評価も感想もありがたいんだよなぁ。
まだまだ終わらない、黒井鎮守府修学旅行。
次の行き先は白露型と重巡でローマだ。
ローマ!
因みに俺は異世界でハンニバル・バルカに会ったことがある。
ボケてた。
先日買った黒井鎮守府専用飛行機の中にて。
「ローマ!凄いわね、素敵な場所よ!お洒落な私達にはピッタリよね!」
いつのまにか隣にいた足柄が話しかけてくる。
俺はまたもやロックを流しつつ、ご機嫌で飛行機を飛ばす。
「うぃあおふとぅねばぁねばーらんど!!!」
今日はメタリカの気分だ。
「提督もテンション上がってきたのね?」
「いや別に」
イタリアには一年くらいだけど滞在してたことあるし。
毎日のように美術館やら大聖堂やらを見て、見聞を広めたっけか。
お勉強、ってやつも真面目にやってみると面白いもんだ。
「何よぉ、私達と旅行よ?嫌なの?」
「出来れば一人旅がしたかったかなーって」
「もぉー、どうせ一人で旅しても、行くのはエッチなお店でしょ?」
失礼な。
俺はちゃんと芸術鑑賞もするぞ。
女体美の方が好きだがな。
「そーんなことないそんなことない。人はエロのみに生きるのにあらずよ」
俺だってエロ展開以外にも最高に愉快なアドベンチャーを楽しんだりもする。いや、むしろそっちがメインだ。
「そうかしら?」
「そうだとも」
イタリアに着いた。
「うーん、良いところね!中世みたいな街並みが素敵よ!」
「ええ、確かに素敵ですね」
「日本とは全然違う……」
「良いかー、改めて言っておくが、チップを忘れない、人殺しをしない、騒ぎを起こさない、ちゃんと守れよー」
「「「「はい!」」」」
まあ、このグループはそれなりにまとも、か?
「それじゃ、解散!」
さて、艦娘達を解散させてと。
……俺も遊んでこよう。
ん?電話だ。
『もしもし、旅人か?今どこにいる?』
『ローマだけど』
『ちょうど良かった、今、ローマに逃げ込んだ同朋達がアブスターゴに追われているらしい。援護してやってくれ』
えー。
『嫌だよ、俺、休暇中だし』
『おいおい、それはないだろ?こっちは自由と正義のために休日返上で働いてるってのに』
『知るか』
『教団に手を貸すと約束したろう?』
『そりゃ休みじゃなけりゃ喜んで手を貸すがね、あまり多くを期待するなよ。俺はアサシンじゃねえんだよ』
やだね。
『……数年前、アブスターゴの支社に強盗が入ったようだ』
『……それが?』
『アブスターゴの公式の会見では、何も盗まれていないとされているが、事実は違った。……エデンの果実。何者かが、エデンの果実の一つを奪って逃走した』
『………………』
『分かっているぞ、お前だな?』
あらバレてる。
『……さあ、何のことやら』
しらを切るか。どうせ決定的な証拠はないし。
『……あまり勝手なことをすると、教団も敵に回るぞ』
『それは脅しか?零細秘密結社』
『どうとでも取れば良いさ』
『………………』
『………………』
はぁ。
『まあ、良いさ。五分だけな』
『助かる』
さて、仕事だ。
「提督ー?」
ん。
「なんだ足柄」
「どうしたの?」
「何でもないさ、ちょっと仕事がな」
「そう?手伝う?」
「いや、大丈夫だ」
あまり巻き込みたくないのが本音だ。
艦娘の敵は深海棲艦、決して、裏から社会を支配しようとする秘密結社などではない。
「遠慮しないの!」
「聞いていたぞ。確かうちはアサシン教団とやらに手を貸していたな」
「仕事ですか」
「はい、頑張りますね」
湧いて出る妙高型。
はぁ。
「分かった分かった。皆んなもー、わがままなんだからぁ」
さて、無理矢理付いて来た妙高型諸君と、ちょっとした仕事だ。
スペイン広場にて、撤退するアサシン達の支援……。
俺も妙高型も変装済み。
さあ、あとは戦うだけだ。
……来たな。
『アサシンだ!!』
『殺せ!』
『ここだ、追え!!』
「最後に確認するけど、殺すなよ!良いな!!」
「「「「了解!!」」」」
『だ、誰だ、ぐわっ』
『ひいっ、折れっ』
『がはっ』
三十人くらいか、これならすぐだ。
「悪いね、仕事なんだ」
俺は、迅速にアブスターゴの兵隊の骨を折っていく。ただの兵隊風情、簡単に潰せる。
