旅人提督の世界征服までの道程   作:ハードオン

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グロ書いてとの要望があったけど、別にグロくない話になってしまった。

グロとリョナは微妙に違うものでは?


329話 グロみ

……『あら、時雨じゃない』

 

……『雷か。ん?どうかしたかな?』

 

……『そうねえ、たまには皆んなで遊ばない?』

 

……『まあ、構わないけどね』

 

……『丁度さっき、可愛い絵柄のアニメを見つけたの!皆んなで見てみましょう?』

 

……『良いとも。タイトルは?』

 

……『ハッピーツリーフレンズって言うんだけど』

 

 

 

やあ!僕は旅人!黒井鎮守府の提督さ!

 

アメリカンなノリでこんにちは。

 

いやー。

 

そのね?

 

おかしなテンションにもなるわ。

 

なんか知らんけど、休憩室で艦娘がハッピーツリーフレンズ見て笑ってる。

 

あれ、笑えるもんじゃなくない?

 

分からない人のために解説しよう。

 

ハッピーツリーフレンズとは、海外アニメで、超ゴアなグロ表現ばかりの酷いアニメだ。いや、好きな人には申し訳ないが、少なくとも教育によろしくはないとだけ言っておく。

 

内容は、動物を模したカラフルなキャラクター達が、時に爆散し、燃え尽き、ミンチになる、グロアニメである。

 

それを、何故か知らないが、駆逐艦達が見ている。

 

「あ、頭吹っ飛んだわね」

 

「面白ーい」

 

「ふむ、提督ならこれくらい……」

 

え?

 

何その……。

 

もうさ、これさ、俺が死ぬやつだよね?

 

分かってる、分かってるよ、もう分かりきっているともよ!

 

どうせあれだろ?!俺がハッピーツリーフレンズみたいな目に遭うんだろ!!

 

そうなんだろ!!

 

分かってんだよそんなこたぁ!!

 

「うわー、バラバラになったねえ」

 

「提督も頼めばバラバラになってくれるっぽい」

 

「提督、次は燃えてもらおうかな」

 

ひええええ。

 

「よーし、皆んなで司令官と遊びましょう!」

 

「「「「おー!」」」」

 

え?

 

俺で遊ぶの?

 

また殺されんの俺?

 

怖いわー。

 

まあ、良いけど。

 

「はい、ここで朗報です!私達工廠組が、新たに作ったこの発明品!名付けて『死亡空間生成装置』!!試してみて下さい!!」

 

「あ、明石さん」

 

「これは?」

 

「ギャクマンガ空間生成装置などの、因果操作系の機械を弄ってたら出来たマシンです!使うと死にます!」

 

怖っ。

 

誰が使うんだそんなの。

 

「提督に使ってもらいましょう!」

 

あ、俺なのね。

 

はいはい。

 

「大丈夫かな……、司令官さん、死んじゃうかもしれないのです」

 

おお、電!優しい心。

 

そう言うの忘れないでいてほしい。

 

「あはは、電?何言ってるのよ?」

 

ん?村雨?

 

「提督が死ぬ訳ないじゃない!」

 

「それもそうですね!」

 

「「あはははは!!」」

 

んー?

 

んんんー?

 

優しい心はー?

 

優しい心は何処へー?

 

「ギャクマンガ空間生成装置も併用して使うんで、死にはしないと思いますが、まあ、死ぬ程痛い思いはすると思いますね」

 

何で他人事?

 

酷くない?

 

俺、ひょっとして嫌われてたりする?

 

「ふむ、それを使うと、死の因果が引き寄せられると言うことかい?」

 

「あ、そうですそうです」

 

「なら、敵対組織に使うことで自然死や事故死に見せかけた殺しができるのか……。役に立つじゃないか」

 

時雨が嬉しそうに頷く。

 

え?

 

でもテストは俺でやるんでしょ?

 

「そうだよ」

 

「提督さん、ちょーっと、お手伝いして欲しいっぽい!」

 

おおーっと、見つかっていたか。

 

「んもー、しょうがないなあ」

 

まあ、何回か死ぬくらいなら良いかなあ。

 

 

 

五、六回ミンチになった。

 

ダイジェストでお送りすると、まず、装置を起動すると演習場からミサイルの流れ弾が。

 

転移で逃げようとしたが珍しく失敗して、爆炎に包まれる。

 

上半身だけで這って動いていたら、鎮守府の一部が倒壊して潰される。

 

黒井鎮守府の機動兵器群が誤作動を起こして俺に自爆特攻。爆死。

 

鎮守府内の防衛機構が誤作動、俺に牙を剥く。レーザーブレードで賽の目に切り分けられた。

 

黒井鎮守府内に悪魔が大量発生、守子ちゃんを庇って斬られて臓物ポロリ。

 

