旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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正月休みに実家から回収したスパロボZ破界編やってるんですけど、これ面白いですよね。やっぱりZは名作なんや。クロウがカッコいいのよ。

と言う訳で次元震で多次元世界と繋がって、工廠組が艦娘の艤装をメンタルモデル方式に変換して、スパロボ勢と盛大にクロスする展開思いついた。

なお、やらない模様。


224話 衝撃!挨拶回り編 その7

ハロー花凛(妹)、元気ですか。

 

兄さんは元気です。

 

そんなこんなで挨拶回りと言う訳でここ、異界と現世が交わる街ヘルサレムズ・ロットにやってきた訳ですが。

 

『ハーイ!諸君!皆んなの堕落王フェムトだよ!!』

 

ただ今、黒井鎮守府一同……、

 

「ストナー!サンシャイン!!」

 

「サドン!インパクト!!」

 

「コークスクリュー!パンチ!!」

 

「トールハンマー!ブレイカー!!」

 

「インフェルノ!ブラスター!!」

 

「シィッ!!」

 

「はぁぁぁ!!」

 

『『『『キシォアァァァァァ!!!!』』』』

 

交戦中です❤︎

 

……いやいや、やっぱり駄目だったよ。犬も歩けば棒に当たるように、俺が歩けば厄介事が起こるのは皆んな知ってるよね。

 

よって、御多分に洩れず異常発生、護衛について来た七人の艦娘……、木曾、武蔵、大和、古鷹、加古、時雨、三日月が交戦し始めた。

 

何と?って聞かれると難しいな。

 

ヘルサレムズ・ロットで悪名轟くあの堕落王フェムトの魔獣って事は分かってるが……。

 

「六時間六分六秒で自壊、それまでは周囲のものを手当たり次第に喰らって進化成長する、ねぇ……」

 

ちょーっと、厄介過ぎない?

 

「南斗聖拳!!」

 

『グギ?!キェシャオオオ!!!』

 

あっ、駄目だ駄目だ。俺じゃ火力が足りない。全くもって足りない。

 

「頼むぜミカァ!!」

 

指パッチンと共に最強の召喚呪文。あいてはしぬ。

 

「了解です」

 

飛び立った三日月がメイスで魔獣を思い切り殴りつける。

 

木細工をハンマーで壊したような音。ありゃあ、骨という骨がイかれた音だな……。魔獣は紙屑みたいに吹っ飛ぶ。

 

「ヒュー!サイコーだぜミカァ!!いつもクールでカッコいい!俺の自慢の艦娘だぁ!!!」

 

「ありがとうございます」

 

さて、どうするか。ここでまごまごしてても事態は好転しないぞ。

 

「んー、どうするかなー?」

 

脳内の瞳を拡張、周囲一帯を観測……。

 

……『ブレングリード流血闘術!!』

 

ああ、いた。

 

挨拶回りの目的、秘密結社ライブラの皆さんだ……。

 

「全体!進めェ!!」

 

「「「「了解!!!」」」」

 

ここで俺は思った。

 

世界の平和を守るのはライブラさんの仕事であって、俺達が戦うことはないんじゃないの?と。

 

更にこう思った。

 

魔獣、相手するのがめんどくさいし、押し付けちゃえ、と。

 

 

 

「総員、縦列に並べーッ!!」

 

「117式……」

 

おっ、やってるやってる。

 

「絶対不破血十字盾(クロイツシルトウンツェアブレヒリヒ)!!!」

 

ライブラのリーダー、クラウス・フォン・ラインヘルツさんの闘技がうなり、巨大な魔獣が十字に破断された。

 

「……提督、やるね、あの男の人」

 

時雨が俺に耳打ちする。

 

「そらそうよ。世界の平和を守る正義のヒーローだぜ?弱い訳がない」

 

いや本当にね!そんだけ強いなら深海棲艦の案件丸投げしたいんだけどね!

 

海上では戦えないし、戦力のリソースをヘルサレムズ・ロット以外には割けないんだと!

