旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

271 / 593
ランキングに載ったので。

評価も感想もありがたいんだよなぁ。


271話 黒井鎮守府修学旅行ローマ編 前編

まだまだ終わらない、黒井鎮守府修学旅行。

 

次の行き先は白露型と重巡でローマだ。

 

ローマ!

 

因みに俺は異世界でハンニバル・バルカに会ったことがある。

 

ボケてた。

 

 

 

先日買った黒井鎮守府専用飛行機の中にて。

 

「ローマ!凄いわね、素敵な場所よ!お洒落な私達にはピッタリよね!」

 

いつのまにか隣にいた足柄が話しかけてくる。

 

俺はまたもやロックを流しつつ、ご機嫌で飛行機を飛ばす。

 

「うぃあおふとぅねばぁねばーらんど!!!」

 

今日はメタリカの気分だ。

 

「提督もテンション上がってきたのね?」

 

「いや別に」

 

イタリアには一年くらいだけど滞在してたことあるし。

 

毎日のように美術館やら大聖堂やらを見て、見聞を広めたっけか。

 

お勉強、ってやつも真面目にやってみると面白いもんだ。

 

「何よぉ、私達と旅行よ?嫌なの?」

 

「出来れば一人旅がしたかったかなーって」

 

「もぉー、どうせ一人で旅しても、行くのはエッチなお店でしょ?」

 

失礼な。

 

俺はちゃんと芸術鑑賞もするぞ。

 

女体美の方が好きだがな。

 

「そーんなことないそんなことない。人はエロのみに生きるのにあらずよ」

 

俺だってエロ展開以外にも最高に愉快なアドベンチャーを楽しんだりもする。いや、むしろそっちがメインだ。

 

「そうかしら?」

 

「そうだとも」

 

 

 

イタリアに着いた。

 

「うーん、良いところね!中世みたいな街並みが素敵よ!」

 

「ええ、確かに素敵ですね」

 

「日本とは全然違う……」

 

「良いかー、改めて言っておくが、チップを忘れない、人殺しをしない、騒ぎを起こさない、ちゃんと守れよー」

 

「「「「はい!」」」」

 

まあ、このグループはそれなりにまとも、か?

 

「それじゃ、解散!」

 

さて、艦娘達を解散させてと。

 

……俺も遊んでこよう。

 

 

 

ん?電話だ。

 

『もしもし、旅人か?今どこにいる?』

 

『ローマだけど』

 

『ちょうど良かった、今、ローマに逃げ込んだ同朋達がアブスターゴに追われているらしい。援護してやってくれ』

 

えー。

 

『嫌だよ、俺、休暇中だし』

 

『おいおい、それはないだろ?こっちは自由と正義のために休日返上で働いてるってのに』

 

『知るか』

 

『教団に手を貸すと約束したろう?』

 

『そりゃ休みじゃなけりゃ喜んで手を貸すがね、あまり多くを期待するなよ。俺はアサシンじゃねえんだよ』

 

やだね。

 

『……数年前、アブスターゴの支社に強盗が入ったようだ』

 

『……それが?』

 

『アブスターゴの公式の会見では、何も盗まれていないとされているが、事実は違った。……エデンの果実。何者かが、エデンの果実の一つを奪って逃走した』

 

『………………』

 

『分かっているぞ、お前だな?』

 

あらバレてる。

 

『……さあ、何のことやら』

 

しらを切るか。どうせ決定的な証拠はないし。

 

『……あまり勝手なことをすると、教団も敵に回るぞ』

 

『それは脅しか?零細秘密結社』

 

『どうとでも取れば良いさ』

 

『………………』

 

『………………』

 

はぁ。

 

『まあ、良いさ。五分だけな』

 

『助かる』

 

さて、仕事だ。

 

「提督ー?」

 

ん。

 

「なんだ足柄」

 

「どうしたの?」

 

「何でもないさ、ちょっと仕事がな」

 

「そう?手伝う?」

 

「いや、大丈夫だ」

 

あまり巻き込みたくないのが本音だ。

 

艦娘の敵は深海棲艦、決して、裏から社会を支配しようとする秘密結社などではない。

 

「遠慮しないの!」

 

「聞いていたぞ。確かうちはアサシン教団とやらに手を貸していたな」

 

「仕事ですか」

 

「はい、頑張りますね」

 

湧いて出る妙高型。

 

はぁ。

 

「分かった分かった。皆んなもー、わがままなんだからぁ」

 

 

 

さて、無理矢理付いて来た妙高型諸君と、ちょっとした仕事だ。

 

スペイン広場にて、撤退するアサシン達の支援……。

 

俺も妙高型も変装済み。

 

さあ、あとは戦うだけだ。

 

……来たな。

 

『アサシンだ!!』

 

『殺せ!』

 

『ここだ、追え!!』

 

「最後に確認するけど、殺すなよ!良いな!!」

 

「「「「了解!!」」」」

 

『だ、誰だ、ぐわっ』

 

『ひいっ、折れっ』

 

『がはっ』

 

三十人くらいか、これならすぐだ。

 

「悪いね、仕事なんだ」

 

