旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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ロブスターって食ったことないけど美味いのあれ?

伊勢海老は美味かった記憶がある。

因みに蟹は嫌い。


275話 黒井鎮守府修学旅行ロンドン編 前編

修学旅行の続きだ。

 

連れて行くのは戦艦と睦月型、音成鎮守府。

 

行き先はイギリス。

 

ロンドン。

 

ロンドンだ。

 

ロンドンと言えば……、俺の母校のグレッセンヘラーカレッジがある。

 

結構上等な大学なんだぜ?凄いだろ?褒めて。

 

女の子の大好きな3K……、即ち、高学歴、高身長、高収入の俺。

 

俺、カッコいーーー!!!

 

うんうん、やっぱり俺はイケメンだなあと感心しながらも、空の旅。

 

「わー、凄いです!」

 

隣に乗せた守子ちゃんが柄にもなくはしゃいでる。

 

「どしたの?」

 

「だって、飛行機の運転席に座れる機会なんてないですよ普通!船なら何度も乗ったことがあるんですけど」

 

そうかい?

 

「どうだい、運転席から見る景色は」

 

「凄いです!」

 

目を輝かせる守子ちゃん。乗り物好きなのかな。可愛い。

 

『has he lost……』

 

「あ、ごめんね、音楽かけちゃって。消そうか?」

 

「あ、いえ、お構いなく」

 

今日はブラックサバスの気分だった。

 

「女の子隣に乗せてんのにロックは良くないかなーって」

 

「え?そうですか?私は気にしませんよ?カッコいいと思います」

 

「マジ?いやあ、女の子ってあんまりロックの良さを分かってくれないからさあ。守子ちゃん、好きなグループは?」

 

「え?えーと、色々あるんですけど、そうですね、マンウィズアミッションとか?」

 

鉄血のオルフェンズじゃねえか!

 

まあ、これっぽっちも、面白くなかったけどな。

 

 

 

「はい、じゃあ、分かってると思うが、殺し、喧嘩は厳禁ね。はい、解散」

 

解散する。

 

「ん?守子ちゃんも好きなところ行って良いよ?」

 

「いえ、私、海外とか初めてて」

 

「大丈夫大丈夫、身ぐるみ剥がされることはあっても死にはしないから、多分」

 

「こ、怖いんですよ!」

 

んー?

 

「じゃあ、一緒に観光する?」

 

「はい、お願いします!」

 

一人旅がおススメなんだがな。

 

一人でこそ、誰にも頼らずに自分で行動するから、成長できる。そう言うとこある。

 

でもまあ、心細いってのは分かったよ。なら、手を握ってあげようじゃないか。

 

 

 

「取り敢えず、その辺のカフェでお茶でも飲んで一服しよう」

 

「はい」

 

「ンー、流石は本場!紅茶が美味しいネー!」

 

おっ、金剛発見。

 

「やあ、金剛。ティータイムかい?」

 

「イエース!ティータイムデース!提督も一緒にどうデスカー?」

 

「もちろんOK。ほら、守子ちゃんも注文しなよ」

 

「は、はい」

 

守子ちゃんの手を引いて、席に座る。

 

「……提督は渡しませんヨ」

 

「ひっ?!い、いえ、これはそう言うんじゃなくて……!!」

 

「ああ、守子ちゃんが一人で海外は不安だって言うからね。まあ、ちょっとしたデートさ」

 

「ズルイデース!」

 

「もー、金剛とは何度もデートしてるだろ?たまに守子ちゃんの相手したって良いじゃないか」

 

「むむむ」

 

「何がむむむだ」

 

さあ。

 

ティータイムしようか。

 

『注文は?』

 

『このケーキとこのケーキ。それと、これとこれ。それとスコーン。あとアールグレイ』

 

「五つも食べるんですか……」

 

ん?適量さ。

 

『お嬢さんは?』

 

「え?えっと……」

 

「何にする?」

 

「じゃあ、スコーンを。それと折角なので紅茶を」

 

「アールグレイで良い?」

 

「あ、はい」

 

『スコーン一つ。それと、アールグレイ』

 

『はい、ご注文、承りました』

 

さて、注文したものが届いて。

 

「おっ、中々美味いな」

 

「あっ、凄く美味しい」

 

紅茶を堪能する俺達。

 

「うう、最近体重がアレなのに……。スコーン美味しい、美味しいよぉ……」

 

「んー?ダイエットしたいなら、護身術でも教えてあげようか?」

 

「え?いやいや、私なんかに時間を割いていただかなくても」

 

「良いさ、それくらい。ついでに空母も呼んでダイエットさせなきゃな。アレはまずい」

 

「むー、私も混ぜて下サーイ!」

 

「君は護身術なんて要らないくらいに強いだろうに」

 

 

 

「バッキンガム宮殿だ」

 

「名前くらいなら……」

 

「ちょうど今、衛兵交代式やるってさ、見ていこうか」

 

「はい!」

 

おや、あそこにいるのは。

 

「武蔵じゃないか」

 

「む、提督か」

 

どうしたんだ、珍しい。観光って柄でもないだろ。

 

「いや、仮に英国に攻め入る場合、どれだけの防衛力があるのか知りたくてな」

 

「あーら、物騒」

 

