旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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モバマスアイドルなら、僕はやっぱりままゆ、ですかねぇ。

ちゃまとお嬢と小梅ちゃんときの子とナターリアと荒木先生とふみふみと晶葉博士と響子ちゃんとアーニャと志希にゃんと美優さんと木場さんも好き。

暴力振るってあげたい。

なお木場さんに鎮圧される模様。


291話 黒井鎮守府猛レース エピローグ

「黒井鎮守府猛レース、優勝者は……?!」

 

 

 

(溜め)

 

 

 

「ン幸子ォォォ!!!!!」

 

「え?は?え……?はぁぁぁぁぁ?!!!!」

 

 

 

俺はマイク片手に幸子にインタビューする。

 

「どうですか幸子さん。一位になったご感想は?」

 

「え?あの、ボク、レースに参加してすらいないんですけど?!」

 

「どうですか幸子さん。一位になったご感想は?」

 

「プロデューサーすーぐゴリ押しするんですから!!やめて下さいよ!!」

 

「ご感想は?パンツ脱がせますよ?」

 

「現役アイドルに堂々とセクハラ宣言しないで下さいっ!!」

 

「で?一位になったご感想をお聞かせ願いたいんですが」

 

「い、一位も何も、ボクはアドバイザーで……」

 

「幸子あれを見ろ」

 

クレーターができたレースサーキットを指差す。

 

「何が起こったか分かるか?」

 

「ええ、はい、あれですよね?ゴール前で多数のロボットが乱闘を始めて、最終的に全部爆発してレースサーキットごと吹っ飛んだんですよね」

 

そうだな。

 

縮退炉に相転移エンジン、プラズマリアクターに核融合炉。そんなエネルギーの塊であるスーパーロボット達が一堂に会し、乱闘を始めて、爆発したらどうなるか。

 

見ろ、クレーターが複数できた。

 

高濃度の放射能汚染とコジマ汚染、高エネルギーによる時空亀裂……、問題は深刻だ。

 

「と言う訳でレースはノーコンテスト、勝者なしで終わった訳だが、それでは収まりが悪いだろう?」

 

「収まりが悪いって……」

 

「取り敢えず、無事だった幸子を優勝ってことにしたんだよ」

 

「い、いやいやいやいや、意味分かりませんから!」

 

「いやもうめんどくさいし……、観客もいる中引き分けですーっ、てのも何かアレだろ?」

 

「そ、そうかもしれませんけどぉ!」

 

「そして、困った俺の元にほら、幸子だ」

 

「ボク、ですか?」

 

「幸子は万能のジョーカーだろ」

 

「なんですかその過大評価は」

 

「アフリカにロケに送った時も、イ◯テQでイ◯トさんとスカイダイビングやらせた時も、北の海でクリオネと戯れた時も、幸子は十全にミッションをこなしてくれた」

 

懐かしいなー。

 

「ええ、ええ、覚えてますとも……!プロデューサーのせいで何度も死にかけたのをねぇ!!!」

 

「生きてんじゃん」

 

「なーにを言ってるんですか!アフリカじゃライオンの群れに突撃して!!」

 

「可愛いだろ、ライオン」

 

「生きた心地がしませんでしたよ!!そしてイ◯トさんとのスカイダイビングの件では何故かプロデューサーも一緒に飛びましたし!!!」

 

「俺も飛びたかったし」

 

「クリオネの件では、何でしたっけ、流氷の天使とコラボレーション?ダブル天使?ってふざけてるんですかぁ!!!」

 

「本気だが?」

 

勘違いしないでほしい、幸子に持ってくる仕事はいつだって全力全開で本気の仕事だった。

 

「ボクは、ボクはアイドルなんです!!イ◯トさんとか出川◯朗さんみたいな芸人じゃないんですよっ!!」

 

「わーかってる、わーかってるよぉ」

 

「プロデューサーのせいで!未だにその手のバラエティ番組からのオファーがめちゃくちゃ来るんですからねっ!分かりますか?!」

 

「良かったじゃん」

 

「……まあ、お仕事があるのは嬉しいんですけど、ボクもアイドルなんですからこう、歌ったり踊ったりとか」

 

「じゃあ、やるか?出資するから」

 

「スポンサーになってくれるんですか?!」

 

「ああ。取り敢えずアマゾンの奥地で……」

 

「だーかーらー!!!」

 

 

 

「……兎に角、優勝者は君だ。これ、賞金と俺になんでも言うこと聞いてもらえる券」

 

「賞金、ってうわあ!これいくらあるんですか?!」

 

「三億」

 

「三億?!」

 

「安心しろ、日本円だ。ドルな訳ないだろ?」

 

「いやそれでも三億ですよ?!」

 

「またまた、アイドルの幸子様からすりゃあ端金でしょうよ」

 

国内外にも名声が轟く天下の346プロのアイドル様ダルルォ?

