マブラヴやってねーけど。
面積約7355万平方キロメートル、想定水量292131000立方キロメートル。
インド洋……。
なんて言うか、端的に言うと、次の仕事場だ。
「それで?作戦の方針は?」
会議室の中、大きなホワイトボードの前で腕を組む長門が尋ねてくる。
「まあ、どうもこうもないよね。真っ直ぐ行ってぶっ飛ばす、右ストレートでぶっ飛ばす、ってな感じで」
毎回言ってるけど、作戦は?って聞かれても無いと答える他ないんだよな。
まず一つに、作戦を立てるほど深海棲艦が強くない、いや、うちの艦娘が強過ぎるって点。
大抵は正面からぶっ潰せるからな、態々趣向を凝らす必要はないわな。
作戦というのは足りない戦力を知力で補うってことだし。筋力でぶち破れるなら作戦なんて要らねえよな。
第二に、海のど真ん中で人型同士で戦うのに作戦もクソもないって点。
これが艦隊戦ならまだしも、艦娘は人型の生き物。作戦の立てようがないのだ。
その上、戦場は障害物もない起伏もない海の上。
俺にできることは精々、戦場を俯瞰して臨機応変に細かな指示を出すくらいだ。
だから俺達がやるのは殲滅戦よ、殲滅戦。わーっと行ってわーっと殺す。平たく言えばそんなもんだ。
「しかし……、そうだな、敵の情報は?」
「敵の情報ねぇ」
まあ、一応偵察は出したが。
「ほい、ただいまー」
「はーい、おかえりー」
偵察に出した龍驤が丁度御都合主義的に帰ってきた。
ドンピシャのタイミングやな。……まあ、今日の午前にお願いしておいたから、午後である今に戻って来るのは何もおかしくはないな。
ん?ああ、日本からインド洋まで午前から午後くらいの時間で往復できる訳無いだろ!いい加減にしろ!!って?
そらもう、空輸ですわ。
うちの艦娘は遠距離へ出撃する際には、ヘリや輸送機で空を飛んでくんだよ。工廠組謹製の航空機は丈夫で多機能でな、ちょっとやそっとじゃ落ちない。
反則?
いやいや、そりゃあ空輸もしますわ。よく考えてみ?艦娘は人型なんだぞ?重さも人間並み。質量保存の法則を無視して艤装を呼び出す。じゃあもう空輸するしかないじゃない!
「じゃ、司令官、これ」
「ありがと、龍驤」
そんなこんなで、手渡された資料を見る。
ふむ、駆逐艦、軽空母、戦艦、正規空母。
四人の姫クラスと量産型がうじゃうじゃと。
なるほどなるほどなるほどねー。
「少なくともこの戦艦の子には勝てないな」
「何故だ?」
「俺必殺の強制ストリップ真拳が効かないからだ」
強制ストリップ真拳は、最初からすでに全裸より恥ずかしい格好をしてる子には効かない!効きにくい!
「そしてこの、どことなく吹雪に雰囲気が似ている軽空母」
「まあ、確かに、雰囲気が似ているな」
「可愛い」
「はぁ……」
はぁ、じゃないが。最重要だろ。誰が敵かより!誰が可愛いかで深海棲艦を語れよ!!!
「こっちの駆逐艦の子もクールそうな見た目で良いね」
「はー、だがな、いくら可愛かろうが私達は手加減しないぞ。深海棲艦である以上全力で潰す」
あら怖い。
「こっちの白い子も可愛いじゃないか」
「顔半分が真っ黒で肢体が人のそれじゃないぞ。可愛いと思うポイントが無いだろう」
「いやこのくらいならモンスター娘の範疇よ」
もーんすたー、もーんすたー、もんもんもんもんもーすたーらーいふ。
ラミアにハーピィ、ケンタウロスでも何でもござれだ。見た目良ければ全て良し。人外娘もなんのその。
ああ、異世界で風俗のレビュー書いたの、面白かったなー。スタンクとゼルは元気だろうか。また一緒にレビュー書きに行こうな。
「女と見ると節操なしだな……?」
「アッ、いやいや、何でも無いよー!」
いかんいかん、風俗巡りしたなんて言えない。黙っとこ。
いやあだが思い出すな。エルフは美人揃いで、獣人やハーピィはもふもふの抱き心地、モノアイの大きな瞳は美しく、ラミアに巻き付かれるのも気持ち良かった。
まあ、低級サキュバスに死ぬ程絞り取られたり、ハズレの店に当たっちまったり、サラマンダー抱いてチ◯コがこんがり焼けたりしたのは良い思い出だ。