「だが、この程度なら簡単そうだ。この施設一つくらいなら、艦娘どころか黒井鎮守府の戦闘用ロボットで落とせるな」

 

あのね、あのね。

 

「別に俺は英国と騒ぎを起こそうなんて気は無いからね」

 

「そうか」

 

それに……。

 

「英国には死ぬ程強い吸血鬼がいるからな」

 

「ほう?私でも無理か」

 

「無理だね」

 

アレには勝てないだろう。

 

「成る程、世界は広いな」

 

ニヤリと笑う武蔵。

 

 

 

ロンドン塔。

 

「ちょっと、ここ、怖いですね」

 

「ああ、まあ、何体か霊はいるな」

 

「……え?!い、いるんですか?!」

 

そりゃいるさ、処刑や幽閉に使われた施設だぞ、出るに決まってる。

 

「だ、大丈夫なんですか、それって」

 

「んー?多分大丈夫でしょ。深夜とかならヤバいかもね」

 

「そう言うもの、なんですか?やっぱり、夜の方がお化けは活発になるとか」

 

「そうだね、基本そう。人がいないであろう時間に動き出すよ。でも、上位の存在となってくると、時間関係なしに動き回るけどね」

 

ここには、そんなに強いのはいない。

 

「あ、やあ」

 

「……今、何に挨拶したんですか?」

 

「いや、普通に幽霊にだけど」

 

俺、人格があるなら幽霊でも人間とカウントしていいと思うのよね。

 

「じょ、冗談ですよね?」

 

「子供二人だったからリチャード5世とその弟だろうよ」

 

「ひぃぃ……。す、すみません、手を繋いでもらっても、良いですか?」

 

「ん?良いよー」

 

どうした、甘えたいのか守子ちゃん。

 

 

 

ロンドン郊外、魔術協会付近。

 

……ん?

 

「逃げようか守子ちゃん」

 

「は、ええ?」

 

守子ちゃんを姫抱きにして逃げる。

 

いや、ねえ?

 

『いたぞー!!』

 

『捕まえろ、旅人だ!』

 

『今日こそ異界の魔術を我らの手に!!』

 

ほーら、おいでなすった!

 

こりゃ不味いな、手伝ってもらおう。

 

「ミカァ!!!!」

 

「はい、お呼びですか」

 

そして空から降ってくる三日月。落下系ヒロインかな?

 

「追っ手が邪魔でね、死なない程度に相手してやってくれ」

 

「了解しました」

 

ミカを差し向ける。

 

そして俺と守子ちゃんは逃げる……。

 

 

 

ロンドンアイまで逃げた。今は守子ちゃんと二人で観覧車に乗っている。

 

「はあ、はあ、何だったんですかアレは?!」

 

「あれはね、魔術協会」

 

「魔術協会?」

 

「その名の通りよ。魔術の研究をしている機関なんだけどね、そこに狙われてんの、俺」

 

「何でまた……」

 

いやあ、こっちが聞きたいよ。

 

「多分、俺の知識と体質を狙ってのことだろうね」

 

「そ、それじゃあ、アレですか?カルト宗教みたいに、生贄にされちゃったり?」

 

「いや、ホルマリン漬けじゃない?あと記憶操作」

 

「うう、何でですかぁ……」

 

「魂のエネルギーを物質化するソウルの魔術、超高性能なノースティリスの魔法、秘匿され続けた悍ましいヤーナムの秘儀……、俺の頭の中には、研究者が欲しがるような知識で一杯なのよ」

 

「それは、また……。穏便に教えるとかは、できないんですか?」

 

「やーだよめんどくせー」

 

まあ、相手が美人なら考えないこともないがね。

 

「それと体質。俺、上位者だったりエーテル病だったりプラスミドだったり、色々と入ってるから。まあ、大体は仙人なんだけど。だからまあ、魔術の触媒の材料なんかになる訳よ」

 

「じ、人体を使った魔法……、考えたくないです」

 

「うちじゃ白露型が研究してるっていうから、血とか臓器とか分けてあげてるんだけど」

 

「うう、グロテスクな話は、あまり……」

 

あ、そう?ごめんね?

 

「あとは、俺の持っているアイテムを奪おうとしてるんだろなー」

 

「アイテムですか?」

 

「ほら、これとか、これ、これなんかも魔術的に価値がある」

 

「これは?」

 

「上位者……、まあ、なんだ、神様の血液だよ」

 

「こっちは?」

 

「トラペゾヘドロン。魔術的に価値がある宝石かな」

 

「これは?」

 

「ゴールドオーブ。時間改変の力を持つ強力なマジックアイテムだね」

 

「……そりゃあ、狙われもしますよねぇ」

 

そうかなぁ?

 

「まあそれより、景色見なよ、綺麗だよー」

 

「はぁ……」

 

 

 

「さあ、夜だ!置屋にでも……、って、守子ちゃんいるから無理かぁ」

 

「え?」

 

「いや、風俗行こうかと思ったんだけど」

 

「え、あ、その、だ、大丈夫です!待ってるんで!!」

 

「いや、そこまで屑じゃないよ。さ、ホテルに戻って今晩は寝ようか」

 

 

 

……残念だ。

 




艦娘
普通に旅行してる。

旅人
旅人イヤーは地獄耳。

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