こういう、豆知識が得られる系の漫画割と好きです。鬼灯の冷徹とか。小学生の頃は図書館の偉人系漫画めっちゃ読みました。
思うに、世界観とか設定がしっかりしてる作品は面白いんですよね。荒木先生もキャラと世界観作り込めば後は勝手に物語ができるって言ってたし。
その点このssは世界観ふわふわタイムなので内容はアレでしょ?
「ところで」
「何?」
「先日のコロシアムの件で、艦娘の強さは大体確認できましたが」
「おう」
「提督は、如何程の強さをお持ちで?」
え?
「弱いよ、俺は」
「またまた、ご謙遜を」
君達が秒単位で殺す鬼クラスを数十分かけないと殺せないくらいだ。
「組手などはよく相手になって下さいますが……、提督の本気は見たことがありません」
「そりゃあ本気出して戦うような事態にならないからね」
むしろ、そうなったら困るよね。
「と言う訳なので、提督に全力で戦っていただけるように、敵を用意致しました。是非、お力を振るって下さい」
「建前は?」
「力というものは使わないと鈍るものです。私も、事務仕事の合間に組み手や出撃をこなしていますから。提督のお身体が鈍ることのないようにと言う善意からの行動です」
ふむ、一理ある。
「本音は?」
「提督が勇ましく戦う姿を録画して、新たなオカズにします。性的な意味で」
ふむ。
やはりか。
「んー、まー、確かになー。最近は全力で戦うなんてことないし。ちょっとばかり戦うのも悪くねえかー」
「では、戦って下さいますか?」
「よし、良いだろう」
たまには俺がかっこよく戦う姿を見せてやるかァ〜。
『ではまず、最初に、鎮守府に侵入しようとしたスパイの皆さんです!』
ほー。
「やってやる、やってやるぞ……!」
「殺さなきゃ、殺される!」
「クソ……!」
武装した人間か。
『愚かにも、鎮守府に侵入しようとした屑共を捕らえて……、武器を持たせ、提督を殺せば逃がしてやると指示しました!』
成る程ね。
『本来であれば、このような不敬、許されざることです。しかし、慈悲深き提督は処刑を禁じられております。ならば、せめても、有効活用をすべきだと思い、このような催しを!』
観客席の艦娘達から感動の声が上がる。
『では、第一回戦、始め!』
「「「「うおおおお!!!」」」」
アサルトライフルで射撃してくるスパイの皆様。
ううん、普通に避けるが。
そして普通に殴るが。
男だし、容赦はいらないよね。
「おらよ」
一人目、銃弾を避けながら接近、顔面を殴り抜ける。
「ぐはっ」
二人目、大きく飛んで顔面を踏みつける。
「ぐえっ」
三人目、二人目を投げ飛ばしてぶつける。
「ぎゃあ」
四人目、腹パン。
「ごふっ」
まあ、死なない程度に加減してやってるから。骨くらいは折れてるかもしれんけど。
さて、武器を取り上げて。
『テレポートアザー』
どこかへランダム転移させる。
『まだまだいますよー!』
実況の大淀から声がかかる。
「めんどくせえな」
なら、こうだ。
旅人奥義……、
「精神破壊ピクチャーズ!!」
邪神が写った写真を掲げる。
そして、それを見たスパイ達はSAN値チェック失敗、全員が泡を吹いて倒れた。
「こんなもんか」
『成る程、知能プレイですね!』
『さて、第二回戦、黒井鎮守府戦闘ロボです!』
人型アンドロイドが多数。
戦力は……、まあ、人より大分強いかなーってくらい。
成る程、となると、手札の精神感応系は使えないな。
「物理は苦手なんだがなあ」
物理戦闘はあんまり。
え?その図体で、って?
これは家事に本気で取り組んでいたらこうなっただけであまり関係ない。
え?肉体は飾りなのか、って?
おっとやめておけ、心は硝子だぞ。
「さ、行こうか」
『ヘイスト』
速度バフ。
『レイジIII』
攻撃力バフ。
「南斗水鳥拳奥義!天地分龍手!!!」
真空波を飛ばして敵を切り裂く技だ。
『beep』
しかし、表面装甲を削るに留まる。ならばそこに!
《ソウルの結晶槍!!!》
『……!!』
よし、破壊した。
『まだまだいますよー!』
実況の大淀から声がかかる。
クッソ、火力足りねえ。
「お次はこれだ!共振パンチ!!!」
破壊、と。
「虎砲!!!」
つ、ぎぃ!