「と、取り敢えず、鎮守府の半数は連れてくから。皆んな用意しといて」
「「「「了解」」」」
さあ、そんなことより久しぶりの大規模作戦だ。気合い入れて行くぞ。
×××××××××××××××
『深海海月姫……、ヤツラダ、黒井鎮守府ガ、来ル……』
今朝、ワタシは、空に偵察機が飛んでいるのを見つけた。故に報告する。
……ここは完全にワタシ達の支配領域だ、こんなところまで来れるのは噂の黒井鎮守府だろう、間違いない。
ここ、インド洋は、正規空母の深海海月姫を中心とした深海棲艦の領域だ。
ワタシ、駆逐古姫も、インド洋を守る深海棲艦の一人。他には、軽空母の護衛棲姫、戦艦の北方水姫が所属している。
『ソウ……。ソロソロ来ル頃ダト思ッテイタワ……。心配、ナイ』
深海海月姫がそう告げる。
成る程、お見通しって訳ね。
深海海月姫は凄い。その強さも、知恵も、皆んなが一目置いている。ワタシ達のリーダー的な存在だ。
そんな深海海月姫が心配ないと言うのなら、問題はないわね。
『策ハアルノ?』
話を聞いていた護衛棲姫が尋ねる。
『エエ』
深海海月姫が頷く。
『策トハ?相手ハアノ黒井鎮守府、コチラモ警戒シタ方ガイイ』
北方水姫が尋ねる。
『コノ、集積地棲姫ガ造ッタ新シイ深海棲艦……、ナ級ヲ使ウノヨ』
深海海月姫が答える。
『コノナ級ニハ、内部ニ強力ナ爆薬ガ仕掛ケラレテイルノ。近接戦闘バカリノ黒井鎮守府ニハ特ニ効クノヨ。コレラヲ前線ニ送ル』
爆薬か……。これだけの数の、破壊されたら爆発するタイプのナ級……。それなら、黒井鎮守府に打撃を与えられるかもしれない。
『足止メノ鬼クラスモ数千体ハ用意シタ。対艦娘用ノオペレーションモ読ミ込ミ、武装モ揃エタ』
おお……!元からワタシ達が優位なのは変わりないが、これで更に立場は盤石となった!
『……タダ、戦ウ前ニ言ッテオクコトガアル』
『『『?』』』
ん?何だろうか?
『最初カラ全力デ……、殺ス気デ行クノヨ。手加減モ、油断モナシ』
………………。
『何故ダ?強イト言ッテモ所詮ハ艦娘。ワタシ達ガ本気ヲ出スホドデハ……』
『ソウネ、艦娘ナンテ雑魚バカリ。ココマデ戦力ヲ出スナラ、何ガ相手デモ殲滅デキルワ』
ワタシの言葉に、北方水姫が追従する。
黒井鎮守府がどれ程のものかは分からないが、それにしても、ワタシ達に敵う訳はない。
正直に言って、そこまで警戒する必要はないと思うのだけれども……。
『……敵ヲ、侮ルナ』
そう思ったワタシに対して、深海海月姫は咎めるように言った。
『ヤツラハ、敵ダ。唯一、我々ヲ滅殺セシメル者共……。ソコニ一片ノ油断慢心モアッテハナラナイ』
『シカシ』
『確カニ、コノワタシモ、黒井鎮守府ノコトハ資料デシカ知ラナイ。ダガ、ソノ資料カラデスラ、異常ナ戦力ガ伝ワッテクル……』
……確かに、ワタシも資料は見た。黒井鎮守府が冗談みたいに強いのも知っている。
だが、ワタシ達にもプライドってものがある。
ワタシ達の方が弱いなどと、認められるか!
第一、海からの強化だってあるのだ。ワタシ達の底力も更に強化されている。戦って勝てない道理はない。
『ヤツラノ力ハ、一体一体ガ姫クラスト同等以上ト考エラレル……。イイカ、油断ハスルナ』
だがなぁ……。
『アノ、ワタシハ、深海海月姫ノ言ウ通リダト思ウ……』
護衛棲姫……。
『黒井鎮守府ハ、強イ。マズハソコヲ認メテ、気ヲ引キ締メルベキ、ト思ウ』
『……護衛棲姫、ソウヨ、ソレデイイ。今マデ、黒井鎮守府ナド取ルニ足ラズト言ッテイタ連中ハ皆、帰ッテ来ナカッタ……。ツマリ、黒井鎮守府ハ、ワタシ達深海棲艦ニ勝チ続ケテイルト言ウコトダ』
『ソレハ、ソウカモシレナイガ……』
『イカニワタシ達ガ海カラノ強化ヲ受ケタト言ッテモ、不安ハ残ル。確実ニダ。ワタシハ黒井鎮守府ヲ確実ニ粉砕シタイ』
深海海月姫……。
そう、だな、二人の言う通りだ。油断しちゃならないな。
そうと決まれば最初から全開だ。
首を洗って待っていろ、黒井鎮守府!!
旅人
冒険者としてはタンク役。異世界で風俗のレビューをした。
深海棲艦
気合十分。