……これで囮にくらいはなっただろう。
あとは勝手に撤退してくれ、アサシン。
「いやー、凄かったですね、司令官」
「青葉……、見てたのか?」
アブスターゴの連中を叩き潰し、方々に散っていった妙高型。
囮の役目は果たしたと言える。
「見てましたよぉ〜、態々外国に来てまで大立ち回りとは、司令官らしいですねぇ」
「変装してたんだが」
「動きで分かります!司令官は無駄のない無駄な動きを挟みつつ、綺麗に骨を折ったりとか、治りやすい怪我をさせてますね?」
おお、分かるか。
「で、骨を砕いたりとか、毒を使ったり、刃物を使ったりするのは妙高型の皆さんですね?」
正解だ。
「いやー、凄かったです!全部はこのカメラに記録されて、あっ」
あっ、スられた。
「もー、駄目です、よっと!」
すると青葉は、人間では考えられないスピードで踏み込み、スリをした男の首根っこを捕まえる。
そしてカメラを取り返すと。
「えい」
軽い掛け声と共に一撃。
『あああぁ!!』
それだけで紙切れのように吹っ飛んでくスリ。
カラテ!ブラボー!などと言って沸き立つ現地民。
「えへへ、めるしー!」
それはフランス語な。
ここはトレヴィの泉。
後ろを向いてコインを投げると云々ってあれだ。
ここには……、お、鈴谷と熊野がいるな。
「どうだ、泉にコインは入ったか?」
「もちろん!」
「もちろんですわ!」
ほー。
「ちゃんと二枚入れたからね!」
確か、二枚だと、好きな人とずっと一緒にいられる……、とか。
相変わらず可愛いことするなぁ。
「まあ、私はよく分かってないんだけどね!ゲージュツってやつ?」
鈴谷はあまり興味がないのか?
「この辺では最大の、バロック様式の建築物だぞ、美しいだろう」
「えー、わかんなーい。バロック様式って何ー?」
「バロックってのは十七世紀頃のイタリアから始まった運動で……」
「分かんないってば、もっと分かりやすく!」
「すごく派手で綺麗なのをバロック様式って言うのよ」
「そうなんだ凄ーい!」
やったね!
……これは別に、鈴谷が馬鹿なのではない。
一般人の見識からすればこんなもんだろう。
バロック様式を凄く派手で綺麗の一言でまとめて良いのか、それはまあ、グレーゾーンだが。
「鈴谷、貴女はもっと審美眼と言うものを養うべきでしてよ?」
「そんなのどこで使うのよー」
「現に今使い所ですわよ」
まあ、ほら、俺は気にしないから。
よく世の中には女性も自立をスキルをとか言う人いるけど、俺は可愛ければそれでよしだと思ってる。
そして、ここはコロッセオ。
ここには……、お、海風がいる。
「あら、提督」
「やあ、海風!コロッセオはどうだ、古き良き文化に触れていい刺激になったか?」
「ええ」
それは重畳!
「ねえ、提督?」
「む、どうした?」
「かつての人々は、ここで殺し合いを見世物にしたのよね?」
「そうだぞ!剣闘士だな」
「へえ、面白そう。私達もやらない?」
は?
「え?」
「鎮守府内で剣を交えるのよ」
「い、いやいやいや、駄目だってば!」
何を言ってるんだこの子は。
「そうかしら?私達が戦うのを、提督が眺める……、素敵な催しだと思うのだけれど?」
「いや、私闘は……。当時の剣闘士だってな、喧嘩は禁じられていたんだぞ」
豆知識。
「大丈夫よ、私達なら腹に刃物が刺さったくらいじゃ死なないし、怪我はドックですぐ治る……。うん、そうね、やりましょう。姉さんに相談してくるわ」
「え?駄目だかんね?」
「大丈夫よ、提督を楽しませてあげる」
君達が戦っても俺は楽しくないよ?
「提督を取り合って戦い合う……、ふふ、楽しそう!他の艦娘と本気で手合わせしたかったのよね!」
まあ、そんなに戦いたいなら……。
さて、一日目は終了だ、良い感じの四つ星ホテルに泊まる。
本当は五つ星でも良かったんだがね、あんまり贅沢し過ぎるのも良くないよね。
そして不公平になるとか言う謎の理由で俺は一人部屋だ。
まあ良いさ、一人寂しく寝るもんね。
重巡
観光楽しい。
白露型
骨董品店でアーティファクトや魔道書を探していた。
旅人
昔滞在していた頃、観光名所は一通り回った。