最近は、「メスガキ」に「分からせる」のがトレンドらしい。
ツイッターで言ってた。
ふむ……。
メスガキ、とは、生意気な少女のことを指す。
しかし、分からせるとは何を指すのだろう。
何を分からせれば良いのだろうか?
俺が主に教えられるのは、KARATE、DIY、サバイバル、ちょっとの魔法とその他の技術ってところか。
そして、屈服させる?のだとか。
幼い子を屈服させても何も面白くはないと思うが……。
生意気なメスガキを懲らしめ、大人の力を見せつける、らしいな。
成る程、完全に理解した(わかってない)。
まずはメスガキを用意せねばなるまい。
「と言う訳だ、諸君」
「「「?」」」
ふむ。
「えっ、と?つまり私達は何をすれば良いのかしら?」
と、如月。
「いや、だから、俺が如月に、俺の方が上だと分からせるのだよ」
「?、それは、まあ、司令官の方が上じゃないかしら?」
「生意気な如月を屈服させるのだ」
「……!、そうなのね❤︎あらあら、何されちゃうのかしらぁ❤︎」
興奮した様子で擦り寄ってくる如月。
うぅ……。
「それで、どうやって屈服させられちゃうのかしら?やっぱり、司令官のたくましいココでかしらぁ❤︎」
俺の下半身に指を這わせる如月。
くそっ、メスガキめ……!
と、一般的な男ならやられてしまうのだろうが、俺は違う。
「そうだな……。今から如月を調教するんだ。如月がもうやめてって泣き叫んでもやめてあげないからな」
ぶるぶると身を震わせた如月は息を荒くして股間を擦り付けてくる。
「やあん❤︎そんなことされたら私、おかしくなっちゃうわぁ❤︎」
さあ、震えろ……!!
「ああん……❤︎やあ、もう駄目え、やめてぇ❤︎」
「こんなんでやめる訳ないよなあ?オラオラ、かき混ぜてやるよォ!!」
「ああ〜ん❤︎」
「……何やってるの、司令官、如月ちゃん?」
「「お菓子作り」」
睦月の問いに答えた俺は、如月にお菓子作りを分からせるために訓練していた。
やめてっつってもやめてやらねえからな!!
これは調教だ、コツを掴むまでマンツーマンで指導してやる!!
オラオラ!!
「混ぜ具合はこれくらいな。混ぜ過ぎるとかえって食感を損なうからな」
「これくらいかしら?」
「厚さは均等にな。そうじゃなきゃムラができる」
「ええ」
「オーブンの温度はこれくらい。この量ならこれくらいの時間だぞ」
「分かったわ」
十分指導したら。
「よーし、焼けたぞー!睦月型の皆んなにお裾分けにイクゾー!!」
「はーい❤︎」
はい勝ち〜〜〜(旅人はお菓子作りがプロ級のため)。
「これに懲りたら、生意気な言動は慎むんだな!!」
「うふふ、はぁい❤︎」
いやー、懲らしめた懲らしめた。
次のメスガキは……、江風!!!
「オラ、江風!!分からせてやる!!」
「え、ええ?何をだ?」
「……分からせてやる!!」
「だ、だから何をだよお?」
俺にも分からんが、兎に角分からせてやる!生意気なメスガキめっ!このっ!このっ!
「あ、じゃあ、あれを教えてくれない?」
「よーし、良いだろう、大人を舐めるなよ!!」
「あっ、凄い凄い!こンな、こンなの!」
「ほら見ろ……、これが中に入っていくんだぜ?!」
「あっ、ああっ!そ、そンなあ!」
「……何やってるの、提督、江風?」
「「礼装作り」」
山風に質問されたので答えた。
「成る程なあ、その術式の中にこれを埋め込むのか」
「そう、そして出来たのがこれ」
「使ってみて良いか?」
「いや、一枚あげるよ」
「良いの?!ありがと!」
作った礼装を江風にあげた。
大人の俺は子供と違って懐に余裕があるから、礼装をパッとあげられちゃうのだ。
「それじゃ、早速起動してみるか!そら!」
ズボン型の礼装を履いた江風は、魔力を流して礼装を起動させた。
「おお……、じゃあ、使うか。ええと、『ポケットを叩けばビスケットが一つ』!!」
俺があらかじめ設定したワードとともにポケットを叩けば、魔力によってビスケットが生成されるという術式を込めてある。
これは、物質生成の術式に、ノースティリスの錬金術の術式を埋め込み作り出した術式だ。
「おお!本当にビスケットができた!しかも小包装されてるし!」
物質生成はかなり難しい術式で、それを簡単な口述と動作の二つで自動化したこの術式は、個人的には完成度が高いと思う。
「あ、このビスケット、結構美味いな!」
味の調節も難しいところだった。ただの物質生成では、味気ないものになってしまう。そこに、ノースティリスの錬金術を埋め込むことで、ある程度の味を実現したのだ。
「やっぱり、提督はこういう面白い礼装を作るのが得意だな!時雨姉貴もその辺りは敵う気がしないって褒めてたよ!」
褒められてんのかね?
