのよ。そもそもが米なんだから、ご飯に合うものは何でも合うよな。

 

まあ、俺は……。

 

「はいはい将軍あけましておめでとうございます!あっ、ゆかりん?お歳暮ありがとうございますー。おいテメェ!ポーション投げんな!!」

 

仕事なんですけどね!!!

 

あー!!働きたくない!!!

 

でも数少ない俺のお仕事シーンだしな!働かなきゃな!

 

でも働きたくない!!!

 

あー!!

 

助けて!!!

 

あー!!!

 

「新年明けましておめでとうございます、と」

 

年賀状年賀状年賀状年賀状年賀状年賀状年賀状年賀状年賀状年賀状年賀状年賀状年賀状年賀状年賀状年賀状年賀状!!!!

 

畜生、何で俺はこんなに人脈が広いんだ?一体どれだけ届く?どれだけ返さなきゃならない?

 

届く内容も、悪の組織、ヤクザ、モヒカン、ギャング、マフィア、ヴィラン、テロリスト、マッドサイエンティスト……。

 

なんなんだ?悪党ばっかりじゃねえか。

 

いや、それは良い。うちも悪の組織だからな。

 

だけど、なんだか知らんが、悪の組織一同からのアプローチが激しい。

 

やはり、多数の海域を奪還して貿易網を手にしたのが鍵か?多くの悪の組織から「共存共栄でやっていきましょう」と声がかかる。利権に食いついて来たか。

 

もちろん、こちらとしても無駄に血を流したくはない。多くの悪の組織と手を組むのは賛成なんだがね。

 

でも、こんだけ手を組んでも、正義の味方には敵わない事実。強いんだよな、正義の味方。レッドさんとか、正直勝てる気がしない。

 

うちの艦娘が大暴れしても、地球の二割を破壊しないうちに鎮圧されるだろう。

 

だから俺は表立って戦わない。ヤクザのように、ハイエナのようにやっていきたい。目指せ、こっそり世界征服。

 

 

 

×××××××××××××××

 

「ああ、提督、あんなにお仕事に囲まれて……。おいたわしいです……」

 

可哀想な提督。

 

代わってあげられるならこの大淀が今すぐにでも代わってあげたいところですが……、残念ながら、他組織とのコミュニケーションは提督以外にとれませんからね。

 

私もたまに、秘書役として悪の組織同士の会合に出席することもありますが……、お仕事の代行はとても無理です。ですから、必死になって仕事をする提督に対して、出来ることはありません。

 

悪の組織の長である提督は、暇そうに見えて意外と働いているのです。

 

一日の大半を艦娘との逢引に費やしているように見えても、その実、空いた時間では悪の組織間での貿易の中継、技術交流などに努めているのです。

 

例えば、フロシャイム。

 

日本を中心に暗躍(?)する悪の組織で、多数の怪人が所属。その怪人のバイオ工学のノウハウと、我が黒井鎮守府の兵器工学との取引は重要です。

 

例えば、東城会。

 

関東最大の極道組織で、裏表問わず輸出産業についての仲介などをお願いしているとか。

 

例えばBF団。

 

ビッグ・ファイアと言う首領の下に集った、十傑集と呼ばれる十人の超人を中心にした組織で、黒井鎮守府とは友好関係にあるとか。

 

このように、悪の組織としての地位を確立しながらも、艦娘とのコミュニケーションを欠かさない提督には本当に頭が上がりません。

 

「提督、私、お茶を淹れてきますね!」

 

せめても、それくらいは……。

 

「おう頼む。あ、はいはい、Dr.ドゥーム?久し振りですね。技術交流の件ですが……」

 

死んだ魚のような目になりつつも、テキパキと仕事をこなす提督。

 

五人に分身しながら、電話対応しつつ、お歳暮の仕分けをし、年賀状を書く。

 

控え目に言って人間業じゃないですが、どうしても今すぐに仕事を終わらせたいそうで……。

 

何でも、お正月と言うお祭り騒ぎに参加したい、とのことで。あと、笑ってはいけないやつを見たいだとか何だとか。

 

提督はお祭り騒ぎが好きですから。何もなくとも、年中宴会をするような方ですからね。

 

「はい、お茶です、提督」

 

「ありがと。はい、こちら悪の組織黒井鎮守府です。密輸?ええ、やりますよ」

 

一瞬でお茶を飲み干した提督は、仕事に戻ります。

 

「やらなきゃ……、お仕事しなきゃ……、年越す前に終わらせたい」

 

「頑張って下さい!」

 

ああ、応援することしか出来ないこの身に怒りを覚えます。

 

私にとって、提督は神にも等しき、いや、神そのものなのですから。

 

提督が辛い思いをなさっているのならば、私もまた同じく、辛いのです。

 

ああ、私の、私の神様。来年も、誠心誠意お仕えしますからね!

 

「うおおおお!夜までには終わらせて、こたつの中で皆んなで年越しそば食べながらお酒飲んでダウン◯ウンのアレ見るのおおおおおお!!!」

 

ええ、ええ、今晩はご一緒しますとも!

 




大淀
旅人の秘書として仕事をしたりする。有能。

レッドさん
赤いヒーロー。

旅人
死にかけながらも、仕事を完遂する。
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