旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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ジャスティスリーグ見に行きたい。

DCコミックスと言えばウォッチメン面白いですよ。


212話 むらさめむらむら

「やーん❤︎提督のえっちー❤︎」

 

「はっはっは、良いではないか良いではないかー」

 

ベッドの上からこんにちわー、旅人でち。

 

皆さんいかがお過ごしですか?大変なお仕事、頑張ってますか?しっかりと勉学に励んでますか?

 

俺?

 

いやあ、俺は村雨とイチャイチャするので忙しくて……。

 

「ああん、駄目だよ〜、そんなところにちゅーしちゃ〜❤︎」

 

今、寝起きなんだけどね、昨日は色々あって白露型の部屋で寝たからさ。

 

丁度、同じ布団に入っていた村雨が甘えてきてさー。

 

いやー、申し訳ない。イチャイチャして申し訳ない。いっそもうイチャイチャと言う効果音が出るほどにイチャイチャして申し訳ない。

 

こーんな超ウルトラハイパー美少女と同衾できちゃうなんて、俺はなんて特別な存在なのだろうか。ヴェルタースオリジナルもびっくりだぜ。

 

「提督ったら、村雨にむらむらしちゃった〜?」

 

「おー、しちゃったしちゃったー」

 

実際、村雨にはむらむらポイントが多い。活発ながらもどこかセクシーさを感じさせる雰囲気、白魚のような手指、金色の髪……、どこを取っても可憐な美少女だ。

 

そんな美少女とベッドの上で絡み合えるとは、なんと幸せなのだろうかと、自らの幸せを噛み締めながら、村雨を抱きしめる。

 

んああやわっこい!細っそりしてて華奢!かわいいなぁんもぉ!!

 

「朝からしちゃう?ヤっちゃう?」

 

「ヤっちまうかぁ!」

 

ズボンを下ろす。

 

窓に艦載機。

 

チッ。

 

ズボンを上げる。

 

「いや、駄目だ、それはできない」

 

「良いじゃん良いじゃん!提督になら、村雨の良いところ、見せてあげちゃうよ❤︎」

 

良いところ……!気になる!村雨の!ちょっと良いとこ!見てみたい!

 

「でもぉ、代わりに、提督の良いところも、見せて欲しいなぁ……❤︎」

 

ズボンを下ろす。

 

窓に監視ロボ。

 

チッ。

 

ズボンを上げる。

 

「朝だから、まだ朝だから」

 

「提督のここは準備万端って言ってるよ?」

 

「朝だから!それ朝だから!」

 

寝起きと言うことで『月は出ているか?』状態の俺の『サテライトキャノン』をガン見される。

 

いかん、教育に悪い。鎮まれ、鎮まるのだ。

 

「にしても、服の上からでも分かるけど、提督のって大っきいよね❤︎」

 

「なーに言ってんのよこの子は」

 

他の男の『サテライトキャノン』見たことあんのか?男も知らないくせに。処女めが。

 

「ネットのえっちなビデオで見たよ?」

 

あ、そう来る?

 

「コラ、そんなもの見るんじゃありません!」

 

「いやいや、後々の為に知っておく必要が」

 

「18禁なのです」

 

「お酒は勧めてくるのに、えっちなのは駄目なんだ?」

 

ん?んー、それもそうか。

 

「じゃあ、お酒と同じく、用法用量を守って使うんだよ」

 

あと、触るときは綺麗な手でな。

 

「まあ、提督以外の男の人じゃ興奮しないんだけどね」

 

「それは、喜ぶべきことなのだろうか」

 

「喜んでよー、私を独占できるのは、提督だけってことなんだから」

 

そう、か?

 

 

 

俺の『サテライトキャノン!』も鎮まり、朝食を済ませた頃。

 

「手伝って、提督!」

 

「おう、何だ」

 

村雨がまた来た。

 

「今晩は星の配置が丁度いいから、星間旅行をしようと思うの!」

 

「なるほど、それは良い。で?」

 

「黄金の蜂蜜酒作るの、手伝って!」

 

黄金の蜂蜜酒は特殊な材料を使った魔力を込めた酒。つまり魔力を貸せ、と。

 

まあ、良いか。

 

「ヨロコンデー!!」

 

魔力込めるだけで良いなら手伝うよ。

 

「良かった、来て」

 

村雨に手を握られ、白露型の工房へ。

 