「フラッシュピストンマッハパンチ!!!」
『第三回戦!神話生物です!!』
ええー、俺もう疲れたんだけど?
と言っても来るか。
もちろん提供は白露型。
ん?艦娘にSAN値チェックは入らないのかって?
安心してほしい、艦娘達のSAN値は元々ゼロだ。
まずは一体目、星の精。
ブヨブヨの透明な、心臓のような肉塊。鉤爪と吸血針を持つ。血を吸って来る奴だ。あ、いや、夕立じゃないよ、夕立も血を吸って来るけど。
『キチキチキチキチ……』
ほう、鉤爪か?
「よっと」
身を躱す。
掠りもしない。
回避<99>だ。
そもそも、こう言った知能の低い生命体の攻撃は避けやすいんだ。自前のスピードで負けてない以上、戦略や戦術を使ってこないなら、避けるのも動きを読むのも容易い。
「しぇい!!」
『ギチッ』
南斗聖拳で斬りつける。
そして、背後から迫る火の精に、
「へいパス」
『ギギギ?!』
放り投げた。
引火して燃える星の精。
「ご苦労」
星の精が燃え尽きた頃、火の精を手持ちの消火器で吹き飛ばす。
はい次。
ゾンビ、はー。
《大発火》
呪術の炎で燃やす。
次、空鬼。
まあ、グロいんで詳しい描写は避けるが、鉤爪を持った人より大きな人型の化け物だ。
ぐ、おお。
《墓王の大剣舞!!!》
脳の回路が焼き切れるのを感じる。俺は本来、墓王の大剣舞を使える程呪術を習熟していない。つまり、無理してるんだ。過ぎた術の行使は自らの身を焼く。
「ぶっ、は」
あっ、鼻血出ちゃった、カッコ悪いなあ。
ハンカチで鼻血を拭いつつ、次。
『メ"エ"エ"エ"!!!』
黒い仔山羊かぁ。
ああそうだな黒くて……、数メートルのカブのような球体に数本の山羊のような足が生えて、てっぺんから触手が生えていて、そこら中に口があって、そこから仔山羊の断末魔の様な声を出し続ける化け物、かな。
兎に角、大物だ。
手札切らなきゃな。
『マホカジャ』
魔法攻撃力上昇。
『ラクンダ』
敵防御力減少。
そして。
「カートリッジロォォォド!!!」
足りない魔力量を補う為、十本の魔力が詰まったカートリッジをロードする。
「ディバインッ!!!バスタァァァ!!!」
知り合いの魔砲少女から習った砲撃魔法をぶち込む。
しかし、無理な魔法行使にまたもや脳の回路が悲鳴を上げ、焼き切れる。
「うぐっ、おええっ」
うん、コップ一杯分くらいかな?
ああ、いや、吐いた血の量のこと。
『第四回戦!工廠謹製ホムンクルス(?)です!!』
ほーん。
『遺伝子は提督のものと私のものを使用!結果、多彩な攻撃手段を持つ防御型のクリーチャーになりました!戦力的には練度百相当の艦娘並の身体能力があるでしょう!』
「手札切れなんだが?」
『キシュァオーーー!!!』
さーて、どうしましょっかねー。
……うん、泥仕合か。
………………
…………
……
三時間後。
「しゃあっ!!!」
『ゴアァァァ!!!』
フルハベル装備の俺は、やっとの思いでホムンクルス(?)の脳天を貫き、撃滅した。
既に複数の内臓は潰れており、右腕は切り落とされている。左足は骨が露出するほど齧られており、右目は抉られている。
「や、やっと勝てた……」
一言、と同時に仰向けに倒れる。
「チカレタ」
『お疲れ様でした、提督!』
本当にね。
「で、どう?俺の弱さ分かった?」
「いえ、予想以上にやるな、と言ったところですかね」
そう?
「あのホムンクルス(?)には勝てないと予想していました。火力的に」
あー、そうだね。
「まあC4の自爆特攻で大ダメージを与えることができたからな」
「本当、無茶しますね」
「しなやす」
まあ、良い見世物にはなったか。
もう暫くは戦わねーぞ。
旅人
バフを盛ると仮面ライダー並の瞬間火力を見せる。タンク系なので攻撃力はお察し。