あー。
「旅に出てぇ……」
旅に、出てぇなぁ……。
「しょうがないですねぇ」
大淀!
「二泊三日までですよ」
「やったぁぁぁぁぁ!!!!」
「あと、艦娘も何人か連れて行って下さい」
「ぁぁぁあああああ?!!!!」
なっんっでっだぁぁぁぁぁ!!!!
「ヤダー!一人旅が良いーーー!!」
「そうですね、艦娘達の慰安旅行を兼ねて、何組かに分かれて旅行しましょうか」
「ヤダーーー!!」
「まあ、修学旅行みたいなものです。夏で旅行シーズンでありますしね。提督には引率をお願いしますね」
「くぁwせdrftgyふじこlp!!!!」
駄々をこねる。
とても◾︎◾︎歳の成人男性とは思えない醜態を晒す。
「お願いしますね」
「やだぁ……。やだよう……」
「お願いしますね」
「ヤダーーーーー!!やだもん!!一人旅するもん!!」
「お願いしますね」
「ゴリ押さないでぇ?!」
「ああ、いえ、提督は好きに行動して良いですよ。私達はそれについて行くだけなので」
言ったなこの野郎!!!
「連れてきゃ良いんだろ!!!(オルガ並感)」
転移!!!
……あれ?
「何だこの、腕輪は」
「転移防止装備です」
外れ、ねえ?!呪われてる?!いや、堕落してる!!!
くそぅ、くそぅ!
ラスベガスでストリップ観ながらがぶがぶ酒飲んで、パリでキャバレー観ながらがぶがぶ酒飲んで、バンコクでゴーゴーバー観ながらがぶがぶ酒飲んで風俗巡りする計画がおじゃんだぁぁぁぁぁ!!!!
ドイツやネバダのFKKとかぁぁぁ!!!オランダで若い娘抱いたりとかぁぁぁ!!!
ああああああああ!!!!!
酒、ギャンブル、セッ◯ス三点揃ってこそ人生なのではないだろうか?
おかしいな、これ、何でだ?
人生返して。
「はぁー、しゃあない。これを機にプライベートジェットでも買うかー」
「そんなお金はどこから……、いえ、そう言えば黒井鎮守府の年商は◾︎◾︎◾︎◾︎億円……。プライベートジェットの一機や二機、買い付けることも可能ですね」
一部上場企業並に稼いでる。
深海棲艦の出現によって死んだ海上貿易の利権の多くを握ったからな。
こんだけ稼いでると大本営も怖くねえ。お国も黙り込むぜェ。
「鎮守府の活動資金って名目で溜まってる金も、使い所がないしな」
工廠組の活動だったり、食費や光熱費、艦娘達の給料だったりに使われているが、それでも余る。
と言う訳で鎮守府の活動資金から数百億するビジネスジェットを購入。
そして届いたジェット機を(頼んでいないが)工廠組が改造して。
「さて、行くか」
「……いや、ちょっと待って下さい。ジェット機の操縦は」
「俺がやる」
「その片手の酒瓶は」
「タンカレー」
美味しい。
「……まあ、良いでしょう」
良いのか。
まあ、まさか誰もジンを飲みながら航空機を運転するとは思うまい。
それじゃあ、行くか。
わいわいと集まった複数人の艦娘達が魔改造ジェット機に乗り込む。
何十人も。
はは、これじゃツアーだ。
ははははは。
はぁ。
因みに、行き先はハワイだ。駆逐艦がいるのにベガスやメキシコなんて行けない。
いや、並の誘拐犯やロリコン野郎なら簡単に撃退できるだろうけど、ああ言う都市に子供を連れて行く訳にはいかない。
それに、ロンドンやパリで芸術鑑賞って訳にもいかないだろ。
お子様達は大人しくワイキキビーチで水遊びでもしてろってことさHAHAHA。
そのお子様達の引率が俺なんですけどね。
畜生が。
《はーい、皆んなシートベルトは締めたかなー?》
アナウンスを流す。
「「「「はーい!!」」」」
んー、良いお返事。
《いや本当はね、ベガスとかに行きたかったんだけどね……。君らいるからハワイになったよ。まあ、ハワイも悪くはないから、楽しんでくると良いよ》
「「「「はい」」」」
はいじゃないが。
《あらかじめ言っておくけど、知らない人には着いていかない、チップを忘れない、耳に硬貨を入れない、俺がナンパをしても許すとか、色々なことをしっかりと守るように》
「「「「は?」」」」
は?じゃないが。
《では出発します》
「「「「わーい!」」」」
「ねえねえ司令官!運転するとこ見てて良い?」
「ああ、構わないが」
やぐされた俺の元に舞い降りた天使の名は雷。
可愛い可愛いMy sweet honeyだ。
「何飲んでるの?」
「タンカレー」
「ちょっとちょうだいね……、ってこれお酒じゃない!駄目よ!」
あー、取り上げられた。
しゃあない、音楽でも流すか。
今回は、と。
レッドツェッペリンの気分だ。
「ろんりろんりろんりー!!!」
「上手ね、司令官!」
いつのまにか隣に座っていた雷。
「運転なんか見てて楽しいか?」
「ええ、とっても!」
そうかい。
「にしてもハワイね。少々刺激が足りなくて俺は悲しいよ」
「そうなの?でも、色々なものがあるのよ、アメリカって!」
知ってるよ、嫌ってほど旅したから。
「鉄砲も撃てるのよ!」
「撃ちたかったなら、うちで撃てば……、ってか、大砲ぶっ放してんのに鉄砲如き……」
「後ね、海が綺麗!」
「日本の海だって悪くないだろ」
「むー」
少しむくれる雷。
「分かった分かった、悪かったよ」
頭を撫でてやる。
「さあ着いた」
「むにゃ、おはよう司令官!」
隣で寝ていた雷を起こす。
さあ、行こうか。
「暑いわ……!」
そうか?こんなもんだろ。
無事入国審査を抜けてと。
ホテルに荷物を預けて……。
……荷物を預けるとか、普段やらないからな。ホテルとかも予約しないで適当な安宿に泊まるし。
さて。
「さあ、好きに遊んでこーい。悪いことは極力するなよー」
「「「「はーい!!!」」」」
「はい解散」
解散宣言とともに俺は装備変更。
水着に赤のアロハシャツと言うワイキキ装備に。
そのまま海へ。
「ィィィイヤッホォォォォォ!!!!」
アイテム欄からサーフボードを取り出し、波に乗る……!!