工房……、白露型の根城だ。西洋風の古い様式の建物で、電気は通っていない。ろうそくや暖炉に照らされた薄暗い部屋の中には、魔道書や魔術的に価値がある物品が並ぶ。勿論、魔術的な保護で要塞化されてもいる。

 

「ええと、黄金の蜂蜜酒の壺は……、あった!」

 

そんな工房の端っこにあるいかにも怪しげな壺を持って、それを手渡して来る村雨。魔力を込めろってことか。

 

「ええと、確か……、◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎、◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎、◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎……、だったか」

 

「ん、合ってるよ」

 

呪文はこれでOK。

 

魔力を込めて、と。

 

「こんなもん、か」

 

完成だ、黄金の蜂蜜酒。

 

「ありがと、助かったよ提督」

 

「はいよ」

 

魔力回復のポーションを飲みながら、壺を返す。

 

「……何でわざわざポーション飲むの?」

 

「魔力が満タンじゃないと落ち着かないんだよ、職業柄」

 

「? 提督は無職じゃなかった?」

 

「旅人ですぅー!無職じゃないですぅー!!」

 

無職じゃないですぅー!働けないんじゃなくて働いてないだけですぅー!兎に角、旅人的に、魔力は満タンじゃなきゃ怖いのだ。ほら、こまめにガソリン入れる人みたいな……。

 

「旅人やってるとな、まあ、急にニャルラトホテプに連れ去られたり、黒い腕に引きずり込まれたり、意識がなくなったり、事故ったり、転移失敗したり、時空を超えたりするんだよ。そんな時、魔力が満タンじゃないと急な出来事に対応できないだろ?」

 

「変なことに首突っ込むからじゃないかな……」

 

俺クラスになると変なことの方からやって来るのよ。

 

「ま、常に万全の状態でいようってことだ!」

 

「なるほどねー」

 

分かってくれたか。

 

「あ、そうだ、ちょっとポーション貸して?」

 

「ん、欲しいのか?だったら新しいのを……」

 

「違くて……、んー」

 

ああ、はい、口移しで飲ませたい、と。

 

ポーションを口に含んで、顔をこちらに向けてくる村雨。誘惑しおる。

 

しょうがないなー、こんな小さい子にこんなことするのは不本意なんだがなー。

 

 

 

詳しい描写はしない。いかがわしいからだ。ただ、ご馳走様でした、とだけ。

 

……村雨はいつも、こちらを揶揄うような惑わせるような絡み方をしてくる。

 

百戦錬磨の女誑しな俺だが、ちょっと気を抜けば村雨の魅力にやられてしまいそうになるから怖い。

 

もうほら、男なんて下半身は別の生き物だからね。むらむらしてやった、後悔はしてない、とか言い始めるからな。

 

「ありがとー、提督。助かっちゃった!お礼にお酌してあげるー!」

 

「おっ、良いねえ」

 

昼間から飲酒宣言とは、挑戦的だな。良いご身分だ。だが、艦娘様に提督様と実際に良いご身分なもんでね。

 

「昼間から飲む酒は美味いんだよなー」

 

「ねー」

 

真面目に働く社会人諸君には悪いが、俺達は飲むぞ。まあ昼間に酒を飲まないのは日本人くらいのもんだろ。ヨーロッパの方とか行けば分かるが、昼間に酒飲んでそのまま仕事に行くとかザラだぞ。

 

「乾杯!」

 

「乾杯!」

 

俺は間違いなく酒に強いし、村雨も艦娘らしく酒に強い。昼間から飲んでも仕事に支障は出ないだろうぜ。

 

まあ、俺も村雨も仕事らしい仕事は無いんだが。暇してる。

 

「んー、美味しっ」

 

因みに、村雨は赤ワインが好きらしい。

 

俺は……、特に拘りは無いな。強いて言えば強い酒が好きだ。

 

だが今は、村雨に合わせて赤ワインを。

 

んー、優雅だ。昼間から飲酒という事実が更に酒を美味くする。

 

「ん、ミュジニーか」

 

「すごーい、正解!よく分かったね提督!」

 

「この繊細な味わいはミュジニーだ、そりゃあ分かるさ」

 

因みに俺はソムリエの資格を持ってる。イタリアで取った。

 

「……前々から思ってるんだけどさ、そんなに色々できるのに、何で真面目に働かなかったの?」

 

そんな人をニートみたいに……。

 

「真面目に働くとか、向いてないしな。どうしようもないくらいに、ふらふらと旅すんのが好きなんだよ」

 

「……じゃあ、提督のお仕事も、嫌?」

 

