旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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下ネタ回です(半ギレ)。

怒られても俺は知らないから。


232話 ホワイトデー

三月十四日。

 

そうだね。

 

ホワイトデーだね。

 

皆んなから沢山の血ョコ(誤字にあらず)を貰ったからね、お返ししなきゃね。

 

もちろん、お返しするのは真っ当に美味しいチョコレート菓子だ。マシュマロやキャンディにクッキーでも良いだろう。

 

異常なものをもらったからと言って異常なものを返すのはおかしいだろう?血や体液を混入させたりなんてしないよ。

 

「川内は何か食べたいものとかあるかい?」

 

「……っはー、嘘でしょ?何で分かったの?」

 

と、天井裏がガコンと開いて川内が顔を出す。

 

そんなもん、旅人の感知能力からすれば丸見えなのよ。

 

俺は旅人、青空の下に生きる男だぜ?いつ何時襲われるか分からないその生活の中で、目星<80>や聞き耳<80>だけでなく勘や脳内の瞳などがどんどん鍛えられていき……、ってことよ。

 

「鍛えてますから」

 

「うう、私の隠形を暴けるのなんて提督だけだよ。本当に、どういう勘してるの?」

 

そう言われてもな。奇襲に気付かなきゃ死ぬような場面に何度も出くわすと嫌でも感知能力なんて鍛えられるぞ!

 

人間、必要に迫られればどんなスキルだって習得できるんだよ。

 

「で、何の用だい?」

 

「んー?そろそろホワイトデーだから、提督にお返しを取り立てに来た、って言ったら?」

 

「歓迎するよ。で、何が欲しい?」

 

「提督の、チョ・コ・バ・ナ・ナ❤︎」

 

むむむ。

 

いかんよ、下ネタは。

 

いい加減色んなところから怒られてもおかしくない。

 

「チョコバナナ?お祭りとかで食べられるでしょ」

 

と、すっとぼけ。

 

「もー、分かってる癖にー❤︎」

 

逃げられん、か。

 

川内は俺に身をすり寄せ、俺のズボンに手をかける。

 

「こらこら」

 

「うちって、産休とか育児休暇とかある?」

 

「ん、一応あるけど」

 

「じゃあ、デキても安心だね!」

 

こらこら。

 

「はいはい、やりませんからね」

 

と、軽くあしらう。

 

「良いじゃん良いじゃん!私と気持ちいいことしよう?」

 

駄目です(ヤーマン)。

 

R18の壁は厚い。

 

それに……、

 

「刹那的な感情に身を任せると碌なことにならないぞ」

 

実体験だ。

 

「この気持ちは刹那的な感情なんかじゃないもん」

 

俺に抱きついて言う川内。

 

んー、そうだな。

 

「そう言われては仕方がない。じゃあ、しようか」

 

「本当?!やったあ!」

 

まあ、俺としては、ヤりたいのも山々なところなんだがねー。

 

でも、最近は、いざヤろうとすると……。

 

「させないっぽーーーい!!!」

 

「ぐああああ!!!」

 

横からロケット抱きつきで俺の胸に収まる夕立。

 

そう、そうなのだ。

 

最近はヤろうとすると、専ら、邪魔が入るようになったのだ。

 

「提督さん、駄目っぽい」

 

「じゃあ夕立としよう」

 

「ならOKっぽい!」

 

それならばと、夕立を抱いて歩き出そうとすると、

 

「は?いやいやいや、それはおかしいでしょ、夕立ちゃん。何で横から入ってきて提督を掻っ攫ってる訳?」

 

川内がこれをカット。

 

「じゃあ川内としよう」

 

「だから、駄目っぽい」

 

夕立がカット。

 

「じゃあ夕立と……」

 

「うー、提督さん、からかってるっぽい?」

 

「バレたか」

 

「からかわないで欲しいっぽい!」

 

おこなの?夕立ちゃんおこなの?

 

「まあまあまあまあ、怒らない怒らない」

 

「むー!」

 

ご機嫌斜めだ。

 

「ほら、機嫌直してくれよ、夕立。はい、バレンタインのお返しのチョコチップクッキー」

 

「いただくっぽい……、美味しい!!」

 

だろうな。

 

俺渾身のクッキー、不味い訳がない。

 

「はい、川内にも」

 

「あ、うん。お、美味しい……!!」

 

よし、餌付け完了。

 

「「もぐもぐ……、じゃなくて!!!」」

 

おっ、どうしたどうした。

 

「川内さんと私、どっちを選ぶっぽい?!」

 

「私だよね、提督!」

 

「私っぽい!!」

 

「「ぐぬぬぬぬぬぬ!!!」」

 

ああ、もう……。

 

修羅場だ。

 

シュラバ。

 

そういや昔、シュラバ・やポンって知り合いが、

 

「「どっちを選ぶの、提督(さん)!!」」

 

あー!