 

と言う訳で俺達が戦うんですが。悪の組織なのに深海棲艦と言う悪と戦ってる現状、これ如何に。

 

「ンモー、サイアクー!!」

 

金髪で眼帯の女性、K・Kさんが魔獣の血をモロに浴びて文句を言う。

 

「残りの魔獣を掃討しなくてはな。行くぞ皆んな!」

 

そしてライブラの副将、スティーブンさんが声をかける。因みにマインクラフトは関係ない。

 

「はいはい、っと。ん?なんだあいつら……?」

 

おや、ザップ君、こちらに気付くゥー。

 

「ガキ三匹、美人一人、可愛い女の子二人、メスゴリラ一体……?誰だ?おーい、旦那ぁ、誰か来るぜ」

 

「む、誰だろうか」

 

クラウスさんが振り返ると、当然、その先には俺達がいる訳で……。

 

「どうもこんにちは、黒井鎮守府です」

 

俺が挨拶する。

 

「ああ、こんにちは、ライブラです」

 

クラウスさんが挨拶する。

 

はい、挨拶回り終了ー!!

 

と、言いたいところだが。

 

「ミスターマオ、加勢して欲しい。頼めるだろうか」

 

チィッ!この野郎!

 

「いやいや無理無理、俺弱いし!戦えないし!」

 

「謙遜は要らない。先程も艦娘達を率いて戦闘行動をしていたと報告が上がっている。頼む、これ以上の被害は許容できない」

 

クソッ、クソッ、分かった分かった分かりましたよ!!!

 

怖いなもう、マジな視線で射抜くんだから!

 

クソ真面目デカブツめ、うちを巻き込まないでくれ!!

 

「はぁ〜〜〜!(クソデカ溜息)各員!ライブラのメンバーと連携して魔獣を叩け!」

 

「「「「了解!!」」」」

 

俺の命令を受けた艦娘達は、一斉に駆け出した。

 

まあ戦うのは艦娘なんだけどね、戦わせたくないって言うか……。世界の平和を守るために戦うのが癪にさわるって言うか……。

 

そんな感じだ。

 

「トマホーク!ブーメラン!!」

 

木曾が魔獣の肉体を破壊する。

 

「……は、はは、あんな子供が前線に出てるのか。どうやらおかしいのは異界だけじゃなく現世も、らしい」

 

満面の苦笑いを見せるスティーブンさん。

 

「焼けろ……!!」

 

肩口のビーム砲をぶっ放す大和。

 

「嘘ぉ、ビーム?!現世の技術力どうなってるのよ!」

 

K・Kさんが驚く。

 

「白露型の狩りを見るが良い……!!」

 

血と炎を纏う斬撃をばら撒く時雨を見て、

 

「馬鹿な、あれは斗流血法・カグツチ……、じゃない?!何ですかあれは、見たことのない血法だ!」

 

ツェッドが目を見開く。

 

「うぉおう……、化け物じゃねえか。あれが艦娘ってやつか」

 

「酷いなザップ。彼女達は化け物なんかじゃない、人間だ」

 

「はっ、化け物の大将にそんなこと言ってもな」

 

おーおー、人様を化け物の大将呼ばわりか。

 

「なあ陰毛頭、言ってやれよ、この化け物マンによー」

 

「誰が陰毛頭だ誰が!!……でも確かに、マオさんは相変わらずですねー」

 

神々の義眼の保持者、レオナルド君が話しかけて来る。

 

「そうだろうそうだろう、相変わらずのイケメンだろう」

 

「いえ、まあ、顔が良いのはそうですが……、中身がぐちゃぐちゃって言うか、混沌を煮詰めたって言うか……」

 

んん?ああ、そうか。

 

全てを見通す神々の義眼だものな。

 

俺の中身なんて妖魔機械神気薬波紋仙術ごった煮のカレーみたいなもんだから、そんな反応にもなるか。

 

「へぇー、神々の義眼にはどう見えてるのかね」

 

「えっと、その……、大変言いにくいんですけど……、化け物ですね」

 

そうか、やっぱり化け物に見えるか。

 

「うひゃはははは!聞いたかよ!やっぱり化け物じゃねーかお前!!」

 

