遠い、果てしなく遠い。目標は全艦娘の登場。無理そうか……?
次回からまた長編の旅行編。冗長にならないよう気をつけます。
何だろうか。
今日は朝から騒々しいな。
忙しい忙しいと呟きながら、あちこちを行ったり来たりする鳳翔に声をかける。
「どうしたの、そんなに慌てて」
「何を言ってるんですか!今日はパーティですよ?!」
パーティ?
……何の?
「すまない、思いつかないな、何のパーティだ?」
「そんなの決まってます!」
何だ?
「旦那様のお誕生日です!!!」
あ?
あー。
もうそんな時期か。
子供の頃ならまだしも、大人になると自分の誕生日とかどうでもよくなるよね。
むしろ、誰も祝ってくれない訳だし、また一つ無駄に歳をとってしまった、みたいな後悔が……、とか皆んな言う。
うち?
うちはそんなことないぞー?
皆んなの誕生日……、一応進水日を誕生日と暫定的に割り当てて祝ってるんだけどね。
皆んなの誕生日はしっかり祝ってるぞー。
守子ちゃんの誕生日も聞き出して祝った。
妹の誕生日もプレゼントとケーキを送りつけた。
まあ、と言う訳で、黒井鎮守府は毎日のように誕生日パーティやら何やらで賑やかだ。
「にしても、俺の誕生日か。別に祝わなくても良いのに」
「何を仰るのですか!旦那様のご誕生日ほど重要な行事はありませんよ!」
いや、もっとこう、色々あるだろ。
謝肉祭とかクリスマスとかさ。
俺の誕生日なんて全然特別な日じゃねえよ。
大体にして何回めだと思ってるんだ?
……それに、あらゆる世界を行き来した俺は、自分の年齢が曖昧だ。本当に今日歳をとる事になるのか、分からない。
そもそも、今現在の年齢も謎。
この世界での誕生日を参照すれば、三、四十ごにょごにょ歳くらいだが、こことは時間軸が違うノースティリスやロスリック、その他諸々の別世界で何十年も過ごした記憶がある。
それを加味すれば◾︎◾︎◾︎歳くらいは……。
でもまだ死神来てないし……。
とかなんとか考えてると。
「それでは、私はパーティの準備がありますから」
鳳翔はパタパタと駆け出して行った。
「うーむ」
ま、良いか、と。
思考を手放す。
まあほら、祝われる分には良いじゃんか。
何も問題はないし。
「お誕生日おめでとうございます、プレゼントに子供を作りましょう」
「待て待て待て」
問題あったわ。
「取り敢えず飲んで下さい。飲んで意識を失って下さい」
「何する気だ」
「レイプさせていただきます」
「言うねえ」
え?何これ、祝われてるよね?
俺、祝われてるよね?
「これって俺、祝われてるの?」
「もちろんです」
「でもレイプされんの?」
「だからこそレイプします」
あっはっは、訳分かんなーい。
「子宝に恵まれれば誰だって嬉しいものでしょう」
「俺の気持ち考えようか?」
「気持ち良くしますよ?」
そうじゃなーい。
「物理的に気持ち良くしてどうするよ。精神の話だ」
「?、提督は私を抱きたくないので?」
「そんなことないよー、抱きたいよー、許されるなら今すぐシルクのベッドで朝まで愛し合いたいよー、でもね、そうじゃないんだよ大淀ー」
「?、私は無茶苦茶に乱暴してもらう方が好きですね」
「うん、俺は君の性癖の話をした覚えはないね」
「無理矢理にされる方が、強く求めていただけていると感じ、より気分が高まります」
だからね?だからね?
「あの、これ、大丈夫?日本語通じてる?」
「はい」
「それで、ね?話を変えるけどさ」
「もう既に濡れているので前戯は要りませんよ?」
「話を!変える!けどさ!」
こぉんの野郎!
「こんなに盛大に祝ってくれて嬉しいよ、ありがとう」
「いえ、他でもない提督のお誕生日ですから」
我らが黒井鎮守府のテンションは「お?ナザリックかな?」って感じ。
つまりいつでも絶好調。
お願いだから敵対者を殺すのはやめてくれよ。
「それでも、本当に嬉しいさ。……俺、親もアレだし、旅人だし、誰かに誕生日をしっかりと祝ってもらったのなんて子供の頃くらいでさ」
「提督……」
ほろり、と涙をこぼす大淀。
「この歳になってこんな風に祝ってもらえるのは、中々ないよ。だから、ありがとう」
「……そのように喜んでいただけて、こちらも喜ばしいです」
感謝するぜ、君達と出会えたこれまでの全てに。
「で、『かんむすみんなひとりじめっ!〜俺専用の孕ませオナホ〜』計画の話に戻りますが」
「なにその頭悪いエロゲみたいな」
seal臭。
「いえ、今回の提督のお誕生日の際に立てた計画です」
「そんな馬鹿みたいな計画立てちゃったの?」
「頭を捻りました」
もっと別のところに脳みそ使おう?