「……気に入ってるさ、それなりにね」

 

そろそろ辞めたいけども。旅に出たいけども。

 

「もしも、もしもね、また旅に出ちゃうなら……、私も、白露型も、皆んなも、連れて行って……、くれる?」

 

「………………ああ」

 

……ああ、そうだな。

 

でも、面倒を見てはやれないだろうしな。どう、かな。一生一緒って訳には、中々、なぁ。

 

「……ふふ、良かった。嘘でも、一緒にいて良いって言われるだけで、私は十分。十分幸せ、だよ」

 

……そっか。

 

 

 

「提督、提督!星が見えるよ!行こう!」

 

星辰の位置が正しく定まるこの夜更けに、俺は村雨に手を引かれ、外に出る。

 

綺麗な、夜だ。

 

星達の輝く夜だ。

 

俺と村雨は昼間に作った黄金の蜂蜜酒を飲み、魔力を込めた石の笛を吹いて、唱える。

 

「「Ia! Ia! Hastur!Hastur cf'ayak vulgtmm,vugtlagn, vulgtmm!Ai! Ai! Hastur!」」

 

すると空から、烏でもなく、土龍にでもなく、禿鷹にあらず、蟻にあらず、吸血蝙蝠とも違い、腐れ爛れた人間とも違う、空を飛ぶ化け物が現れる。

 

……ビヤーキーだ。

 

「行こう、提督、行こう」

 

何の躊躇もなく化け物に乗った村雨が、手を差し出す。

 

「ああ、行こうか」

 

「どこ行くー?」

 

「村雨と一緒なら、どこでも」

 

「じゃあユゴス覗いてこようよ、ユゴス!」

 

「ああ、良いとも」

 

君と一緒なら、どこだって天国さ。

 

さあ、行こう。

 

星の彼方へ……!!

 

と、言う訳で、ビヤーキーに乗って、肉体を保存して精神だけになって、そのまま宇宙へ。

 

行き先はユゴス辺り、冥王星辺りの星だ。ミ=ゴって言う蟹みたいな化け物が住んでいる星だ。

 

黒く窓のない塔が立ち並ぶ都市とか、不思議な鉱物の大鉱床とかしかないんだが、村雨はそれで良いのだろうか。

 

「?」

 

……本人は満足そうに見えるし、まあ良いか。

 

さーて、久しぶりの星間旅行だ。楽しもうね!

 

「綺麗……、綺麗だよ提督。宇宙から見る星は、とっても綺麗!」

 

音より早く、光の速さで空を駆け抜け、星と星との間を飛ぶ俺と村雨。

 

「はっはっは、この大空に輝く星々よりも、君の方が綺麗さ、村雨」

 

「やだもー❤︎」

 

好感度アップも忘れずに。

 

……いや、今更好感度稼いでどうすんだよ?クソッ、気を抜くとこれだ、すぐに女の子を口説いちまう。悪癖だと分かっちゃいるがやめられねえ。

 

そして地球が豆粒より小さくなった頃、村雨が口を開く。

 

「……ねえ、提督?提督の夢は世界征服なんだよね?……何で?征服してどうするの?」

 

「これは知り合いの悪の組織の総統の受け売りなんだが……、くだらない国境を取り払って、世界をひとつに結ぶことで、疑いやいがみ合いや傷つけあうことなく、格差を無くし、誰の子供も自分の子供のように愛する世界にするための世界征服……、なんてな」

 

まあ俺は、そこまで考えている訳じゃないが、人々が争い合うことがなくなれば、旅はもっと楽しくなると思ってな。

 

そして自然への愛情、敬意を忘れずに、世界の全てを愛せるようになったら、きっと素敵だと、そう思ったんだ。

 

「そう、そうね、それは素敵ね、とっても素敵ね……!」

 

そうか、そう言ってくれるか。

 

……こうして、夢の話をしているうちにユゴスについて、最終的にユゴスを覗いて帰った。

 

いやあ、途中で神格に捕らえられたりせず、至って平和な星間旅行だったな。

 

「また行こうな、村雨」

 

「うん!」

 

平和平和、毎日が、世界がこんなほのぼのだと良いんだけどなー。

 

ま、そのためには、世界を征服しなけりゃな!

 

さあさあ、明日も世界征服頑張るぞー!!

 




村雨
むらむらしている。

知り合いの悪の組織の総統
赤い地下鉄職員みたいなおじさん。

旅人
旅行という言葉に弱い。

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