俺は、迅速にアブスターゴの兵隊の骨を折っていく。ただの兵隊風情、簡単に潰せる。

 

……これで囮にくらいはなっただろう。

 

あとは勝手に撤退してくれ、アサシン。

 

 

 

「いやー、凄かったですね、司令官」

 

「青葉……、見てたのか?」

 

アブスターゴの連中を叩き潰し、方々に散っていった妙高型。

 

囮の役目は果たしたと言える。

 

「見てましたよぉ〜、態々外国に来てまで大立ち回りとは、司令官らしいですねぇ」

 

「変装してたんだが」

 

「動きで分かります!司令官は無駄のない無駄な動きを挟みつつ、綺麗に骨を折ったりとか、治りやすい怪我をさせてますね?」

 

おお、分かるか。

 

「で、骨を砕いたりとか、毒を使ったり、刃物を使ったりするのは妙高型の皆さんですね?」

 

正解だ。

 

「いやー、凄かったです!全部はこのカメラに記録されて、あっ」

 

あっ、スられた。

 

「もー、駄目です、よっと!」

 

すると青葉は、人間では考えられないスピードで踏み込み、スリをした男の首根っこを捕まえる。

 

そしてカメラを取り返すと。

 

「えい」

 

軽い掛け声と共に一撃。

 

『あああぁ!!』

 

それだけで紙切れのように吹っ飛んでくスリ。

 

カラテ!ブラボー!などと言って沸き立つ現地民。

 

「えへへ、めるしー!」

 

それはフランス語な。

 

 

 

ここはトレヴィの泉。

 

後ろを向いてコインを投げると云々ってあれだ。

 

ここには……、お、鈴谷と熊野がいるな。

 

「どうだ、泉にコインは入ったか?」

 

「もちろん!」

 

「もちろんですわ!」

 

ほー。

 

「ちゃんと二枚入れたからね!」

 

確か、二枚だと、好きな人とずっと一緒にいられる……、とか。

 

相変わらず可愛いことするなぁ。

 

「まあ、私はよく分かってないんだけどね!ゲージュツってやつ?」

 

鈴谷はあまり興味がないのか?

 

「この辺では最大の、バロック様式の建築物だぞ、美しいだろう」

 

「えー、わかんなーい。バロック様式って何ー?」

 

「バロックってのは十七世紀頃のイタリアから始まった運動で……」

 

「分かんないってば、もっと分かりやすく!」

 

「すごく派手で綺麗なのをバロック様式って言うのよ」

 

「そうなんだ凄ーい!」

 

やったね!

 

……これは別に、鈴谷が馬鹿なのではない。

 

一般人の見識からすればこんなもんだろう。

 

バロック様式を凄く派手で綺麗の一言でまとめて良いのか、それはまあ、グレーゾーンだが。

 

「鈴谷、貴女はもっと審美眼と言うものを養うべきでしてよ?」

 

「そんなのどこで使うのよー」

 

「現に今使い所ですわよ」

 

まあ、ほら、俺は気にしないから。

 

よく世の中には女性も自立をスキルをとか言う人いるけど、俺は可愛ければそれでよしだと思ってる。

 

 

 

そして、ここはコロッセオ。

 

ここには……、お、海風がいる。

 

「あら、提督」

 

「やあ、海風!コロッセオはどうだ、古き良き文化に触れていい刺激になったか?」

 

「ええ」

 

それは重畳!

 

「ねえ、提督?」

 

「む、どうした?」

 

「かつての人々は、ここで殺し合いを見世物にしたのよね?」

 

「そうだぞ!剣闘士だな」

 

「へえ、面白そう。私達もやらない?」

 

は?

 

「え?」

 

「鎮守府内で剣を交えるのよ」

 

「い、いやいやいや、駄目だってば!」

 

何を言ってるんだこの子は。

 

「そうかしら?私達が戦うのを、提督が眺める……、素敵な催しだと思うのだけれど?」

 

「いや、私闘は……。当時の剣闘士だってな、喧嘩は禁じられていたんだぞ」

 

豆知識。

 

「大丈夫よ、私達なら腹に刃物が刺さったくらいじゃ死なないし、怪我はドックですぐ治る……。うん、そうね、やりましょう。姉さんに相談してくるわ」

 

「え?駄目だかんね?」

 

「大丈夫よ、提督を楽しませてあげる」

 

君達が戦っても俺は楽しくないよ?

 

「提督を取り合って戦い合う……、ふふ、楽しそう!他の艦娘と本気で手合わせしたかったのよね!」

 

まあ、そんなに戦いたいなら……。

 

 

 

さて、一日目は終了だ、良い感じの四つ星ホテルに泊まる。

 

本当は五つ星でも良かったんだがね、あんまり贅沢し過ぎるのも良くないよね。

 

そして不公平になるとか言う謎の理由で俺は一人部屋だ。

 

まあ良いさ、一人寂しく寝るもんね。

 




重巡
観光楽しい。

白露型
骨董品店でアーティファクトや魔道書を探していた。

旅人
昔滞在していた頃、観光名所は一通り回った。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。