旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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かたわの女の子すこ。

特殊性癖を抱えながらも元気に生きているので、作者は正常です。

活動報告も見てね。


261話 未来へダイブ その3

「次の艦娘は、と」

 

死んだ魚のような目で明石を見つめる俺。

 

「あら?提督、テンション低めですね」

 

そりゃそうもなるよ。

 

「うう、ああ、キリングミーソフトリー、キリングミーソフトリー……」

 

優しく殺してー、優しく殺してー。

 

「弱音を吐かないで下さい」

 

いや、弱音も吐くわ。

 

「さあ、次は那珂ちゃんさんですよ」

 

「艦隊のアイドル!行くよー!」

 

「アイドルが妊娠とか良くないんじゃないですかね」

 

「え?えーと、那珂ちゃんはそういうのもアリだと思うよ?!いずれは子供ができるのもおかしくないなー、って!」

 

「いやアイドルでしょ那珂は。子供とか良くないんじゃ」

 

「い、引退後の計画もー」

 

「生涯現役とか言ってなかったっけ」

 

「えーと、えーと、兎に角良いでしょ?!那珂ちゃんも自分の子供の顔が見たいのー!!」

 

しょーがねーなー!!!

 

「分かった、分かった」

 

「分かってくれた?」

 

分からないということが分かった(無知の知)。

 

「じゃあ、やってみよう!」

 

「はいはい」

 

「「フルダイブ!!」」

 

 

 

《遺伝情報認証、フルダイブ》

 

 

 

×××××××××××××××

 

さて、那珂ちゃんの子供は、と。

 

 

 

 

「俺の歌を聴けえええええ!!!!」

 

なーーーーーんだこの熱気バサラ的なのは?!!!

 

十代半ば程の見てくれに、奇抜な茶色の長髪に白のエクステ、細身だが長身でしっかりと鍛えられた筋肉、赤縁のキャッツアイサングラス、ノースリーブのオレンジのコート、腕にはトライバルの刺青、ダメージジーンズにジャラジャラの鎖とアクセサリー……。

 

「キャラが濃いんだよテメー!!!」

 

「っと、何だよ親父!俺の歌に文句でもあるのか?」

 

「大有りだボケナスがッ!!!」

 

文句ねー訳ねーだろアホが!!!

 

「何だその髪型は」

 

「ロックだろ?」

 

は?殺すぞ?

 

「服装」

 

「カッコいいだろ?」

 

マジで殺すぞ?

 

「んで刺青」

 

「母さんは反対したっけな」

 

総評、殺す。

 

「◯◯ちゃん!」

 

「那珂ちゃんェァ!!何とか言ってやってくれェィ!!!」

 

「良い歌だね!!」

 

んんーん。

 

「お前、それで良いのか?」

 

「え?那珂ちゃんは満足だよ?」

 

「だってこの、パンクでロックな……」

 

「俺はスターだぜ!!」

 

「黙れボケ」

 

「カッコいいよー!」

 

あんれェ?!那珂ちゃんさん?!!

 

「母さんが艦隊のアイドルなら、俺はスターだぜ!!輝く星になるんだ!!」

 

何言ってんのこいつ?

 

「ちょっと不良っぽいけど、こんなに良い歌を歌える子が悪い子な訳ないよー!」

 

那珂ちゃん、判断基準が良くないよ!!

 

「でも、これ、こいつ」

 

「提督、良い?歌は心の写し身なんだよ!真っ直ぐな心じゃないと、真っ直ぐな歌は歌えないの」

 

「流石だぜ母さん!!その通りだ!!」

 

五月蝿え!ギター弾くな!!

 

「母さんは凄えよ、歌もダンスも一流で、人々の心を魅了する良いパフォーマンスが出来る!俺の尊敬する人だぜ!!」

 

感極まった、と言った様子でギターを掻き鳴らす息子カッコカリ。

 

疲れる。

 

疲れるぞこいつ相手にすんの。

 

「パパは?」

 

「いや、親父は別に」

 

んでムカつくゥ。

 

「親父の音楽には心が籠ってねえ!!」

 

まーたなんか知らんけど子供に説教されてる。

 

「確かに技術は一流だが、それだけだ!音楽はハートだぜ!!」

 

「うんまあ、余計なお世話だよね」

 

「俺が手本を見せてやる!!俺の歌を聴けえええええ!!!!」

 

……まあ、聴いてやるか。

 

………………。

 

あ、上手いなこれ、上手いぞ、俺より上手い。

 

「……どうだ?」

 

「認めるよ、上手い」

 

「だろ!」

 

でもムカつくなー。

 

「お前、好きなバンドは?」

 

「んー?何でも聴くけど……、特に好きなのはクイーン、メタリカ、ローリングストーンズ、レッドツェッペリンとかかな」

 

うーん、俺の好みと一致している。

 

これが血筋か。

 

「ジミヘンは?」

 

「好きだ」

 

うーん血筋。

 

 

 

《ダイブ終了》

 

 

 

×××××××××××××××

 

「つらい」

 

「元気出して下さい提督!」

 

「すごくつらい」

 

「大丈夫ですよ!」

 

何が?

