旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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俺はほら、笑ってはいけないやつ見てるんで。


222話 衝撃!挨拶回り編 その5

昨日、あの後は、紅魔館で晩御飯ご馳走になって、そのまま帰った。

 

血の滴るようなステーキを出されたが、ちゃんと牛肉だったぞ。ノースティリスとは違って。良かった良かった。

 

レミリアもいい人、いや、いい吸血鬼だったしな。

 

普段はきゅうけつ鬼ごっこの開発など、奇行が目立つが。

 

さて、そんなこんなで。

 

幻想郷の挨拶回りは一日では終われないな。あそこは密度が凄い。広さはそれほどでもないが、多数の神超人仙人妖怪がひしめき合ってるから。

 

と言う訳で、挨拶回り幻想郷編、続投だ。

 

「行ってきます!」

 

「ストップだ司令!」

 

んああ、嵐ィ!裾を引っ張るんじゃないよ!!

 

「司令、駄目だろー?護衛もなしにどこ行くんだよ」

 

「幻想郷」

 

「はぁ?よく分からんけど、一人で行動しちゃ駄目だぜ?」

 

えぇ……。一人で行動しちゃならないって、子供じゃあるまいしよー。

 

「ちょっと挨拶回りしてくるだけだから」

 

「駄目駄目、俺も着いてくから、ほら」

 

ンモー。

 

 

 

「にゃーんにゃん、にゃーんにゃん、邪仙さあんだよー!!にゃーんにゃん、にゃーんにゃん、お腹が黒おいーーー!!!」

 

「……なんの歌?」

 

「邪仙にゃんにゃんの歌。そろそろ来るぞ」

 

人里で歌を歌いながら歩く。

 

すると……!!

 

「あら、お腹が黒おい?腹黒って言ってるのかしら?失礼しちゃうわ」

 

ふらり、と。

 

青髪の女が現れたのだ。

 

「やあ、青娥娘娘」

 

彼女は、霍青娥。外道に堕ちた仙人、邪仙にして、俺の師匠である。

 

「あらあら、青娥娘娘だなんて、気安いわね」

 

「貴女が、『あら、師匠だなんて硬い呼び方、可愛らしくないわ。青娥娘娘と呼びなさい?』って言ったんでしょうが」

 

「あら、そうだったかしら?」

 

そうだよ。

 

「にしても、相変わらず……、良い身体してるわねぇ」

 

「ん、おう」

 

「妖気神気魔力霊力混じり合った、混沌の化身……。ねえ、キョンシーとか興味ないかしら」

 

「ならないってば」

 

青娥はいつもそうだ。冗談交じりに……、多分半分は本気だけど、俺にキョンシー化をオススメしてきおる。

 

「なんだ、こいつ!悪そうな奴だな!」

 

大正解だぞ嵐。

 

青娥は社会一般的に言う悪い奴だ。家族を騙し、見捨てて、己の野望のため邁進した……、それが彼女だ。

 

「まあ、生意気な子ね」

 

「コラ嵐、やめとけやめとけ!」

 

「だって、司令!こいつから限りない悪の匂いが……!」

 

確かに青娥は悪党だが。限りなく悪党だが。

 

「でも青娥は世にはばかるタイプの邪悪だしなぁ」

 

巨悪とか邪悪とか、そう言う大きな悪って中々駆逐されないのよね。

 

「教えてくれ!こいつは一体、司令の何なんだ!!」

 

「んー、師匠?」

 

「師匠、だと……?」

 

青娥とは、ある日、幻想郷にて出会い、そのまま、「道教に興味とか、あるかしら?」とか、「仙人になれば不老長寿、金剛不壊よー」とか言って勧誘されたのだ。

 

甘言に乗った、とは違う。単純に興味があった。その時は既に、若返り薬……、祝福された鈍足のポーションを所有していた為、不老長寿には興味がなかったが……。

 

それにとんでもない美人である、青娥が誘ってきたのだ。乗らない手はないよな。

 

「そうよ、彼は私の可愛い可愛い弟子なの」

 

そう言って、ふわりと浮かんだ青娥は、俺に抱きついてきた。

 

