旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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デッドプール2見に行きました。

中々面白かったですよ。


283話 大西洋攻略作戦 会議編

「この前性欲の赴くままに白露型に口噛み酒作らせたんだけど飲んでみたら魔力が付与されてたんだよね」

 

「……その話は、この作戦と関係のある話か?」

 

「いや?ないけど?」

 

「……はぁ。では、作戦会議を開始するっ!!」

 

さあて、始まりました作戦会議。

 

うちもほら、お役所仕事だから。無駄だと思ってもやらなきゃならんこともある。

 

「攻略目標は大西洋だ!ここを落とせば、人類に、いや、提督の手に海が返ってくると言っても過言ではない!心してかかれっ!」

 

長門が、海図のある壁に手を叩きつける。

 

「「「「おー!!!」」」」

 

艦娘達もやる気十分。

 

勝ったな!

 

ネタバレ:勝つ。

 

もう結果見え見えの勝負なんでやりたくないんだけど、深海棲艦さんはそうは思ってないらしくて。

 

「降伏勧告文、出してきたんやけど、あかんかったわ」

 

戦う羽目になった、らしい。

 

「ふむ」

 

「あんっ❤︎」

 

「……何で今鈴谷のおっぱい揉んだんや」

 

「いやなんとなく」

 

理由はないが。

 

「深海棲艦は徒党を組んで、大西洋の……」

 

「スカートぺろーん」

 

「めくんなや!聞いとるんか?!」

 

分かった、分かった。

 

「兎に角、このポイントにおるんや。いつも通り鎮守府の半分くらいの戦力で攻め落とすべきやとうちは思う」

 

「成る程、ありがとう龍驤」

 

「ひゃあん❤︎だ、だからぁ、真面目な話をしてる時にスカートめくるんやない!」

 

「白か」

 

「もー!やる気あるんかー?」

 

ないでー。

 

「だってもう、ねぇ?鎮守府の半数嗾けるんなら、勝てるでしょ」

 

この物語は艦娘TUEEEEものだから。

 

前々から言っているが、黒井鎮守府に作戦など必要ない。

 

ただ、圧倒的な暴力で磨り潰すだけだ。

 

「何体殺せるか競争するっぽい!」

 

「どうせすぐに数えるのが面倒になるだろうに」

 

「ではこの、私が発明した、轟沈数カウンターを!これを使って皆んなでスコアアタックしましょう!」

 

艦娘達は、明日決行されるグランギニョル、狂気の殺戮ショーに心を躍らせている。

 

もちろん、これで油断している訳ではない。

 

最大限に楽しんではいるが。

 

殺戮に、流れる血に狂喜するのが艦娘という生き物らしい。

 

彼女達は根っからの軍人であり、暴力装置であり、殺戮者だ。

 

皆須らく、血の歓びを見出している。

 

彼女達は、狂っている。いや、これで正常なのか。

 

それは俺が決めることじゃないが。

 

「また、司令官のために戦えるのね!」

 

「提督のために深海棲艦を殺せるなんて、幸せです!」

 

「敵は殺す、それだけだ」

 

彼女達は、俺のために殺すと言う。

 

それが至高の喜びだと、存在意義だと。

 

最初は、その姿のそのままに、人としての幸せを受け取ってほしいと願っていたが、違うのだ。

 

数年の間、共に過ごして。

 

されど本質は変わらない。

 

彼女達は戦う者だ。

 

戦う者だった。

 

あんな小さな見た目の駆逐艦も、大人に見える戦艦も皆。

 

小さな差異はあれど、本質は戦神だ。

 

根本的に人とは違う。

 

人の幸せを求めることなどない。

 

ならば、命じようじゃないか。

 

「皆んな、今回も、戦ってくれ。……俺のために」

 

「「「「……はい!!!」」」」

 

それが、彼女達の幸せならば。

 

 

 

×××××××××××××××

 

『『ヤバイヤバイヤバイヤバイ』』

 

『オ、落チ着ケー!落チ着クノヨ深海双子棲姫ー!!!』

 

軽巡棲姫が言う。

 

『ココガ最終防衛ラインヨ、突破サレタラアソコニ逃ゲ込ムシカナイ……』

 

潜水棲姫が言う。

 

『ドドドドウスルンダ!!!ドウスルンダ?!!!』

 

重巡棲姫が言う。

 

『黒井鎮守府ニ目ヲツケラレタ……。モウ駄目ダァ、オシマイダァ……』

 