 

「では次行きましょう!」

 

「もうやめて」

 

「予約が詰まってますからね!ほら、急いで!」

 

「堪忍して」

 

「またまたぁ、提督も可愛い子供に会えて嬉しいですよね!嬉しい筈です!さあ行きましょう!」

 

 

 

《遺伝情報確認、フルダイブ》

 

 

 

×××××××××××××××

 

「◯◯は大人のレディよ!」

 

「明石ィィィ!!!出てこおおおおい!!!説教だああああ!!!!」

 

ふざけんな、これ、マジ、ふざけんなよ!!

 

「?、どうしたのパパ?」

 

六歳くらいの見た目の藍色の髪をした少女。

 

間違いなく、これは……。

 

「◯◯!ママよー!」

 

「あっ!ママー!」

 

暁の子だ!!!

 

「うおおふざけんなーーー!暁と子作りなんてしねーぞーーー!!!」

 

「ど、どうしたの司令官?嫌なことでもあった?」

 

現在進行形で嫌なことが起きてる!!

 

「……はっ?!いけないいけない、◯◯は大人のレディなんだから!」

 

「ふふ、◯◯は可愛いわねー」

 

ふざけんな……、マジふざけんな……。

 

こんな未来あってたまるか!!

 

「暁、子供なんて作らないからな」

 

「えー?こんなに可愛いのに」

 

そう言う問題じゃねーよ。

 

「ママー、◯◯もママみたいな大人のレディになりたいの!どうすれば良いの?」

 

「ええ?!えーと、うーんと、それはね……、あ、そうだ!ママみたいに素敵な旦那様を見つけると良いわ!!」

 

「そっかー、旦那様かー」

 

「そうよね司令官!」

 

「んあ、あ、そうだね」

 

「パパもそう言うならきっと間違いないわね!よーし!私もカッコいい旦那様を見つけるぞー!」

 

こんな、こんな未来は、未来は……。

 

「ねえねえ、◯◯、ママのこと、好き?」

 

「うん!ママのこと、大好きよ!私の憧れの大人のレディなんだから!」

 

「本当は?」

 

「……アイオワママとかサラママとかリシュリューママの方が、大っきくてかっこいいと思う」

 

「がーん」

 

「で、でもでも、暁ママも大好きよ!なんて言ったって、私を産んでくれた人だもの!!」

 

「うう、良いのよ、暁はレディとしてまだまだよ……」

 

「お、落ち込まないでよママ!」

 

茶番だ、こんなものは。

 

「じゃあ、パパのことは好き?」

 

「パパも大好きよ!」

 

抱きついてくる娘。

 

ぐうう、おおお!

 

お前は、お前は存在してはいけないのだ!

 

でも可愛い。

 

「パパはいつもどこかに行っちゃうから、あんまり会えないけど、私のことをとっても愛してくれるもの!」

 

うああ!ぐああ!!

 

え?

 

何これ?

 

だって暁だよ?

 

俺の娘的なポジションの子よ?

 

子供に子供を産ませるみたいな……。

 

完全に児童ポルノ。

 

え?

 

……抱くの?

 

……暁を?

 

……暁とセッ◯スするの?

 

あり得ないだろ、そりゃ。

 

流石にやって良いことと悪いことがある。

 

越えちゃいけないラインってもんを考えろ?

 

「それに、パパはとってもカッコいいし!私もパパみたいなカッコいい人と結婚する!」

 

ははは、そうか。

 

そうか。

 

ありがとなー。

 

 

 

《ダイブ終了》

 

 

 

×××××××××××××××

 

……ぐはぁ!!!

 

「ああっ、提督!何故いきなり吐血を?!」

 

「ぐ、う、明石ィィィ!!!越えちゃいけないラインを考えろォォォ!!!」

 

「越えちゃいけないラインなんてスタートラインみたいなもんです」

 

言い切った?!

 

「もう勘弁してくれ」

 

「またまた〜、まだまだ元気そうじゃないですか!」

 

どの辺が?

 

「次行きましょうねー」

 

勘弁してくれよ……。

 




那珂ちゃんさん
歌エネルギー。


オルフェンズとは無関係。

旅人
「正直、今までで一番キツイ」と述べている。

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