いやー、死んだ死んだ、大分死んだ。

 

でもさ、思ったんだけど。

 

「これさ、捕まえてきた深海棲艦で試せば良かったんじゃね?」

 

あ、時雨が目を逸らした。

 

俺の死体が欲しかったらしい。

 

ならしょうがないな。

 

次、捕まえてきた深海棲艦でテスト。

 

適当な深海棲艦を鎮守府内に放流し、装置を起動。

 

……面白いように死んでいく。

 

他殺だけではなく、事故死、自然死も含め、狙ってやってるでしょそれみたいな死に方も多数。

 

 

 

テストが終わったので実装する。

 

試しに、黒井鎮守府排他派の海軍上層部に使ったらしい。

 

上映会をやる。

 

まず、会議をしている場面から始まる。テロップには、「こいつら全員死にます」と書いてある。

 

佐官らしき人が護衛と共に車に乗る。

 

しかし、エンジンがつかない。

 

訝しんだ護衛兼運転手は何度もキーを回す、すると、大爆発。

 

黒焦げになった佐官が車から這い出てくるが、そこに都合よくトラックが突撃。

 

轢かれた佐官の黒焦げの腸がびろりと伸びて、クソと肉片の混じった血が地面にペインティングされる。

 

次の佐官は、銃を持った護衛とどこかの施設内を歩いている。

 

その時、護衛の一人の銃が暴発。放たれた弾丸は跳弾し、奇跡的に佐官の横っ腹に突き刺さる。

 

佐官の体内で暴れまわった弾丸は、はらわたを引き裂いて、脇腹から出てきた。

 

真っ直ぐ進む物体というのは、得てして外力に弱い。肉体に入った弾丸は、柔らかな臓器に触れ、体内を跳ね回るのだ。

 

痛みに悶絶する佐官が膝をつき、護衛の反乱だと思い込み銃を抜いて乱射する。

 

護衛の頭蓋を撃ち抜くが、外れた弾丸は何故か全て跳弾。

 

佐官に返ってくる。

 

帰ってきた弾丸は、佐官の側頭部を貫く。

 

そこから、灰色のクリームのような脳漿と、透明な脳液、そして血液の赤が混ざった汁がドロドロと溢れて、死ぬ。

 

次の佐官は車で移動中のようだ。

 

真っ直ぐな高速道路を時速100kmを超えるスピードで走っている。

 

しかし、突然運転手が胸を押さえて苦しみだすと、ハンドルに突っ伏して死んだ。心臓発作だと思われる。

 

それと同時に、それに気づいておらず、車のドアに寄りかかるようにしていた佐官。横着しているな、シートベルトはつけていなかった。

 

だが、ドアは急に外れてしまう。

 

ドアの支えを失った佐官は、咄嗟にシートベルトを掴むが、半身を道路に投げ出される形になった。

 

ところで、サンダーという工具は知っているだろうか?

 

電動ヤスリのことなんだが。

 

何が言いたいのかと言うと、今現在の状況のアスファルトは、時速100km超えのスピードで動くサンダーということだ。

 

段々とシートベルトが伸び、佐官の側頭部が、アスファルトについた。

 

まずは耳、そして頭と、ゴリゴリと削れていく佐官。

 

削れた箇所からは白い骨が見える。耳なんてもうとっくになくなっている。

 

どうにか地面に手を突こうとしても無駄だ、時速100km超えにより手は弾かれる。

 

鼻も、頬も、顎も、額も、全てが削ぎ落とされた頃。

 

対向車線からやってきたトラックとすれ違う。

 

その瞬間、首から上が対向車線のトラックに引っかかり、千切れるようにかち割れる。

 

残された身体はシートベルトから手を離してしまい、道路の上で前衛的オブジェよろしくバラバラになってブチまけられる。

 

その上を、急には止まれない車達が、死者の冒涜よろしく踏み荒らして、道路上に赤いタイヤ痕を残していく。

 

 

 

さて……。

 

「ふむ、大分コミカルな死に方だったね、面白かったよ」

 

「凄かったー!」

 

「黒井鎮守府の敵が苦しんで死んで、良かったのです!」

 

艦娘達は、お菓子片手に死のショーを見物していた。

 

女の子は優しくなきゃなあ……。

 

でも残虐でも可愛ければそれはそれでよし。

 

しかし、事故死や自然死とはいえ、ピンポイントで殺せるので、うちが疑われる可能性は高い。

 

使用は控えるようにと言いつける。

 

はあ、全く。

 

育て方、間違ったかな……。

 




暁型
普通にサイコパス。他人の痛みが分からない。

白露型
サイコパス。痛みが分かった上で平気で人体実験や拷問を繰り返す。

旅人
痛みは理解しているが、人生の中であらゆる痛みを体感したせいか、痛みに耐性がある。

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