旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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思い付き集の方、大魔導師ルートは大体こんなもん。次は機械神ルート行きたい。

グラブルではサラちゃん好きです。イく時にグラフォス出すな。


266話 未来へダイブ その8

「誰かなー?次は誰かなー?」

 

「明石、バラエティ番組のノリでやっても俺は辛いぞ」

 

「じゃかじゃん!嵐ちゃんです!」

 

「よろしくな!司令!」

 

だーかーらー。

 

「駆逐艦じゃん。ロリじゃん。駄目じゃん」

 

「まあまあ!」

 

「いくぜ!せーの!」

 

はいはい、せーの。

 

「「フルダイブ!!」」

 

 

 

《遺伝情報確認、フルダイブ》

 

 

 

×××××××××××××××

 

「おっ、父さん、母さん」

 

現れたのは、男装の女。

 

十代後半。身長は170後半くらいだろうか。赤の髪を適当な長さに切り揃え、ピンで留めてある。キリッとした眉はまるで男のようだ。

 

服装も、カーゴパンツにノースリーブのシャツ、そしてバックパックと、旅人の装いだ。

 

「君は……、何をやってるの?」

 

「んー?冒険家、かな」

 

「冒険家……?」

 

聞くついでに胸に触る。

 

「サラシか」

 

「あ、あのな、いくら男装してるとは言え、俺は女だぜ?いきなり胸を触るか普通?」

 

「娘だし、良いかなーって」

 

「良くないわッ!」

 

「どげふん」

 

殴られた。

 

「こらこら、喧嘩するなよー」

 

にこやかな笑顔を見せる嵐。

 

「つーか、何で男装してんの?」

 

「んー、冒険の途中、女だと、変なのに付きまとわれたり、女だからって舐められたり、兎に角不都合があったからな」

 

まあ、なあ。

 

女で旅はキツいんじゃない?

 

「中東とかでは車の運転もできやしないからな」

 

確か、あっちでは、女性は車の運転を禁じられているとか。

 

「そもそも、何故に冒険家?」

 

「うん?そりゃ、旅をする父さんの背中を見て育ったからじゃね?」

 

え?俺のせい?

 

「旅をする父さんの横顔、本当に楽しそうだったから……、俺も真似したいと思って」

 

「成る程な、確かに、旅してる司令は嬉しそうだ」

 

そりゃあ、ねえ。

 

旅は生き甲斐だ、人生そのものだ。

 

「じゃあ旅人で良いじゃん」

 

「んー、父さんと全く同じってのも芸がないし、どちらかと言うと俺は、人がいないところの方に多く行くから、冒険家が正しいかなって」

 

ふーん。

 

そうかい、そうかい。

 

「なあなあ!」

 

おっ、どうした嵐。嵐が娘カッコカリに尋ねる。

 

「お前、俺のこと好きか?」

 

「へ?そりゃ、好きだぜ?」

 

「そっか!」

 

嬉しそうな嵐。

 

「母さんには正義の心得を教わったからな!俺はどこでも正義を貫いてるぜ!」

 

「司令!可愛いぞこいつ!」

 

ポンポンと娘カッコカリの背中を叩く嵐。頭を撫でようにも届かないんだな。娘カッコカリの方が身長が高い。

 

「そ、そう?良かったね」

 

「じゃあ、司令のことは好きか?」

 

「もちろん、大好きだ!父さんは俺の目標だからな!」

 

そう、か。

 

「カッコよくて、強くて、賢くて、自慢の父親なんだ!」

 

んんーん。

 

重いなー。

 

「俺はそんな凄い存在じゃない」

 

「俺にとっては凄い存在さ、尊敬してる」

 

「煽てるなよ」

 

「本心さ、あんたより凄い旅人には会ったことがない」

 

うーん。

 

「そうか、なら、良いさ。ただ、怪我とかしないようにな」

 

「ああ!」

 

 

 

《ダイブ終了》

 

 

 

×××××××××××××××

 

「おおー、中々楽しいじゃねえか!」

 

「俺は何一つ楽しくないけど」

 

「そ、そうなのか?!司令は楽しくなかったのか?」

 

「まあ見たくないもの延々と見せられてる訳だしね」

 

「そっか……、ごめんな。俺、司令との子供が見られるって聞いて凄く嬉しくてさ。でも、司令の気持ち、考えてなかったみたいだ。本当にごめん……」

 

ああっ、あー、いやー。

 

「い、いや、嵐は悪くないさ。俺も少しは楽しめたし!気に病まないでくれ!」

 

「そ、そうか?なら、良いんだが」

 

純真な嵐に酷いことは言えない。

 

ただ、これをセッティングした明石。

 

君は許さないからな?