 

「あのですねぇ、プロデューサーのぶち壊れた金銭感覚からすれば端金かもしれませんが、一般市民からすれば一生暮らせるくらいの大金ですよ?ぽいっと人に渡さないで下さい」

 

そうなの?

 

「でも誰も受け取る人いないし」

 

「じゃあ貯金して下さいよ」

 

「旅人は宵越しの銭を持たない。ちょっとの小銭と明日のパンツさえあればいい。酒代と風俗代もありゃ上等よ」

 

「相変わらずぶっ飛んでますね……。端的に言って頭がおかしいです」

 

ははは、酷いなあ。

 

「分かった分かった、じゃあこの、俺が何でも言うことを聞いてあげる券を進呈しよう」

 

「何ですかそれ、子供の肩たたき券みたいなものですか?」

 

「そんなもんかね。一時的に俺の時間を割いてあげる券かな。具体的には24時間くらい」

 

「なあんだ、それじゃあ、プロデューサーに戻って下さいって、お願いできないじゃないですか」

 

んー?

 

「あれ?戻ってきて欲しいの?」

 

「それは……、そうですよ。皆んな、貴方がプロデューサーをしてくれていた時が一番楽しかったんですから」

 

「そう、か」

 

そうだな、楽しかったな。

 

「……なんで、プロデューサーは、プロデューサーをやめちゃったんですか?」

 

「……そりゃあ、君らが俺の支えなしでも真っ直ぐ立てるようになったから。それと」

 

「上司が気に食わなかった、とか言わないで下さいよ?」

 

「……上司が気に食わなかったからだ!!」

 

はぁ、と溜息をついた幸子。

 

な、なんだよっ、その目は!

 

「あのですねえ、アイドル部門を解体するって宣言は確かに大事件でしたよ?でも、何でそこで、あっちのプロデューサーさんみたく言葉で説得しようと思わなかったんですか?」

 

「俺、キレると手と口が同時に出ちゃうタイプだから」

 

「ほんっとにクズですねっ!!!」

 

いやあ、しゃあないよあれは、しゃあない。

 

よく分からんポエム垂れ流されてシンデレラガールズ含めアイドル部門解体だもんよ。

 

「むしろビールかけくらいで済ませた俺って大人じゃね?」

 

「へいへーい!その化粧落としてやるぜ女版バンコランよぉ!とか叫んで、どこからか取り出した瓶ビールで野球よろしくビールかけって、大罪ですよ」

 

「いや許されるレベルでしょ?それをあのおばさんマジギレしてクビだーとか言うから」

 

「そりゃクビですよ、どこの世界に常務を罵倒しつつ顔面にお酒をぶっかけてクビにならない会社があるってんですか!」

 

「探せばあるかもしれねーだろ!」

 

「屁理屈はやめて下さい!」

 

ふう、とお互いに一息ついて。

 

「……皆んな、心配したんですよ?」

 

「それは、ごめんね」

 

「クビだー!って言われた瞬間、おー辞めてヤルァ!って叫んで出て行ったそうですね」

 

「そうだね」

 

「何でそう、無茶ばっかりするんですか」

 

「楽しいだろ?」

 

「あーやっぱり狂ってますね貴方」

 

何故か狂人扱いされる俺。

 

コレガワカラナイ。

 

「まあ、こっちの、何でも言うことを聞いてもらえる券は貰っておきますよ。プロデューサーのことですから、地球の裏側にいたってすっ飛んできて、本当に何でも言うことを聞いてくれるんでしょうし」

 

「ああ、聞くとも」

 

「それじゃあ、ボクは帰ります。……皆んなともたまには会ってあげて下さいね!」

 

「ああ、会うとも」

 

手を振る幸子を見送る。

 

さて。

 

「この放射能汚染とコジマ汚染と時空亀裂がある空間からダウンした艦娘達を拾って来なきゃな……」

 

お仕事お仕事、と。

 

今の仕事は提督、だからな。




輿水幸子
歌って踊れるスーパーアイドル。スペシャルアドバイザーとして呼ばれたが気付けば優勝していた。主にイ◯テQなどから出演依頼が来て、秘境に飛ばされる。この前はイ◯トさんとアマゾンの奥地にロケに行った。

旅人
元346プロのプロデューサー。上司に逆らってクビになった。仕事ぶりは有能で、一人で数十人をプロデュースしていた。

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