旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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モバマスではクールPです。


225話 衝撃!挨拶回り編 その8

またもや、挨拶回りである。

 

まあ、挨拶回りと言っても物見遊山ついでに知り合いに会うだけなんだけどね。

 

さあ、どうするか……。

 

暫し、考える。

 

「艦隊のアイドル!那珂ちゃんだよー!」

 

アイドル?

 

アイドル、ふむ。

 

「346プロに出向くかァ……!」

 

元職場にGOだぜェ!

 

 

 

「その……、困ります……」

 

「ちっちゃいこと言うなよプロデューサー君」

 

「すごーい!ここが提督が働いてたプロダクション?!」

 

那珂ちゃんを引き連れて346プロへ。

 

元職場に来て悪いか?!

 

「せめてこっち、346カフェの方へ……!」

 

「いや俺幸子と茜とユッキとゆっこと輝子とナターリアと……、兎に角、元担当アイドルに会いに行きてえから」

 

「あっ、駄目です!本館の方は駄目です!貴方、美城常務に何やらかしたか覚えてるんですか!!」

 

「激寒ポエムおばさん、女版バンコランって呼んで顔にビールぶちまけただけだよ」

 

「貴方それでクビになりましたよねぇ?!」

 

それは所謂コラテラルダメージだ。そんなこともある。

 

「男には曲げられないものがあるのさ!」

 

「その辺を曲げない人間は社会でやってけないんですよッ!!!」

 

しゃーない、しゃーない。

 

だってあのおばさんアイドル部門を収縮するって言って来たから……。

 

つい、ね?

 

「確かに、いきなり現れてアイドル部門の収縮を宣言した美城常務にも悪いところはあります。ですが!ですが!」

 

「良いじゃん良いじゃん、過ぎたことよ」

 

「と、言うより、女版バンコランとは一体何のことだったんですか?!」

 

いやだってあの人バンコランみてーな目元してたし。

 

「知り合いにバンコランって言う似た人がいたんだよ」

 

「は、はあ」

 

「因みにそいつホモだった」

 

まあ、美少年好きだったから、俺は狙われなかったが。

 

「そう、ですか。……そ、そんなことは良いんです!兎に角、美城常務はこれ以上ないくらいにお怒りでした。そんな美城常務の前に再び姿を表せば……」

 

まあ確かに、何されるか分からんなぁ。

 

「と言う訳です。迂闊にフラフラしないでください」

 

「ま、了解」

 

なるほどな、大変だな、プロデューサー君も。

 

 

 

「プロデューサー?!うおおおお!トラーーーイ!!!」

 

「あーっ、プ、プロデューサー?!!」

 

おっ、茜と、幸子か。

 

「あーーー!!!」

 

「んだよ、どうした那珂ちゃん」

 

「て、提督が知らない子と抱き合って……」

 

「んあ?あー、いや、茜は俺の元担当アイドルでな。これくらいのスキンシップは普通よ、普通」

 

「そ、そうなの?」

 

いかんいかん、346プロにいたころも軽いハーレム状態を楽しんでたからな。

 

「どうだ幸子、仕事は大丈夫か?」

 

「ええ、ええ、大丈夫ですとも!貴方の持ってくる、『世界各所でスカイダイビング』、『逝ってQでイ◯トさんと世界旅行』、『アフリカの未開の地で原住民とバンジージャンプ』なんて馬鹿げた仕事が来なくなったお陰でねェ!!!」

 

はっはっは、幸子幸子。

 

「でも、楽しかっただろ?」

 

「……うっ、それは、そうですけど!でも、楽しかったのはちょっとだけですよ!ちょっとだけ!」

 

「またまた〜」

 

嘘つけ、絶対楽しんでたゾ。

 

「貴女も……」

 

「え?」

 

「貴女も提督の無茶振りに応えてきたアイドルなんだねっ!」

 

「え?え?何、誰ですか?」

 

「あ、急にごめんね?私は那珂、艦隊のアイドルだよ!」

 

那珂ちゃんが幸子に自己紹介する。

 

「辛かったよね、怖かったよね……!急に未開の地で紐なしバンジーとか洒落にならないよね!」

 