丁度いいサイズの均整のとれた胸が当たって嬉しい。流石は修行に修行を重ねた仙人ボディ。

 

「なっ、なぁぁぁ?!!司令から離れろっ!!!」

 

嵐が真っ赤になって怒る。

 

「青娥やめて」

 

「んー?いつもなら喜んで抱き返して来るのに、どうしたのかしら?」

 

妖しく笑う青娥。こいつ、分かってやってるな?相変わらず性格悪りぃ。

 

「今の立場的に、そう言うことはできない。離れてくれ」

 

「そう?残念だわ〜。折角、房中術の特別レッスンを、と思ったのに」

 

青娥娘娘の房中術れっすん❤︎ふるこーす!だとぉ?!!!

 

「あ、嵐、俺ちょっとこの人と修行(意味深)してくるから。はいお駄賃、遊んでおいで」

 

「え?え?」

 

嵐すまん。

 

「ちょ、ちょっと!どこ行くんだよ司令!」

 

「頼む、行かせてくれ……!!」

 

むしろイくんだが。イかせられるんだが。

 

「た、大切な用事なのか?」

 

「大事大事、超大事」

 

「うーん、俺と一緒じゃ駄目か?」

 

「見せつけながらのプレイ?そう言うのも素敵ね❤︎」

 

ぐうううおおあああああ!!!

 

「ああ、この人と二人でちょっと大事な話をな。皆んなには秘密だぞ」

 

「……分かった。司令がそう言うなら」

 

よっっっしゃぁぁぁあああ!!!

 

「それじゃ、行こうかしら」

 

「ああ」

 

「いってらっしゃい、司令!」

 

いやあこれは修行ですからね、修行。

 

修行だから。

 

……行ってきます!!!

 

 

 

 

 

流石は青娥娘娘……。青娥娘娘とにゃんにゃん。

 

恐ろしい手腕だった。いや、物理的な意味で。恐ろしい、恐ろしい、手の、こう、スキルが……。色々なところのスキルがこう……。

 

さて、嵐にはしっかりとタオの、仙術の修行だったと言いくるめ<80>しておいたから無問題。

 

次の観光名所、いや、挨拶回り先は、地底だ。

 

……いやいや、観光名所だなんて思ってませんよ。幻想郷は危険なところなんですからねぇ。

 

さてさて、地底。

 

言葉の響きから陰鬱な場所と思われるかもしれないが、実際は結構良いところだ。

 

人々に嫌われた、爪弾きにされたもの達が集う、旧地獄。

 

そこでは、鬼を始めとする怪力乱神共が生きていた。

 

「ポーラ、離れるなよ」

 

「はーい」

 

ポーラの白魚のような指が俺の手にかかる。可愛いじゃないか。

 

「……あの、あのあの、提督?ここは仮装パーティーでもやってるんですか?」

 

「いや?」

 

「じゃ、じゃあ、本当に……?」

 

「鬼、怨霊、色々いるね」

 

「わー……、初めて見ました。いるんですねぇ、こう言うの。びっくりです」

 

驚くポーラ。

 

「深海棲艦だって同じような化け物じゃん?」

 

「あ、そうですね。ポーラ達、普段からお化けみたいなのと戦ってますよねぇ」

 

何となく、納得したようだ。深く考え過ぎないのはポーラの美点だよな。

 

さて、地底に来た訳だが。

 

「勇儀ー、出てこーい、酒やるぞー!」

 

「何やってるの?」

 

「ちょっと知り合いを呼んでる。おーい、勇儀ー!飲もうぜー!!」

 

と、こうして酒瓶揺らしてりゃ……。

 

「おー、真央じゃないか!来てたのか!」

 

鬼が釣れる。

 

鬼が出るか蛇が出るか、だとか何だとかよく言うが、マジで鬼が出るからな、幻想郷。

 

「よう、勇儀」

 

彼女は勇儀。あの、悪名高い星熊童子だ。

 

因みにデュエリストは関係ない。

 

「何だ何だ、水臭いねぇ!こっちに来てたんならすぐに会いに来なよ!」

 

「悪いな、他にも挨拶回りする場所があってさ」

 

気安い態度で肩を抱いてくる勇儀。

 

「むー……、提督ー?誰ですかその人ー?」

 

「星熊勇儀……、俺の酒飲み仲間さ。勇儀、今日は山程酒を用意した。今夜は無礼講だ、飲もうぜ」

 

「おお!良いじゃないの!飲もう、とことん飲もう!!」

 

楽しもうね!