 

さあ、次だ。

 

 

 

《遺伝情報確認、フルダイブ》

 

 

 

×××××××××××××××

 

「萩風か……」

 

手を振る萩風。

 

そして、その隣にコーヒーを啜る青年。

 

こいつか。

 

歳の頃は十代後半。まず目につくのはソフト帽。それにトレンチコート。顔はキリッとしていて大人っぽい。

 

ってか、こりゃ、なんだ。

 

あからさまに……。

 

「探偵?」

 

「そうだ。新台探偵事務所所長、◯◯だ」

 

ハードボイルドな感じで笑う息子カッコカリ。

 

ほーん。

 

探偵か。俺も探偵やっていた頃があったぞ。読心できるからトリックもクソも無かったが。まあ、依頼は殆ど浮気調査とか猫探しとかだったがね。

 

殺人とかそう言う面白いのは江戸川君とか金田一君とか弥子ちゃんが解決してた。ドーパント関係は左君が。

 

「ええと、確認するけど、息子?」

 

「フッ、息子の顔を忘れたか親父」

 

「うんまあ、忘れたいよね」

 

とても十代後半には見えないハードボイルドさ。若造の分際で……。

 

あ、煙草吸ってやがる。

 

「……ふぅ」

 

「!、駄目よ!健康に悪いわ!」

 

が、萩風に取り上げられる。

 

「ああ、お袋がいたか……。参った、お袋の前じゃ一服できないな。まあ、たまの禁煙も悪くない、か」

 

ニヤリと笑う息子カッコカリ。

 

なんだこいつ、ハードボイルドだぞ。

 

「趣味は?」

 

「特に無いが、煙草と酒くらいか。……まあ、お袋には叱られちまうが」

 

「駄目ですよ、身体は大事にしないと!」

 

あー、萩風は俺にも、飲酒を止めようとしてくるからなー。

 

居酒屋鳳翔に現れては、飲んだくれ勢にお叱りの言葉を浴びせてくるから。

 

まあ、飲み過ぎる方が悪いんで何にも言えねえが。

 

「で?本当のところは?」

 

「……はぁ、俺は探偵だからな、嘘をつくのは専門外、か。……推理小説集めと日記さ」

 

あらかわいい。

 

「推理小説は実際の推理に役立つかと思って集めてみたら、のめり込んでしまった、と言うところか。日記は、あんたが書いているのを見て真似るようになった」

 

「尊敬する人は?」

 

「シャーロック・ホームズ、エルキュール・ポワロ、オーギュスト・デュパン、ネロ・ウルフ、ミス・マープル……、それと師匠達かね」

 

名探偵か。

 

「好きな酒は?」

 

「バーボンだな」

 

これまた狙いすましたかのようにハードボイルドォ。

 

因みに煙草はラッキーストライクだった。

 

俺?俺は基本吸わないよ?煙草臭いと女の子に嫌われるし。臭いとか言われたら立ち直れない。心が折れる。どうしてもって時は葉巻とか水煙草。

 

艦娘も基本的に吸わないみたいだが、煙草の匂いがする女の子もセクシーだと零したら何人か吸ってみた子もいるみたいだけど。

 

扶桑辺りがキセルを吸う姿は中々様になっていて良かった。

 

「……女の前で、他の女のことを考えるのはやめたらどうだ?」

 

「ん?読めるのか」

 

心を。

 

「心理学<80>だ、大体は分かる」

 

「そうか」

 

技能を引き継いだか。

 

「誰から教わった?」

 

「フッ、忘れたのか?あんただよ、親父」

 

俺かぁ。

 

自分の息子にスキルを教える羽目になるのか。うわ嫌だなめんどくせえ。

 

「推理は金田一さんと工藤さん、交渉は桂木さん、その他諸々はあんたと左さんから教わったのさ。つまりあんたは俺の師匠の一人って訳さ」

 

おー、すげえなそりゃ。ハイブリッド名探偵だ。

 

「探偵事務所はどこにある?」

 

「サンフランシスコだ」

 

「……マルタの鷹か」

 

「……はて、何のことやら」

 

こいつ……、ただの推理小説オタクの可能性が……?

 

 

 

《ダイブ終了》

 

 

 

×××××××××××××××

 

「何だあいつ」

 

「どうしました、提督」

 

「明石、君はこれから説教だからな」

 

「何故?!」

 





正義。

萩風
健康。

旅人
探偵の経験あり。

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