「よ、良く分かりませんが、貴女もこのプロデューサーの被害者なんですね?!」

 

そして団結。

 

「そうかな、俺そんなに酷いことしてるかな?」

 

「してます!」「してるよ!」

 

「ボクはアイドルなんですよ?!なんで芸人みたいな企画に毎度毎度巻き込まれなきゃならないんですかぁ!!」

 

「那珂ちゃんだってアイドルなの!バンジージャンプとかスカイダイビングはもう嫌ー!!」

 

「なるほど、一理ある」

 

「一理あるじゃないですよ!それが全てですよ!!」

 

「那珂ちゃんはアイドルなんだよ!アイドルらしいことさせてよ!」

 

あーあーあーあー、聞こえない。何か言ったの?俺のログには何もないな。

 

「とぼけないで下さい!ボクなんて、スカイダイビングやりすぎてスカイダイビングの資格取っちゃったんですからね?!」

 

「私もだよ!!」

 

「良いじゃん、資格はあると有利だぞー」

 

「スカイダイビングの資格なんてなにに使うんですか?!!」「なにに使えるの?!!」

 

そりゃあ、その、スカイダイビングに?

 

一人で飛べるってことだろ!スゲーじゃん!

 

「因みに俺スカイダイビングでパラシュート開かなかった事あるぜ」

 

「「えっ」」

 

「あの時は死にかけたなぁ。さ、二人共!今からフリーでスカイダイビング行くか!」

 

「「えっ?!今の話の流れからスカイダイビング?!!」」

 

「私もやりたいです!」

 

「おー、茜も来るか?」

 

「はい!」

 

「うちの軍用ヘリと軍用パラシュートでスカイダイビングといこうじゃないか!なーに、映像はちゃんとユーチューブにアップして346プロの宣伝するからさぁ」

 

「ま、待ってください、ボク、お仕事が……」

 

「那珂ちゃんもやだよ?!」

 

恐れおののく二人を他所に、

 

「プロデューサー君、幸子のスケジュールは?」

 

「……はい、確認しました。大丈夫です」

 

「よっしゃ、イクゾー!!!!」

 

「「い、いやああああああ!!!!」」

 

 

 

 

ふー、たのちい。

 

幸子と那珂ちゃんと言うドリームタッグプラス茜でスカイダイビングしてきた。

 

空から急降下するあの感覚!良いねぇ!

 

また今度も誘おう。そうしよう。

 

実は俺も持ってるからな、スカイダイビングの資格。

 

さて、次だ。

 

次は、そう、ジャギ。ジャギのところに行くか。

 

連れて行くのは、そうだな、隼鷹。隼鷹もヒャッハー系だ。

 

アポ?いらんいらん、友達に会いに行くだけだ。あいつ別に偉い訳でもねえし、ちょっと顔出すだけだし。

 

さて、隼鷹、隼鷹はー、と。……いた、昼間から飲んだくれてる。さ、隼鷹を回収してと。

 

「行くか、株式会社世紀末……!!」

 

 

 

「ヒャッハー!!旅人の兄貴じゃねぇですかい!ジャギ様にご用で?」

 

「ああ、新年明けてから顔見せてねえしな。一応取引先ってことで挨拶くらいはしとこうと思ってな」

 

「ヒャッハー!!了解でさぁ!こちらです!!」

 

株式会社世紀末に着いた。

 

相変わらずモヒカンがそこらにいるなぁ。威圧的ぃ。

 

「ジャギ様ーーー!!旅人の兄貴ですぜぇ!!隼鷹の姉貴も一緒です!!!」

 

「んあぁ?何だぁ?」

 

「よう、ジャギ」

 

「来てやったよ」

 

俺と隼鷹が声をかける。

 

「おお、マオと隼鷹じゃねえか。何しに来た?」

 

「「新年の挨拶」」

 

「遅えよ!もう二月だろ!!」

 

あ、やっぱり?