防空棲姫が言う。

 

そして。

 

『アンタ達……、腑抜ケタコトイッテルンジャナイワヨ!!!』

 

『『戦艦棲姫……!!』』

 

『ココガ最終防衛ラインナノヨ!気合イ入レナサイッ!!!』

 

『『ジャ、ジャア、一緒ニ戦ッテクレルノカ?』』

 

『イヤ、ワタシノ仕事ハ別ニアルカラ』

 

『『ナンダヨモオオオ!!!戦ッテクレナイノカヨオオオ!!!』』

 

『ウルサイ!オ前ノ役割ヲ果タセ!!』

 

そんなこと言われたって!!!

 

ワタシ、深海双子棲姫の黒い方、通称クロは、白い方、通称シロに話しかける。

 

『コレ、ヤバイ、ヨネ?死ヌ、ヨネェ?!』

 

『死ヌ!絶対ニ死ヌ!!殺サレル!!!』

 

生きたままミンチに加工される……。

 

終わりだ、死ぬ、殺される。

 

『チッ、アアモウ!仕方ガナイワネ!集積地棲姫ガ開発シタ新兵器ヲ渡スワ!!』

 

『『デ、デモ、ソレクライジャ……』』

 

『姫クラスノ量産型モ付ケルワ』

 

『『無理無理!彼女ガ出レバ……』』

 

『彼女ハ、アソコノ守護者ヨ、出テクルコトハナイワ』

 

うううー!!

 

なんでよ!!!

 

『深海双子棲姫!艦載機ダ!!』

 

本当だ……。

 

なんだろうこれ、降伏勧告文……?

 

えっと、内容は……。

 

《理性ある深海棲艦の諸君へ

 

前略、深海棲艦様。立秋とは名ばかりの暑い日が続いています。深海棲艦の皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 

こちらはとても元気です。皆様の攻撃が弱まりつつある今、我々黒井鎮守府は大変暇でして。暇過ぎてこの前は艦娘達と慰安旅行に行ってきました。結構楽しかったです。

 

で、本題なんですけど、降伏していただけないでしょうか。そちらにもこちらの戦力の情報は届いていると思います。結果は、火を見るよりも明らかだとは思いませんか?無駄な怪我人が出る前に、戦いになる前に、降伏してほしいと考えています。

 

正直な話、俺も、艦娘達を止めるので精一杯です。今まで、理性ある深海棲艦側にも、死人が出ないように配慮してきましたが、我が家のキリングマシーン達は殺す気満々です。つまり、ここで戦えば、貴女達は死ぬかもしれません。

 

いえ、むしろ、死んだほうがマシと言う苦痛を与えられる可能性も十分にあります。白露型は、深海棲艦を生きたまま解体し、儀式の触媒などに加工します。長門型は、その怪力で、活動している深海棲艦の四肢を千切るのです。睦月型は、レーザーや化学弾頭で溶かしてきます。

 

もちろん、降伏してくれた場合は、鎮守府近海の離島で、他の理性ある深海棲艦と自活してもらうことになるので、扱いについては保証します。

 

うちにいる深海棲艦の皆んなは、趣味に仕事に充実した日々を過ごしているそうです。皆さんも是非、彼女達の仲間になって欲しいです。

 

さて、重ねて言いますが、どうか降伏して下さい。俺も、女の子が痛めつけられるのを見るのは忍びないですし。

 

と、言う訳で、残暑厳しき折、皆様のご健勝をお祈り申し上げます。》

 

………………。

 

『『降伏シヨウ』』

 

『フザケルンジャナイワヨ!!』

 

顔を真っ赤にした戦艦棲姫が怒鳴る。

 

『何ヨコレ!舐メヤガッテ!殺スノヨ!全員殺セッ!!!』

 

『『ダ、ダッテェ……』』

 

生きたままバラバラにされちゃうって……。

 

『深海棲艦ダッテ日々進化シテイルノヨ!貴女達ガ負ケルハズナイワ!行キナサイッ!!』

 

『『ウウウウウ、分カッタ、分カッタヨゥ……』』

 

怖い上司と、怖い敵の板挟み。

 

こうして、勝てる望みのほぼない、絶望的な戦いが始まることになった……。

 

『シロ……』

 

『クロ……』

 

『『生キテ帰ロウネ……』』

 




深海棲艦
負けると分かっていながら出撃。

旅人
深海棲艦ちゃん可愛そう。

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