旅に出れなかったストレスからか、俺の波乗りは荒々しかった。
『あ、あんた、名の知られたサーファーなんだろ?なんて呼ばれてたんだい?』
その凄まじい波乗りっぷりから、現地民に尋ねられる。
『……カリフォルニアドリーム』
俺がカッコ良く答える。
「おー、凄え!俺もっ!」
天龍か……。
チッ、これでナンパできなくなったな。
だが諦めない。
サーフィンに夢中になっている天龍を放置して、ビーチへ。
おっ、あの子可愛い、声かけよう。
『やあ、お嬢さん』
『こんにちは、お兄さん』
『観光かい?』
『ええ、北米から』
『良いね、素敵だ』
『口説いてるの?』
『さあ、どうかな?』
距離を詰める。
『でも、あー、彼女さんが怒ってるわよ』
「え?」
「うふふ、提督ー?」
龍田、貴様……!!
『貴方とってもハンサムだけど、浮気は良くないと思うわ。じゃあね』
「あっ、待っ」
「何を、やっているんですかー?」
「チッ、ナンパだよ」
「私が許すとでもー?」
うるさいな、何でナンパするのに許可取らなきゃならない。
「それ逃げろっ!」
「うふふ、待ちなさいー!」
『おいおい、お嬢さん、44マグナムを片手で撃てると思ってんのか?やめときな、両手で持つんだ』
「このおじさんなんて言ってるの響?」
「銃を片手で撃つな、だってさ」
「なーんだ、大丈夫よ!暁はもっと重い主砲を撃ったことあるんだから!」
『馬鹿、おまっ、いや、ブレてねえ?!』
「へー、意外と当てられるものだね」
「当たり前よ!いつもは動く的に撃ってるんだから、止まった的に当てられないなんてことはないわ!」
『しかも中央に命中だと?!お嬢さん何者だ?!』
「……なんて?」
「あれだね、暁が思いの外ちゃんと当てたからびっくりしてるみたいだ」
「何よー!失礼しちゃうんだから!」
「私も撃ってみようか。えい」
『あ、あり得ねえ!こんな子供が片手で12ゲージを?!』
ガンクラブでは暁と響がおじさんや観光客の度肝を抜いていた。
「こらこら」
「あ、司令官!」
「司令官も撃ってみてよ」
……まあ、良いけど。
「おらよ」
ばんばんと銃声がなる。
「「……あれ?」」
勿論、一発も当たらない。
「言ってなかったっけ。俺、銃器スキルは持ってない」
戦術スキルもだ。
「いや、これはちょっと……」
「なんでもできるとばかり思ってたけど」
そんなこと言われてもね。
『なんでぇ、お嬢さん達は凄えのに、こっちの兄ちゃんはてんで大したことねえ』
うるさいな、余計なお世話だよ。
俺はエレガントでスマートなナイスガイだから銃なんて野蛮なものは使わないのだ。
「んー、良いねえ」
ハワイのストリップからこんにちはー!旅人でち!
夜だからねちかたないね。
「うう、提督〜!」
どうした阿武隈、そんなに赤くなって。
「何でこんなところに〜!」
こんなところ、ってのは酷いな。
「趣味だが?」
「うう〜、提督は変態さんですぅ〜!」
はぁ?
ストリップくらい好きに行かせてくれよ。
『やあ、君のダンス、最高にセクシーだね』
『チップありがとう、お兄さん!』
パンツの紐にドル札を突っ込んでやる。
「うわわ、えっちです……」
「んで、何の用だ阿武隈」
何で着いてきたの?
「提督が変な女の人に連れて行かれないか見張ろうと思って」
「なら安心しろ、アメリカではネバダ州以外じゃ売春は違法だ」
「そう、なんですか?」
まあ、それで俺が合法的な風俗だけを利用しているとは一言も言ってないし、そもそもナンパするんだけど。
違法な売春もやった。
まあ、言わなきゃバレないからヘーキヘーキ。
「さあ、後は寝るだけか」
いつもの旅とは違い、それなりに上等なホテルだ。
なんなら最上級のホテルでも良かったが……、そういうところはマナーに厳しいからな。
はぁー、あーあ、一人旅なら今頃美女と一緒に気持ちいいことできたのになぁ。
まあ、良いか。
来てしまったものは仕方ない。
寝よう。
そして楽しもう。
軽巡
概ね楽しんでいる。
駆逐
ノリノリ。
旅人
疲労。