 

「全く……。まあ良い、折角来たんだ、上がっていけ」

 

「おっ、サンキューな」

 

「ジャギー、酒ー」

 

「分かった、分かった」

 

ジャギから酒をもらって、一服。

 

「にしても突然だな。今日が休みだったから良かったものの、急に訪ねて来るのは失礼だぞ」

 

革ジャン鉄メットの奴がなんか言ってる。

 

「その見た目でその台詞は似合わねえよ」

 

「馬鹿お前、親しき仲にも礼儀ありだろ」

 

「だからぁ、革ジャン鉄メットがそんな台詞吐いてんじゃねえよ!キャラ崩壊が著しい!」

 

「んだとテメェ!!」

 

変なところでまともだからな、こいつ。

 

「そう言えば、あんまりにも自然に接してるから聞いてなかったけど……、二人ってどこで知り合ったんだい?」

 

「ん?あー、実家がさ、近かったんだよ」

 

俺の実家の近くに、北斗道場があったんだよ。南斗の里も近かったな。

 

「なるほど、じゃ、二人って幼馴染なんだね〜」

 

そうなる、かな。

 

「いやぁ、こいつとは本当、腐れ縁だ。こいつは平気でおっかねぇ兄者をからかったり、南斗の里にちょっかい出したりしやがるからな。それに付き合わされる身にもなれってんだ」

 

ジャギが腕を組みながら言う。

 

「へー、ジャギの兄さんって恐いのかい?」

 

「そりゃあ恐えの何のって……。強くてデカくて強面で、俺なんかじゃどう逆立ちしても敵わねえ人だよ。まあ、トキ兄者は優しいが」

 

「うん?何人兄弟?」

 

「四兄弟だ。上からラオウ兄者、トキ兄者、俺、ケンシロウの順だな」

 

「南斗の里ってのは?」

 

「俺達が使う拳法は北斗神拳ってんだがな、それと対になる拳法が、南斗聖拳って言うんだよ。その南斗聖拳には流派が色々あってな。その総本山が南斗の里ってんだよ」

 

「南斗聖拳……、あー、提督が使ってる、ような」

 

顎に手を当て、隼鷹が言う。

 

「そうだな、こいつは南斗聖拳の使い手だ。正式な伝承者って訳じゃねえが、色々な南斗聖拳をある程度まで使えるんだよ。ある意味でものすげえ器用な真似してるんだぜ、こいつは」

 

「へー」

 

まあ、俺のモットーは広く浅くだからな。どの南斗聖拳も完璧とは言えないが、ある一定ラインまでは使えるんだよ。

 

「んじゃ、提督って強いの?」

 

「……基準によるな。強い、と言いたいところだが、それは一般人を基準にした時のもんだ」

 

酒を煽って、ジャギが言葉を続ける。

 

「正直、俺達の周りが強過ぎるからな、あんまり強えって気がしねえんだよ。ラオウ兄者も、トキ兄者も、認めたくはねえがケンシロウも天才だ。それと比べると、俺やマオは一段や二段じゃきかないくらい下だ」

 

「なるほどねぇ」

 

「いやでも、凄いっちゃあ凄いんだぜ?北斗神拳も俺が教えたらあっさり使えるようになりやがったしよ、才能はある。まあ、それでも秀才止まりだが」

 

「じゃあ、微妙なんだ」

 

「び、微妙って……、まあ、そうだが」

 

「まあ、気持ちは分かるよー、黒井鎮守府にも馬鹿みたいに強い子がゴロゴロいるから。周りが強過ぎると自分の力に自信持てなくなるよね」

 

「それが分かってんなら、お互い、支え合うんだぞ、お前ら」

 

「そんなん、お前に言われるまでもないさ」

 

俺がそう返す。

 

「へっ、そうだな、仲がよろしいこって」

 

まあな。一応、カッコカリとは言えケッコンしてる仲だしな。

 

ところでジャギ。

 

「お前いつ結婚すんの?」

 

「………………その話はするな」

 

このヘタレメット……。

 




那珂
艦隊のアイドル。

隼鷹
呑んだくれのヒャッハー系。

幸子
旅人がプロデューサーだった頃、死ぬほど無茶振りに付き合わされた。


トラーイ!

プロデューサー君
笑顔です。

ジャギ
旅人の親友。幼少時の旅人に、死ぬほど無茶振りに付き合わされた。

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