 

あーあーあーあー。

 

現実逃避もさせてくれないのかよ。

 

「とてもじゃないが選べないよ。どっちもじゃ駄目かい?」

 

「じゃあ、どっちが先か選んでよ!もちろん、私を先に愛してくれるよね!」

 

「はぁ?何言ってるの川内さん?私が先っぽい!」

 

「「ぐぬぬぬぬぬぬ!!!」」

 

あーあー、いがみ合いはいかんよ。

 

「こらこら、やめなさいってば」

 

「表に出るっぽい、川内さん。決着つけるっぽい」

 

「へぇ、望むところだよ、夕立ちゃん」

 

「はいはい、喧嘩しない喧嘩しない!」

 

睨み合いを続ける二人を引き剥がす。

 

「でも……」

 

「だって……」

 

「でももだってもありません!仲間同士仲良くしなさい!」

 

「「はーい」」

 

一件落着、か?

 

「で、どっちを選ぶの?私だよね、提督さん!」

 

「私よね、提督!」

 

あーーーもーーー!!!

 

 

 

保留で、と答えて空間湾曲でその場から立ち去った俺。

 

最近は露骨に襲いかかって来る艦娘達。

 

もうちょっと、女の子らしい慎みを持っていただきたいところだ。

 

まあ、エッチな女の子も好きだけど。いや、大好きだけど。

 

でも、抱けないのに誘惑されてもなあ。

 

「大淀、バレンタインのお返し何がいい?」

 

「そうですね、提督と私の間に子供を、なんてどうでしょう」

 

どうもこうもないが。

 

「食べ物にしてもらえるとありがたいんだけど」

 

「では、提督の濃厚なホワイトチョコ(意味深)を……」

 

また下ネタだよ。

 

「下ネタは……、やめようね!」

 

本当にやめよう?いい加減怒られるからね?これ、一応、R15までだからね?

 

……ってか、R15ってのもまた分からんよな。十五歳頃なんてヤりたい盛りじゃんかよ。少なくとも俺は、十五歳の頃にはかなり女遊びしてたよ。

 

ノースティリスで風俗巡りしたりな。楽しかったよ。

 

「……提督?」

 

「……ああいや、ちょっと昔を思い出してた」

 

「ふふ、過去に想いを馳せるのも結構ですが、どうせ考えるのならば私と提督の輝かしい未来についてでしょう!」

 

ははは、大淀は今日もトップスピードだなあ。

 

でもな、良いんだ、そんなことは。

 

重要なことじゃない。

 

「大淀……」

 

「はい、提督❤︎」

 

「お願いだからパンツ履いてくれ」

 

そう、大淀はノーパンなのだ。

 

何故だか知らんがノーパン……。

 

ノーパン。

 

「いえ、これは、提督にいつでも犯してもらって構わないというアピールで……」

 

「そんなこと、しなくていいから(良心)」

 

「こう言った方がよろしいでしょうか、私のいやらしいメス穴をご主人様のたくましいおちん」

 

「やめロッテ!!!」

 

どうしたいんだ、大淀。

 

むしろ、どうしたんだ。

 

「俺をどうしたいんだ大淀は。どうして欲しいんだ」

 

「端的に言えば、ブチ犯していただきたいと思っています」

 

ネジが数本抜けているどころか、中枢回路が短絡してショートしているようなご回答。やはりヤバい(再確認)。

 

「あのな、大淀。大淀は女の子なんだから、そう言う下品な物言いはやめた方が良いよ?」

 

「そうですか?このような物言いの方が提督が興奮されるかと思いまして。あと私の趣味です」

 

趣味か。

 

そう言う趣味なら、まあ、仕方ない、ですかね。うん。

 

「でもほら、一応R15だからさ、純愛決め込まねえと方々からお叱りを受ける訳よ」

 

「はあ」

 

「私のハートがキュンキュンしちゃうのー、とでも言っておけば純愛だから、オールOKだから」

 

「キュンキュンするのは提督専用のハメ穴と子宮ですかね」

 

「違ーう、もっとこうピュアに!可愛らしく!慎ましやかに!!」

 

「?」

 

はぁ、分かってない顔だ。

 

「兎に角、エロから離れて!まともな思考回路を身に付けよう?」

 

「はい!」

 

返事だけは良いよね。

 

「はい、じゃあこれ、バレンタインのお返しのお菓子ね」

 

「ありがとうございます」

 

軽く頭を下げて礼を言う大淀。美人だなあ。美人なんだけどなあ!!

 

「こちらのお菓子には提督の精液が入っていたりとか」

 

「しないよ!」

 




川内
隠形で旅人の近くに潜んでいる。

夕立
エロの匂いを嗅ぎつけて止めに来た。

大淀
ガンギマリ。旅人大好き。

旅人
グイグイ来る艦娘もしっかり受け止める人間の鑑。

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