 

「え?え?何ですか?宴会ですか?」

 

「宴会だよポーラぁ!!飲ま飲まイェイ!!」

 

俺は何故か知らんが、妖怪には人外認定されてるから、地底でも馴染めるのだ!!

 

「どうせやるなら盛大にやろう!!俺、さとりん呼んでくる!!!」

 

「おお、そうだな!行ってこい!!……ところで、お前さんは?」

 

「ポーラですよぉ〜」

 

「見たところ、神霊かい?」

 

「はい〜、みたいですよ〜」

 

「ふうん、じゃあ、こっち側ってことかい」

 

艦娘も人外判定らしい。

 

 

 

ここは地の果て流されて、俺。

 

地底の管理者、さとりんのいる屋敷、地霊殿にて。

 

「さとりん!お酒!さとりん!!」

 

酒瓶を片手に乗り込む俺氏。

 

「ヒェッ……」

 

「さとりんおいで、お酒飲みに行くよ」

 

「お、お構いなく」

 

「いいから来いやオラオラオッラーーーン!!!」

 

うるせえ!行こう!!

 

「い、いやぁぁぁ!!!」

 

「んにゃあ?!さとり様ー!!!」

 

「さとり様が誘拐されちゃったーーー!!!」

 

地霊殿の主人、古明地さとり氏を誘拐。

 

「オラーーー!!!」

 

勇儀と合流。

 

「飲めや騒げやー!!無礼講じゃーい!祭りじゃーい!!!」

 

「あっはっは、相変わらず景気が良い男だねぇ!!お前らも飲みな!こいつのおごりだよ!!!」

 

「「「「オオーーーッ!!!」」」」

 

地底の荒くれ者達が杯を傾ける。

 

「さあさとりんも飲んでほらハイ」

 

「い、いや、私は」

 

えっ、飲まないの?じゃあお燐とお空誘おうかな。

 

「貴方、前にお空を酔わせて地霊殿を吹っ飛ばしたの忘れたんですか?!」

 

あー、そんなこともあったっけかな。

 

ところで今日は何色のパンツ履いてんの?

 

「いきなりのセクハラ?!」

 

待って、当てるから……、んー、薄ピンク?

 

「……い、いえ、違います」

 

なるほど、正解か。

 

「ぐぐ……、また心理学ですか。人の心を読むのはやめて下さい!」

 

君だって俺の心読んでるだろ?

 

「私は妖怪さとりだからです!」

 

俺のは技術だ。表情の変化、間の取り方、目線などから、本当に思っていることを割り出す。心理学<80>ってね。

 

「にしても、さとりん相手だと喋らないで済むから楽だな。以心伝心ってやつだ」

 

「以心伝心?ごめんです。貴方みたいな物狂いの心を読むと頭が痛くなってきますからね……」

 

つれないこと言うなよ、さとりん。

 

「むー!提督!また新しい女の子ですかー?ポーラも構ってくれなきゃ嫌ですよー!!」

 

「ん、ああ、分かってるさポーラ」

 

「待って、下さい……、その女の人の心の中……?!!!」

 

どうかしたか、さとりん。

 

「やっぱり、物狂いの知り合いは、物狂い、ですか……」

 

あっ、さとりんが倒れた。

 

あー、そっか。

 

ポーラの心を読んだのか。

 

はっはっは、迂闊だなあさとりんは。

 

ポーラの心は……、

 

「(提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督)」

 

とっくに狂っているからな。

 





正義のヒーロー。純粋無垢なので丸め込めやすい。

ポーラ
酒と旅人のこと、艦隊のことくらいしか考えてない。

にゃんにゃん
性格が悪い。

勇儀
嘘が嫌い。

さとりん
キチガイの心を読んで昏睡。

旅人
基本的に自分に正直に生きているので、鬼には気に入られている。
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