まあ、なんにせよ。
はい勝ち〜〜〜(下らないorピーキーな礼装を作らせれば旅人の右に出るものはいないため)。
「くくく、これに懲りたら、生意気な口は控えることだ!」
「ン?お、おお!」
さぁーて、お次のメスガキは……、朝霜!お前だ!!
「このメスガキめ……、分からせてやる!!」
「お、おう?あたいかい?」
「So、You!!!君だ!!!」
「な、何を分からせるんだい?」
「全てを」
「?!」
教えてやるぜ、このメスガキっ!!
「うあ、こんなの、無理ぃ……」
「弱点をガンガン突いてやる!!」
「うあああっ!」
「あら、旅人さんと朝霜さん?何をやっているのかしら?」
「「模擬戦」」
夕雲に尋ねられたので、答えた。
「おおおりゃあ!」
栄華の大剣……、古びたその大剣は、朝霜の小さな体躯と同じくらいには大きい。それを、朝霜は、艦娘という人ならざるものの膂力で操ることで、深淵を歩く獣の如き剣術を実現していた。
「がああっ!!」
ネコ科のしなやかな獣の筋肉から生み出されるような、静から動へと移り変わる時が見切れぬような、凄まじい速さで踏み込むと同時に、横一文字に大剣を振る朝霜。
それも、一度ではなく二度。
二回転の連撃は、獲物を確実に仕留める絶殺の二撃。
しかし、俺から見たらまだ甘い。
獣の如き疾さは所詮は獣の域でしかなく、剣技は、俺が見てきた、古今東西の剣豪剣聖と比べれば些か以上に劣る、拙い武技であった。
俺は、宙に飛んで回転連撃を避ける。
すると朝霜は、
「もらったあ!!!」
と、大剣を担ぐように両手で構えると、素早く空中で一回転し、その遠心力でもって、大剣を地面に叩きつけるように振り下ろした。
俺はそれに反応し、横に身を躱した。
しかし、その剣の着弾点の、整備されたグラウンドの地面は叩き割れ、爆発物を放ったかのようにクレーターができている。
それは、朝霜の一撃の威力の大きさを物語っていた。
だが。
「?、うおっ?!!」
俺はあらかじめ、朝霜の眼前に爆竹を投げておいた。
それに驚いた朝霜は、軽く身を引いた。
本当に、軽くだ。
だが、それは、戦場では十分過ぎる隙だ。
「えい」
「んっ、ああ……」
朝霜の喉元に指を突きつける。
「俺の勝ち」
「ああうー」
変な声を上げて、艤装である大剣を消し、両手を上げて降参の意を示す朝霜。
「駄目だー!あたいじゃ敵わないよー!」
「いやあ、よく頑張った方だよ?」
実際、俺じゃ殺せるかどうか。
「うっそだー、旅人さんなら、喉や動脈を斬りつけて、死ぬまでおちょくれば殺せるんでしょ、艦娘だって!」
うーん、どうだろうか。
その辺は相性の問題だ。
俺に迫る技量を持つ艦娘や、俺じゃ傷一つつけられない艦娘にはどう頑張っても勝てないが、俺が傷つけられる程度の防御力と技量の艦娘であれば、まあ、殺せないこともない。
やらないけど。
しかし、そういう艦娘には、何かしら特殊な能力や武器、技があったりするもの。一筋縄ではいかないだろう。
朝霜を楽に相手できたのは、単に、朝霜がまだ経験を積んでいないというだけ。
練度二百から三百程だろう。
しかしこれが、黒井鎮守府のトップ層である、練度六百超えの艦娘には、こういった模擬戦でしか勝ちを拾えないだろうことが分かる。
まあ、取り敢えず。
はい勝ち〜〜〜(火力を問われない模擬戦であれば技量とスピードがある旅人に敵う艦娘はそうそういないため)。
「これに懲りたら、生意気は言わないんだぞ」
「へ?あ、ああ、うん」
いやー、勝ちまくったなー。
生意気なメスガキに分からせてきたわー。
大人の力見せつけてきたわー。
これで生意気に大人である俺を誘惑してきたりはしなくなるだろうなー。
しかし。
「司令官❤︎如月の身体、好きにして良いのよ?」
「ほら、提督❤︎媚薬入り高濃度麻薬だぞ❤︎吸ってくれよな❤︎」
「旅人さんよ、あたいのここに興味あるだろ?触ってくれよぉ❤︎」
このっ、このっ!
メスガキめっ!
まだ懲りてなかったのか!
しょうがねえな。
「皆んなまとめて、分からせてやる!!」
「「「あんっ❤︎」」」
はい勝ち〜〜〜!!!
如月
生意気なメスガキ。淫乱。
江風
お調子者のメスガキ。狂乱。
朝霜
ギザ歯のメスガキ。混乱。
旅人
メスガキを分からせる大人。