「さあ、どんどん飲んで下さいね。そしてR18展開に持っていきましょう」
「これ以上エロいことすると運営になんて言われるか」
「よくわかりませんが彼岸島とかではしょっちゅうそう言う描写ありますし大丈夫でしょう」
まあ、青年誌レベルなら許されそうではあるが。
「取り敢えず台本を用意しました」
どれどれ。
『おい、メス犬!こんなに乳首を固くして何を考えているんだ?』
《乳首を抓る》
『あっ❤︎すみません提督❤︎』
『ご主人様だろ、メス犬が!』
《殴る》
『んああっ❤︎ご主人様ぁ❤︎』
『ここもこんなに濡らして……、この淫乱め!』
《下半身を触る》
『はいっ!大淀は淫乱なご主人様専用の肉便器ですぅ❤︎』
《ここで無理矢理挿入》
『使ってやるからありがたく思えよ、メス犬!!』
『ありがとうございますぅ❤︎』
『この薄汚いメス犬が!オナホま◯こ使ってやるだけありがたいと思えっ!!』
『ああっ、ご主人様ぁ❤︎ご主人様ぁ❤︎』
………………。
「大淀、正気か?」
「至って正気です」
なんだ、これは、なんだ。
なん、なんだ。
「俺はこんな酷いこと言わないよ」
飛影はそんなこと言わない。
「是非お願いします」
「絶対にこんな酷い言い草はしない」
「いや、もう、フリだけでいいんで。頼みますから一回やって下さい」
「何が嬉しくて君らの奇特な変態プレイに付き合わなきゃならないんだ!」
「お願いしますご主人様」
「誰がご主人様だッ!!!」
あれ?おかしいな、俺これ、誕生日だよな?
祝われてんだよな?
「秋雲ちゃん監修のイメージプレイ台本が艦娘の人数分ちゃんと用意されてるんですよ?!」
「なんでそんなことしちゃったの?!」
「提督のプレゼントに……」
「ごめん要らない」
「ですが、通常のセッ◯スでは得られない快感を……」
「要らないから」
「そう、ですか……。ではこの台本は勿体無いので秋雲ちゃんにエロ同人誌にしてもらいましょう」
「なんでそうなる」
「この私のエロ妄想が全国に広がると思うと、興奮しますね!」
「はぁー」
大淀は本当にアレだな。
アレ、アレ……、ああ、酒で思考回路がまとまんねえ。
実はさっきから神便鬼毒酒を飲まされていた俺。
「ああ、そろそろ朦朧としてきましたか?では脱がせますね」
「あ、おい、やめろ」
あー。
脱がされた。
全裸にされた。
まただよ(笑)。
あー、ふらふらする。
あー。
あ、なんか下半身触られてんな。
………………。
いや、駄目でしょ?
「こら、触んな」
「では咥えましょうか?」
よく見れば周りに艦娘達が。
囲まれてる?
あれ?
俺これ、今から輪姦される?
「駄目だ駄目だ!散れ!」
「遠慮なさらずに」
更に酒を飲ませてくる大淀。
「ごくっ、ごくっ、ぷはっ」
あー?
うー?
あ痛。
「齧ったな?」
「美味しいです!」
赤城に齧られた。
傷口を舐められてる。
「ぐ、やめろ」
逃げなくては。
しかし後ろから……、恐らくは戦艦だろう。物凄い力で押さえつけられる。
「まあ座れよ、提督」
やべえ、意識、が………………。
……「わあ、相変わらず沢山出ますねえ」
……「デカイな、こんなものが本当に挿入るのだろうか」
……「栗の花のような匂いって言う例えも分かりませんね。言うなれば男の匂いですかね」
……「骨も美味しいです」
……「新しいナノマシン入れましょうか」
……「僕達の血を輸血するよ。ああ、ああ、提督の血が僕達の血と混ざり合って……❤︎」
旅人
誕生日は7/21。