「うるせーぞザップこの野郎」

 

「痛え?!テメェ今人が手を離せないからって!」

 

 

 

「ようこそライブラへ。歓迎しよう、ミスターマオ。それと、艦娘の諸君」

 

魔獣騒ぎから数時間後、俺達はライブラの本拠ビルに招待されていた。

 

「あ、いえいえ、お構いなく」

 

実際、物見遊山ついでに挨拶しに来ただけだからな。

 

だから……、

 

「「「「………………」」」」

 

そんなに警戒しなくてOKよ?お互いにさ……。

 

「おいおい旦那、良いのかよ?こんな化け物共引き入れて」

 

「やめたまえザップ。彼らは世界一の鎮守府一員だぞ。我々と同じく、世界の秩序を守るために尽力する方々だ」

 

「いやいやいや、それにしたってヤバ過ぎでしょ?!旦那並みのインファイターにレーザービームぶっ放す女、刃物鈍器振り回すガキ、女ガンマン……、ヤバ過ぎでしょーよ!!」

 

超人具合ではお前らも大概だと思うぞ。

 

それに……、

 

「世界の秩序を守るっつってもね。仕事でやってるだけさ」

 

やりたくてやってる訳じゃない。どちらかと言うと世界を掻き乱したい側だ。

 

いや、無駄な混乱は望むところではないな。もっと、こう、楽しいことで世界を盛り上げていきたい。

 

俺が世界を征服した暁には、自然を愛し、人を愛せる世界にしてみせるぞ!

 

「……しかし、今日まで海の平穏を保っていてくれたのは紛れもなく貴方方だ。私からも礼を言わせてもらいたい」

 

「はぁ」

 

律儀ー。

 

相変わらずこの人は見た目と違って律儀でクソ真面目で。

 

まあ、それがこの人の美徳なんだろうよ。

 

「「「「………………」」」」

 

……ってか警戒し過ぎィ!!

 

せめて艤装消して!

 

「皆んな、艤装消して!失礼でしょ!」

 

「駄目だよ提督」

 

古鷹が唸るように言う。

 

「だって、正義の秘密結社だよ?悪の組織の天敵じゃない」

 

「……ま、まあね、そうなるね」

 

で、でもうちはそんなアクティブに悪やってないから!

 

俺達は気のいい歌の大好きな世界征服組織なだけなんです!

 

「諸君、どうか警戒しないで欲しい。我々ライブラは、諸君らが世界の平和を脅かすようなことをしない限り、敵対することは断じて無い」

 

「ほ、ほら、クラウスさんもこう言ってるから、ね?」

 

「……良いでしょう。ですが、私達は提督のご指示があれば、即座に、世界に喧嘩を売れる、とだけ申しておきます」

 

武器を仕舞いながら大和が宣言する。

 

あわわ、また物騒なこと言ってもう!

 

「その辺りは仔細問題ありません。ミスターマオは悪戯に世界を混乱せしめるような真似をする方ではないでしょうから」

 

「そうそう!世界相手に大立ち回りなんてしませんですとも!ええ!」

 

今のところ世界をどうこう、なんて予定はない。いや、未来永劫ないと思う。

 

「ライブラさんとは仲良くしていきたいです、はい!」

 

「私も、黒井鎮守府さんとは良い関係を築いていきたいと思う」

 

そして、俺は眼前の大男と手を握り合う。うひょー、でけえ。俺も190cmはあるんだが……、クラウスさんは俺よりさらにでかい。手もでかい。

 

因みにうちで身長で言えばでかいのは長門型と大和型が180cmくらいで、逆に小さいのが140cmくらいの雪風。余談だな。

 

さて、そんなこんなでライブラの皆さんとは仲良くやっていきたいと宣言して、無事に終了だ。

 

今日の挨拶回り終了。

 

帰りは、ええと、ヘルサレムズ・ロットには最高のレストランがあるとか言ったっけ。

 

そこ、寄ってこうか。

 




黒井鎮守府
超人集団。

ライブラ
超人集団。

旅人
変人。

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